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ハゲに悩む時代はもう終わり!? 3Dプリンターと幹細胞が引き起こす頭髪革命
男性の悲願「ハゲの完全克服」 3Dプリンターが、多くの男性にとっての悲願である「ハゲの完全克服」を可能にするかもしれないらしい。今回はその新しい技術について紹介する。もちろん、「ハゲの克服」が可能になると言ったからって、筆者(女性)は現状でハゲの方も素敵だと思ってはいる。薄毛の方でも素敵な方は多い。ブルース・ウィリスとか、ジェイソン・ステイサム、ジュード・ロウ…………、もちろん日本人でもかっこいいハゲの人はいるだろう。 渡辺謙さん、KEN WATANABE、映画「ラストサムライ」の勝元役の人…………。とはいえ、現状において「ハゲ」や「薄毛」に悩んでいる方は多くいるはずだ。だからこそ、この最新技術によって、注目が集まっているのだ。 ハゲ治療のこれまで さて、まずはこれまでのハゲ治療を振り返ってみたい。世界中、これほどにハゲに悩んでる方が多いにもかかわらず、実は今のところ、抜本的なハゲの克服技術というのは存在していない。アポロが月面に上陸してもう何十年と経ってるのに、クローン羊のドリーが登場してからすでに四半世紀が経つのに、人類はまだハゲを超えることはできずにいるのだ。しかし、進化はしてきた。特にハゲ界において最大のエポックメイキングな出来事といえば、90年代に開発された抗アンドロゲン薬「フィナステリド」だろう。これは主に「プロペシア」という商品名で知られている薬で、ようはハゲの進行を止めると言われているのだ。 どうやら効果は相当にあるらしい。ただ、それなりに副作用もあり、またハゲの進行を遅らせてはくれるものの、すでに減った毛髪を増やす効果というのはあまり期待できないらしい。すでに薄毛が進行してしまってる場合で、なおかつそれを隠したいという場合の解決策としては、カツラをかぶるか、植毛手術を受けるか、というのがこれまでのスタンダードだったようだ。あるいは通販番組でよく見かける薄毛部分にフリカケ状の粉末を塗布する商品のようなものもある。頭にかけるとフサフサに見えるという触れ込みだ。あのCMはついつい見入ってしまうが、いずれにしても、あくまでも「ハゲ隠し」であって「ハゲの克服」ではなかった。また、もう一つ、「ハゲ」や「薄毛」をめぐっては、社会的な複雑さはある。この「ハゲ隠し」というのが、日本においては非常に評判が悪いというのもまたある。社会学者の須長史生さんという方が『ハゲを生きる』という本で、現在のハゲ差別には二種類あるということを指摘している。 須長史生『ハゲを生きる』 二種類の差別のうちの一つは「やーい、やーい、ハゲだー」と罵るような子供のいじめのようなもの。そしてもう一つは「ハゲは悪くない。でもハゲを隠そうとする精神はなんか好きじゃない」と、「ハゲ隠し」をする心理をからかうもの。日本で今ひとつカツラが浸透しない理由は、この二重の差別に由来する、と須長さんは分析している。ハゲたら潔く坊主頭にするのがいい、みたいな風潮は確かにあり、そう考えるとハゲや薄毛をめぐる状況はとても複雑だ。だからこそ、抜本的な解決が望まれてきたのである。 毛包移植と3Dバイオプリンター さて、本題に移ろう。3Dプリンターがハゲを克服するというのは、一体どういうことなのか? 発端は2012年、ある研究チームが、毛の生える幹細胞移植によって無毛のマウスに自然発毛させることに成功した。専門用語でいうと「毛包移植」というらしい。そこで3Dプリンターの出番だ。これら幹細胞技術と3Dプリンターを用いた最新の印刷技術を用いて、3Dプリンターで人間の毛髪を複製し、それを毛包ごと頭皮に植えていくという新しい移植技術が誕生したのである。 ハゲている人というのは頭皮の毛包が休眠状態に入っているらしいんだが、この毛包の元気なクローンを作成し、それごと移植するというわけだ。理論上は、その移植が果たされた場合、今後、その毛包から生えてきた毛はいかに抜いてもなんども生えかわってくる。実はこれまでの植毛技術においても、毛包の移植は試みられていたんだが、拒絶反応があったり、思った向きや形で毛が生えてこなかったりとトラブルが多かったらしい。そこで、毛の形を維持できる毛包の開発が求められていたんだが、現在、そのために提案されている方法が、人工の骨格を形成し、クローンとして作成された毛包の周囲に配置して直接毛髪の成長を助けるというものなんだ。細かいことはさておき、ようするに、形や向きの綺麗な髪の毛を再生する上で、幹細胞技術と3Dプリンターが大活躍してるというわけだ。たとえばコロンビア大学の皮膚科学教授であるアンジェラ・クリスティアーノ氏は、毛包と真皮乳頭を別々に皮膚上に移植するために、アメリカのゼリー菓子・ジェロのような型を、3Dプリンターを用いて出力することに成功している。この成功は「さまざまな種類の脱毛症や、慢性創傷などの内科的治療に変革を起こす」とも言われている。 ...
