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AIの発達が3Dプリント技術に与える影響とは? 3Dプリンターの第二の夜明け
2022年9月26日

AIの発達が3Dプリント技術に与える影響とは? 3Dプリンターの第二の夜明け

  AIの発達が3Dプリント技術に与える影響とは?   AIによる機械学習の可能性については、すでに多くの言葉が積み重ねられている。それは私たちの暮らしを一変させることになるだろう、あるいは少なくとも今よりもはるかに便利で快適な暮らしを提供してくれることになるだろう、云々。 これらは決して誇張ではないだろう。私たちがなんらかの希望を言葉として発するだけで、それが自動的にプログラミングされ、ただちに具現化される日というのは、そう遠くない未来に訪れるはずだ。一方でAIの発達によって不要となる職業も多く生まれるだろうということもまた兼ねてより指摘されてきた。たとえばエンジニアの仕事の一部か大部分は、AIに取って代わられる日が来るかもしれない。もちろん悲観する声ばかりではない。AIの発達はエンジニアの生産性を向上させ、彼らが今よりも快適に働くことのできる環境を提供する可能性だってある。いずれにせよ、それは完全に予測するということができない。技術の進歩が社会にどのような影響を与えることになるのかということについては、いまだ確たる見通しがないのだ。とはいえ、複数の可能性について、今から思弁を巡らせておくことは決して無駄ではないだろう。たとえ的中率は完璧でないにせよ、空模様から明日の天気を予測しておくことが大きな助けとなることだってあるはずだ。たとえば、我らが3Dプリント技術はどうだろうか。ここではAIの発達が3Dプリント技術に与える可能性がある影響について世界的3Dプリントメディア「3D PRINT.COM」の考察を頼りに探ってみたい。     3Dプリンターが真に国民の必需品になる   まず「3D PRINT.COM」によれば、AI技術が3Dプリントに与える影響は相当い大きいという。これはほぼ断言に近い。というのも、実際にそうした研究開発がすでに進められているからだ。たとえばAI Buildという企業においては、3Dプリンターのツールパスを最適化するための制御ソフトウェアを開発中だという。これは画像を3Dプリント可能なモデルに変換し、データを生成するために使用されるソフトウェアである。さらに同ソフトウェアが目指しているのは、データに合わせて最適なシステム設定を割り出すことで、現在ユーザーたちが自身で行なっている多くの退屈な作業の軽減することだという。   画像提供/Ai Build 要するに、AIの発達はやがて3Dデータのモデリングを簡易化し、出力設定の煩雑さを免除することになるだろうということだ。これが実現した場合、3Dプリンターは第二の夜明けを迎えることになるだろう。現状で3Dプリンターを正しく使用するには、それ相応の技術と知識が欠かせない。特にモデリングに関してはなかなか素人が手を出しづらいところもあり、この技術的障壁が新たなるユーザーたちの参入を防いでしまっている。しかし、それが著しく簡易化されたら? その時、3Dプリンターは真に国民の必需品へと育っていくはずだ。これだけでもすでにすごい話ではあるが、「3D PRINT.COM」はさらに踏み込んで、将来起こりうる可能性について論じている。いわくAIと機械学習は、人類の「欲望エンジン」とでも呼ぶべきものを形成し、人々が潜在意識において欲望しているものをデザイン、素材、大きさなど様々な面から割り出し、データとして提供してくれるようになるというのだ。新商品の開発のために費やされるマーケティングコストは膨大だ。欲望エンジンの実現はやがてくる未来において、その「無駄」を大幅にカットすることになる。さらにその製造に当たっても、リサイクル可能な材料の選別をはじめ、AIによる最適化が行われる。要はエネルギーを最小限に抑えるためのリサイクルシステムだ。3Dプリント技術はすでにそのシステムの一部として組み込まれていくことになる。このように見てみると、全てがAIによって合理的に管理された超管理社会が到来するかのようにも思えてしまうが、必ずしもその未来をディストピアだと悲観する必要もないだろう。今ある不必要な無駄を削ったからといって、遊びの精神まで抑圧されてしまうわけではない。いや、むしろメリハリをつけて「無駄」を楽しむことのできる社会が到来すると考えることだってできる。もっとも重要なことはいつの日も私たち自身が遊びの精神を忘れずにい続けることなのかもしれない。      

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Anycubicが開発中の未来の3Dプリンター「Photon Nex」|徐々にその驚異の全貌が明らかに
2022年9月16日

Anycubicが開発中の未来の3Dプリンター「Photon Nex」|徐々にその驚異の全貌が明らかに

  謎に包まれたPhoton Nex PhotonシリーズでおなじみのAnycubicが数年前より開発を進めているあるレジン3Dプリンターがある。その名はPhoton Nex。AnycubicいわくSF映画シリーズの「スタートレック」にインスパイアされたというデザインからも分かるように、同社はこのPhoton Nexを未来の3Dプリンターとして位置付け、開発を進めているという。これまで同社はPhoton Nexの情報を小出しにしか公開してこなかった。しかし2022年に入り、Photon Nexは少しずつ、その全貌の輪郭を露わにさせ始めている。9月に入ってからもAnycubicは公式ツイッターにおいて唐突いPhoton Nexのビジュアルを公開した。これは近いうちに何かが起こるのではないかと予感させるムーブだ。俄然、気になってくる。     Nexの革新ポイント そもそもPhoton Nexはどのような点で「未来の3Dプリンター」なのだろうか。世界的3Dプリンターメディアである「ALL3DP」によれば、Photon Nexには少なくとも4つの革新的なポイントが準備されているという。まず一つ目は「速度」だ。同社がPhoton Nexに期待している出力速度は1600mm/h。これは高さ200ミリメートルのエッフェル塔のモデルを7分半で印刷できる速度であり、もし本当に実現したら革新どころの騒ぎではない。現状でその出力速度を裏付けるような機能的説明はないものの、期待値は否応なしに高まってしまう。二つ目は「色」だ。Anycubicが当初言及していたところによれば、Photon Nexはフルカラー3Dプリンターとして想定されている。それもただのフルカラーではない。現実世界そのままの色を精巧に実現する多色3Dプリントの実現が目指されているという。いまだフルカラー3Dプリンターがそれほど一般に普及していない現状を思えば、かなり先進的なヴィジョンだろう。三つ目は「自動レベリング」だ。Photon Nexにはプリントプレートのレベリングが自動で行われるシステムが搭載される予定だという。つまり、Photon Nexにおいてはプリントプレートをレベリングするためにネジをいじって調整する必要がなくなるということだ。これは光造形ユーザーにとっては単純に非常にありがたい話だ。果たしてどうそのシステムを搭載するのかについては、いまだ明るみにされていない。四つ目は「省エネルギー」だ。Anycubicは機能性だけではなく、省エネにも強い意識を抱いている。Photon Nexではなんらかの形でゾーン照射システムが搭載される予定だという。それによって、今までの3Dプリンター以上に消費エネルギーを節約することが目指されている。さらにPhoton Nexには10.1 インチ 8K モノ LCD、自動レジン供給システム、および停電回復機能が搭載される予定だという。端的に言ってすごい。          ...

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色覚異常の治療を前進させる3Dプリント色付きメガネ
2022年9月13日

