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Apex Legendsファン必見!!あの大手メディアがApex関連の3Dデータを大特集
あのALL3DPが『Apex Legends』特集 ここ数年のゲーム業界において、世界的なスマッシュヒットといえば、まず『Apex Legends』を思い浮かべる方も多いのではないだろうか。あまりにも有名なゲームのため詳細は省くが、2019年のローンチ時は配信一ヶ月以内に5000万回のダウンロードを記録し、今日に至るまでYoutubeにも無数のプレイ動画がアップされ続けている。東京では渋谷駅前にて大々的に広告が展開されるなど、ちょっとした社会現象とさえ言える大人気ぶりだ。その人気の秘密は様々あるが、その一つの要素に魅力的にデザインされたキャラクターというポイントがある。実際、コスプレ界や二次創作界も盛り上がっているようで、一時はキャラの一人に似ているという青山テルマがそのキャラのコスプレを披露して、大きく話題になった。実は、この大人気ゲームApex Legendsに関して、世界的3Dプリンターメディアである「ALL 3DP」がとても面白い記事を出している。ネット上に無料公開されているApex Legends関連の3Dデータの中から、より優れている3Dデータを厳選し、紹介するという記事だ。 好きなゲームのグッズを欲しいと思うのは世界共通。ちなみに3Dデータもまた世界共通である。果たして、どんなアイテムが紹介されているのか。ALL3DPの記事からさらに厳選してご紹介したい。 注目の『Apex Legends』関連3Dデータ 1.モザンビーク まず一つ目はApex Legendsのネタ枠として有名な武器「モザンビーク」の3Dモデルだ。性能はゲーム内で最弱。正直プレイに使うには役立たずとしか言いようがないが、それゆえどこか愛されるApexのマスコット的な武器でもある。その点、モザンビークのフィギュアをファンに見せつければ「なんでモザンビークやねん」というツッコミと笑いを誘うこと間違いなし。設計者はケビン・チャン氏でThingiverseでダウンロードできる。https://www.thingiverse.com/thing:3513029 2.ウィングマン 二つ目も銃器系だ。こちらは「モザンビーク」のようなネタ系武器ではなく、ゲーム内での性能も抜群。一時期はフロンティアで最も強力な拳銃とも言われていた。連続射撃に弱いため、1発できちんと敵を仕留めるスキルを持った上級者向けのアイテムであり、コアな人気を得ている。見た目もいぶし銀でかっこいい。設計者はカルンケ氏でThingiverseでダウンロードできる。https://www.thingiverse.com/thing:3456624 3.ブラッドハウンドのマスク ...
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宇宙への移住の鍵を握るのは3Dプリンターか? 宇宙開発における3Dプリント技術の最前線
3Dプリンターが宇宙開発を促進する 地球がくまなく探査されつつある現在、間違いなく今日の人類にとって最も魅力あるフロンティアは宇宙空間だろう。太陽系以外の惑星に生命は存在するのか。あるいは人類が居住できるような環境を持った星がどこかにあるのか。気候変動が叫ばれる昨今、移住可能な惑星探しは切迫した問題として、人々の関心を集めている。しかし、なかなかどうして宇宙探査は進まない。アポロ17号が月面高地に着陸して半世紀、いまだ人類は月の低重力大気を航行すらできていないのだ。今日、イーロン・マスクやジェフ・ベゾスなどの億万長者たちは、宇宙の商業化に関して、強い関心を寄せている。気が遠くなるほどの大金が、惜しみなく宇宙産業の開発に注ぎ込まれているのだ。その上で、非常に重要な問題が宇宙へのアクセスコストの削減だ。そこで重要となるのが3Dプリンティング技術である。 完全3Dプリント製のロケットエンジン 実際、ロケット開発にはいまや3Dプリンターが欠かせなくなっている。エンジン開発、あるいはボディの部品に至るまで、3Dプリンターは製造のコストカットのみならず、設計の自由度の向上や重量を減らすことに役立っている。たとえば現在、Made In Space、Aerojet Rocketdyneなどの宇宙開発企業が3Dプリントメーカーと提携し、印刷可能な部品のリストの拡大を急いでいる。あるいは、それが3Dプリンティング技術の進歩をも促しており、Relativity Space社はよりスピーディーにロケットを製造するために、独自の積層造形技術を開発するに至っている。最近では新興企業であるSkyrootやOrbexなどが完全に3Dプリントできるロケットエンジンまで発表しているという。昨年は世界中がコロナ禍でビッグストップに陥っていたにも関わらず、宇宙開発はむしろペースアップしており、過去20年間で最大の114回の打ち上げが行われたそうだ。 Orbexの世界最大の3Dプリントロケットエンジン 宇宙ゴミの破片を3Dプリントの原料に 一方、宇宙空間の過酷な環境で人類が生きていくための技術としても3Dプリンターには期待が高まっている。フード3Dプリンターによる宇宙食の出力はもちろん、物資をその場で出力できる3Dプリンターが孤立した宇宙空間で重宝されるのは、半ば当然と言えるだろう。 中でもTethersUnlimited社は宇宙ゴミの破片を再処理することで、3Dプリンターの原料を作る研究を行ってきた。すでに閉じられたループで7回のリサイクルを成功させており、地球からの物資に依存することがなく、宇宙空間で必要物資を調達する技術として高い注目を集めている。また、宇宙での3Dプリンティングにおいては、環境が真空状態であるケースも考慮しなければならない。たとえばどこかの惑星に3Dプリントによる建築物を行う場合、規模的に宇宙船内で出力することはできず、真空状態においいて出力する必要がある。この真空状態でも機能する3Dプリンター開発を進めているのはMade In Space社だ。同社が開発した3Dプリンター「Archinaut」は、現在、、宇宙ステーションポッドに設置され、通信衛星反射板の製造や、外部からの機械の修理を行う目的で開発が進められているが、やがては宇宙での大規模製造の革新的な手段となると言われていいる。 Archinautのイメージ映像 ...