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アパレル業界の3Dプリンター「ホールガーメント横編機」が起こしたニット革命
環境にも優しいアパレル業界の3Dプリンター 冬に必需の衣料品のひとつにセーターがある。このセーターの製造に関して、人知れず静かな「革命」が起こっていたということをご存知だろうか。その革命の主役の名は「ホールガーメント横編機」。「アパレル業界の3Dプリンター」とも呼ばれているマシンだ。メカニズムは3Dプリンターとは異なるが、簡単に説明してしまうと、糸を素材に自動的に洋服を編み上げてくれる近未来の服作りマシンである。 ホールガーメント横編機においては裁断や縫い合わせまで全部マシンが担ってくれる。機械に糸を設置すれば、あとはプログラムに従って、完成品まで全てオートで制作してくれるのだ。これによって何が変わったのか。まず従来の服作りにおいて発生していた膨大な「無駄」をかなりの程度カットすることに成功した。ここでいう「無駄」とは裁ちクズのことである。たとえばセーターであれば原料に使用する糸の30%がこの裁ちクズとして無駄を作っていたし、ちょっと凝ったデザインのドレスなどになると、およそ50%が無駄になっていたらしい。これは料理で考えると、300gのお肉のうち150gをゴミ箱に捨ててきたみたいなものとも言える。言うまでもなくこれはもったいなく、無駄づかいである。特に2000年代頃よりファッション界では「エコラグジュアリー」という言葉も生まれている。ようするに、環境に優しく、なおかつファッショナブルである、ということが時代のトレンドでもあった。しかし、その実情はといえば、どうしても服作りにおいては膨大な無駄が発生してしまっていた。それを変えたのが、このホールガーメント横編機というわけだ。 裁ちクズは単に糸が無駄になるだけじゃなく、そうしたクズの廃棄焼却における二酸化炭素排出も問題にいなっていた。温暖化の原因とされる二酸化炭素排出量のうち、およそ10%がアパレル業界によって排出されているというデータもある。つまり、生産の自動化は環境保護の観点からも重要だということだ。また、アパレルに関しては特に、ファストファッションブランドなどが先進国で商品を低価格で販売するために、発展途上国などの工場で服を作ることが一般化していた。こうした低賃金労働は非人道的だという指摘もあり、さらに発展途上国に工場を作れば、いずれその土地の経済が発展し、賃金が上がる。そのため、常に工場を移転し続けなければいけないという「チャイナプラスワン」問題も生んでいた。そうした他の諸国も工場が増えればいずれ賃金が上がる。だから、ファストファッションはいずれあの価格帯を維持することが不可能になるとも言われているのだ。そこに登場したのがホールガーメント横編機であり、まさにアパレル業界を刷新する技術革新として注目を集めている。では、果たしてこのホールガーメント横編機を開発したのは誰なのだろうか。実はそれはある日本人なのだ。 世界を変革する日本企業「SHIMA SEIKI」 ホールガーメント横編機の開発を行った企業は和歌山県にある編機メーカー「SHIMA SEIKI」(島精機製作所)。会長は島正博さんという方だ。 「SHIMA SEIKI」サイトにはホールガーメント横編機で作ったセーターの写真や動画があるが、いずれも可愛く、魅力的な仕上がりとなっている。その特徴はホールガーメントであるがゆえに縫い目がないということ。実はすでにユニクロの「3D KNIT」シリーズなどにも使われていて、多くの人が「SHIMA SEIKI」の服を身にまとっている。この島さんが起こした変革については、『アパレルに革命を起こした男』という本にも纏められてる。ホールガーメント横編機がもたらす環境負荷の低減や、労働問題の改善などについても詳しく纏められている。...
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3Dプリンターによるコンクリート革命が建築業界を塗り替える!? オランダの最先端研究に迫る
世界最長3Dプリンター橋をめぐって各国が競争 2019年9月、オランダで世界最長のコンクリート3Dプリンター橋が誕生した。まずは写真を見てみよう。これがオランダで作られた世界最大(2019年時点)のコンクリート3Dプリンター橋だ。 制作したのはオランダのデザイナーであるミシェル・ヴァン・デル・クレイとアイントホーフェン工科大学。なんでも国家的なプロジェクトでもあるらしく、今回は世界最長となる全長28mの3Dプリントコンクリート橋を完成させたということだ。今回はプリント施設Printfabriekを利用し39個の部品に分割造形された後、組立て作業を行なったという。いずれにしてもこの斬新な形状。圧巻である。 実はいま、この3Dプリンティングによるコンクリート橋をめぐっては各国が競い合うようにして建設している。2019年の1月には上海で、当時の最長となる3Dプリントコンクリート橋が設置されて話題になったばかりだ。 要するに、競い合うことで開発が活発化しているというわけであり、中でもそのトップにいるのがオランダというわけだ。今回の橋の建設もそうだが、実はその後にもまたさらなる進展がある。 3DコンクリートプリンティングでCO2排出量を削減 世界最長の橋が架けられた2019年9月、実はオランダに拠点を置く3Dプリンティング企業VerticoとGhent大学の二つの組織が力を合わせて、これまでにない超巨大規模でのコンクリートの印刷を成功させるというニュースもあった。 サイズとしては先ほど紹介した橋よりも小さい。しかし、ここで注目すべきは、これが分割ではない1回の出力によるもの、ということだ。この橋の製造にあたっては現在の最先端の新技術が導入されているんだが、この新技術ではコンクリートを一層ごとに堆積することで成型が行われている。今回はそれを今まで以上に大規模なサイズで試みたというわけだ。この成功によってコンクリート建築技術を来たるべき大転換へとまた一歩近づいたと言えるだろう。そもそも、これまでコンクリートで形を作る上ではまずコンクリートを流しこむ金型が必要とされてきた。液体を固めるには何か形を決める型が必要だ。身近な例でいうと、氷を作る時に使用する型などもそうだ。しかし、3Dプリンターによって堆積して成型が可能になったことで、その金型なしでもコンクリートを成型することができるようになった。つまり、単純に考えてもこれまで必要だった金型の作成という手順が省略され、作業工程が半分になったのだ。さらに、金型を経由しないことで、コンクリート構造体により多くの完成自由度がもたらされることになったらしく、今までは金型の特性上、技術的に難しかったような形状のコンクリートも、この方法によって作れることになった。実際、バーティコの創設者のVolker Ruitingaはプレスリリースで、「この橋は、3Dコンクリートプリンティングのさらなる可能性を示しています。バーティコでは、この技術が建築物の建造を最適化しCO2排出量を削減するとともに、建設業の生産性を向上させる鍵となると考えています」と述べている。 土木建築分野において、コンクリートの製造によって排出されてるCO2量は実に全体の4分の1を占めている。特にユニークな形や有機的な形状のコンクリート建築を作ろうとした場合、そこで生じる環境コストというのは非常に大きなものだった。この3Dプリント技術を通じたイノベーションによって、そこが大幅に削減されるとのことだ。バーティコ社は橋に続いてコンクリートのドームハウスの3Dプリントに取り組んでいる。いずれにしても3Dプリント技術がコンクリート業界を刷新することは間違いない。
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味気ない老人食をカラフルに! 3Dプリンターによって老後の食生活が一変する!?
