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光で硬化する藻類インクが医療3Dプリント業界を刷新する
生体適合性の高い藻類由来の3Dプリントインク 突然だが私たちが日常的に呼吸している「酸素」を作り出している主要な植物についてご存じだろうか?実は世界の酸素の50%を生成していると言われているのは海中の藻類である。日本人にとっては食用のワカメや昆布などでも馴染み深い藻類だが、現在、藻類は再生可能な原材料として世界的に多く用いられている。そして現在、藻類は3Dプリンティングのためのインクとしても使用され、医学の世界において重要な役割を果たそうとしている。3Dプリントインクに微細な藻類を活用するための研究を行っているのは、ハイデルベルク大学分子システム工学・先端材料研究所のエヴァ・ブラスコが率いる国際的な研究雨チームだ。彼らは複雑で生体適合性のある微細構造のレーザー3D印刷用の最初の微細藻類インクを開発している。これはこれまで石油化学ベースのポリマーが用いられてきた、2光子重合の分野における代替素材になりうると注目されている。 画像引用/ハイデルベルク大学 石油化学由来のポリマーは化石燃料の枯渇、温室効果ガスの放出、そしてしばしば有毒成分の使用に寄与することになることがこれまで指摘されてきた。その点、新たに開発された微細藻類インクが環境に優しい代替手段となると見込まれているのだ。今回、開発されたインクには珪藻類Odontella auritaと緑藻類Tetraselmis striataの2種類の藻類が使用されている。どうやら重要なのはこれらの藻類から抽出されるトリグリセリドという脂肪であり、これらが光による硬化を引き起こす重要な要素となっているとのこと。すでに研究チームは、微細藻類インクの生体適合性を最終的にテストするために、研究者は細胞構造の実験を行っている。その結果についてブラスコ教授は「私たちの結果は、光によるより持続可能な3D印刷だけでなく、3D細胞培養から生体適合性インプラントまで、生命科学のアプリケーションにも新しい可能性を開きます」と強調している。将来的にこの微細藻類インクは、正確なマイクロ/ナノ構造を製造するため、あるいは3D細胞培養のためのインプラントや足場の基礎として医療目的で使用される可能性がある。その高い生体適合性のおかげで、生体組織と接触する製品の3Dプリントに特に適していルトのことだ。藻類は栽培中に酸素を生成するのみならず、成長速度も非常に速く、素材としての利点を多く備えている。今後の研究の発展を期待したい。 参照:https://www.uni-heidelberg.de/en/newsroom/3d-laser-printing-with-bioinks-from-microalgae
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第4回3Dデータコンテスト【百鬼夜行 参加募集!】を開催いたします
SK本舗の姉妹サイト「3D DATA JAPAN」にて第4回データコンテストの開催が決定いたしました!第4回コンテストテーマは 「百鬼夜行 参加募集!」 〈開催概要〉アナタの街のどこかで夜な夜なお化けや妖怪たちが行進しているのをご存じですか?ハロウィンも近いので、この時期は海外から遊びに来たお客様も一緒に楽しく練り歩くそうです。でも、ここ近年は参加する妖怪やモンスターたちが少なくなっているんだとか。そこで今回は百鬼夜行に参加する新たな仲間を大募集します! こわいコ、おもしろいコ、かわいいコ、なんでもござれ!オリジナルの妖怪、モンスターたちを集めて夜の街を大行進しましょう! 応募受付は10月1日(火)より開始いたします。※締め切りは10月15日(火)を予定しています。
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日本人が作った3Dプリント世界時計が「驚異」と話題に
3Dプリントした459個の部品からつくられた地球儀状の世界時計 今日、3Dプリンターを使用した「ものつくり」の最前線を知ろうと思ったら、まずはYouTubeを見るのが早い。YouTube上には世界各地の「ものつくり」自慢たちが投稿した自身の3Dプリント作品や制作過程の映像が溢れており、その技術やセンスによって相互に競い合っている。そんな中、最近ある日本人が投稿した一本の動画が話題になっているのをご存知だろうか。投稿者はものつくり系YouTube番組の「からくりすと」。氏が8月に投稿した「世界時計を作ってみた」という動画は投稿後2週間で瞬く間に5万回以上再生。コメント欄には日本人だけではなく世界からも賞賛の声が書き込まれ、また海外メディアにおいてもその素晴らしい技術が取り上げられている。 画像引用/https://www.youtube.com/watch?v=Fq-mOtpW9TI 今回、「からくりすと」が3Dプリンターを使って制作したのは世界時計。