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キャプチャしたゲームキャラをフルカラー3Dプリントでフィギュア化できるプラットフォームが誕生!! MixedDimensionsがゲームグッズ業界を更新する
ゲーム中の好きなシーンでキャラをキャプチャしてフィギュア化 以前、人気ゲーム『フォーオナー』が3Dプリンターを用いたオーダーメイドフィギュアの販売を開始したことを取り上げた。 カスタマイズしたゲームのキャラが3Dプリント可能に!? 人気ゲーム『フォーオナー』が開始した画期的サービス 少しおさらいすると、ヨルダンのスタートアップMixedDimensionsが、ゲーム会社Ubisoftと提携、人気ゲーム『フォーオナー』のサイトより、好きなキャラを好きな装備、好きなポーズでフィギュア化、購入できるサービスを発表し、話題となったのだ。あれから数ヶ月、MixedDimensionsが本格的にゲームキャラの3Dプリントフィギュアサービスを全面的に展開しようとしている。『フォーオナー』においては、あくまでもキャラクターの装備やポーズを限られた選択肢から組み居合わせ、発注できるというサービスだったが、今回は違う。ゲーム中の好きなシーンでキャラをキャプチャし、その状態のキャラクターをベースにフィギュア化するというサービスを開始するのだ。 ゲーム開発者とユーザーの双方を目掛けた新サービス 今回、新たに発表されたサービス名はGamePrintSDK。もちろん、今回もフルカラーであり、フィギュアの精度は抜群とのことだ。使用しているプリンターは日本のMIMAKI。キャプチャの自由度だけでなく、キャプチャしたキャラをさらにカスタマイズすることも可能だという。 Mimakiの3DUJ-553 ユーザーはまずGamePrintSDKへの登録を行う必要がある。しかし、月額費などは一切かからない。登録後、キャプチャボタンでお気に入りの瞬間のキャラクターを撮影したらエクスポート、アップロードされた3Dモデルを修正し、チェックアウトといいう流れのようだ。ちなみにサイズは1~7インチとのことらしい。 これはゲーム開発者とユーザーの双方を目掛けたサービスであり、開発者はこのサービスを使って新たな収益化を目指すことができるとされている。今回のサービスにおいて対応しているのはゲーム開発プラットフォーム「UNITY」によって開発されたゲームに限定されているようだが、この流れはゲーム界全体に波及していくだろう。自分のお気に入りのゲーム、手塩にかけて育てたキャラクターを、好きなポーズでフィギュア化してくれるというのは、実に夢のある話だ。開発者は「私たちの世界はますますデジタルになり、物理的世界とデジタル世界を隔てる境界は薄くなっている」と語っている。今後の発展が楽しみでならない。
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3Dバイオプリンターが失明患者を救う――人工角膜開発の最前線
もし急に目が見えなくなったら もし明日、急に目が見えなくなったら。そんな想像をしたことがあるだろうか。当然、恐怖を感じるだろう。空も、海も、大地も、木々の緑も、そして、大事な人たちの顔も、もう二度と見れないだなんて、想像しただけで苦しくなってしまう。現在、日本では視覚障害者が約31万人いると言われている。原因は様々だが、そのうちの約2万人は角膜移植によって視力の回復が可能だとされている。角膜とは私たちが眼球に光を取り入れる際の入り口だ。私たちがはっきりと世界を見渡すことができるのはこの角膜のおかげであり、角膜がなければピントを合わせることもできず、あるいは光を取り込むこともできない。それゆえ、角膜に何らかの原因で障害を負ってしまうと、最悪の場合は失明してしまう危険がある。それほどに重要な器官なのに、人体は角膜内皮細胞を自分で修復することはできない。傷つき、障害を負った角膜を治療するには、健康な角膜と交換する「角膜移植」が必要なのだ。移植にあたってはまず角膜を提供してくれるドナーが必要である。しかし、ドナーは現状で不足している。もし健康な角膜さえあれば視力を回復できる人たちが、ただ順番待ちをしている状態が続いているのだ。さらには免疫学的な拒絶反応が出てしまう場合もある。移植技術はあっても、いまだ視力を回復できていない患者が大勢いるのだ。そのような状況を克服する技術が、現在、3Dプリンターによって開発されているらしい。そこで、今回は3Dプリンターによる人工角膜開発のここ2年の状況を、ざっと概観してみたい。本記事を要約すると、主に以下の3点になる。 ①2020年~2021年にかけて人工角膜の研究と開発が急速に進んでいる。②世界各国でそれぞれ研究が進められており、イスラエルではすでに人工角膜の移植手術に成功している。③現在、最も期待されているのはバイオインクと3Dバイオプリンターを用いた角膜の生成。出力にかかる時間は10分ほど。 それでは見ていこう。 3Dプリント技術を用いた人工角膜 それは2020年7月のことだった。トルコのイスタンブールにある国立マルマラ大学で、3Dプリント技術を用いて移植に適した人工角膜の生成に成功したという衝撃的なニュースが飛び込んできたのだ。発表によると、マルマラ大学の研究チームが成功させたのは、ドナーからの移植に頼らずに角膜を置換するための人工角膜の生成らしい。これがドナー待ちが続いてる角膜移植希望者に光をもたらすとして、眼科医学界に波紋を呼んでいたのだ。開発された人工角膜は、生体適合性があり弾力や透明性に優れた複合材料から製造されるとのことだった。研究チームは3DCADソフトウェア「SolidWorks」を使用して設計した3Dデータから作成したアルミ型を用いて、FFF方式の3Dプリント技術を併用し、この人工角膜のサンプルを作製したそうだ。果たして人間の目にも使うことができるのか。テストを行ってみたところ、臨床でも使用可能であることが確認されたという。 (画像引用:マルマラ大学) (画像引用:マルマラ大学) これは画期的な開発だ。この技術があれば、もうドナー待ちに患者が耐え続ける必要がなくなる。さらに研究を続けていくことで早期に実際の現場にも導入したいと息巻く研究チームだったが、実は人工角膜の研究を進めていたのはマルマラ大学だけではなかった。 ドナーを必要としない人工角膜の移植手術 次のニュースが届いたのは2021年1月だった。イスラエルの新興企業・CorNeatがドナーを必要としない人工角膜の移植手術に成功したと発表したのだ。人工角膜の開発に成功しただけではなく、すでにその移植手術も無事終えているとのことで、大いに話題となった。手術を受けた男性は10年前より角膜を損傷し、完全に失明状態だったらしい。しかし、術後には視力が回復、間もなく文字を読めるまでになったという。この際に使われた人工角膜はCorNeat社が開発した「KPro」だ。このKProは生物模倣素材から構成されており、移植された部位の細胞増殖を刺激して術後数週間以内に体組織と完全に融合するため、術後の回復も極めて早いと言われている。 CorNeat社が開発した「KPro」 すでに10人の患者への試験的な移植が承認されているといい、あとは全面的な導入が待たれるばかりとまでなった。すると、今後はKProが人工角膜のスタンダードとなっていくのだろうか。そう思われた数ヶ月後、またニュースが届いた。 バイオインクから10分で角膜をプリント 2021年5月、今度はニューカッスル大学のチェ・コノン教授の研究チームが角膜を作り出すための溶液を開発、3Dバイオプリンターによって人工角膜を作り出すことに成功したことを発表した。この研究チームの人工角膜は健康なドナーから抽出した角膜の幹細胞にコラーゲンなどを化合することで生成したバイオインクから作られる。これはKProで使われている生物模倣素材ではなく、ズバリそのまま生体細胞だ。...