高齢者や要介護者のためのフードプロジェクト 飽食の時代と言われる昨今ではあるが、なんでもお腹いっぱい食べれるというのも若さの特権だ。大好きなものを思う存分食べることができると言うのは、健康な臓器があり、歯とあごが丈夫な若いうちだからこそ。年齢とともに徐々に筋肉が弱っていったら、たとえば硬い肉などはそうそう噛みきれなくなる。それゆえ、噛みやすさ、飲み込みやすさを追求した老人食というものは否応なしに「味気なく」なってしまう。しかし、そうした老人食の味気なさが、3Dプリンターによって彩り豊かなものに変わりつつあることをご存知だろうか。実はもう何年も前から「3Dフードプリンターが老人食を変える」というのは言われてきている。2014年には高齢者や要介護者のための3Dプリントフードプロジェクト「PERFORMANCE」が、欧州で立ち上げられている。 しかし、なぜ3Dプリンターが老人食を変えるのか。そもそも老人食において大事なことは先に触れた通り「硬くない」ということだ。高齢者や要介護者は固形物を上手に食べることができない人が多いため、どうしてもスープ状のものやお粥みたいな味気ないものになってしまいがちなのだ。栄養価としては、そうした流動物でも適切なコントロールによって満たすことができるだろう。しかし、人は食事を栄養価のためだけではなく、楽しみとして享受している。食感の乏しく、見た目に華やかさのない食ばかりでは、精神衛生的にはあまりいいとは言えないのだ。その点、食べ物を層ごとに形成する3Dフードプリンターであれば、通常の調理よりも、見た目や食感を重視した食事を提供することが可能になる。たとえば硬いものは食べれないけど、どうしてもジューシーなステーキを食べたいという人がいた場合、3Dフードプリンターであればジューシーなステーキの見た目と風味を持った、柔らかい食べ物を作ることができたりする。 あるいは高齢者、要介護者と一口に言ってもその状態は様々だ。今まではそれぞれに応じたレシピで、それぞれに応じた料理を作るということがコスト的にもなかなか難しかったのだが、3Dフードプリンターであれば、そうした細かい状態に応じたニーズにも簡単に応えることができるようになるのだ。 「食のデジタル化」によって死ぬまでグルメを堪能 果たして老人食の3Dプリント技術の導入は着実に進んでいる。たとえば2019年の頭には、スウェーデン南部のいくつかの老人介護施設で3Dプリントフードの導入を年内に実践するということが発表され、実際に導入された。あるいは施設などだけではなく、デリバリーサービスの実装も検討されているらしい。もちろん人生100年時代なんて言われている日本にとってもこれは非常に重要な技術であり、農林水産省も高齢者の食事のパーソナライズ化に3Dプリンター技術が大いに資することを踏まえ導入の検討を進めているようだ。環境問題への貢献、医食同源の実現、働き手不足の解消などなど「食のデジタル化」が様々な問題を克服するかもしれないとする論文も発表されている。 政策Open Lab/Food Tech( 3Dフードプリンタ)チーム3Dフードプリンタの影響と可能性について あるいは山形大学も3Dプリンターを用いた介護食の開発に取り組んでいる。おそらく、あと数年で飛躍的に伸びていく分野となるのではないだろうか。ちなみに筆者がひそかに期待しているのは、この技術がダイエットフードに応用されることだ。ダイエット中にドーナツがどうしても食べたくなる、あの地獄の苦しみを3Dプリントフードが救ってくれる日を心待ちにいしている。
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3Dプリンターは芸術の新時代を切り拓くか? ポストデジタル時代の最先端アート
現代アートと3Dプリンター 現代アートは難しい。そんな印象をお持ちの方も少なくないのではないだろうか。その印象は半分正しいように思う。そもそも、現代アートはその始まりからして難解だ。古典的な絵画や彫刻作品が絵としての美しさ、彫刻としての流麗さにおいて評価されていたのに対して、現代アートにおいては作品そのものよりも、作品の外部にある情報が重要視される。たとえば現代アート初期の代表的な作品といえば、マルセル・デュシャンの『泉』という作品だが、この『泉』からしてよく分からない。なんせ、市販されているトイレの便器にデュシャンのサインが入ってるだけ、という作品なのだ。もちろん、便器としての造形が評価されたわけではない。市販の便器を「作品として提示した」という行為そのものが「アート」としてここでは評価されているのだ。 『泉』マルセル・デュシャン さて、なぜアートの話をいきなりしたのかというと、実は現在、アートの世界でも3Dプリンターが大活躍しているからだ。「ものつくり」革命を起こすマシンがアートにおいて重宝されるのは半ば必然。そこで今回はアート界における3Dプリンターの活躍ぶりを紹介しよう。 ポストデジタル時代のアート アートの世界で近年に大きく話題となったことといえば、有名なキュレーターであるロン・ラバコさんによる「ポストデジタル」という言葉だろう。ざっくり言えば「デジタル以降」という意味だが、ロン・ラバコさんがこの言葉で表したったのは、あえて「デジタル」という言葉を使うまでもなく、すでにアートの世界では3Dプリンターを始めとするデジタルファブリケーションのテクノロジーが手法として当たり前のものになっている、ということだ。下はラバコさんが取り上げているリチャード・デュポンさんというアーティストの3Dプリンターと彫刻をめぐる講演動画だ。 このように、3Dプリンターはすでにアートの世界では積極的に用いられているのだが、アーティストはみんな3Dプリンター持ってるのかといえば、現状、そんなことはない。美大などの教育機関には設置されているところが多いだろうが、個人所有となると限られている。多くは代行サービスを使って制作をしているケースが多いだろう。アーティストの要望に従って、3Dデータを作成し、またプリントまでやってくれる代行業者も現在では多い。たとえば「3Dayプリンター」さんなどのサービスもそのひとつだ。今のところ、モデリングには非常に高いスキルが必要であり、参入障壁はそれなりにある。ただ、今後は自分でモデリングできるアーティストも増えてくることは間違いない。あるいは、画力や造形力よりもモデリング力が問われる時代がくるかもしれないのだ。 では現状において、実際にはどんな3Dプリンターアートが作られてるんだろう?それこそ日本でも2018年には大阪で3Dプリンターアート展が開催されていた。今でもサイトで作品の一部を見ることができるが、どれも3Dプリンターの魅力が詰まった素晴らしい作品ばかり。是非とも下の動画をご覧いただきたい。ついつい欲しくなってしまう作品ばかりだ。 偉大なる世界の3Dプリントアート 今後は3Dプリンターがあるからこそのアート作品が続々と生まれてくるのは間違いない。もちろん、海外のアートシーンでも3Dプリンターは活躍している、有名どころを何人か紹介しておこう。まず「3Dプリントアートの父」と呼ばれているジョシュア・ハーカーさん。3DスキャンとCTスキャンを組み合わせて、驚くほど正確なプラスチック製の顔の骨格を制作したことで知られている。 ...