色覚異常の治療を前進させる3Dプリント色付きメガネ

  私たちは本当に同じ世界を見ている?   唐突だがこの画像を見たことがあるだろうか。     この写真に写ってるボーダー柄のドレス、実は見る人によって全く異なる色として見えることで知られているのだ。おそらく、これをお読みの方の多くは、このドレスが「白と金」のボーダー、あるいは「青と黒」のボーダーに見えていると思う。ちなみに筆者は初見において白と金のボーダーに見えた。正直、これが青と黒のボーダーに見える人がいるということが信じがたい。多分、青と黒に見えてる人もまた同じように思っているに違いない。なぜこのような違いが生じるのかといえば、この画像に対する「光の当たり方の解釈」によって見え方が変わってくるのだという。   なるほど。つまりはこの画像を見た際に、脳が勝手に光の当たり方を解釈し、それによって認識される色が何色かが変わってしまうというわけか。それにしても、なんとも奇妙な気持ちにさせられる。普段、私たちはなんとなしに、同じ人間である以上、みんな同じように世界を見ていると信じ込んでいる。私が赤だと感じている色は誰かにとっても赤に見えているはずだし、その赤は私が感じている赤と同じ赤であるはずだということに、特に疑いすら抱いていない。しかし、このドレスの画像はそうした確信を突如として揺らがせる。もしかしたら、私が赤だと信じ込んでいる色はみんなにとっての赤とは違う色なのかも。そんな疑いにさいなまれてしまう。思えば確かに、動物は種によって視覚が全く違うと言われている。そもそも認知できる色数も異なれば、解像度だってまちまちだ。たとえば猫の目は緑や青は認識できるものの赤を認識することはできないらしい。赤信号でいかに危険を知らせてみたところで、猫の世界には赤という色そのものが欠落しているのだ。   「むぎにゃん毎日猫日記」より画像引用 これはなにも種間関係に限った話でもないだろう。同じ人間であっても、色彩感覚がその種の平均的な感覚から大きく乖離してしまっている人たちもいる。そうした人々は一般に「色覚異常」と呼ばれている。     3Dプリント色付きメガネが色覚異常を補正する   色覚異常には様々なケースがあるが、最も多いとされているのは、赤緑色覚異常だ。程度によって差はあるものの、一般に赤緑色覚異常の方は、赤と緑、橙と黄緑、茶色と緑、青と紫、ピンクと白や灰色、緑と灰色や黒、赤と黒、ピンクと水色などの色を見分けることが、一般的な色覚を持つ人に比べて困難だとされている。   色覚異常の簡易検査に用いられる石原式検査表。正常とされている色覚を持っている人にはドットパターンの中に浮き上がっている数字や文様が認識可能。 こうした色覚異常によって日々の暮らしに生じる困難は様々ある。そうした困難に対処するために現在一般に用いられているのが、色付きのメガネだ。この色付きのメガネを装着すると色覚が補正され、装着していない時に比較して、色の区別が容易になる。ただ、難点もあり、通常、この色付きメガネは個人に合わせてカスタマイズされているわけではないため、装着者によっては不快であったり、あまり効果がなかったりしてしまうのだ。こうした状況を好転しようと動いているのがアブダビのハリファ科学技術大学(KU)の研究チームだ。彼らは3Dプリント技術によって個々人の色覚に合わせてカスタマイズされたレンズを出力することで、それぞれに違和感のない色付きメガネをスムーズに作り出す技術について研究している。 チームによれば、レンズへの色付けは2つの波長フィルター染料を混ぜた透明樹脂を使用して行われるという。2つのうちの1つの色素が患者にとって望ましくない赤緑色の波長をブロックし、もう1つの色素が患者にとって望ましくない黄青色の波長をフィルタリングする。これらのバランスを患者それぞれの色覚に合わせて調整することで、あらゆる人にストレスのない色付きメガネをスピーディーに作ることができるというわけだ。   メガネレンズの3Dプリントは過去にも行われてきたが、色付きメガネのレンズの3Dプリントはこれまでにない全く新しい試みである。加えて、その研究は色覚異常の人々により快適なオプションを提供する可能性がある。研究チームによれば、3Dプリントされたカラーレンズは耐久性も優れているとのこと。これは少しでも早い実用化が期待される。先に触れたドレスの色味の話からも分かるように、周囲と色彩を共有できないという状況は、それだけでも強いストレスが伴う体験だ。3Dプリント技術がそうした状況の改善につながってくれることを願ってやまない。  

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3Dプリンターはあと数十年内に死滅すると言われているサンゴ礁を救うことができるか
2022年9月11日

3Dプリンターはあと数十年内に死滅すると言われているサンゴ礁を救うことができるか

  サンゴの死滅は人類の終焉を意味する?   あの静的な見た目ゆえに一般に植物だと誤認されがちだがサンゴとは動物である。つまり、サンゴは生きている。今年の夏も日本の海で「サンゴ礁の白化」が話題となっていたが、この「白化」とはサンゴにとっての死を意味する。今、世界中の海でサンゴが死に絶えていっているということについては、海洋研究者らによってずっと指摘されてきたことだ。サンゴが死ぬことによって生じる最大の問題とは何か。それは気候変動だ。サンゴは進化論学者のリン・マーギュリスによって「ホロビオント」と造語されたような生態系をその身体の周りに形成することで知られている。サンゴは一般にカラフルなイメージを持たれているが、あの極彩色のボディは実はサンゴそのものではなく、サンゴに棲みついている褐虫藻と呼ばれる海洋プランクトンが発する色なのだ。そして、この褐虫藻は海洋内において酸素を作り出す存在として知られている。褐虫藻はサンゴに棲みつくことで生きることができ、またサンゴもまた褐虫藻から送り込まれる栄養で生き永らえることができることから、彼らの関係はシンビオシス(共生関係)とも呼ばれている。さらに、そうした複数の種があたかも一つの生物として存在しているかのように見える様子が「ホロビオント」と呼ばれているというわけなのだ。しかし、気候変動などに伴う海水温上昇などの環境ストレスを受けると、サンゴは自身に棲みついている褐虫藻らを追い出してしまう。これは褐虫藻にとってのみならずサンゴにとっても致命的な振る舞いだ。こうしてサンゴが死に褐虫藻が海中から減少すると、生産される酸素が減少し、それが海水温のさらなる上昇を引き起こす。その水温上昇がさらにサンゴにストレスを与え、どんどんサンゴが死に絶えていってしまうというのだから、これは完全に負のスパイラルだろう。   とりわけ話題となったのは2015年から2016年にかけての記録的な海水温の上昇によって世界遺産であるグレートバリアリーフの90%を超えるサンゴが白化するという壊滅的な被害が報告されたことだ。このペースでサンゴの白化が進めば数十年後には世界のサンゴ礁は完全に消滅してしまうとも言われている。そしてそれは人間が現在のように快適に暮らすことのできる地球環境の終焉をも意味しているのだ。     3Dプリンターを駆使して過酷な環境でも生存可能な新種のサンゴを   こうした状況をどうにか変えなければならない。そのためにも現在、世界中の研究者たちがサンゴ礁の再生のための研究を続けている。しかし、どうすればいいのか。注目を集めているのが新種のサンゴをラボで育てて、海洋に新たなホロビオントを形成するという方法だ。 たとえば、米国海洋大気協会(NOAA)の科学者たちは、Formlabsの3Dプリンターを使用して、海洋の変化する条件によりよく耐えることができるような回復力を備えた新種のサンゴを育成している。NOAAのチームは革新的な方法を利用して、野生のサンゴを調査し、制御されたラボ環境で特定の条件を再現、それによって新種のサンゴを育成し、それらを海に放つことで多くの生物たちが住まう「海の生息地」を回復しようとしている。 これは野生生物の保護のために彼らの生息地である森林を再生するというのと同じ発想だ。先述したようにサンゴはプランクトンや魚を始めとするその他の海洋生物にとっての貴重な生息地である。新種のサンゴとはつまり、こうした多くの海洋生物たちから失われた「家」を、あらためて建設する試みだと言えるだろう。 実際にNOAAが行なっているのは、より極端な海洋環境で繁栄するサンゴの特徴を特定するために、火山噴火口の近くなど、より酸性化した海で現在繁栄しているサンゴを探査し、彼らの特性をサンプリングすることで、現在の海水温においても生存可能なサンゴを育成することだ。その際、探査や育成に使用する多くのマシンのパーツは3Dプリント製だという。これらのパーツは過酷な海洋条件に耐える防水部品でなければならず、通常の製造方法だととても費用がかかってしまうというが、3Dプリンターを用いることでおよそ1/5程度まで費用を抑えることができるそうだ。   画像:NOAA/AOML   また、NOAAの他にも注目すべき研究は多い。たとえばカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD) のナノ工学科の海洋生物学者Daniel Wangpraseurtによって行われている研究では、より直接的に3Dプリンターが活躍している。彼らはバイオプリンティング技術を使用し、バイオニック3Dプリントされたサンゴを開発している。これらの3Dプリントサンゴもまた海洋生物たちの新たな「家」つくりを目指されて行われているものだ。   Daniel Wangpraseurtによってバイオニック3Dプリントされたサンゴ   サンゴ礁を再生して孫世代においても人類が生存することのできる地球環境を   もちろん、これはそれほど簡単なことではない。様々な研究チームの努力にも関わらず、まだ将来についての希望的観測を行えるほどの大きな状況の改善は見られておらず、世界中のサンゴ礁(並びにホロビオント)は減少の一途を辿っている。 繰り返すようにこれは決して他人事ではなく、サンゴ礁の命運は、私たちが暮らす世界において生じている「気候変動」の行く末にも直接関わる問題であって、「ああ、サンゴがなくなっちゃうのか」なんて悠長に構えていられる問題ではないことを忘れてはならない。今後、私たちがサンゴ礁を再生し、私たちの孫世代においても人類が生存することのできる地球環境を維持することができるかは、3Dプリント技術にかかっているのかもしれない。  

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複雑な形状の氷を3Dプリントして鋳型をつくる「アイスキャスティング」法とは? 溶解でも焼結でもない「氷結」という新たな発想
2022年9月8日