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海外の辛口レビュアーも大絶賛する ANYCUBIC PHOTON Mono X ——「10点満点中9点」「全体的に見て素晴らしい3Dプリンターだ」
海外大手メディアがMono Xを徹底レビュー 今回は弊社SK本舗が取り扱う3Dプリンターのレビューを紹介しよう。取り上げるのは大人気商品の一つ、ANYCUBIC PHOTON Mono Xだ。今年頭、3Dプリント関連メディア最大手の「3Dprint.com」がANYCUBIC PHOTON Mono Xを徹底レビューする記事を発表した。ここではその内容を追ってみたい。 さて、結論から先に伝えよう。「大絶賛」である。 「全体的に見てMono X は素晴らしいプリンターだ。私のコレクションにこのマシンが加わったことを歓迎したい」 舌鋒の鋭さでは定評のある「3Dprint.com」のレビュアーをしてここまで言わせている。もちろんレビュアーはアップデート前の「Mono」も使用していた。その上で今回の「X」へのアップデートは素晴らしいものだったと言っているのだ。それでは、具体的に見ていこう。本編の記事はかなりの長文のため、ここでは要点をかいつまんでいく。 サイズアップ、速度向上、デザイン、全てにおいてパワーアップ まずレビュアーが評価するのは、全シリーズに比べてビルドボリュームが大きくなっている点だ。「このサイズアップだけでもXを手に入れる理由は十分だ」とまで言っている。しかし、改良点はこれだけではない。 その一つはモノクロ液晶ディスプレイの採用だ。レビュアーによれば、これによってディスプレイが長持ちするようになった(数千時間のプリントが可能)だけではなく、以前のRGB液晶ディスプレイに比べて硬化時間が大幅に短縮されている点を強調する。印刷速度の向上は極めて顕著で、いわく「あまりに早いから最初はスライサーのミスかと思った」とのことだ。 また、もう一つあげているのがZ軸に採用されたデュアルリニアレール。これによって以前のシリーズに比べて大幅に安定性が向上したとレビューしている。さらにWi-Fi機能の搭載によって他の部屋のPCからも操作できる点、また造形時の音が以前より大幅に静かになった点も評価している。 もう一つ、レビュアーはMono Xのデザインもお気に入りのようだ。「シンプルかつエレガント」と絶賛している。 ...
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オルトミートに続くか? 3Dプリント「シーフード」に注目が集まる理由
オルトシーフードが到来する? これまでSK本舗メディアにおいては、3Dプリント技術を使ったオルトミート(代替肉)の最新情報を多く紹介してきた。 もっとも代表的な企業としてはnova meatが存在している。同社が開発する3Dプリント・ステーキは、人口問題に伴う食糧不足という危機を抱えた未来の食生活を支える技術になりうるとして、いまや世界中からの注目を集めている。 しかし一方で、食料問題は何も牛肉や豚肉に限った話ではない。近年では漁業の乱獲などによる生態系の破壊も問題視されており、シーフード大国である日本にとってもまた、サンマやクロマグロなどの漁獲量を制限されるなど、他人事とは言えない問題となっている。 安くて美味しい魚を気軽に食べられる時代は、もう終わってしまうのだろうか。そんな不安が脳裏をもたげる中、3Dプリント技術がまたも「ソリューション」の手掛かりを打ち出してくれているのだ。 Revo Foodsの3Dプリントサーモン バイオ3Dプリント技術を駆使して、3Dプリントシーフードの開発を進めているのがRevo Foodsだ。こちらはオーストリアのスタートアップ企業で、元はLegendary Vishという社名だった。 このRevo Foodsは主に植物性サーモンの開発を行っており、すでに先月(3月)、オーストリアにおいて、世界初となる3Dプリンター製サーモンの試食会を開催している。当日の会場の状況はいかがだったんだろうか。インスタグラムには実際に提供された3Dプリントサーモンの写真が投稿されている。 この投稿をInstagramで見る Yvonne Samsarova(@ysamsarova)がシェアした投稿...
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隕石が落下するたびに点灯する3Dプリントドレス「メテオドレス」がすごい——オランダの新鋭デザイナーであるアヌーク・ウィプレヒトのSF世界
メテオドレスの一体どこが凄いのか? 今、あるドレスが近未来的だと話題を呼んでいる。その名は「メテオドレス」。デザインしたのは環境に反応するファッションデザインで知られるオランダの新鋭アヌーク・ウィプレヒトだ。 さて、まずは何より、こちらの動画をご覧いただきたい。 ご覧の通り、ドレスにはLEDライトが搭載されており、白く美しい光を放っているのが分かる。幾何学的な立体形状もSF的で、3Dプリンターで出力されたという制作背景を含めて、確かに近未来を予感させるデザインだ。 しかし、である。正直、LEDで光る3Dプリントドレスということであれば、これまでにも近いものはあったようにも思ってしまう。これが今大騒ぎされているというのは、いささか大げさではないだろうか。 果たして、その疑問は的外れだった。このドレスにおいて驚くべきは搭載されたLEDライトの点灯のシンクロ先にあったのだ。なんとこのドレス、実際の流星データのサンプリングを通じ、流星が大気圏にぶつかって、地球の夜空で大気を燃やすたびに、空で観察されたものと同じ速度と明るさで光を発するらしいのだ。 もはや願い事をするために夜空を眺める時代ではない、ということだ。なんてったって、このドレスを着ていれば、空の見えない流星にまで勝手に反応してくれる上、その流星と同じ強さ、タイミングで光ってくれるのだから。 一体どこに着ていくんだ? という野暮なツッコミはよしとしよう。小林幸子のドレスだって紅白以外では使いどころはないのだ。まずはこのテクノロジーとファッションの融合に、素直に賞賛を送りたい。 アヌーク・ウィプレヒトのSF的想像力 今回、ウィプレヒトによるメテオドレスの開発の協力を行ったのは、1961年にガガーリンが人類初の宇宙飛行に成功したことを記念し世界規模で開催されている宇宙イベント「ユーリーズナイト」と、Global Meteor Networkと呼ばれる流星ビデオカメラのネットワークを構築しているウェスタン大学の研究者デニス・ヴァイダだった。 実はこのウィプレヒトはこれまでにも今回と同様に、様々な専門家とタッグを組むことで驚きの3Dプリントドレスを数多く制作してきている。たとえば、「スパイダードレス」。このドレスは着用者の呼吸を計測するセンサーが内蔵されており、たとえば誰かが接近したことによる緊張で着用者の呼吸が高まると、普段は閉じている蜘蛛のような足がいっせいに開き、攻撃態勢に入るのだ。 この投稿をInstagramで見る...