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3Dプリンターで出力した「血液も栄養素も循環する生きた人工皮膚」とは?
本物の皮膚と瓜二つの3Dプリント皮膚 バイオ3Dプリンターに関連してまた新しいニュースが届いた。以前、移植用の心臓を3Dプリンターで出力するという記事を書いたが、その際、今後の課題となっていたのは「その人工心臓が本物の心臓と同じように振る舞えるようになる」ことだった。当然、これは難題である。なんせ、出力した臓器が本物の臓器と同様の働きをするようになれば、それは人間の身体が本格的に交換可能なものとなることを意味するからだ。もちろん、そのようなSF的な技術が簡単に完成するべくもない。時間はまだまだ掛かる。しかし、その難題への取り組みを一歩前進させる、暗闇に一筋の光を差す技術が、登場したのである。まずはこの動画を見てほしい。 これはTバイオウイルスの開発動画では当然ない。この動画はアメリカのレンセラー工科大学によるもので、3Dプリンターで「血管が詰まったリアルな皮膚」を3Dプリントしている様子を撮影したものだ。からくりとしては3Dプリント心臓と同じである。しかし、今回の何がすごいかというと、すでにマウスを使った実験でその人工的にプリントされた皮膚の血管と、マウスがそもそも持っていた血管とがきちんと繋がり、血液や栄養素が循環されることが確認されているということなのだ。 これはつまり、3Dプリンターで作った皮膚を身体が完全に受け入れたということを意味する。ちなみに見た目にも違いは分からない。なんせ本物の皮膚と瓜二つであり、さらに構造も同じなのだから。少なくとも、皮膚に関して、あるいはマウスが対象であれば、皮膚のオーダーメイドはすでに実現しているのである。 鍵を握ったのはコラーゲン この技術を開発したレンセラー工科大で研究を率いていたのは、パンカイ・カランドさんという人物だ。カランドさんいわく、今回の技術と比較したとき、「これまで使用してきた人工皮膚は高級バンドエイドのようなもの」に過ぎないという。バンドエイドは傷の治療を促進こそすれ、最終的には身体に受け入れられることがない。これまでの人工皮膚においては、もともと身体が持っている細胞と最終的にマッチすることがなく、これがこれまでの皮膚移植の大きな障壁となってきたのだ。カランドさんは、血管の内側を覆うヒト内皮細胞や、内皮細胞の周囲を包む周皮細胞の重要な要素に、動物のコラーゲンなどを加えるということを試みた。これによって細胞同士が連絡を取り合えるようになり、人工血管ともともとの血管が結合するようになった。スキンケアにもコラーゲンは欠かせない。そもそも、人間の体を構成しているタンパク質の1/3はコラーゲンである。コラーゲンを鎹にカランドさんが作り出した新しい人工皮膚においては、血液と栄養分が常に移植片にも輸送され、一定期間を経ても皮膚が生き続けることができるという。現状では人間の身体ではまだ試されていない。臨床レベルで利用可能にするためには、今後ドナーの細胞を編集し、血管が患者の体に統合され受け入れるようにしていく必要があるとのことだ。カランドさんは「まだその段階ではないものの一歩ずつ近づいている」と語っている。 果たしてこの技術が一般化した暁には、もはや肌の老化に悩むこともなくなんるのかもしれない。赤ん坊のような肌を3Dバイオプリントして全身に移植、さらには3Dバイオプリント臓器を移植して、常に若々しく健康な身体を万人が手にするようになる…。それがユートピアかディストピアかは分からない。しかし、3Dバイオプリント技術とともに、私たちはその世界へと「一歩ずつ近づいている」。
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来店なしでもサイズぴったりの靴をフルオーダーメイド!? 3Dプリンターを用いた革命的なサービス
オーダーメイドの価格破壊 今回は機械学習と3Dプリンターを活用した靴のフルオーダーメイドサービスを紹介したい。フルオーダーメイドで、幅も長さも自分好みに合わせられる、のみならず、このサービスのすごいのは自宅からでも発注できてしまうということだ。鍵となっているのはAIの画像認識技術である。ユーザーがスマートフォンで自分の足を撮影し、その動画を送ると、画像認識技術によって3Dモデルが生成、その3Dモデルをもとに靴の基盤となる靴型を3Dプリンターが作製してくれるという仕組みらしい。 今回登場したこのサービスでは従来の約半額となる価格で靴のフルオーダーメイドを行うことができる。3Dプリンターのものつくり革命は、こうした価格破壊も起こしやすいのだ。 Shoe-Craft-Terminalという新サービス そのサービスとは、ビネット&クラリティ合同会社というところが打ち出している「Shoe-Craft-Terminal」というサービスだ。 日本の会社のため、サイトも日本語。「世界初、来店不要のフルオーダーメイド靴」というキャッチコピーである。現状でデザインはメンズ用に2型、ウィメンズ用に2型を展開しているようだ。価格も4万円から6万円とオーダーメイドとしては破格。一般のお客さん向けには2019年10月23日から受注が始まっていて、2020年2月の発送が第一号となっている。毎日、会社に通うサラリーマンの方にとっては健康促進にも役立ちそうだ。