複雑な形状の氷を3Dプリントして鋳型をつくる「アイスキャスティング」法とは? 溶解でも焼結でもない「氷結」という新たな発想

  溶解でも焼結でもなく「氷結」   3Dプリントの素材は数多ある。樹脂、金属、樹木、あるいは繊維や食品、さらには細胞まで、3Dプリンターにかかればなんでも造形素材として用いることができる。そんな中、意表をつくような素材を使ってこれまでにない複雑な微細構造を造形する新しい方法が開発された。気になるその素材とは、他でもない「氷」だ。今回、3Dプリントされた氷を使用して複雑な微細構造を造形する技術を開発したのはカーネギーメロン大学の研究チーム。なんでもこの技術の成熟によって、医学や生物工学、さらには商品製造や芸術制作における多くの進歩が達成される可能性があるとのことだ。彼らの研究している方法いついては科学ジャーナルメディアである「Advanced Science」に詳述されている。基本的には水をインクとして押し出すインクジェットプリンターを使用し、それらの水が直接氷となって、さらにその氷を樹脂が包み込むという形らしい。樹脂に閉じ込められた氷はやがて溶け出して水となり、それらが取り除かれることで、氷が立っていた経路のみが残るという形だ。   プリンターは水滴を温度制御されたプラットフォーム(-3℃)に落とすことで即座に凍らせていく。水が素材として変幻自在な流体性を持つことは言わずもがな。今回の研究発表においてはこの特性を利用する形で、螺旋型やタコなど、滑らかな流線を持つ構造を連続的に印刷して見せている。   何より特筆すべきは、氷が自然に溶けるため、鋳造後に内部構造を簡単に除去できるという点だろう。これはアクセサリーやジュエリー制作におけるロストワックス(鋳型製造)を行う上で、非常に大きな利点になる。なおかつ水の特性を利用すれば、今までであれば困難だった微細な構造も実現することができる。現状ではまだ開発過程とのことだが、この「アイスキャスティング」が一般に実装された場合、様々なものつくりの現場で大いに役立っていくだろうことは間違いない。熱で樹脂を溶かすでも、粉末を焼結するでもなく、水を氷結させるというのが新しい3Dプリントのモードということか。年々猛暑化する世界においてなんとも涼しげな話だ。今後の発展に期待したい。    

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3Dプリント自動車が当たり前の時代は目前!? 過去数年間の事例をピックアップ
2022年9月2日

3Dプリント自動車が当たり前の時代は目前!? 過去数年間の事例をピックアップ

  とどまることを知らない自動車産業の3Dプリント化   自動車製造業界において3Dプリンターがなくてはならない存在になって久しい。いまや、業界を代表するほとんどのメーカーは、自社の自動車の部品の一部から大部分を3Dプリンターに頼っている。多くのメーカーは、自動車の部分に応じて使用する3Dプリンターを使い分けている。たとえばプラスチック部品であればFDM、金属部品であればSLMといった具合に。なぜ自動車業界が3Dプリント技術を積極的に導入しているのか。まずコストの削減があるだろう。3Dプリンターを用いれば、最小限のコストで必要な部品を必要なだけ製造することが可能になる。たとえば、これまでであればコスト高であった少量生産も3Dプリント技術を用いれば比較的に容易になる。あるいは自動車のフレームの造形などに関しては3Dプリント技術を用いればこそ可能となるフォルムも存在することだろう。おそらくこの先10年で自動車業界の3Dプリント化がさらに推し進められることになることは間違いない。果たしてどんな3Dプリント自動車が先数年で登場することになるのだろうか。それについてを想像するために、ここでは過去数年間で製造された3Dプリント自動車の中から、特に注目すべき5台の自動車を紹介したい。 1.デヴィッド・ボウイへのオマージュカー   これは2019年にあるフェスティバルで発表され、初のフルスケールの3Dプリント自動車として話題となった一台だ。日本人の自動車デザイナーである山本拓実が作成し、イスラエルに拠点を置く3Dプリント企業であるMassivit3Dによって製造されたこの自動車は、同時にあのデヴィッド・ボウイへと捧げられたオマージュカーでもあった。大判3Dプリントを活かしたこのフォルムは、まさに3Dプリンターの本領発揮ともいうべき流線の美しさを備えている。実際いこれを公道で走らせるとなると、やや目立ちすぎるし車高も低すぎる気がするが、3Dプリント自動車の夢を感じさせてくれるという点では触れずにはいられない。 2.夢見る親子によるランボルギーニ・アヴェンダドール   実はこの車については以前にも記事で紹介したことがある。   3Dプリンターでランボルギーニを一般人が自作!? さらにはプリントしたボディを取り替え可能な未来型自動車も登場 この車は米国コロラド州のレーザー技術メーカー、KMLabsの最高科学責任者であるスターリング・バッカス氏とその12歳の息子によって作られた、ランボルギーニ・アヴェンダドールだ。なんでも、この親子、レーシングゲームの「Forza Horaizon3」をプレイしたことを機にランボルギーニに一目惚れしてしまったのだとか。その後、親子二人は仕事終わりの1時間を使い、息子と地道な作業を続けた結果、およそ1年4ヶ月で、ランボルギーニの外装を作り出すに至ったという。予算はおよそ2万ドル。普通に買えば数千万円かかると思うと、かなりお得(?)だ。いずれにせよ、3Dプリント技術の根幹にはこうしたDIY精神の存在が欠かせない。皆さんにも是非とも挑戦してみてほしいところだ。 3.幻のクラシックカー「ラストン・ホーンズビー」 3Dプリント技術の強みは、すでに製造ラインが止まってしまった製品のパーツも出力が可能な点にある。たとえばクラシックカー。中でもこのラストン・ホーンズビーは、製造時期がわずか5年、加えてもとより少量しか生産されていなかった幻の車だ。もちろんマニアなオーナーは存在した。しかし、100年前の車である。各部にガタがきているのは当然だった。しかし、スペアパーツはもはや存在しない。そこを補ったのがSiemens UKだった。Siemens UKは試行錯誤の末、、SLMテクノロジーによって2016年にパーツを正確に再現することに成功。かくして、幻のクラシックカーがここに再び蘇った。つまり、なにも新しいモデルを3Dプリントするばかりが能ではないということ。次にその眠りから目覚める幻のクラシックカーは一体どれだろうか。 4.150以上の部品が3Dプリンターで作られたシンガポール発の電気自動車 シンガポールの南洋理工大学の学生によって2015年に製造されたNanyang Venture VIIIは、アウターシェル、グリル、ドアクラッチなど150以上のパーツが3Dプリント製の電気自動車だ。そもそも大型オブジェクトを製造する際の3Dプリント技術の可能性の実証を目的に取り組まれたプロジェクトといいうこともあり、可能な限り3Dプリンターで出力することが試みられた。個々の顧客のニーズに合わせて上部ボディまたは運転席をカスタマイズできるマイクロカーコンセプトが採用されているのも注目点。3Dプリンターを用いる利点はそのカスタマイズしやすさにあるのだ。遠くない将来、世界の道路は色とりどりのカスタマイズ3Dプリントカーで埋め尽くされるようになるかもしれない。 5.いまやイタリアでは一般的!? 3Dプリント電気自動車「YoYo」   最後はすでに一般販売され、イタリアでは各都市で普通に見かけるという3Dプリント電気自動車Xev「YoYo」だ。そのボディは3Dプリンターで成形されており、長さ2500mm、幅1500mm、高さ1575mm、総重量が750kgで、軽自動車クラスのL7セグメントに分類されるコンパクトな自動車となっている。2人乗りという制約はあるものの、小回りのいいサイズ感で都市の交通には最適。デザインの自由度も高く、また部品点数が少ないため、低コストで製造できる点も現代的だろう。バッテリーは交換式で価格も100万円前後とお手頃、さらに安全性も抜群とのことだ。すでにイタリアでは普及しており、カーシェアリングにも導入されているという点で、その将来性も感じさせてくれる。今後どんどんとこうした3Dプリント自動車が登場してくることは間違いない。日本のメーカーの飛躍を期待したい。    

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FDM3Dプリンターを使用する上で最適のノズルのサイズは? 新たに浮上する「0.6mm」説
2022年8月31日