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3Dプリンターの時代から3Dファクトリーの時代へ──明治大学のFunctgraphは「全て」を自動化する
サンドイッチを自動で作ってくれるマシーン? 明治大学がものすごいものを作っているらしい。 その名もFunctgraph。3Dプリント技術を駆使した、新たなるファクトリーオートメーションだ。 ファクトリーオートメーションとは、ある商品の製造をパーツの切断やら組み立てやら研磨やらまでを極力マニピュレーター(ロボットハンド)によって行う、現代の工業においてすでに導入されている技術だが、明治大学の研究チームが開発を進めているFunctgraphは、なんでもこれを3Dプリンターによって行うというのだ。 まずは動画をご覧いただきたい。 まず皆が気になったのはサンドイッチの製造シーンだろう。これは確かに便利だ。お腹が空いた時にパッと材料を置けば、ほら簡単、サンドイッチの出来上がり。現状は正直、出来上がったサンドイッチはお世辞にも美味しそうとは言えないが、これは今後いかようにでもなりそうな気がする。数年後には誰もが好みのサンドイッチを自由自在に………いや、待て。注目すべきところはそこではない。 Functgraphは子供と孫を同時につくる このFunctgraph、研究チームによれば端的にこう定義されている。 「Functgraphとは3Dプリンタで生成したオブジェクトを人が介入せずに組み立て・アクチュエートをする研究です」 つまり、通常であれば何かを作りたいと思って3Dプリンターで出力した場合、サポート材を取り外したり、その出力物同士を手作業で組み立てたりと、なんだかんだで手間が掛かってきたのだが、このFunctgraphでは、そのめんどっちい手間を全て取っ払ってしまおうじゃないかということが試みられているという話だ。さらに出力後、組み立てられたマシンが、そのままオートメーションで、新たに物を作り出し始めるというのだから、ちょっと驚く。 さっきのサンドイッチのシーン、ともするとサンドイッチの出来に目を奪われてしまうが、重要なのはそのサンドイッチを作るサンドイッチメイカーが、まずオートマチックに製造されているというポイントだ。そして、そうして作られたメイカーをもFunctgraphが自動操縦し、いよいよサンドイッチが完成するというわけだ。 言葉で説明すると分かりづらいかもしれない。言っちゃえば孫を作る前に子供を作ってるてなわけで、ともすれば子供と孫を同時に作ってるみたいなややこしい話なのだが、実際にそういうことなのだ。 もはや3Dプリンターではなく3Dプリンターをすら取り込んだ「3Dファクトリー」であるわけだが、実際、Functgraphはパーソナルファクトリーへと道を開く研究だとも言われている。なんせこれがあれば、工場のない個人でも商品(そして商品製造機械)を一定量製造し販売することが可能になる。資本主義の特徴は「生産手段の独占」にある、というのがかのマルクス大先生の教えだったが、Functgraphはその生産手段を生産しちゃんだから、ううむ、実に夢のある技術じゃないか。...
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顔認証システムを突破する3Dプリンターマスク──監視社会にテクノロジーはどう向き合うか
「それは本当にユートピアか」とアートは問う 顔認証システムというものがある。分かりやすい例としてはiPhoneに搭載されている「アレ」だ。カメラを使って友人を撮ろうとすると、顔の周りに表示される黄色い四角い枠、あの「アレ」。あの黄色い枠は、そこに顔があることをiPhoneが認識していることを示しており、なおかつ、撮り終えた写真をアルバムに入れておくと、認証した顔面データをもとに、人物ごとに腑分けまでしてくれる。実に便利。まさにユビキタス社会だ。 一方で、テクノロジーの進化にはいつも裏面がある。たとえば、この技術をある権力が人々を巧みに管理するために使ったとしたらどうだろうか。街中の各地に設置された監視カメラが、常に誰が何時にどこで何をしていたのかを全て記録し、管理していったら? そうして集められた行動パターンのデータをもとに、より完璧なシミュレーションと統治が行われることになったら? なんて言ったら、いささかSF的過ぎるだろうか。 実はアートの世界では、こうした顔認証システムによる監視国家化に対抗するような様々なアプローチの作品がすでに作られている。代表的なところで言えば、アダム・ハーヴェイの「CV DAZZLE」と呼ばれる作品だ。この作品では、顔面にメイクを施すことによって、顔認証システムを撹乱することが試みられている。具体的には、AIが顔を認証する上で用いているパターンを逆手に取り、ピンポイントで化粧を施すことによって、AIには顔と認識されない顔へと変貌させているのだ。 アダム・ハーヴェイ「CV DAZZLE」 あるいは、日本の村山悟郎の作品「環世界とプログラムのための肖像」も、そうしたアプローチの内の一つだろう。村山はこの作品において、人間には顔に見えないけれど、AIは顔として認識してしまう絵を、複数製作している。加えて、人間には顔として認識されるけど、AIには顔として認識されない変顔の写真を複数撮影し、それらを並べて展示して見せている。 村山悟郎「環世界とプログラムのための肖像」 いずれも、巧妙に張り巡らされた監視システムの穴を探る、とても興味深い試みなのだが、実は3Dプリンターの世界でも、すでに数年来、顔認証システムとの攻防が繰り広げられているようだ。その現況を「3D Print.com」がまとめていたので、ここでも少し俯瞰してみたい。 3DプリンターとAIの攻防戦 ...
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「ボリュメトリクス3Dプリントは今後いくつかの市場を制覇するだろう」——世界を変える技術を開発する「xolo」のCEO・Dirk Radzinskiが語る
ボリュメトリクス3Dプリンターの衝撃 先日公開した記事「出力速度は従来型の数百倍!? 世界初のボリュメトリクス3Dプリンター「Xube」」は公開して間もなく読者の皆様から大変多くの反応が寄せられる大反響ぶりを呈した。 果たして、この革命的な技術が今後どのように運用されていくことになるのか。当該記事においては現状で分かっていることから観測しうる可能な未来についての一つの予断をまとめてみたわけだが、実際にこの技術が、具体的にどのような分野において活躍することになるのか、あるいは現状でこの技術が抱えている難点や、今後追求されていくべき問題とはどういうところなのかということについては、正直、筆者の手には余るものであり、記事では明確な言及を避けていた。 そこで今回は、Martin RegehlyとStefan Hechtと共にxolo社を共同設立したCEOであるDirk Radzinskiに、そうした疑問を直接ぶつけてみることにした。急ぎ、メールを送ってみたところ、すぐさまDirkからの気さくな返事が届いた。 「この前の記事では我が社について書いてくれてありがとう」 渦中のボリュメトリクス3Dプリンター「The xube」、そしてボリュメトリクス3Dプリント技術の今後の可能性について、パイオニアに話を訊いた。 ボリュメトリクスは従来の3Dプリンターと何が違うのか ―今日はお話をする機会を与えてくださりありがとうございます。 Dirk Radzinski(以下、Dirk) 信じられないかもしれませんが、私たちはあなたたちがアップした記事に気づいていました。日本から多くの新しいツイッターフォロワーが増え、また多くの問い合わせや予約があったんです。思いがけない関心を寄せていただき、感謝しています。 ―それは私たちとしても嬉しい限りです。この最新の技術を私たちも驚きをもって受け止めています。そこで、まずお聞かせください。従来の3Dプリンターと、あなた方のボリュメトリクス3Dプリンターの決定的な違いとは何なんでしょう? ...
