IKEAの最新3Dプリント装飾品がモードでカッコいい|自社製品の用途をAM技術で拡張する北欧の最前線
IKEAの新たなるライン「FLAMTRÄD」
新年、特にこれからの2月、3月というシーズンは新生活に向けての準備が始まるシーズンでもある。
引っ越し予定がある方はもちろん、新しい一年を心機一転して過ごしていく上で、居住環境のリニューアルを計画されているという方も少なくないだろう。
スウェーデン発の家具大手IKEAは、今日、日本においても全国に12店舗を構え「北欧式のおしゃれな家具や生活雑貨を手頃な値段で買えるお店」として親しまれている。2020年には渋谷に、2021年には新宿にも店舗を出店し、その存在感を高まるばかりだ。
そんなIKEAが最新商品ライン「FLAMTRÄD」を発表した。このラインでは3Dプリンターによって製造されたオンデマンドの室内装飾品をリリース、すでに発売が開始されている。
これまでも3Dプリントアイテムを様々に提供してきたIKEAだが、今季はSLS方式の3Dプリンターを用い、人間の顔や手などをモチーフとした格子デザインのアイテムを出力した。
カラーリングは黒と白の展開、モードな雰囲気が空間をスタイリッシュに装飾してくれそうだ。
専門筋によると今回のFLAMTRÄDのリリースは、IKEAが3Dプリント商品の価格を十分に低くして大量生産する方法を見つけたことを表している可能性があるという。今回の価格帯は4000円から6500円。IKEAの他の商品ラインナップと比較すると決して安くはないが、アートとしての装飾性を考えればリーズナブルだろう。
ところで、DIY愛好家たちの間において、IKEAの家具は3Dプリントされた部品でハッキング、つまりはカスタマイズするのに非常に適していると言われている。IKEA自身もこうしたDIYを奨励していて、自社のスピーカーを3Dプリンターを用いてハックするためのコンテストを主催していたりもする。
中でもThisAblesという取り組みでは、IKEA製品を特別なニーズに基づいて使用するための3Dモデルを開発、提供している。たとえば引き出し用のハンドル、ストローを安定させる器具、ゲームコントローラー用のアダプターなどなど。販売された商品を最終形と考えず、それらに潜在している可能性を探求していく姿勢は、まさに今後の製造企業が見習うべきところだろう。
今後、家具雑貨業界では3Dプリンターがますます存在感を高めていくことは間違いない。今度、IKEAに行った際は、どれが3Dプリンターで作られたものかを探すような視線で店内を回ってみても面白いかもしれない。