FDM3Dプリンターを使用する上で最適のノズルのサイズは? 新たに浮上する「0.6mm」説

  FDMノズルの最適サイズに関する新説登場   現在、デスクトップ型のFDM(熱溶解積層方式)3Dプリンターのほとんどは0.4mmのノズルを使用している。ここまで多くの人がさらに精緻な表現を求めてより小さいノズルを、あるいはさらなる高速印刷を求めてより大きなノズルを試してきたが、結局ほとんどのユーザーはその中間である0.4mmにこだわってきた。0.4mmノズル。すでにFDM3Dプリンターの常識といってもいいこの数値に対して、しかし、いま変化の時期が到来しているとしたらどうだろうか。その提案をしているのは3Dプリント動画を定期配信している人気YouTuberのThomas Sanladererだ。トーマスによれば最新版のスライサーソフトを使用する場合、0.4mmノズルは最適の選択ではないという。新たな推奨値は0.6mmだ。       0.6mm説の条件は「Prusa」のアラクネモード   トーマスは3Dプリンターユーザー系のYouTuberとしては非常に高い信頼を集めている。その理由は彼が机上の空論ではなく検証をベースとして論を展開するところにある。もちろん、今回も彼はその主張をするにあたり、きちんとテストを行っている。   どうやら今回のトーマスの主張と鍵となっているのは人気スライサーソフト「Prusa」のアルファ版で現在利用可能なアラクネモードのようだ。このアラクネモードは押し出す樹脂量をパスの最中に変更することで造形幅を可変させる技術で、元々はCuraが開発し、先行して搭載していた技術だ。このアラクネモードを使用することで、パスとパスの間に生じる小さなギャップを幅を変更することで埋めることができるため、パスの無駄がなくなり造形品質が向上すると言われている。造形物のディティールの精度に関してはFDMよりもSLAの方が上だ。これはすでに分かりきっていることである。確かに今回の0.6mmノズル&Prusaアラクネモードを試してみたところで、その差が完全に埋まることはないだろう。ただ、下の動画を見ればわかるように、トーマスは今までFDMではうまく出力できなかったものを、この新設定とスライサーによって出力してみせている。       細かい設定などは是非動画を参考していただくとして、まずは試してみてほしい。いずれにせよ、昨日の常識が今日の非常識であるというのはテクノロジーの常である。今の推奨値に安住せず、より最適解を目指して、新たな設定を野心的に試し続けていきたいものだ。      

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植物の感情を表現するプランターが話題に|3Dプリンターで自作も可能
2022年8月25日

植物の感情を表現するプランターが話題に|3Dプリンターで自作も可能

  もし植物ともっとコミュニケーションができたら   仕事の都合もあり動物のペットを飼うことは難しい。だけれど、せめて日々の暮らしに彩りを添えたい。そんな思いから観葉植物を家に飾っている方は少なくない。確かに、植物は散歩に連れ出す必要もなければ、動物のように排泄物の掃除や世話をする必要はないだろう。ただ、植物もまた生命であることには変わらない。日光や水分をはじめとする適切な栄養を補給しなければ、瞬く間に枯れてしまう。かくいう筆者もまた基本的には手入れが難しくないはずのサボテンをさえ枯らしたことがある。もちろん、放置していたわけではない。逆に干渉しすぎたのだ。世話焼きのつもりで水を大量にあげすぎていたことで、根腐れを起こしてしまったのである。植物のプロであれば、おそらくそうなる前に植物から発せられるサインを読み取っていたはずだ(そもそも水をあげすぎたりはしないだろうけど)。だが、植物の素人にとって植物から発せられるサインを読み取るのはたやすくない。そのサインに気づいた頃には、植物はすっかり枯れきってしまい、再起不能になっているというケースも少なくないだろう。もし植物の感情が、表情が、もっと簡単に読み取れたら、どんなに良いことか。枯らさないで済むだけじゃなく、もし彼らの気分をシェアできるなら、動物のペットに対して抱くような親密な感覚だって味わえるはずだ。実は今、植物の気分が一目で理解できるプランターが話題となっている。その名はFytó。このスマートプランターが実現したのは、植物に豊かな表情を持つ「顔」を与えることで、それらをペットに変えることだ。     植物の感情を表現するプランター「Fytó」   Fytóは Raspberry Pi 2W上で動作し、容量性土壌水分センサー、LM35温度センサー、および光レベルを検出するLDR モジュールに基づく、植物の6つの感情をアニメーション絵文字を用いて表現してくれるプランターだ。植物の状態が満たされている時、Fytóは幸せそうな顔をしている。あるいは、適切なタイミングで水を注いであげると唇をなめて「美味しい」と言わんばかりの顔をしてくれる。光が足りていない時は眠たそうに見える。水を必要としている時は、Fytóの顔は汗まみれになり、やがて顔が赤くなり、カラカラになる。あるいは熱くなりすぎているときは体温計を咥えて熱っぽい顔に変わる。     これはいわば植物の擬人化だ。その表情は確かに植物の状態とリンクしているが、普段ならそれは単なる状態としてしか認識できない。しかし、そこに「顔」が付与され、共感力を刺激する様々な表情を示されると、途端に状態は感情として認知され、あたかも植物と人間的なコミュニケーションを取っているかのように錯覚してしまうのだから不思議だ。今回のFytóではアニメーション絵文字が採用されているため、その感情表現はごくごくシンプルなものだ。ただ、センサーをより精緻にしていけば、これ以上に複雑な表現を植物に与えることだってできるかもしれない。付属する「顔」も、より人間的にリアルなものにして、さらに言葉でそれを表現する機能も付与したら、もはや植物がペットを超えて、友達や家族の領域に達する日だってくるかもしれないだろう。そう思うと、Fytóは新しい人間と植物との関係のひとつの画期となるかもしれない。ところで、なぜ今回このFytóを取り上げたのかというと、Fytóのこのポップなボディは3Dプリンターで作られたものなのだ。この流線的なシルエットもまたFytóの近未来感を演出する上で欠かせない。新しいアイディアの実現は3Dプリンターと共にある。ちなみにこのプリンターは販売されているわけではない。youtubeやサイト上で作り方も公開されている。気になった方、是非この新時代のプランターの自作を試してみて欲しい。 作り方紹介サイトhttps://www.instructables.com/Fyt%C3%B3-Turn-Your-Plant-Into-Pet/     

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Androidユーザー待望の3Dスキャンアプリ「Kiri Engine」の評価と将来性
2022年8月23日

Androidユーザー待望の3Dスキャンアプリ「Kiri Engine」の評価と将来性

  ほとんどの3DスキャンアプリはiOS向け   3Dスキャンに初挑戦しようという方にとって、3Dスキャナーをいきなり購入するというのは、ややハードルの高い選択かもしれない。実際、3Dプリンターユーザーの中でもスキャナーまで揃えているという人はまだ限られている。現状で最もハードルの低い3Dスキャンの方法はスマホのアプリだろう。現在、多くのスマホでアプリさえ入れれば3Dスキャンが可能となっている。もちろん、高品質の3Dスキャナーと比較すればその能力は目劣りせざるを得ない。しかし、まず手軽に3Dスキャンに挑戦するという上で、3Dスキャンアプリは非常に優れた選択肢だと言える。ところで、ここにひとつ問題がある。現在、メジャーな3Dスキャンアプリのほとんどが「iOS」向けに作られているということだ。つまり、Androidユーザーの場合、これらを使えないということだ。ただしAndroid向けの3Dスキャンアプリが全くなかったわけではない。それらは一応存在するにはしていたのだが、正直なところ機能は低く、また使い勝手が悪いと酷評されていた。そんな中、昨年末頃より、Androidユーザーでも使用でき、かつ機能も優れていると評価の高い3Dスキャンアプリが登場したと話題になっている。Kiri Engine。それがそのアプリの名称だ。       基本は無料だけどプレミアムコースも   Kiri Engineは2021年12月よりPlayストアで利用開始となった3Dスキャンアプリだ。基本的な機能は、これまで存在した3Dスキャンアプリと変わらない。基本的には無料で使用でき、ログインしなくともスキャンまではできるが、スキャンしたデータをダウンロードする場合は、アカウント登録が必要になる。   無料アカウントの場合は1週間に3つまでデータをダウンロードできるが、それ以上ダウンロードしたい場合はトークンを購入することになる。1回につき0.99ドル。決して高額ではない価格設定だ。       またプレミアムコースも存在していて、こちらを利用すると、スキャン一回の画像数が通常の70から200に増加する。さらにブラウザベースの写真アップロード機能など、通常コースにはない機能がいくつか利用できるようになる。     Kiri Engineの3Dスキャンのクオリティは?   で、実際に使用した際のクオリティはどうかといえば、必ずしも現行のスマホ用3Dスキャンアプリの最高レベルには達していないものの、Android対応の3Dスキャンアプリとしては、これまでで最高の機能性を持っているというのが大方の評価のようだ。とりわけその使いやすさ、シンプルさは好意的に受け止められており、またDiscordを通じてユーザーから得たフィードバックを踏まえた定期更新が行われているという点も将来性を含めて期待値は高い。現状では後処理は必須になるが、今までAndroidユーザーであるがゆえに3Dスキャンアプリを使ってこなかった人たちにとっては、待望のアプリであることは間違いない。なにはともあれ、百聞は一見にしかず。まずは無料コースだけでも試してみるのが良いのではないだろうか。    