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あのワーナーブラザーズが子供向け3Dプリンター事業に参画──いま問われている3Dプリント技術の早期教育
子供のうちから3Dプリンターと触れ合うために 今日、3Dプリンターはますます一般家庭への普及が進んでいる。その中で注目されているのが、3Dプリンターと子供の関係だ。 今、世界では各国が競うように小・中学生向けの3Dプリンター教育の充実を推進している。ここで目指されていることは他でもなく、子供のうちから3Dプリンターに触れ合うことができる環境を形成することだ。先日の記事でも触れたばかりだが、今後、3Dプリンターに関連する能力が仕事選びの上でも重要な要素となってくることは間違いない。であるならば、幼い頃より3Dプリンターに触れ合う機会を設け、その技術に慣れ親しんでおくことは、子供の将来にとっても大いに資することとなる。 しかし、子供にいやいや何かを身につけさせることがいかに難しいかは、お子さんをお持ちの方であれば熟知されているはずだ。子供を動かすにはいつだって何らかの「アメ」が必要なのだ。そして、その「アメ」において、まっさきに思い浮かぶものといえば、やはり「おもちゃ」である。 おもちゃの出力が3Dプリント体験のきっかけに 子供が3Dプリンターに触れるきっかけとして、おもちゃの印刷は格好の口実だ。言うまでもなく、子供にとってはおもちゃをいかに手に入れるかということが、最重要関心事項のひとつである。 では、どんなおもちゃの3Dプリントにトライするのが良いのだろうか。それこそシンプルな造形のおもちゃならば、家庭でも簡単に出力にトライすることができる。たとえば車の模型や飛行機の模型など、構造さえ凝らなければ親子で3Dプリンター遊びをするはじめの一歩としては決してハードルが高いものではないだろう。 あるいは子供の描いた絵を3D空間に取り込み、プレート化した上で出力したりした日には「ものづくり」の原初的な喜びの体験にきっと大いに感動してくれるはずだ。 しかし、一方でそうした単純な造形品だけでは飽きが来てしまう可能性もある。子供というのはとかく飽きっぽい生き物でもある。自分でつくったという喜びはプライスレスとはいえ、市販のおもちゃに比べれば、単純な造形品ばかりでは見劣りしてしまうのも事実だ。 ともすれば、「パパ、あのキャラでおもちゃをつくって」なんてせがまれることもあるかもしれない。もちろん、リクエストのキャラを頑張ってモデリングして出力してあげることができたなら「自慢のパパ」になれることは間違いないが、そうそう簡単にできるものでもないだろう。ここはひとつ、外からの力を頼りたいところである。 ワーナーブラザーズがToyboxとライセンス契約...
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3Dプリンターが使えないと就職できない時代に?──技術革命によって変わりゆく仕事の現場
3Dプリンターが仕事選びの幅を決める 今後、3Dプリンターを操作できるということが、それに就くための条件となってくるような職業が増えていくことは、おそらく間違いない。3Dプリント技術は多岐に渡っており、衣食住に関連する様々な分野でプレゼンスを高め続けている。そうすれば当然、その技術が一般的に求められるようになっていく。これは時代の必然というものだろう。 数十年後には料理をハンドメイドで行うことは、一部のマニアックな高級寿司店のみになっている可能性がある。はたまた、建造物を力仕事で作るといったようなことにしても、あえて汗水垂らして「ものつくり」を行いたいと望むDIY好きの趣味人だけの「遊び」となっている可能性もある。 自動運転技術の発達によって「運転手」の仕事がなくなる、あるいは今までとは異なる形に変わっていくかもしれないという話を聞いたことがあると思うが、それは決して誰にとっても他人事ではないのだ。3Dプリント技術の進展によって影響を全く受けない業界など、おそらく存在しないからである。 たとえば、医療の世界も同様だ。移植用の臓器などに関して、バイオ3Dプリント技術の研究が積み重ねられているということは、これまでもお伝えしてきた通りである。ただし今後、特に大きな影響を受けることになるのは薬剤師だろう。「医療の個別化」が進む昨今、患者それぞれにパーソナライズされた薬剤タブレットの開発が日進月歩で進んでおり、薬剤師が仕事をしていく上では今後3Dプリンターの操作技術が必須となってくる可能性が極めて高いのだ。 患者に必要な複数の有効成分を組み合わせた3Dプリンターで出力する錠剤「ポリピル」 大量の薬を一日に何度も服用することは、精神的にも苦痛であり、患者の体力を奪うことでもある。個別化された3Dプリント丸薬は複数の薬を一粒の錠剤へと個別にまとめることを可能にし、それが服用の煩わしさの解消に繋がることは間違いない。そして、そうであれば、調剤の現場において3Dプリンターが用いられることになるのも、必然的な流れだ。もちろん、この場合、3Dプリンターを扱うのは調剤師である、というわけだ。 新しい技術を前にした時に人が取りがちな3つの態度 これはほんの一例だが、今後はあらゆる職種において、このような形で3Dプリント技術が求められるようになる。筆者の感覚では、これは一時期のプログラミング技術の比ではない。むしろPCのキーボードのタイピングに相当するような普遍的な技術として3Dプリンターの取り扱い技術が浸透していくのではないだろうか。 最近ではVR空間でモデリングを行うVRモデリングなども浸透し始めている 新しい技術を前にした時に人がとる態度は大体3パターンしかない。 率先して受け入れ学び作り手にまわるか、受け入れつつもあくまでも消費者にとどまり続けるか、徹底して拒絶し続けるか。 いずれの態度を選択したとしても正解/不正解ということはないだろう。...
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出力速度は従来型の数百倍!? 世界初のボリュメトリクス3Dプリンター「Xube」
ボリュメトリクス3Dプリンターとは何か 2020年12月、あるニュースに業界が激震した。ドイツのベルリンを拠点とするxolo社が、世界初となる市販型のボリュメトリクス3Dプリンター「The xube」を発表したのだ。この「The xube」、そして「The xube」に搭載されることとなる「xolography」と名付けられた技術が、今後の3Dプリンターの世界を大きく更新する可能性があるとして、科学誌『Nature』などを介して話題になっている。 そもそも、ボリュメトリクス3Dプリンターとはなんだろうか。その答えはシンプルで、従来の3Dプリンターとは造形方式が異なる。光造形(SLA)や熱溶解積層(FDM)といったこれまでの方式に対し、ボリュメトリクス3Dプリンターにおいてはボリュメトリック積層造形(通称VAM)と呼ばれる方式が採用されているのだ。 やや専門的な話にはなってしまうが、この方式は、容器に入った液体前駆体の中で、光を用いて物体を素早く固化させる方法であるという。今回、ブランデンブルク応用科学大学の物理学者マーティン・レゲリーらは、最大で25µmの特徴解像度と55mm3/sの固化速度で3D固体物体の印刷を可能にする改良型VAM技術を開発し、『Nature』( 2020年12月24/31日号)でその成果を報告した。この技術は、異なる波長の2本の光ビームを交差させて物体全体を固化させる。そのことから、交差を意味する「x」とギリシャ語で「全体」を意味する「holos」を組み合わせて「xolography」と名付けられたのだという。 小さなものなら数秒で造形可能に さて、この「xolography」、そしてVAMの何がすごいのかといえば、何よりもまず、その造形速度だと言われている。いわく、この方式であれば高解像度3D印刷がわずか数秒で可能になる そうなのだ。報告によれば従来の3Dプリンターが90mmのオブジェクトを出力するのに約90分ほどかかるのに対し、xubeにおいては数秒から長くても5分で出力可能だと言う。そして、これまで速度とトレードオフの関係にあった出力精度においても、従来の方式を大幅に上回る と目されているのだからすごい。 ...