もちろん、デザインの好みに合うかも重要だが、デザインのバリエーションも今後どんどん増えていく、とのこと。父の日、母の日、誕生日のプレゼントなどにも非常によさそうだ。 「SML」がなくなる日 近年では靴に限らずアパレル業界も3Dプリンターの導入に積極的だ。今後はスマホで撮影した全身写真で3Dデータを抽出して、自分の体型にぴったり合う服をオーダーメイドするという流れが一般化していくだろう。おしゃれの肝はサイジングだとも言われる。実際、GoProの元副社長のミーガン・リッチフィールドが立ち上げたスタートアップRedthreadは、今言ったような3Dデータを使用したオーダーメイトサービスをすでに開始している。あるいは「SML」という表記がなくなる時代が間もなく到来するのかもしれない。1点ずつ衣服をオーダーメイドするようになれば無駄に大量生産する必要もなくなる。その意味では環境にも優しい。服を買うのではなく、デザインをダウンロードして3Dプリンターで印刷という時代も、そう遠くはないかもしれない。
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デシモンとマーキンの友情〜3Dプリント技術の最先端をめぐり争う二人の天才〜
天才たちの物語 技術とはいつだって、天才たちによる熱きライバル関係の中で進歩してきた。 送電技術をめぐって争ったエジソンとニコラ・テスラ、量子力学をめぐって論争を繰り広げたアインシュタインとニールス・ボーア、あるいはIT革命の立役者となった永遠のライバル、ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズ。 彼らが世界にもたらした発明や進歩は、いずれも一人きりの天才が独力で創り出したものではない。それは、同じ時代を併走するライバルとの切磋琢磨の中で、その対立があったからこそ生み出されてきたものなのだ。 もちろん、3Dプリンターの世界にも、この技術の進歩に人生を賭した天才たちの熱き戦いが存在している。そこで今回は、3Dプリンターをめぐって今まさに繰り広げられている、ある二人の男たちの物語を紹介したいと思う。 その男たちとはジョセフ・デシモンとチャド・マーキン。互いに互いを乗り越えようと奮闘を続けるライバル同士であり、また一方で、休暇には旅行をともにする、唯一無二の友人同士でもある。 ジョセフ・デシモン(出典:Wikipedia) チャド・マーキン(出典:Wikipedia) デシモンの成功とマーキンの挑戦 アメリカの化学者であるジョセフ・デシモンとチャド・マーキンは数十年来の友人だ。ともに3Dプリンターという技術に夢見るもの同士、分かり合えることが多かったのだろう。一緒にノースカロライナの海岸で休暇旅行をすることもあるほど仲の良かった二人の友情関係に、今、小さくない亀裂が入ろうとしていることには理由がある。なんでもここ数年、マーキンは友人であるデシモンを失業させることになるであろう、ある研究に力を尽くしており、そしてついにこの10月、その研究が完成したというのである。 マーキンはイリノイ州のノースウェスタン大学の研究者らとともに、ある技術の開発を行なっていた。その技術とは他でもない、これまでで最大の物質を高速で造形する最先端の3Dプリント技術だ。2019年10月、マーキンはその開発についに成功。これは自動車や飛行機の部品製造に革命をもたらすことになる大きな転換点だと、業界内でも大きな話題を呼んでいる。 しかし、なぜその技術の開発が友人であるデシモンを失業させることになるのだろうか。実はこのデシモン、有名な3D印刷会社Carbon3DのCEOであり、また同時に、デシモンはこれまでの光造形3Dプリント業界における最先端技術であったContinuous Liquid Interface Productionの開発者でもあったのだ。 このContinuous Liquid Interface Production、通称〔CLIP〕とは、従来の光造形(SLA)技術のような3Dモデル断面を層ごとに硬化させる造形手法とはまったく異なる技術であり、それまでに現存していた光造形プリンタの25倍~100倍の高速化と高精度化を実現するものだった。デシモンらはこれを2015年に開発、その成果をScience誌に報告し、一躍、時代の寵児となっていたのである。 発表当初、CLIPはまさに革命的だった。コンタクトレンズのようなウィンドウを介することで、光と酸素流量を制御、さらに従来のようにプラットフォームの移動~硬化のような静止動作を必要としないため、連続したシーケンスによるUV硬化がレジン槽内で実行され、これにより、積層跡を持たない超高精細なミクロンレベルの光造形を超高速で行うことを可能とした。 デシモンはこの画期的技術であるCLIPによって、6億8000万ドル以上の資金を調達、アディダス、フォード、リデルなどの名だたるグローバル企業と、自動車部品、靴、歯科インプラント、フットボール用ヘルメットなど多岐にわたる製造契約を結び、3Dプリント業界で比類なき大成功をおさめていたのである。ようするに、マーキンによって2019年に開発されたCLIPを超える新しい3Dプリント技術は、このデシモンの成功したビジネスに「待った」をかけ、水を差すものであったというわけだ。...