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マッハ5を超える「ハイパーソニック」飛行サービスが来年にも提供開始か? 実現の鍵を握っているのは3Dプリント技術
2022年8月21日

マッハ5を超える「ハイパーソニック」飛行サービスが来年にも提供開始か? 実現の鍵を握っているのは3Dプリント技術

  スーパーソニックを超えるハイパーソニックとは?   近年、「超音速」というワードが注目を集めている。この「超音速=スーパーソニック」とはマッハ1を超える速度のことを指す言葉で、現在ではおよそマッハ1.3〜5の範囲についてそう呼ばれている。現在、軍などで使用されているジェット戦闘機の最高速度がこの範囲にあるとされているが、近年では旅客機にも超音速機が登場し、海外旅行にかかるフライト時間が大幅に短縮されると話題になっていたのだ。一応、解説しておくと、マッハとはすなわち音速のこと。マッハ1を時速1225kmとするのが現在では一般的で、つまりこれ以上の速度で動くものは超音速にカテゴリーされることになる。       それにしてもすごい時代になったものだ。「スーパーソニック」と聞けば英国のロックバンドOASISの不朽の名曲がまず思い浮かぶものだが、あの歌詞においては気分の高揚感を自分が体験したことがない速度に喩えて「スーパーソニック」と表現していただけだった。それがいまや一般人がスーパーソニックで移動する時代になったというのだから、隔世の感がある。ところで、近年、実はこの「超音速=スーパーソニック」を超える速度についての研究が飛躍的に進んでいるという話をご存知だろうか。その名も「極超音速=ハイパーソニック」。その速度としての定義は、なんとマッハ5.0以上。人類は再び新しい壁を越えようとしているようだ。     3Dプリンターはマッハ5の旅を実現するか   極超音速はこれまでスペースシャトルの再突入時の速度と、その際に生じる特殊な現象(衝撃波層の出現など)のことを指して使ってきた言葉だった。しかし、2022年の頭に米国政府が、極超音速航空機のテストを米軍が開始しているということを発表したことで、その一般実用化の実現がいきなり射程に入ってきた。そして注目すべきは、この極超音速域の研究において大活躍しているのがAM企業、つまり3Dプリント技術だということだ。極超音速域においては、様々な特殊な状況が発生する。そのため、極超音速航空機の製造においては、こうした様々な状況に耐えうるエンジンやボディパーツが欠かせない。これは基本的に実験によってトライ&エラーを繰り返すしかないのだが、そのための最適な設計を考案し、実際に形にするまでにかかる時間を、3Dプリント技術が大幅に短縮しているのだ。たとえば極超音速域の研究をしているパデュー大学のザクロー研究所では、主にVELO3Dという3Dプリンターを使用しているそうだが、実際、研究者たちはこの研究にVELO3Dが絶対に不可欠であるということをメディアの取材に対して述べている。   VELO3D 先日も米国のStratolaunch社が、極超音速航空機「Talon-A」の実験を年内に実施すると発表して話題になった。同社のCEO兼社長のZachary Krevor博士は「当社の極超音速航空機Talonが、極超音速条件の広範な設計範囲を達成するために必要な機体性能を実証している」と話しており、同社の公式Twitterアカウントは、Talon打ち上げに必要な高度まで到達可能であることを示しているとツイートしている。さらには2023年には極超音速飛行サービスの実用化を進めたいとも話しており、ハイパーソニック時代の到来は決して夢物語ではなくなってきているのだ。   Stratolaunch社の双胴航空機「Roc」。同社はRocにTA-0を装着し空中で発射分離する試験を2022年中に実施する可能性があるという。 果たして、人類が気軽にマッハ5を超える速度で国々を行き交う日は訪れるのだろうか。実現へと向かう速度をハイパーソニック化させるための鍵を握っているのは3Dプリント技術かもしれない。    

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「まるで煮込み牛肉のよう」すでに多くの高級レストランでも採用されている3Dプリント代替肉の最前線
2022年8月17日

「まるで煮込み牛肉のよう」すでに多くの高級レストランでも採用されている3Dプリント代替肉の最前線

  高まるオルトミートへの関心   これまでも3Dプリント人工代替肉(オルトミート/ビヨンドミート)については多く取り上げてきた。いまや活況を呈しているその業界において、とりわけ初期より技術的にオルトミート産業を牽引しているのがイスラエルのベンチャーRedefine Meat(以下、RM)だ。同社の製造するオルトミートは、植物ベースの成分を肉の構成によく似た複雑なマトリクスとして積層させることで、動物のリアルな肉と同じ外観や食感、風味を再現していることで知られている。   Redefine Meat https://www.redefinemeat.com/ RMが注目を浴び出したのは2010年代の後半頃。当時はまだ3Dプリント代替肉については、世間的にも全く知られておらず、また世間の関心も今ほどに高くなかった。あれから数年、環境問題への意識の高まりとともに、食糧危機に対する有効な解決策として人工代替肉に注目が集まり始めた。2021年には、マイクロソフトのビル・ゲイツやアマゾンのジェフ・ベゾスなども、人工代替肉について発言して話題となった。ビル・ゲイツは「すべての富裕国は100%合成牛肉産業へとシフトすべきだ」という考えをインタビューにおいてはっきり示し、ジェフ・ベゾスもまた”家畜からの世界的な温室効果ガス排出量 “を削減するためには、オルトミートを開発している企業に積極的に投資していく必要性があるだろうと、雑誌《WIRED》の取材に答えている。さらに同年の資金調達ラウンドにおいて、にRMは2900万ドルを調達。この資金を元に産業用代替食肉(オルトミート)3Dプリンターの大規模生産施設を建設、いよいよ世界市場へと自社のオルトミートの流通を開始しようとしている。   なぜRedefine Meetに注目が集まるのか   このように、RM、そして3Dプリント人工代替肉は、現在、非常に大きな注目を集めているわけだが、もちろん、それが食肉である以上、重要なポイントとなるのは「味」だ。いかにそれが先進的な技術によって作られ、環境問題の解決に向けて有効であると言っても、おいしくなければ人々に普及することはない。この点に関しても、RMのオルトミートの評価は高い。たとえば英国で最も有名なシェフの一人であるマルコ・ピエール・ホワイトは、最近、彼の手がける多くのレストランでRMのオルトミートを取り扱っている。ホワイトは肉の多いイギリス料理とフランス料理を専門とするシェフだ。その彼が他のオルトミートではなく、RMのオルトミートを選ぶ理由は、その食肉としてのクオリティが高いからに他ならない。現在、ヨーロッパでは、すでにオルトミートを提供しているレストランは少なくない。ホワイトのレストランも同様だ。実際、その味はどうなのか。そこに関し、最新の「3DPRINT.COM」の記事では、ホワイトのレストランが提供しているオルトミートのステーキを実際にライターが食し、それについてのレビューを行なっている。レビュアーによれば、見た目は「ステーキのようには見えなかった」と書いている。それは確かに肉には見えたが、いわゆる「ステーキ」ではなかったらしい。さて、味と食感はといえば、やはり「ステーキ」とは違うものだったという。だが質感的には明らかに肉だったとも書いている。本物の肉と同様の不規則で柔らかな歯ごたえのある繊維質の食感は、どちらかといえば「煮込み牛肉」のようだった、と。     総評としては、RMのオルトミートは完璧ではないが、レビュアーがこれまでに試した他のどの代替肉製品よりも本物の肉の触覚を再現している、というものだ。もちろん、技術は日々進歩している。これはあくまでも2022年の最前線の代替肉がそうであったという話だ。   日本のネクストミーツにも注目   ちなみに日本にも欧米と比較した場合に数は少ないもののオルトミートを提供しているレストランは存在する。多くはベジタリアン向けの植物由来肉として提供されているようであり、今のどころRMを使用しているレストランの話は聞かない。あるいは3Dプリント代替肉の開発を行う日本の企業としては「Nexxt Meats(ネクストミーツ)」が注目だろう。同社は「地球を終わらせないために」をスローガンに、2020年に立ち上げられた代替肉開発、製造、販売の企業で、すでに「NEXT牛丼」や「NEXTメンチカツ」など自社商品の販売も行っている。コンビニやスーパーでも店舗によっては取り扱いがあるため、すでに食べたことがあるという方もいらっしゃるかもしれない。   Next Meats|地球を終わらせない https://www.nextmeats.co.jp/ いずれにしても2022年を一つの境に3Dプリント人工代替肉の猛進撃がようやく始まりつつあるという印象がある。今後の動向から目が離せない。  

