数字で見る各学校の3Dプリンター事情
本ページでは、SK本舗の学生支援事業に応募いただいた学校から回答いただいたアンケート結果を公開しております。(2023年6月末時点のデータ)
学校で新しく3Dプリンターの導入をするのはなかなかハードルが高い、と考えている方に是非見ていただきたいページです。
3Dプリンター寄贈前アンケート
質問①学生支援事業応募前に3Dプリンターを使用した経験はありますか?
3Dプリンターを使ったことのある学校と使ったことのない学校で半々となっています。
3Dプリンター経験校・未経験校はそれぞれ応募理由は様々ではございますが3Dプリンター経験校の応募理由としては、FFF(FDM)方式は使ったことあるけど光造形方式を使ったことがなく、どのような使用感なのか試してみたい、使ったことのないメーカーだから試してみたいといった理由が多くございました。
一方で3Dプリンター未経験校は、授業の導入検討材料として応募いただいたり、学校自体としては検討はしていないが部活動で生徒から使ってみたいという声があったりといった理由などが挙げられました。(導入検討については次の質問②もご参照ください。)
質問②応募前から3Dプリンターを活用した授業の検討をしていましたか?
こちらは応募いただいた学校の7割が検討していたという結果が得られました。近年3Dプリンターを活用したニュースも多く、3Dプリンターに注目している学校が多いことがわかります。また、特に商業高校については3Dプリンターを使用する授業は既に実施されていました。
学校として将来的に必要な技術として子どもたちに知ってほしい、という思いが伝わります。(次の質問③もご参照ください)
また、「いいえ」と回答した学校は生徒の方から応募したいという声が挙がり、本企画に応募した学校が多い結果となりました。
質問③学生支援事業応募にあたり生徒から「3Dプリンターを使ってみたい」という声はありましたか?
7割以上の学校の生徒から「3Dプリンターを使ってみたい」というお声が挙がっていることがわかりました。生徒ご自身から応募があった学校もあり、学生にとっても注目の技術であることがわかります。
近年ではYoutubeなど3Dプリンターを使用した動画などを簡単に見ることができるほか、特に細かい造形を行いたいロボコン参加校からの生徒から熱い希望で応募する学校も多数ありました。
質問④学生支援事業に応募した目的は受講者に新しい価値観や最先端技術に触れる機会を作る目的でしょうか?
9割以上の学校が生徒に光造形方式の3Dプリンターの技術に触れてほしいという目的で応募いただきました。3Dプリンターに注目している生徒のみならず、3Dプリンター自体を知らない生徒にもどういった技術なのか見せたいという思いでご応募いただいた学校が多い結果となりました。
質問⑤3Dプリンターに対してどのような印象を持っていますか?
3Dプリンター経験校も含め、8割の学校が「難しそう」という印象を持っていることがわかりました。3Dプリンター未経験校だと新しい技術だということもあり、うまく利用できるのかというご不安が多い中で無料で利用ができるということで思い切って応募いただいた、という学校が多かったです。
更に経験校でも寄贈する3Dプリンターと異なる方式しか使用経験のない学校だと「難しそう」だという印象があることがわかりました。
「難しそう」だという不安が多い中、実際にうまく出力ができたのかという結果は後の寄贈後アンケート質問①をご参照ください。
質問⑥3Dプリンターを導入することにより授業内容が充実できそうでしょうか?
9割以上の学校が3Dプリンターの活用に新しい可能性を感じていることがわかる結果となりました。また、判断がつきかねてるのでその可能性を探るために本企画に応募したというご意見もあり、3Dプリンターへの期待値がわかります。
質問⑦3Dプリンターの使用により授業が大幅に時間短縮・効率化できる部分がありますか?
授業の時間短縮・効率化については授業の充実度とは反対に、意見が分かれる結果となりました。
質問④の通り、生徒の皆様に最先端技術に触れてほしいという学校が多かったため、授業の効率化を図るというよりは「まずは使ってみてそこから授業効率化へ活用できるかを考える」と考えている学校が多いことがわかります。
質問⑦3Dプリンターを導入した授業のために指導者の技術が難解だと思いますか?