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3Dプリンターでランボルギーニを一般人が自作!? さらにはプリントしたボディを取り替え可能な未来型自動車も登場
礼に始まり礼に終わる。どうも、合氣道初段、SK広報のエリナです。卵かけご飯にゴマ油を1さじ入れると旨味が爆発するって最近知りました、おすおすっ!! この前、イスラエルの研究室で3Dプリンターによる心臓の作成に成功した、という話をしたばかりだが、今度はアメリカからとんでもないニュースが届いた。なんと、3Dプリンターを使用して、あのランボルギーニを作った猛者が現れたというのだ。 免許のない私にはスポーツカーの世界なぞこれっぽっちも分からないのだが、そんな私でもランボルギーニがすごい車だってことくらいは知っているぞ! 一体全体どういうことだろうか? 息子の教育のためにランボルギーニ・アヴェンダドールを自作 今回、話題を集めている人物は米国コロラド州のレーザー技術メーカー、KMLabsの最高科学責任者であるスターリング・バッカス氏とその息子。なんでも、この親子、レーシングゲームの「Forza Horaizon3」をプレイしたことを機にランボルギーニに一目惚れしてしまったのだとか。 もちろん、一目惚れしたからといってそう簡単に買えるものではない。特に二人が惚れ込んだランボルギーニ・アヴェンダドールは普通に買えば数千万円。本来、というより普通の人なら、ここで諦める。しかし、スターリングさんは諦めなかった。息子への教育の一環として、予算2万ドルでランボルギーニの制作に着手したというのだ。 もちろん、一朝一夕で完成とはいかない。仕事終わりの1時間を使い、息子と地道な作業を続けた結果、およそ1年4ヶ月で、ランボルギーニの外装を作り出すに至った。 使用しているのは家庭用デスクトッププリンターであり、当然エンジンは作れない。そこはコルベットからLS1V8を取り出して転用。プラスチックは陽光で溶けてしまうためカーボンシートを組み込んだりと四苦八苦の末に、ついに実際に運転できる「偽物」ランボルギーニが誕生したというわけだ。 以下はその完成したランボルギーニの動画だ。このエンジン音が男のロマンというものなのだろうか。スポーツカーに関心のない私には単なるボロのスポーツカーの車庫入れ動画にしか見えないが(失敬)、とはいえ、息子さんの声が実に可愛く、微笑ましい。 自動車業界でプレゼンスを増す一方の3Dプリンター ...
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不老不死がついに実現!? 3D臓器プリントによって身体の全てのパーツが交換可能に
礼に始まり礼に終わる。どうも、合氣道初段、SK広報のエリナです。エビフライはソースよりもタルタル派、天ぷらは麺つゆよりも塩派だ、おすおすっ!! ようやく涼しくなってきた今日この頃、食欲の秋、睡眠欲の秋、3Dプリンティング欲の秋、皆様はどうお過ごしだろうか。 穏やかな気候の中で何かに夢中になることはいいことだ。しかし、夢中になりすぎるあまり、体を壊してしまったりしては元も子もない(食べ過ぎ、寝すぎも同様)。健康一番。そして、健康を損ねた時には病院に行くのが一番だ。 ということで、今回は医療の話である。食品、衣料品、建築など、さまざまな業界で八面六臂の活躍を見せている3Dプリンターだが、最も目覚ましい発展を遂げている領域はどこかと言えば、やはり医療の現場においてだろう。 医療の世界における3Dバイオプリンターの最前線がどうなっているのか! 今回はその状況を少しだけ覗いてみたい。 移植用の心臓をプリンターで出力する時代 3Dプリンターによる臓器プリントが世界で大きく話題となったのは2019年春、イスラエルのテルアビブ大学が3Dプリンターを使用して血管まで備え持つ小型の心臓を作成することに成功したというニュースによってだった。 いまだウサギの心臓ほどの大きさとは言え、これはすごい話である。実験を成功させた科学者グループによれば、これは心臓移植の可能性を進展させる「医学上の大きな突破口」になりうるとのこと。実際、「細胞、血管、心室、心房が備わった心臓全体」の作成に成功したのは、これが世界でも初めてのケースだったそうだ。 私もニュースを見たときには驚いた。いずれ、3Dプリンターから「生物」そのものが出力されるなんてこともありえるのでは!? ちょっと前であればSFに過ぎなかっただろうそんな妄想も、にわかに現実味を帯びてくるというものだ。 もちろん、実際に3Dプリントされた心臓を患者に移植する上では、多くの課題も残っているらしい。いかに本物の臓器と構造だけではなく、「振る舞い」においても変わらない臓器をプリントしていけるのか。この課題に、今世界中の研究チームが取り組んでいる。当然、我らが日本の研究チームもまたその例外ではない。そこで、以下では日本の研究チームの動向を覗いてみたい。 日本の研究チームも大活躍 まず注目したいのは佐賀大学の研究だ。テルアビブ大学が心臓のプリントを発表したのと同じ今年の4月、佐賀大医学部の中山功一教授らの研究チームが、バイオ3Dプリンターによって人工血管を作成し、その人工血管を人工透析の患者に移植する臨床研究計画を審査委員会に申請したのだ。 この人工血管は皮膚の細胞だけから使られているため、移植後のアレルギー反応や細菌の感染リスクを抑制する効果も期待できるという。 具体的には、患者の脇や足の皮膚から採取した細胞を培養し、約一万個の細胞の塊を作って、その大量の塊を素材に、モデリングデータの設計通りに形成するというもの。これによって直径約5ミリ、長さは約5センチほどのチューブ状の人工血管ができるそうなのだ。 まさに現在、実際に移植して、その安全性や効果を確かめる臨床データを集めている最中とのこと。たとえば慶應大学の研究チームはブタの体によってこの臨床実験を行い、ヒト細胞由来の人工血管の有効性と安全性を実証している。 中山教授によれば「(この技術は)他の臓器の作成にっも応用できるだろう」とのこと。こうした技術の発達が医療の世界に与えるインパクトはとてつもないものになるはずだ。素人の妄想を許してもらえれば、身体のパーツが全て交換可能になったとき、人類の悲願である「不老不死」も達成されるんじゃなかろうか。そうなればドラゴンボールを7つ集める手間もいらず、そもそもシェンロン自体がもはや用済みになるということ。オラ、ワクワクすっぞ! ...