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紫外線から近赤外線へ? 光造形3Dプリンターに迫る大転換
2022年8月5日

紫外線から近赤外線へ? 光造形3Dプリンターに迫る大転換

  近赤外線を使用することは紫外線を使用する場合と比較して様々な利点がある   光造形ユーザーにとっては寝耳に水かもしれない。ご存知のように、光造形3Dプリンターとは、液体レジンに紫外線を当てることによって硬化し、オブジェクトを造形する3Dプリンターのことである。光で造形するから光造形。そして、その光とは他でもない紫外線のことだ。これまで様々な光造形3Dプリンターが生産されてきたが、この基本設定に関してはいずれのマシンも共有していた。しかし、もしかすると、近い将来、その基本の部分が変わってしまうかもしれない。現在、テキサス大学オースティン校の研究者たちはある研究を進めている。その研究とは、近赤外線(NIR)を使用した光学3Dプリントの研究だ。研究チームによれば、近赤外線を使用することは紫外線を使用する場合と比較して様々な利点があるという。一体どういうことだろうか。研究チームいわく、紫外線にはある欠陥があるという。それは紫外線には特定の材料を劣化させ、媒体を傷つけてしまうという性質があるという点だ。また、光の波長を短くすると、解像度が低下し、硬化速度が遅くなるという問題もある。彼らによれば、近赤外線を用いた場合、その問題は克服されるという。彼らが提唱しているのは、急速な光硬化を可能にするNIR吸収シアニン色素という光を、ナノ粒子を注入したレジンに照射する3Dプリントのようだ。実際、それがどの程度変わるのかといえば、いわく一層あたり60秒という速度と、300マイクロメートルの解像度が今すぐにでも実現可能とのこと。これは確かにすごい。     上がデジタルファイル、下がNIRとカスタムレジンを用いた実験プリント。(テキサス大学オースティン校) ただし、現状でこのデータはあくまでも概念実証に基づくものだともいう。まだ具体的な近赤外線3Dプリンターの開発が行われているわけではなく、その事前段階における実験ということだ。しかし、これが光造形の世界を根底から揺るがす可能性を秘めた研究であることは間違いないだろう。光造形推しのSK本舗としては、今後の研究の発展に注視し続けたい。

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3Dプリンターが食を「芸術化」する?|BluRhapsodyが起こしたパスタ革命
2022年8月4日

3Dプリンターが食を「芸術化」する?|BluRhapsodyが起こしたパスタ革命

  これまでのパスタの概念を3Dプリンターが覆す   パスタには様々な種類がある。スパゲッティ、ペンネ、リングイネ、フェットゥチーネ。ただ、これらはいずれも基本的には同じ方法で作られる。パスタの原料である穀物を捏ねたものを、押し出し機によってそれぞれの形に成形するのだ。今では家庭用パスタ製麺機などもメジャーだ。それらを用いれば本当に簡単に自家製の生パスタを作ることができる。作れるパスタの種類も豊富で、なおかつ原材料の配合なども自在。筆者も使用しているが、料理前に気軽に製麺できるのは嬉しい。それにどこか製麺機を使ってパスタを押し出していく感覚は、3Dプリンターで好きなものを出力している時の感覚にも似ている。ただ、これまでは製造できるパスタの形状にはある制約があった。その制約とは押し出し機によって成形可能な形状であること。たとえば、どうしても成形が難しいのは球体形だ。あるいは、より意匠を凝らした複雑なフォルムのパスタを作ろうという場合、押し出し機では限界がある。そこを変えたのが3Dプリンターだ。     BluRhapsodyの革新的な3Dプリントパスタ   パスタの本場であるイタリアでは、すでにパスタメーカーBarillaとオランダの科学調査会社TNOとのコラボによる、BluRhapsodyというプロジェクトが立ち上がっている。このBluRhapsodyが行おうとしているのが、3Dプリンターを用いたパスタの形状革命だ。実際、このプロジェクトの成果は目覚しい。すでに彼らは全く新しい形状のパスタの3Dプリントに成功している。その形状は実に様々だ。公式サイトを覗いてみると、まるで木ノ実や貝殻、あるいは陶器のような、独創的なパスタの写真が並んでいる。これらはいずれも従来の押し出し機では作ることが難しかったものだ。     BluRhapsodyの様々な3Dプリントパスタhttps://blurhapsody.com/prodotto/forme-pasta-stampata-3d/ 使用されている食材は、最高級の穀物から得られるセモリナなど厳選された最高品質のものとのこと。料理人たちは3Dプリント技術によって、自然や季節の味からインスピレーションを受けて、これまでよりも自由に、かつ高度にカスタマイズされた、芸術作品としてのパスタを作ることができるようになったのだ。   現在、BluRhapsodyの3Dプリント製パスタは通販でも販売されているものの、発送先はイタリア、英国、スイスのみに限定されており、残念ながら日本への通販は行なっていない。是非とも実際に食べて試してみたいところだが、今しばし待つ必要がありそうだ。   いずれにしても3Dプリント技術が、食の可能性をこれまで以上に拡張しつつあることは間違いない。今後も引き続き注目していきたい。

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米国企業が3Dプリンターを使って電気自動車を完全自動製造|オートメーションと〈ものつくり〉の未来とは?
2022年8月2日

米国企業が3Dプリンターを使って電気自動車を完全自動製造|オートメーションと〈ものつくり〉の未来とは?

  3Dプリント技術が目指している到達点   3Dプリンターの本質は立体物を自動で出力することにある。 つまり、その理想形は、造形から組み立てに至る製造の全行程を、オートマティックに行うことにある。それも、シンプルな構造のオブジェクトのみにとどまらない。大量の部品によって複雑に構築されたような精密機械も、その射程には含まれている。たとえば自動車だ。すでに自動車業界は部品やカスタムパーツに関して、多く3Dプリント技術を導入している。世界各国の名だたる自動車メーカーにとって3Dプリント技術はすでになくてはならない技術になっている。ただ、現状において自動車一台を丸々3Dプリントしたという例はない。パーツそれぞれは3Dプリントすることが可能だとしても、それらを組み立てていく過程において、なんらかの手作業の介入が必要とされてきた。今、米国アーカンソー州に本拠を置くAMBOTSが、そうした状況に一石を投じようとしている。AMBOTSが試みているのは、自動車の完全自動製造だ。今回、AMBOTSが行なった小規模なデモンストレーションは、その可能性を十分に示すものだった。       小型電気自動車を製造するAMBOTSのオートメーション   AMBOTSのデモンストレーションでは、同社の3Dプリント技術がロボットプログラムと接続することによって、自動車製造の全行程を自動で行うことが試みられた。まず3Dプリンターが電気自動車のフレームを製造、さらに別の3Dプリンターがカバープレートを印刷する。その工程が終わると、輸送ロボットが3Dプリンターを移動させ、他のコンポーネントを3Dプリントしていく。こうしてパーツの全ての3Dプリントが完了すると、ピックアンドプレースボットに自動的に搬入され、それらの組み立てがロボットによって行われる。残念ながら、その際に取り付けられる、モーター、バッテリー、マイクロコントローラーなどは既製のものだが、組み立ては基本的にオートマティックに行われる。組み立て後の接着硬化も同様で、レーザーボットが自動的に行なってくれる。ちなみに、こうした様々なマシンの移動を制御するのは、作業領域に設置されたグリッドフロアだ。このグリッドフロアが、製造工程の全体を管理する監督の役割を果たしていく。こうして完成したのが以下の小型電気自動車だ。   製造工程のオートメーション化については、20世紀を通してその実現がさまざまに目指されてきた。しかし、それは常に障壁に阻まれてもきた。進歩した3Dプリント技術は、その最後の障壁を突破するポテンシャルを秘めている。今回、AMBOTSはその夢がかなりの高い水準で実現しつつあることを示した。ここからの課題は、それが実際の製造タスクに適用できるかどうかを検討していくことだろう。少なくとも、今回の作業領域を、実際の工場のサイズにスケールアップすることは技術的、物理的にも可能だと言われている。こうした自動製造が一般化した暁には、自動車の製造コストは大幅に抑えられることになるだろう。   もちろん、労働の現場から人間の役割をこれ以上減らして良いのだろうか、という問いもある。しかし、それはまた別の議題だ。あらゆるものが自動化されたとしても手仕事の魅力が消えるわけではない。むしろ、その時ようやく「ものつくり」は次の段階に入るのだと言えるかもしれない。      

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世界が注目する3Dプリント製バイオリン「Karen」|リリースしたのは日本の楽器メーカー
2022年7月25日