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カリフォルニアで世界初の3Dプリント住宅のコミュニティ建設へ──ネット・ゼロ・エネルギーの先端住宅は世界を救うか
世界初となる3Dプリント住宅コミュニティ 3Dプリント住宅のトピックが相次いでいる。SKメディアでもつい先日、先端的な住宅3Dプリント技術「Sphere」の開発と発展に取り組む日本企業セレンディクスパートナーズを取材したばかりだ。詳しくは記事に譲るが、同社は球体型3Dプリント住宅を30坪300万円で発売することを目標にプロジェクトを進めている。今日の国際的な経済状況、地球環境、人口動向などを考えた時、その実現は「理想」ではなく「必要」事項だとも言える。是非、日本が世界をリードして欲しいところだ。 住宅マーケットに価格破壊を引き起こす日本発の最先端3Dプリント住宅「Sphere」とは? セレンディクスパートナーズCOO・飯田國大さんインタビュー あるいはその以前にも南米において低所得者向けの仮説住宅の3Dプリント建設に取り組むNEW STORYの活動を紹介したことがある。さらに昨今では、340平方メートルの住宅を24時間で3Dプリントし、実際にすでにその住宅の販売を開始しているという米国のマイティビルディングを紹介した。 3Dプリンターで340平方メートルの家をたった24時間で出力――建築業界を革新する最先端技術 このように、ここ数年で急速に発展を遂げている3Dプリント住宅業界なのだが、今回はこの分野に関連して、3月に届いたばかりの最新の情報をお届けしたい。なんでもアメリカ・カリフォルニア州において、世界初となる3Dプリント住宅コミュニティの建設が発表されたらしいのだ。 砂漠地帯に建設されるネット・ゼロ・エネルギーの住宅 カリフォルニアの砂漠リゾート地帯であるランチェロミラージュに3Dプリント住宅コミュニティの建設を発表したのは持続可能な建築を目指すパラリグループと、先ほども少し紹介した先進的な3Dプリント建築を行う企業マイティビルディングだ。 今回、この2社はカリフォルニアに5エーカー(1エーカーが4096.9㎡)の土地を購入する計画を立てている。そこに環境に優しいネット・ゼロ・エネルギー(※)の、15軒の住宅からなるコミュニティを発展させていこうというのが第一段階である。 ※ネット・ゼロ・エネルギーとは、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指すもの。省エネでエネルギー消費を減らし、創エネによって使うぶんのエネルギーを作ることで最終的に収支をゼロとする。 開発費は1500万ドル、実現すれば世界初の3Dプリント住宅のコミュニティが誕生することとなる。 Mighty Buildings/EYRC Architects...
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カスタマイズしたゲームのキャラが3Dプリント可能に!? 人気ゲーム『フォーオナー』が開始した画期的サービス
商機はプレイヤーとキャラクターの「絆」 「たかがゲーム」と言われた時代はもはや昔。今日、ゲーム世界は現実のリアリティと同等の、あるいはそれ以上の存在感を持って、私たちの日常の一部となっている。 とりわけゲームのオンライン化が一般化した今日においては、一つのゲーム空間への滞在時間が長く、また没入度も高いため、使っているキャラクターとの精神的な繋がりもまた強固なものとなっている。 こうしたプレイヤーとキャラクターの絆に着目し、そこに潜在的なビジネスチャンスを見出したのがゲーム業界の大手Ubisoftとヨルダンと米国を拠点とする企業MixedDimensionsだ。このMixedDimensionsは兼ねてより、ゲーム内に映し出されるキャラクターをそのまま3Dプリント可能にする技術の開発に取り組んできた。今回、その技術がいよいよ実装されることとなったのだ。 自由にカスタマイズしたキャラを安価でフィギュア化 もちろん、3Dマークアップを3Dプリント可能にすることには困難さもある。まず、3Dプリンターでは色の表現が難しいということ。これはしかし、近年のフルカラー3Dプリンターの進化によって解決されることとなった。 MixedDimensionsが使用しているのは日本のMimakiの最新のフルカラー3Dプリンターで、これによってユーザーを満足させるクオリティを実現するに足る高精細なカラーリングが可能となった。 Mimakiの3DUJ-553 このサービスでは、ゲームファンは、好きなキャラに好きな装備、好きなポーズをとらせたフィギュアを注文することができる。価格帯は25ドル~100ドルの幅であるとされ、オーダーメイドフィギュアとしては非常に安価だ。まさに画期的な取り組みであるが、今回はまずUbisoftの『フォーオナー』というゲームにおいて行われるという。 Ubisoftのシニアクリエイティブディレクターのジーン・ガヴィン氏によると、「フォーオナーでお気に入りのカスタマイズされたキャラをフィギュア化するということは、私たちが当初より持っていたビジョンでした。これは素晴らしい経験になるに違いありません」とのこと。 フィギュアはUbisoftから直接注文でき、プレイヤーはヒーローの種類を選択した上、鎧と武器を選択、さらにポーズやベース、サイズを選択できるそうだ。 Ubisoft https://merch.ubisoft.com/ ...