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食肉産業の危機を3Dプリンターが救う? 「Redefine Meat」がプリントする精巧な代替肉
礼に始まり礼に終わる。どうも、合氣道初段、SK広報のエリナです、おすおすっ! 豚肉よりも牛肉派、すき焼きよりもステーキ派、生粋のお肉ラバーとは私のことだ。 皆さんはフード3Dプリンターをご存知だろうか。これは3Dプリンターのフード版のことで、要するに「食べ物」を立体出力するプリンターのこと。この技術さえあれば、誰でも自宅で好きな食べ物を料理せずとも出力して食べられる。そんな夢みたいな技術だ。 このフード3Dプリンターの開発は各所で進められており、中でも現在、米国コロンビア大学が3Dプリントと調理を同時に行えるプリンターの開発を急いでいるらしい。 これが完成したら、専用のペースト材料さえあれば出力後の調理は一切不要。大学は5~10年以内での完成を目指しているそうで、すでにカウントダウンは始まっている。世界は刻々と変化しているのだな…。 今回はそんな日進月歩の発達を遂げているフード3Dプリンター業界からさらに驚きのニュースが届いたので紹介したい。 なんでも3Dプリンターで「お肉」を作ることが可能になったというのだ。しかも完全なる植物ベース。つまり動物を一切殺すことなく、ステーキ肉が作れてしまうというのだから驚きではないか。 イスラエルのベンチャー「Redefine Meat」 全世界驚愕の代替肉3Dプリンタの開発を進めているのは、イスラエルの食品3Dプリントのベンチャー「Redefine Meat」。すでに出力には成功しており、今回開発促進のために6億円の資金を調達したことによって、いよいよ量産段階に入ろうというところまで来ているらしい。 Redefine Meat CEOのEshchar Ben-Shitriいわく、「私たちの目標は、代替肉製品を大規模に生産するための新しい技術を開発すること」。 すでに複数のフードイベントで高品質の代替肉の3Dプリントを展示してきており、今後1年で更にその技術を引き上げると共に一般普及できるところまで進めたいという。 自宅でボタン一つで巨大なステーキ肉が作れてしまう…憧れの週7肉三昧の日々が!(妄想) しかし一体どのように3Dプリンターでお肉を作り出しているのだろうか。 ...
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小学校に3Dプリンターを導入する国が続出中! 子供をグローバルな人材に育てるための3Dプリンター教育のススメ
礼に始まり礼に終わる。どうも、合氣道初段、SK広報のエリナです、おすおすっ! 枝豆よりもそら豆派、ポテトよりもオニオンリング派、天邪鬼と言うなかれ、単にそっちの方が好みなのだ。 さて、今日もますますの進化を続けている3Dプリンターだが、現状のユーザーとしては製造メーカーなどの企業、そしてものつくりを趣味や仕事にしている大人が中心になっていると思う。しかし、3Dプリンターが活躍する舞台は、今後ますます拡大していくことは間違いない。 その上で現在、教育の現場への3Dプリンターの導入が世界レベルで進んでいるのをご存知だろうか。そう、3Dプリンター教育が、今まさにグローバルな注目を浴びているのだ。今回はそんな3Dプリンター教育の現状と、その目的、教育的効果に迫ってみようと思う。 1.3Dプリンターの教育現場への導入状況 まず、現状における3Dプリンターの教育現場への導入状況を見てみたい。 日本では大学機関や工業高校を中心にその導入が進んでいるようだ。これは専門的な製造やものつくりを学ぶ教育機関から優先して導入が始まっているということだろうが、一方でまだ小中学校においては3Dプリンターは一般化してはいない。とはいえ、一部の小中学校などで図工の時間に3Dプリンターを使用したものづくり体験を実施している例も存在しており、たとえば私立広尾学園では生徒が自由に使える3Dプリンターが置かれているそうだ。 2020年度からは小学校でのプログラミング教育必修化が決まっており、そうなったら3Dプリンターの導入はさらに進んでいくことは間違いない。すでに国は新たな教材費として800億円を地方自治体に交付すると発表しており、その用途は3DプリンターやVRゴーグルへの設備投資が中心となると言われている。文科省が発表している目安としては「各中学校に5台の3Dプリンターの導入」が目指されており、来年度以降、状況はグッと変わっていきそうだ。 しかし、実を言うと、諸外国に比べるとこれはかなり遅れている。たとえばイギリスではすべての中学、高校、専門学校に3Dプリンターが導入済みで、この新教育体制では5歳からの3Dプリンターの学習が推奨されているなど、国を挙げて3Dプリンター教育が行われているのだ。真の3Dプリンター時代が到来することを見越した戦略。さすがは「産業革命」の震源地イギリスと言わざるをえない。 もちろん、アメリカも導入に積極的だ。すでに5000校以上(2017年の段階で!)の学校に3Dプリンターが導入されているそうで、小学校の授業に3Dプリンターが用いられているというところも多いという。そのほか、オーストラリアも進んでおり、昨年の11月には、小学校教育に3Dプリンターを導入することの影響に関する研究が開始されるなど、すでに一段進んだ研究がなされている。 アジアではシンガポールやインドなどが早くから3Dプリンター教育に積極的だった。もちろん、中国だって黙ってはおらず、中国全土40万の小学校に3Dプリンターを配備する計画を示している。 うーむ、どの国も3Dプリンター時代の覇権を手にしたいとばかりに、国をあげて3Dプリンターの教育現場への導入を進めているようだ。日本は少し遅れ気味、まずいぞ~! 2.小さい頃から3Dプリンターに慣れておくことのメリット さて、3Dプリンターを子供のうちから学んでいくことによって、どのようなメリットが得られるのだろうか。 まず言われているのが、脳がフレッシュで柔軟な子供のうちから科学、数学、工学、技術、芸術など多岐にわたる分野において3Dプリンターの使用をしておくことと、大学や専門学校で設計という分野のみで3Dプリンターを使用するのとでは大きな違いが出てくる、ということだ。 ようするに大人になってから、あるいは専門学校や大学からパソコンの学習を始めるよりも、小さい頃からあらゆる場面でパソコンを使用しておいた方が、長じてパソコンを使いこなせるようになる、という話である。 デジタルネイティブならぬ3Dプリンターネイティブを目指すには、小さい頃から3Dプリンターで学んだり遊んだりしておくことが必須。すでに大人の方は残念、時間ばかりは取り戻せない、クゥ。 また、世界経済フォーラムが2016年1月に発表したレポート「The Future of Jobs(仕事の未来)」は、4年以内に「ほとんどの職業で望まれてる主要なスキルの1/3以上が、現在の仕事でさほど重要と考えられていないスキルから構成されるようになる」と報告している。その状況に、3Dプリンターの存在が大きく加担しているという話なのだ。 今後、3Dプリンターは様々な分野で大きな存在感を示していく。たとえば、すでに歯科技工の世界では、3Dプリンターを扱えることがマストな状況となりつつある。未来の「ものづくり」の技術に子供のうちから触れていくことは、将来、あらゆる分野で活躍できる可能性を広げることは間違いない。3Dプリンターの技術が、グローバルに活躍する人材となる上での主要な条件の一つとなるのであり、だからこそ各国が競って教育現場への導入を急いでいるというわけだ。...