世界が注目する3Dプリント製バイオリン「Karen」|リリースしたのは日本の楽器メーカー

  長野の楽器メーカーが開発した3Dプリント製バイオリン 楽器の3Dプリントに関してはこれまでも種々の楽器の出力が試されてきた。しかし、そのほとんどは、「試しに出力してみた」というレベルのものでもあり、大規模な生産工程で利用できる高価な3Dプリント楽器となると、これまでほとんど例がなかったのも事実だ。そんな状況を、ある楽器メーカーが変えようとしている。KATAHASHI INSTRUMENTS、この日本の長野県の楽器メーカーが開発したある3Dプリント楽器が、今世界中の3Dプリントメディアから注目を集めている。今回、KATAHASHI INSTRUMENTSがリリースしたのは、スペインのデザインスタジオ Anima Design が提供するコンピュテーショナル・デザイン・システムによってデザインされた未来的な3Dプリントフレームを搭載したエレクトリック・バイオリン「Karen(可憐) Ultralight」だ。   楽器の基礎となる部分の全てを設計したのはKATAHASHI INSTRUMENTS。そこに加えてAnima Designが計算設計システムを使用して人間工学に基づき、可能な限りでの軽量化を果たした。肝心のボディはリサイクル可能なナイロン素材を使用して3Dプリント、さらにネック部分はバーチフィンガーボードを備えたメープルウッドで作られている。もちろん、バイオリンをアンプに接続するための1/4インチのジャック、9Vバッテリーで駆動するプリアンプ、アクティブ/パッシブスイッチ、ヘッドフォン出力、さらにトーンコントロールノブも搭載されている。気になる価格は1850ユーロ。ブラックピアノ、パールホワイト、ダークプラチナ、レッドカッパーの4色の展開だという。もちろん、新しいのは製造法ばかりではなく、音質にも徹底したこだわりが反映されているという。KATAHASHI INSTRUMENTSのサイトによれば、この新しいバイオリンを「Karen(可憐)」と名付けたのは、女性らしい華奢な体型に加えて、立ち居振る舞いがエレガントである、という意味を込めてとのことらしい。実際、そのフォルムは実に独創的だ。   かつてなら楽器職人が複雑なデザインを求めた場合、それは数ヶ月、あるいは数年の作業を必要とするものだった。あるいは、使用している材料の特性に応じて、試みることが不可能な形態も多くあった。今回のKarenのフォルムも、3Dプリント技術なしでは実現しえない未来的なフォルムとなっている。果たしてKATAHASHI INSTRUMENTSの挑戦は、バイオリンユーザーたちにどのように受け止められるのだろうか。現在、ホームページより実際にKarenを購入することができるようになっている。日本の技術をベースとした楽器の未来を切り拓くエレクトリックバイオリン。気になる方は是非チェックしてみてほしい。 KATAHASHI INSTRUMENTShttps://katahashi.com/  

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人体のスペアパーツを3Dプリントする時代に|小耳症患者を救う「AuriNovo」の挑戦
2022年7月17日

人体のスペアパーツを3Dプリントする時代に|小耳症患者を救う「AuriNovo」の挑戦

  個人に合わせて新しいカスタムボディパーツを3Dプリント   人体の修復に関しての大きな問題。それはスペアパーツを入手するのが難しいということだ。いかに医学が発達した現代においても、膝関節や新しい肺をすぐに購入するということは不可能だからだ。その際、医師と外科医が提示するオプションとしては、ドナーからの移植というものがある。しかし、これらは常に不足しており、さらに患者の体に拒絶されてしまうリスクもある。では個人に合わせて新しいカスタムボディパーツを3Dプリントすることができればどうだろう。おそらく、多くの問題を解決することができるようになる。この可能性に関して、3DBio Therapeuticsによって開発された新しい人工内耳が、新しい一歩を踏み出そうとしている。       バイオ3Dプリントされた自分の耳   その新しい3Dプリント・インプラントは「AuriNovo」と名付けられた。これは「新しい耳」という意味を持つ言葉で、主に小耳症と呼ばれる、耳の先天異常を補うように設計されている。小耳症は耳の先天異常のうち変形が一番強いものと言われ、耳の形が完全にできあがらなかったため、耳が通常よりも小さいものを呼ぶ。世界的にみて地域差のデータはなく、頻度は、およそ1ー2万人に1人の割合だと推定されている。現在の治療法は、患者の肋骨から軟骨のサンプルを採取し、それを手作業によって典型的な耳の形に似せ、移植するという方法が一般的だ。これは、患者自身の細胞から作られているため、拒絶の可能性が低い状態で移植することができる。あるいは、インプラントを合成材料から作り、皮膚の下に配置するという方法もある。AuriNovoが採用しているのも基本的にはこの方法だが、AuriNovoは従来の方法とは異なり、肋骨から大量の軟骨を採取する必要はないという。代わりに、先駆的な手術によって、患者の既存の耳の構造から生検としてわずか0.5グラムの軟骨を採取する。そこから、軟骨細胞と呼ばれる特殊な細胞を分離し、その後、独自の栄養溶液で培養され、数十億個に増殖させていく。患者のサンプルから成長した軟骨細胞は、コラーゲンベースの「バイオインク」と組み合わされる。こうして得られた混合物が、生物学的構造を作成するために特別に構築された3Dプリンターによって新たな耳として造形されるというわけだ。インクとプリンターはどちらも、合併症や患者の体からの拒絶の可能性を減らすために、すべてを無菌状態に保つように特別に設計されているという。さらに、耳にはサポート用の特別な生分解性オーバーシェルが与えられ、冷蔵で出荷され、到着後すぐに、印刷された構造が患者の皮膚の下に埋め込まれる。オーバーシェルは、時間の経過とともに体に吸収され、印刷された軟骨構造のみが残ることになるのだ。     「AuriNovo」が見据えるカスタムボディパーツの未来   これが「AuriNovo」の3Dプリントに関しての一連の流れだが、これはまだ初期の段階であり、現在、11人の患者を対象とした臨床試験が進行中だという。ただし、見通しは良好で、結果として得られる構造は、生体適合性のある材料と、患者自身から成長した細胞でできているため、拒絶反応の恐れはない。さらに、インプラントは生体材料でできているため、柔軟性を維持し、通常の人間の耳の質感を長期間維持することができるとも言われている。外耳の構造は比較的単純であり、複雑な生化学、静脈、または神経を伴わずに、主に単一の材料で作られているという利点がある。したがって、耳の再建は、新しい体のパーツを最初から作成するという試みにおいて、出発点的な位置付けになると言われている。このプロジェクトの成果は、より機械的な複雑さを伴う部位の交換に取り組む科学者にとっても大きな示唆に富むものになるはずだ。長期的な目標としては、腎臓や肝臓などの臓器全体を3Dプリントすることが含まれている。もちろん課題もまだ多く残されてはいるが、AudiNovoは、カスタムボディパーツをオンデマンドで3Dプリントできる新しい未来への確かな第一歩であることは間違いない。

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次の注目すべき素材は「小麦ふすま」?|デスクトップ3Dプリンターで技術革新を
2022年7月17日

次の注目すべき素材は「小麦ふすま」?|デスクトップ3Dプリンターで技術革新を

  デスクトップ3Dプリンターで技術革新   昨今、3Dプリント素材の多様化が進んでいる。従来の金属粉末やプラスチックなどの素材に加えて、現在は環境時代を意識した、よりオーガニックな素材を3Dプリントする試みが各方面で行われているのだ。たとえばポーランドの新興企業GREENFILL3Dは、小麦ふすま3Dプリント原料の用途を拡大している。GF3D Branfillと呼ばれる3Dプリント材料を製造するために、同社が組み合わせたのはPLAとパスタ製造時に排出される廃棄物だ。これまで、同社はフィラメントを使用してポップアップのPOSスタンドを3Dプリントしてきたが、現在はDeckard Designと協力して、ふすまで満たされた部分にフルカラーのUVラベルを追加した鉢植えの植物ラベルを3Dプリントしている。   Deckard Designとはポーランドで家具装飾に関するガジェットを提供する企業であり、これまで主に北米、ヨーロッパに向けて自社の3Dプリント製品を流通させてきた。今回の3Dプリント植物ラベルは、庭に植える可能性のある植物やハーブの説明用に使用できるという。素材となった小麦ふすまは部品の表面仕上げを改善するばかりでなく、部品を丈夫にもするらしい。カラフルな着色技術もまた庭を彩るのに最適だ。またさらに注目すべきは、両社が非常に安価なデスクトップ3Dプリンターを使用して今回の技術革新に挑んでいる点だ。これはつまり、数万円の3Dプリンターを購入する余裕がある人なら誰でもこのテクノロジーに参画できるということ。これこそまさにイノベーションの民主化というものだろう。   彼らがこれらの生産をうまくスケールアップすることができれば、低コストの基盤を持つビジネスモデルとして、今後、大きな市場へと育っていく可能性もある。チャンスは至るところに転がっているのかもしれない。