こちらは意外なことに、3Dプリンター未経験の学校だけでなく経験のある学校でも「指導者の技術が難解」だと考えていることがわかりました。
3Dプリンター未経験の学校については、そもそも見たこともなく触ったこともない技術のため不安に思っている学校が多い結果となりました。
一方で、3Dプリンターの経験がある学校については、経験があるからこその3Dプリンターを教える難しさを理解しているため難解だと感じている学校があるということがわかりました。
3Dプリンター寄贈後アンケート
質問①3Dプリンターの使用感はいかがでしたか?(複数回答可)
寄贈前アンケートの質問⑤では難しそうだという印象が8割を占めていましたが、4分の3の学校が3Dプリンターの使用感について満足いただける結果となりました。
初めて3Dプリンターを導入した学校も思ったよりも簡単に使用できた、という回答もありました。
学生支援事業では使用に慣れるまでに時間を取られるのではなく、活用するために多くの時間を割けられるよう充実したマニュアル作りに力を入れております。マニュアルについてもご満足いただいているお声が多かったです。
質問②3Dプリンターの出力は予想通りにできましたか?
3Dプリンターのイメージとして強いのはFFF(FDM)方式ではないでしょうか。
学生支援事業で寄贈している3DプリンターはFFF(FDM)方式よりも精度が高い特徴を持つ光造形方式のため、精度がかなり良いのに驚いたというお声が多かったです。特にFFF(FDM)方式を使っている学校で精度の高さに驚きの声をいただきました。
また初めて3Dプリンターを使用する学校については、もう少し満足のいく設定を見つけたいといった前向きな回答がある学校もありました。
質問③寄贈された3Dプリンターは今後も使いたいですか?
9割以上の学校が今後も活用いただけるという嬉しい回答を頂けました。
部活動で活用しているのはもちろん、部活動目的で導入してみたものの授業でも使えそうだということで授業への活用方法を検討したいというお声もいただきました。次の質問④と一緒に実際に使ってみて活用できそうだと感じた分野をご確認ください。
質問④どのような授業や分野で3Dプリンターが活用できそうでしょうか?
SK本舗の予想としては生徒が1人1人フィギュア作成するなどの美術系、最先端技術を紹介する情報系での授業活用の回答が多いのではないかと考えておりましたが、驚くことに1番は理科系で活用をしたいというお声が多かったです。例えば複雑でわかりづらい分子モデルの出力や生物の骨格標本などの、実際に目に見ることはできないものを出力したいというお声がありました。
また、理科系だけでなく、活用方法としては生徒1人1人に使ってもらうのではなく、出力物を授業の教材として使いたいというお声が多い結果となりました。例えば社会系では県の形や地理に関する出力を行って生徒に見せたり、数学では2次元で説明が難しい多面体の模型を作りたいといったお声がありました。
質問⑤3Dプリンターを授業や学校で導入するのに課題になる点は何ですか?(複数回答可)
3Dプリンターを今後も活用したいというお声がある一方で、学校に導入するにあたって課題を感じた方も多くいらっしゃいました。
まずは3Dプリンターの活用を専門に行わない学校では、教員自体がまず3Dプリンターに関する知識が必要で不安というお声がありました。
また、更に3Dプリンターを活用するにあたっての材料費(レジン代)もネックにあることがわかりました。学生支援事業では、3Dプリンターと一緒に水洗いレジン500gも一緒に寄贈いたしますが、追加で購入しようと思った際にレジンが想像より高価で驚いたというお声がありました。
更に出力に時間がかかるのも導入が難しいという感じた理由で多かった点です。生徒に使ってみてほしいが授業時間内に出力が終わらないため次回授業に持ち越しになってしまうので授業で使用してもらうのは難しいというお声もありました。
更に、3Dプリンターで出力する際にスライスソフトのインストールが必要となりますが、スペックやセキュリティの関係で学校内で手続きが必要となるので導入までに時間がかかってしまう、という意見がありました。
個人や法人で使用するよりも学校への導入は超えるべき課題が多いと感じる結果となりました。
以上の結果を踏まえ、今後もSK本舗は学校でも3Dプリンターを活用できるよう様々な工夫・サービスを行っていく予定でございます。
引き続き学生支援事業は行ってまいりますのでご応募をご希望する場合は下記URLにて内容をご確認の上ご連絡ください。
学生支援事業URL:https://skhonpo.com/pages/school-support-3dprinter
3Dプリンターの新たな活用方法をお待ちしております!