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3Dプリンターは自作できる?自作方法とメリット・デメリット
礼に始まり礼に終わる。どうも合氣道初段、SK本舗の広報エリナです。 歩きスマホは危ないので認めませんが、歩き口笛は心が和むので許します。おすおすっ! 3Dプリンターは自作することができる! というのをご存知だろうか? 昨今は空前のDIYブーグが吹き荒れており、3Dプリンターを自作する方も増えてきているらしいのだ。 「3Dプリンターの自作って難しそう・・・」と思った方も大勢いると思う。もちろん完成品の3Dプリンターを購入するほうが、操作性や造形物の仕上がりも安定するだろう。しかし、3Dプリンターの自作には完成品にはない魅力が沢山詰まっている。そこで今回は3Dプリンターの自作方法とメリットとデメリットを紹介したいと思う。 果たして、素人でも一から3Dプリンターを組み上げることができるのだろうか? オリジナルの3DプリンターはDIYキットを経験してから! 機械の知識がない方がいきなり完全オリジナルの3Dプリンターを自作するのはかなりハードルが高い。そこで、自分のオリジナルの3Dプリンターを自作する前に、パーツを組み上げるDIYキットで、3Dプリンターの構造を理解する必要がある。こちらについては「3Dプリンター DIYキット」と検索してもらえれば、様々な商品が出てくる。だいたい2~3万円ってところだろうか。まずはそうしたDIYキットで準備運動をしてもらって、自信と知識をつけたら、いよいよ世界に1つだけのプリンター制作の開始だ。 オープンソース「RepRapプロジェクト」を利用しよう! まず参照すべきは「RepRapプロジェクト」だ。現在、3Dプリンターのハード・ソフトをオープンソースで利用できる「RepRapプロジェクト」という試みが続けられており、3Dプリンターの完全オリジナルを目指す方はこのサイトで、先人たちが作り上げた3Dプリンターの構造を使用して、製作を試みる場合が多いようだ。オープンソースで3Dプリンターのデータを勉強出来たら続いて本格的な制作に入ってみよう。 自作の3Dプリンターでは部品の加工技術が求められる オリジナルの3Dプリンターを自作する際は、パーツの精度が求められる。金属加工の会社では、部品の加工に「マシニングセンタ」「NC旋盤」などを使用して部品を加工しており、自分で制作、もしくは購入してきたパーツの場合も、ある程度工作機械で寸法を調整する必要が出てくる。ここは少し技術が問われるところで、卓上フライス盤などの技術力も必要となる場合がある。バリ取りも丁寧に行うようにしたい。 軸の校正を優先して組み上げる 完成品の3DプリンターはX軸やY軸がずれることはない。しかし、自作の3Dプリンターでは軸のずれがどうしても生じやすい。そこで最初にXY軸の調整に時間をかけることが推奨されている。ネジのちょっとした締め具合で思うような造形物がプリントアウトできない場合があるからだ。自作の3Dプリンターを制作する際はXY軸を慎重に調整するように! マイクロメータやノギスによる慎重な計測も必要になる。どんぶり勘定は絶対にNGだ(自戒)。 ...
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モデリングを制するものは世界を制す? 令和に大注目の職業モデラーについて
礼に始まり礼に終わる。どうも合氣道初段 SK本舗の広報エリナです。洋画の日本語吹き替えは認めませんが、アニメ映画なら許します。おすおすっ! 早速だが、以下がなんのランキングかお分かりになるだろうか。 1位 地方公務員 2位 看護師 3位 保育士 4位 国家公務員 5位 一般事務 6位 ファッションデザイナー 7位 ミュージシャン 8位 ゲームクリエイター 9位 薬剤師 10位 機械系研究・技術者 これはBENESSEが現在の高校生を対象に調査した、「将来なりたい職業」ランキングだ。 同じ高校生として気持ちはとてもよくわかる。この不安定な時代、少しでも安定した職業に就きたいというのが人情というものだ。1位~5位はそんな思いが透けて見える一方で、自分の力を試してみたい!世界にどこまで通用するのか挑戦したい!そんな思いが詰まっている6位~8位といったところだろうか。これもとてもよくわかる。 では、続いてこちらのランキングを見てみて欲しい。 1位 営業職 2位 IT業界 3位 不動産業界 4位 介護・福祉関係...
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