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スキンケアを革新する「MaskiD」がまもなく市販開始か──美容業界も3Dプリンター時代へ
スキンケアを革新する3Dプリント技術 これまで様々な分野における3Dプリンターの活躍を紹介してきたが、今回ご紹介するニュースはこれまであまり触れてこなかったジャンルに関わる。それは他でもない美容業界、中でもスキンケア業界における3Dプリンターの話だ。 女性ならずとも最近は男性でも美容に関心の強い方は多い。株式会社プラネットによる統計調査によると、現在、何らかのスキンケアをしている男性は全年齢で見た時に40.5%、20代~30代に関しては50%を上回る 。中でも、どういったケアをしているかという質問に対して、最も多かった回答(62.3%)が「肌の保湿」だ。 画像引用:株式会社プラネット 画像引用:株式会社プラネット 肌の保湿ケアの上で最もポピュラーなアイテムと言えば、化粧水や乳液、ボディクリームなどだろう。ここら辺は最も手がかからず、お風呂上がりなどにさっと塗ることもできるため、スキンケア初級者にも取り入れやすい。ただ、どうせケアするなら、時にはもう一歩踏み込んだケアをしてみてはどうだろうか。その際に使用するのがフェイスシートマスクである。 そして、このフェイスシートマスクに関して、3Dプリント技術を駆使した革命的なアイテムが生まれようとしているらしいのだ。 あなたの顔に最適化したフェイスシートマスク「MaskiD」 先日、米国のスキンケアのトップブランドであるニュートロジーナ社は、待望されていたある商品のベータ版を発表した。同社がここ数年開発を続けてきたカスタムシートマスク「MaskiD」だ。 発端は2019年の1月、ラスベガスで開催されたCESでの同社の発表にさかのぼる。その席においてニュートロジーナが発表したのは、スマートフォンの3Dカメラによるセルフィー撮影画像を用いた、それぞれの顧客の顔にパーソナライズされたフェイスシートマスクの開発だった。...
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シロアリの糞が3Dプリンターの材料に!? ドイツの研究機関が開発した持続可能な新素材
食べ残した木くずと糞で3Dプリント 21世紀は「環境の世紀」とも呼ばれている。特に2010年代後半以降は「気候変動」がにわかに切迫した問題として人々の関心を集めており、持続可能な開発目標を意味する「SDGs」などの言葉もここ数年でかなり浸透した。 そんな中、3Dプリンターのプリント材料に関しても、より持続可能な材料の開発が進められている。たとえば、先日、ドイツの連邦材料研究試験研究所が、シロアリやキクイムシなど、木材を食べる昆虫の糞や食べ残しの木の粒子を素材とする3Dプリント原料を開発した ことを発表し、話題となっている。 今回、研究者はシロアリの糞を利用して、200μmの寸法精度で立方体構造を3Dプリントすることに成功した。(画像引用:BAM) 研究者いわく、このユニークな循環型の原材料は、すでにポリマー添加物を一切使用せずにバインダージェット式の3Dプリンターに用いることができるという。出力物の強度こそまだ低いものの寸法の精度は高く、将来的には環境負荷の低く、かつ3Dプリントにも最適の理想的な材料となる と見込まれている。 そもそも、3Dプリント技術は従来の製造方法よりも環境負荷が低いということは語られてきた。しかし、そうとはいえ、製造には材料がかかり、弊社でも扱っているレジンを始めとする樹脂は石油由来でもあることから、一方では代替案が常に模索されてきた。もちろん、樹脂だから必ずしも悪いという話ではなく、より環境負荷の低い材料はないかと研究が進められてきたということだ。 その点、シロアリやキクイムシなどの糞や食べ残しという天然原料を用いることは次世代の3Dプリンティングの希望ともなりうる。あるいはユーザーが自宅で材料を自作することも可能になるため、費用面においても持続可能なソリューションとなる可能性があると言われているのだ。 昆虫の消化システムを利用して均一な粉末を精製 ところで、この新素材の面白い点は、昆虫の消化システムを利用しているところだろう。以前、弊社記事でも紹介したように、バインダージェット式とは粉末を利用した3Dプリント方式のことだが、金属を始め、様々な材料を用いることができる一方、それらの材料を適切な粒子径の粉末に精製することは、依然として困難であり、少なくとも個人が行うことはできないとされていたのだ。 しかし、シロアリやキクイムシなどは、不均一な木材をコンパクトなセルロースとリグニンの混合物に変換し、それ以上の処理をしなくても3Dプリントに適した粉末に変換してくれることが今回の研究で判明した。以前なら、木材を原料とした材料では、印刷するためにポリマー添加剤を使用したり、他の結合相を使用したりする必要があったのだが、シロアリの作り出す木くずや糞はそのような必要がなく、そのままでも独特の加工のしやすさを実現しているらしいのだ。 実際、研究者は小規模農場でシロアリなどを飼育し、6ヶ月に渡り餌を与え続け、その糞を集め続けたところ、それらの糞は、すべてほぼ同じ大きさで、かつ流動性にも優れており、均一な層を作るのに最適であることがわかったという。 3Dプリントされた立方体構造は、充填密度が低いのが現場における特徴だ。(画像引用:BAM) ただ冒頭でも触れたように、現状では強度に難があるとのことで、すぐに使用可能なオブジェクトをプリントするためには、まだ適していない らしい。研究者によれば後処理による補強は必要だが、木材ベースのフィリグリー構造を作る上で最適な原材料となる可能性があるとのことだ。これは特に住宅の3Dプリントにおいて大いに役立つ可能性がある。 おそらくは今後、こうした事例に加え、様々な材料の開発が進むことが予想される。もちろん現在、弊社は自信を持って高品質のレジンを製造販売しているわけだが、技術の進歩には敏感に対応し、様々な観点からよりよい商品を提供していきたいと思っている。
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ジュエリー業界を刷新する3Dプリンター|“悟り”をイメージした光るアクセサリーが「美しい」と話題に
多様化する3Dプリントアクセサリー 以前にも紹介したように3Dプリンターはアクセサリーやジュエリー制作においても大いにプレゼンスを高めている。たとえば、3Dプリントファッション界のZOZOTOWNを目指す「SEPTEM」では、3Dプリンターだからこそ可能となった複雑な形状のエッジィで独創的なアクセサリーが取り揃えられており、サイトを覗くだけでもとても楽しい気分にさせてくれる。 「SEPTEM」 https://septem4fashion.com/ 今後、ますますの多様化が期待されるところだが、そんな中、英国より3Dプリンターを用いた先鋭的デザインのアクセサリーが登場したとのニュースが届いた。 そのアクセサリー制作に用いられたのは、英国を拠点とする3Dプリンティングの新興企業であるSatoriが昨年10月に発表したばかりのST1600 Masked Stereolithographyという3Dプリンター。こちら、デスクトップ型のMSLA(Masked Stereolithography)プラットフォームで、主に歯科業界やその他の産業市場でのアプリケーションに適していると言われている。 ST1600 Masked Stereolithography このST1600に目をつけたのがファッションデザイナーのガニット・ ゴールドスタインだ。彼女はロンドンを拠点に3Dファッションとスマートテキスタイルの開発を行うデザイナーで、3Dスキャンを取り入れた斬新な3Dテキスタイルを工芸品とテクノロジーの交差点にて制作する次代のクリエイター。そのゴールドスタインが、ST1600を用い、Satori社との全面コラボレーションのもと、今までにはなかった先進的なデザインのネックレスのコレクションを生産したのである。 ガニット・ ゴールドスタイン https://ganitgoldstein.com/about LEDネオンカラーに輝く3Dプリントジュエリー ...
