ここでは光造形(LCD/MSLA)3Dプリンターのパラメーター調整項目とフローチャートを解説します。もとは画像だけで公開していたページですが、検索や読み上げでも参照できるよう、各画像の内容を文字に起こしました(画像は2021年公開時のもの。数値はレイヤー厚0.05mm・通常レジンでの目安で、レジンや機種により変わります。実際の推奨値は各レジンの商品ページや当店のFAQでご確認ください)。
1. 各ソフトの調整項目とフローチャート

上の図は、Phrozen OS(プリンター本体側の設定)・CHITUBOX・Formware 3D の設定画面で、同じ意味の項目がどこにあるかを色枠で対応させたものです。以下の2〜4章では、色枠ごとに項目の意味と調整の目安を説明します。設定値そのものは画面の例であり、お使いのレジンの推奨値を優先してください。
2. 色ごとの調整項目の解説(レイヤー厚・下降速度・待ち時間)

- レイヤー厚(水色枠):一層ごとの厚みです。数値を下げると仕上がりはきれいになりますが、時間がかかります。通常のレジンは0.05mmを基準に露光時間が記載されているため、0.05mmより薄くした場合は露光時間も下げる必要があります。
- プレートを下ろす速度(紫枠):速すぎると印刷時間は短くなりますが、気泡が入ったり造形物がずれたりします。通常は60〜120の範囲で問題なく、100あたりから始めることを推奨します。
- 露光前の待ち時間(黄枠):紫外線を当てる前にどれだけ待つかの設定です。短すぎると、紫外線漏れで半硬化したレジンを振り払えず、気泡が抜けきらないまま硬化します。ソフトによって挙動が少し違います。Phrozen OS(Web上で設定)はプレートが降りた後に待つミリ秒(1,000〜3,000msあたりを推奨)、CHITUBOX・Formware 3Dはプレートが降りた後に待つ秒数(1〜3秒付近から様子を見ます)。
3. 色ごとの調整項目の解説(初期層の回数・初期層の露光時間)

- レイヤーカウント(赤枠):初期層の設定を何回繰り返すかです。バーンレイヤー、ファーストレイヤーとも呼ばれます。6〜8であれば問題ありません(たとえば6なら、6枚分=6回、長時間露光をします)。
- 初期層の露光時間(茶枠):短すぎると定着せず、印刷の途中で剥がれます。長すぎるとプレートから剥がしにくくなります。0.05mm・通常レジンの場合、80秒あたりから始めて、つかなかった場合は20秒ずつ増やす、剥がしにくい場合は10秒減らす、といった調整を推奨します。
4. 色ごとの調整項目の解説(リフト距離・リフト速度・通常露光時間)

- プレートをどれだけ持ち上げるか(橙・黄緑枠):低すぎると引き剥がしに失敗して印刷ミスになり、高すぎるとZ軸のブレの影響が出やすくなります。4〜6mmで十分です。
- プレートを持ち上げる速度(水色枠):速すぎるとサポートが出なかったり、造形物がVAT(レジン槽)に残ったりします。通常は50〜150あたりで問題なく、始めは100あたりに設定することが多いです。
- 通常の露光時間(緑枠):適切でないと造形物が痩せたり太ったり、サポート周りが太ったりします。痩せる場合は露光時間が足りないので1秒ずつ増やし、太る場合は露光時間が多いので1秒ずつ減らします。
5. ファイル形式(ZIP/PHZなど)による扱いの違い

- ZIP:スライサーソフトの設定と、プリンター本体のレジンプロファイルのピッチ(レイヤー厚)が一致している必要があります。スライサー側の設定は、ピッチ以外はほとんど使われません(対応マシン例:Phrozenのプリンター全般。SONIC miniを除く)。流れは「Formware 3Dのピッチ設定 → ZIP → Phrozen OSのピッチ設定 → 印刷」です。ここが一致していないと、出力物が伸びたり縮んだりします。
- PHZや他社の独自形式:スライサーで作ったファイルをUSBメモリーなどに入れて直接印刷することが多い形式です。ファイルの中に露光時間などの設定が書き込まれているため、本体側の設定が要らないことが多いです。PHZファイルはZIPファイルと同様に、プリンター側の設定で動かすこともできます。その場合はピッチを一致させてください。
調整に迷ったら
まず「初期層の露光時間」と「通常の露光時間」を1つずつ動かして、他の項目は上の目安に固定するのが近道です。レジンごとの推奨値は光造形3Dプリンター・レジンの各商品ページに記載しています。設定について相談したい場合は、購入前相談やLINE公式アカウントからお問い合わせください。
