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3Dプリント業界で働く女性の割合はたった13%|ジェンダーバランスの不均衡が業界の拡張可能性を阻む

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3Dプリント業界で働く女性の割合はたった13%|ジェンダーバランスの不均衡が業界の拡張可能性を阻む

 

3Dプリント業界の偏ったジェンダーバランス


年々勢いを増している3Dプリント業界だが、実はある問題も抱えている。昨今、世界が強い関心を寄せているあの問題、そうジェンダーバランスだ。

最新テクノロジーを扱う業界ということもあり、アディティブ・マニュファクチャリングの世界を支える企業、経営者には男性が圧倒的に多い。これは日本に関わらず世界的な状況としてそうなのだ。

現状で3Dプリント業界における女性の割合は13%、経営者に関しては11%にとどまっている。かなり偏っていると感じざるを得ないが、これでもここ数年で格段に状況は改善したようだ。以前は統計化するのも憚られるほど、業界には女性が少なかったらしい。

そうした状況に2014年に立ち上がったのがWomen in 3D Printing、略してWi3DPだ。2014年にノラ・トゥーレのブログ上での呼びかけをきっかけに始動したこの組織は、その後、着実に規模を拡大し、現在は36カ国と80の地方支部を持つ23,000人の巨大組織となっている。

 

 

Wi3DPの創設者であるノラ・トゥーレ(画像引用:https://womenin3dprinting.com/



一体どのような組織なのだろうか。公式HPに掲載された組織としての理念は以下の通りだ。

「Wi3DPは、アディティブマニュファクチャリングスペースを形作る女性のストーリーを共有したいという創業者の願いから、2014年に始まりました。3Dプリント業界でキャリアを始める前は、私たちのほとんどのメンバーは、他の分野において情熱を注ぎ、趣味や仕事に励んできました。アディティブマニュファクチャリングは製造ツールであるため、業界の垣根を超えて使用することが目的とされています。それこそが、この業界が多様なバックボーンの労働力を歓迎することでより豊かになっていくべきであると私たちが信じる理由です。実際、3Dプリント業界の女性は この業界を非常に豊かで興味深いものにしています。業界が今まで以上に多様な背景を受け入れること、それが私たちの目指すべきことです。」

 

 

 

 

 

確かに3Dプリンティングの用途は本来とても幅広い。可能性としてはほぼ無限大と言っていいくらいのレベルだ。ただ、その可能性に気づくためには、様々な潜在的需要をキャッチしなければならない。その上で業界がある特定の層の人間に偏っている現状は、そうした潜在的な可能性を見落としやすい状況にあるとも言え、これは業界にとって大きな損失でもある。女性を始め、社会におけるマイノリティ層が業界に参入することは、3Dプリント技術の活用の幅、技術革新のペースアップのためにも欠かせないことなのだ。

これまでWi3DPはノラ・トゥーレの指導のもと、実際に業界内での女性の活躍を大いに促してきた。数値としては依然として男性偏重であるものの、その啓蒙活動は次世代にわたって大きな効果を生み出すはずだ。ジェンダー不平等の改善や多様性の確保は、単にポリティカルコレクトネスの観点からのみならず、全体の利益という観点からも真剣に取り組まれるべきことであり、Wi3DPは現在、その大きなかなめとなっているのだ。

 

 

7年目を迎えたWi3DPの新たなる体制


ところで、このWi3DPが今、大きな転換点を迎えつつある。これまでWi3DPの社長を務めてきたのは創設者でもあるノラ・トゥーレだったのだが、この度、社長の交代が発表されたのだ。

新社長はクリスティン・マルヘリン。もちろん女性だ。クリスティン・マルヘリンは、2001年に米国の武器産業大手であるノースロップ・グラマンでプロセスエンジニアとして働き始め、その後、戦略的マーケティングマネージャーとなった功績を持ち、自身でもコンサルタント会社を経営する敏腕実業家でもある。これまでWi3DPでは米国オレゴン州ポートランドの支部大使を務めてきており、グループ内での豊富な経験を持っている。

 

 

Wi3DPの新社長であるクリスティン・マルヘリン(画像引用:https://womenin3dprinting.com/



果たして新体制となったWi3DPは今後どのような展開を見せるのだろうか。当面は以前からの流れを引き継いでいく見込みだが、本人はこれまでのプロジェクトを「さらに発展させていく」と強い意欲を覗かせている。

そんな中、日本はどうなのかと言えば、もちろんWi3DPの支部は日本にもある。ただ現状では東京支部だけの様子。人口規模を考えると、これは正直、心許ない。

ジェンダー平等に関して日本はまだまだ乗り遅れているが、これを単に文化の独自性の問題だと捉えてしまっては、みすみすブルーオーシャンを手放すようなもの。女性目線での3Dプリント技術の活用は新たなゴールドラッシュを生み出す可能性さえあり、日本の3Dプリント業界においても女性の活躍の幅を広げていくことは綺麗事を超えた急務なのである。

SK本舗としても、3Dプリント業界がジェンダーの垣根を超えてますます盛り上がっていくことを、心から願っている。



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