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クリックだけでドローンを出力? 複雑な機械をまるっと3Dプリントする「Laser Factory」が爆誕
複雑な構造の機械を「完成」した状態で出力!? 3Dプリンターはこれまでに様々なものを出力してきた。特に工業分野においては、自動車をはじめ様々な精密機械の製造プロセスに、いまや3Dプリンターはなくてはならない存在となっている。 ただ、そうとはいえ、3Dプリンターにはまだ課題がある。3Dプリンターは電子機器のパーツを出力することはできても、それらを最終的な完成品へと至らせるためには、結局、その後自らの手で組み立てる必要があるのだ。 シンプルな構造の模型品などであればいざ知れず、精密機器などに関してはこの組み立てにも専門的な知識と技術を要する。すると結局、いかに「ものつくり革命」と言ってみても、そうした複雑な構造を有する対象に関していえば、既製の完成品を購入するほかなくなってしまうのだ。 しかし、その3Dプリンターの限界がついに破られようとしている。2021年2月、アメリカはMITの研究チームが、複雑な構造の機械を完成した状態で出力する、夢のような3Dプリントマシンを開発、公開したのだ。 レーザーファクトリーは次世代の「ものつくり」マシンとなるか 2月8日、MITのコンピューター科学・人工知能研究所が公開した最新のマシンは、その名をレーザーファクトリー(Laser Factory)という。一体、このレーザーファクトリーとはいかなるマシンなのか。百聞は一見にしかず。まずは以下の動画をご覧いただきたい。 お分かりだろうか。このレーザーファクトリーにおいては、ユーザーの指示に従って、構造品の造形だけでなく部品の組み立ても行うことができるのだ。システムは、ソフトウェアツールキットと、ハードウェアプラットフォームの二つの部分からなり、ユーザーは1つのステップでそれらを同期的に動作させることで、たとえばドローンのような機械を出力することができる。 映像では出力と同時にドローンが飛び立っていく様子を確認できたはずだ。出力までの流れとしては、まずユーザーがパーツライブラリから部品を選択して配置することでデバイスを設計、そしてPCB上の電子部品間の電気の流れを可能にする回路トレース上に描画、その後、2Dエディタを使って、バッテリーやプロペラを追加したり、電気的接続を形成するためにそれらを配線したり、ドローンの形状を設定するための周囲の描画を行ったりしていくことで、ドローンの形状を完成させていく。 開発チームによれば、このレーザーファクトリーとは「3Dプリンターやレーザーカッターのような広く利用可能な製造プラットフォームを活用することで、これらの機能を統合し、機能的なデバイスを1つのシステムで製造するためのパイプラインを自動化した初めてのシステム」であり、今回公開された情報は5月に開催されるACM Conference on Human Factors in Computing Systemsの予告編的な位置付けであるとのこと。 要するに、レーザーファクトリーとは、これまでそれぞれバラバラに進化していた3Dプリント技術を統合させ、より広範囲の3D形状を作成することを目指したシステムであるというわけだ。...
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住宅マーケットに価格破壊を引き起こす日本発の最先端3Dプリント住宅「Sphere」とは? セレンディクスパートナーズCOO・飯田國大さんインタビュー
住宅建築業界に「価格破壊」をもたらす 先日、公開した記事「3Dプリンターで340平方メートルの家をたった24時間で出力――建築業界を革新する最先端技術」でも紹介したように、現在、世界では様々な3Dプリント住宅の建築が試みられている。背景には環境問題や貧困問題もあり、世界中の人々に安心して暮らせる住居をあまねく提供するためにも、3Dプリント住宅建築技術の開発と発展が望まれているのだ。 しかし、日本はこの分野において、これまでに目立った動きがなかった。そんな中、日本初となる3Dプリント住宅建築プロジェクトを立ち上げたのが、無人で家を建設できることができる3Dプリンター技術「Sphere」を提供するスタートアップ「セレンディクスパートナーズ」だ。 この「Sphere」とは自然災害に強い球体型の家を3Dプリンターで24時間以内に創ることができるサービスで、同社はこの技術の開発と普及によって、住宅建築業界に「価格破壊」をもたらそうとしているという。「30坪300万円」。それが同社が掲げる次代の住宅の価格帯だ。 セレンディクスパートナーズのCOO・飯田國大さんに「Sphere」プロジェクトの展望を聞いた。 球形ドーム状の住宅イメージ(提供:セレンディクスパートナーズ) 現在の住宅建築が抱えている4つの課題 —セレンディクスパートナーズさんは日本初の3Dプリント住宅建築プロジェクトに取り組まれており、現在の住宅建築業界において「価格破壊」を起こすことで、住宅を自動車くらいの感覚で買い換えられる社会を作ることを目指されていると聞きました。その上で24時間で建築可能な世界最先端の家「Sphere」を発表しています。まずはセレンディクスパートナーズさんの成り立ちとこれまでの取り組みについてを教えてください。 飯田 実は弊社のCEOの小間は、セレンディクスパートナーズを立ち上げる前は、京都大学発EVベンチャーGLMの創業者として世界最先端のEV車(電気自動車)を創っていました。その後、GLMをEXITし、次は世界最先端の家を創ろうと立ち上げたのがセレンディクスパートナーズです。 2019年1月に小間と私との間で「世界最先端の家」の開発に関するMOUを締結しました。同年の12月には福岡県のベンチャーマーケットで初めてのプレゼンも行なっています。 「Sphere プロトタイプデザイン」(提供:セレンディクスパートナーズ) —セレンディクスパートナーズさんは日本で初となる3Dプリント住宅建築をつくるプロジェクトを手がけられていますが、このタイミングで3Dプリント住宅建築に取り組もうと思われたのはなぜなんでしょうか? 飯田 その背景には私たちが現在の住宅建築が抱えていると考えている4つの課題があります。 まず一つ目の課題は「30年の住宅ローンを本当に払い続けられるだろのだろうか?」という問題です。住宅ローンの支払いは過去20年で平均的な完済年齢が5歳も上がり73歳と高齢化しています。これはつまり、現在日本の住宅ローンというのは60歳の定年からの13年後に完済されるのが一般的な形となっているということです。これは社会人となって以降の人生のほとんどの期間において住宅ローンの返済を続けていくということです。果たして、これが健康的な状態と言えるのか疑問があります。 二つ目の課題は「家の物流費と人件費が更なる上昇を始めている」という問題です。住宅建築のコストの半分は物流費です。カナダやヨーロッパから木材を船で運び、さらに港から加工場へ運び、そして施工現場には職人が平均3ヶ月間通います。大工の減少も深刻で日本建設業連合会によると、建設作業員の35%を55歳以上が占める一方、29歳以下は11%にとどまるそうです。このままいけば高齢化で人手不足が進み、建築コストの大幅な上昇が見込まれてしまいます。その時、今日のような形の住宅建築はあまりに高価なものとなってしまう可能性があるんです。...
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