東京⇆サンフランシスコが6時間以内! 超音速ジェット機を3Dプリントするスーパーファクトリーがノースカロライナに開設
超音速ジェット機「オーバーチュア」
コロナ禍以降、値上がりを続けている輸送費は物流と人流に大きな影響を与えている。いまやどこに国も自国以外の製造物に頼って暮らしているグローバル社会においては、物流、人流のコスト上昇は極めて大きな問題だ。
そんな中、米国で国際的な物流、人流を担うことになるジェット機の工場が新たに開設されることが決まった。場所はノースカロライナ州のピエモンとトライアド国際空港、製造されるのは超音速ジェットとして知られるブーム・オーバーチュア社の「オーバーチュア」だ。
同機は最大88名の乗客を乗せ、マッハ1.7で飛行することで知られる。これはサンフランシスコと東京を6時間以内で結ぶことができる速度だ。すでに昨年、米国ユナイテッド航空が15機のオーバーチュアを発注し、話題となった。2030年までには実際にオーバーチュアに旅行客を乗せた飛行を開始する予定だという。空の旅は超音速の時代へと突入しつつあるのだ。
オーバーチュアの製造には3Dプリンターが多用
実はこのオーバーチュア、部品の多くが3Dプリントで作られていることでも話題となった。StratasysのFDMマシンや、VELO3Dの金属3Dプリンターなどで出力した部品が、マシンの重要なパーツとして多く使用されているという。もちろん、今回開設されるスーパーファクトリーにおいても3Dプリンターが多用されることは間違いない。
さらにこのオーバーチュアは燃料面においても革新的な取り組みを行おうとしている。ブーム・オーバーチュア社のCEOは航空機はすべて「持続可能な航空燃料を動力源とし、100%の純ゼロカーボン目標を達成する」と主張しており、超音速ジェットが環境面にも配慮したマシンであることを強調している。だが、まだ現段階においては燃料開発は中途段階にあり、今後の展開に注目が集まっている。
いずれにしても、物がより速く届き、目的地により速く到着することができるということは、シンプルに快適ではある。来たる超音速の時代を歓迎したい。