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3Dプリント月面基地「LINA」のデザインをNASAが発表|SF映画のような未来的デザインが話題に
2022年7月17日

3Dプリント月面基地「LINA」のデザインをNASAが発表|SF映画のような未来的デザインが話題に

  世界初の3Dプリント月面基地「LINA」とは   NASA のフィールドセンターの一つである宇宙建築テクノロジー企業 AI SpaceFactory が、ケネディ宇宙センターのエンジニアらと共同で開発した、世界初の3Dプリント月面基地「LINA(Lunar Infrastructure Asset)」のデザインを発表、その未来的なフォルムが話題となっている。   そもそも3Dプリント月面基地「LINA」とは、NASAの共同研究発表プロジェクトとして、月面に安全な避難所型構造物を建設することを可能にする技術の開発に焦点を当てた「Relevant Environment Additive Construction Technology」プロジェクトのひとつとして始まったものだ。今後 AI SpaceFactoryとケネディ宇宙センターは、「LINA」を具現化するための技術と材料開発を発展させていく予定だという。     ちなみにこのプロジェクトの背景にあるのは「アルテミス計画」と呼ばれる計画だ。これは今後10年以内に月の南極に宇宙飛行士を送り込むためのプロジェクトであり、「LINA」もまたそのための施設として研究されている。実際の施工においては自律型ロボットを使用する予定で、月の南極部にあるシャックルトンクレーター付近に建設を予定しているという。さて、この斬新なデザインの基地を実際に構築するために、今回AI SpaceFactory は-170°から70°Cの温度範囲で真空中でも動作するように設計された宇宙仕様の3Dプリントシステムを開発した。素材には、NASAによって合成された、月のレゴリス(表土)とポリマーバインダーから調合した材料が使用される予定とのことだ。また、今回の「LINA」では、地球から運び入れるポリマーの質量を最小限に抑えるため、厚いシェルから薄いシェルまで様々な形状を検討し、荷重が分散されるように設計された、放物線状の断面を採用したという。      「LINA」は共同の中庭を有する3つの独立したユニットから構成されている。各ユニットの面積は75平方メートル、中央のステージングエリアは90平方メートルで、3Dプリントされたシェルは8メートル×9.4メートル、高さ5メートルの空間となる。人がその中で生活する上で十分な広さだろう。   「LINA」に電力を供給するのは大規模な太陽光発電機能。さらに「LINA」は、少なくとも50年の寿命を持つよう設計されており、宇宙探査車や通信機器、居住モジュールなども収納することができる。いずれにしても、月面探査の拠点が3Dプリンターによって建設されようとしているというのは、なんとも胸が躍る話である。今後の展開にも注目し続けていきたい。 

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米国でプールをまるまる3Dプリント、いずれはお風呂の浴槽も出力か?
2022年7月6日

米国でプールをまるまる3Dプリント、いずれはお風呂の浴槽も出力か?

    グラスファイバープールの老舗が製造ラインのAM化を決定   記録的猛暑となりそうな今夏。お盆休みはお子さんを連れてプールに出かけようと計画中の方も多いことだろう。ところで、普段、私たちが使っているプールはどのような素材でできているかご存知だろうか。実はその多くがグラスファイバー(ガラス繊維)とポリエステル樹脂なのだ。このグラスファイバーとポリエステル樹脂はお風呂の浴槽の製造などにもよく使われている素材で、一般にガラス繊維強化プラスチック(FRP)とも呼ばれており、主にその耐久性、防水性の高さと、軽量さによって採用され続けている。現在、数多くのプールで使用されているグラスファイバー(ガラス繊維)プールを1958年に発明したのは米国のSaunJuanという企業だった。その画期的発明から70年が経過した今日、同社が社運をかけて取り組んできたのは、労働力を削減し、市場投入までの時間を短縮するための技術革新。そして、その技術革新において主役となったのがお馴染み3Dプリンターである。その際、同社が組んだのはカスタム3Dプリンターを構築し、AM(アディティブマニュファクチャリング)サービスを提供する企業Alpha Additiveだった。いわく、グラスファイバープールの製造をAM化することにより、従来の数分の一の時間でプールを製造することができるようになったという。プールにはそれぞれの会場に適した形状が異なるものだが、従来はまず最終的なグラスファイバー製品を形成するために必要な木型の構築に数か月かかっていた。しかし、製造プロセスを3Dプリント化したことで、木型構築のプロセスが省略され、製造全体の時間が大幅に短縮されることになったというわけだ。   SaunJuanが製造した世界初の3Dプリントプール Baja Beach もちろん、AM化で得られるメリットはそれだけではない。ガラス繊維製品がこれまで抱えてきた問題、そう環境負担を大幅に減らすことができる可能性があるのだ。伝統的に作られたグラスファイバープールと比較して、今回3Dプリントされた新たなグラスファイバーは「完全にリサイクル可能」なのだという。この3Dプリントされた素材が使用を終えた際には、プラスチックシュレッダーに通すことで、それらのプラスチックペレットを再利用することができるのだ。実はすでにSaunJuanの3Dプリントグラスファイバープールは完成しており、ニューヨークはマンハッタンに出荷されている。Baja Beachと名付けられたそのプールは、傾斜したプールの入り口と、壁面の透明ガラスを擁し、大きさは7.92mx 3.66 m、深さは91 cmで、面積は7平方メートルと泳ぐには手狭なサイズである。だが、これが今後のプール業界において大きな転換点となることは間違いない。あるいは同様に、今後、お風呂の浴槽の3Dプリント化も進んでいくかもしれない。当然、この流れが進んでいけば、やがて業界全体に低価格化の波が訪れるだろう。         米国ドラマや映画などでおなじみのプール付きの庭や大きな浴槽のあるバスルームも夢ではなくなる日が来るかもしれない。今後の展開に期待したい。      

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100年の歴史を持つ駅舎を3Dプリンターで改修|細かな装飾もスキャンして再現
2022年7月5日

100年の歴史を持つ駅舎を3Dプリンターで改修|細かな装飾もスキャンして再現

  複雑な伝統技術を3Dスキャンして修復   ここ数年、3Dプリント住宅に関する話題が多い。世界各国で競い合うように3Dプリント住宅建設が試みられ、大規模なプロジェクトがいくつも進行している。その一方であまり注目を浴びていない分野がある。修復工事における3Dプリント技術の活用だ。実はすでに建物の細部を復元する上で、3Dプリント技術は大いに活用されている。ただ、そのようなプロジェクトは通常、あまり脚光を浴びていない。そんな中、あのフォード社が手がけている修復プロジェクトが注目を浴びている。修復対象はアメリカ・ミシガン州のミシガンセントラル駅だ。100年の歴史を持つこの駅舎が、現在、起業家、新興企業、フォードのモビリティチームが、都市交通ソリューションを作り出すためのハブとして機能するように改修されようとしているのだ。フォード社はこれまでもヘンリーフォードアメリカンイノベーション博物館の復元を始め、3Dプリント技術を多く活用してきた。今回の改修工事においてもまた3Dプリント技術が重要な役割を果たすことになる。特にミシガンセントラル駅には装飾的な柵やタイルが多く用いられており、それらを精巧に復元する上では、3Dプリント技術が最適だというわけだ。   細やかな装飾の施されたミシガンセントラル駅の装飾   チームはまず、現状のミシガンセントラル駅を構成しているピースを3Dスキャンし、それらをCADファイルとして調整したデータをフォードの先端製造センターで3Dプリントした。今回フォードが意識したのは、ミシガンセントラル駅をいわゆる近代的な建造物に改修するのではなく、100年の歴史が持つ雰囲気を崩さず、改修の入らない部分と入る部分とのギャップに違和感が生じないような改修を行うことだった。駅の3Dスキャンにはおよそ数ヶ月を要したという。一方、3Dプリントは3週間で完了した。フォードの研究と高度なエンジニアリングによるこのプロジェクトは、今後、大きな可能性を持ったモデルとなるとみられている。各国には様々な建築があり、そこには素晴らしい技術の数々の痕跡がある。それらの職人技をコピーすることはたやすくない。通常であれば法外な費用と時間がかかってしまうだろう。現状では、3Dプリントと3Dスキャンが、費用対効果の高い方法でこれらを復刻する唯一の方法だろう。もちろん日本においても例外ではない。精巧な寺社建築の装飾などの改修に、今後3Dスキャン技術と3Dプリント技術がが用いられていくケースはどんどん増えていくだろう。職人技術を繋ぐのはもはや人ではなくテクノロジーなのかもしれない。    

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