氏にとっては初めての挑戦ではないようだが、以前作ったものが壊れてしまったため、氏の最新技術を駆使してリメイクを試みたのが今回の動画のようだ。地球に見立てられた1日1回転する球体に、各都市の緯度経度に応じた位置に文字盤が配置されたこの世界時計、まず何よりそのデザインが実に魅力的なのだが、設計においては3Dプリンターによってプリントされたおよそ459個の部品が使用されているとのこと。 画像引用/https://www.youtube.com/watch?v=Fq-mOtpW9TI 動力にはArduinoとステッピングモーターが使用され、球体の回転は中心にクリスタルボールを置くことで実現している。動画では制作の細かいプロセスが紹介されているのだが、見ているだけでその工夫と技術にワクワクさせられてしまう。果たして完成した世界時計はロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、ドバイ、サンパウロ、シンガポール、東京、シドニーという世界の各都市の時間に対応しており、それぞれ切り替えが可能になっている模様。 画像引用/https://www.youtube.com/watch?v=Fq-mOtpW9TI 何はともあれ、実際に動画をご覧いただきたい。
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パリ五輪に合わせて3Dプリントされた巨大なエッフェル塔|素材は1.3トンの海洋廃棄物
チェコで開催されていたオリンピックフェスティバルにエッフェル塔が出現 大きな盛り上がりを見せたパリ2024年夏季オリンピックも閉幕し、そろそろ夏の終わりの気配が漂い始めた昨今。数々のアスリートたちの活躍に目を奪われた一方で、実はパリ五輪の傍らにおいて、チェコでは国の公式オリンピックフェスティバルが開催されていた。そのフェスティバルの中で今回のパリ五輪に合わせて展示されたある作品に注目したい。それはチェコのオリンピックチームによって制作された巨大なエッフェル塔のレプリカだ。フランスへのオマージュとして制作されたこのエッフェル塔、実はその素材は全て海洋廃棄物からなり、それらの素材を用いて3Dプリンターで制作したものだという。 画像/3DDen 制作を手掛けたのはチェコの会社3DDenとチェコオリンピックチーム。元々は2024年4月に今回のフェスティバル会場がある北ボヘミアのモスト湖の近くに建てられたものだ。素材を海洋廃棄物としているのも、オリンピック事業の持続可能性へのコミットメントの一環だ。 環境への配慮をクリエイティブに実践する そもそも「環境への配慮」はパリ五輪2024における大きなコンセプトだった。フランス当局は、提供される食料をより多く植物ベースのものとする、一時的なアリーナをリサイクル材料によって製造する、公共交通機関や新しい自転車レーンに焦点を当てるなど、可能な限りオリンピック事業をグリーンにするために取り組んでいた。このエッフェル塔もまたそのアイデアを引き継いだものだ。使用された海洋廃棄物の量は約1.3トン。これは世界が直面している最大の環境問題の1つである海洋プラスチック汚染に対する取り組みとなっている。そのうち主な廃棄物はペットボトルで、その総数は約80万本。これらをリサイクルするために、3DDenは、プラスチック廃棄物を3Dプリンターフィラメントに使用するために、OPETと呼ばれる特別な技術を作成。これによりフィラメントになる前に廃棄物を顆粒に変化させ、その後、3Dプリントを行うにあたり、それらの素材を用いるための特別なプリンターを使用した。 画像/3DDen 最終的に3Dプリントされたのはおよそ1500個のピース。それらをモスト湖の会場近くで組み立てることで、この高さおよそ12.5メートルのエッフェル塔は完成した。オリンピックは世界的なスポーツの祭典というだけにとどまらず、国際社会が今後向かうべき方向を指し示す、一つの指標ともなる祭典である。環境問題は現在の世界が抱えている最大の問題の一つであることは間違いない。「環境への配慮」をよりクリエイティブな形で実現していく上で、3Dプリント技術が大いに役立てられている。
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世代間で分断された香港社会を3Dプリントアートがつなぐ|アート集団LAABの制作した「Harbour Cup」とは
テーブルサッカーの伝統的な概念を再定義する 香港に登場したインタラクティブな3Dプリントアートが話題になっている。Harbour Cup(以下、ハーバーカップ)と題されたこのインスタレーションは、単なる芸術作品としてのみならず、スポーツ、科学、社会的交流など様々な分野の融合として制作されたものだ。 画像引用/https://www.laab.pro/en/work/harbour-cup/ 香港セントラルハーバーフロントの遊歩道沿いのサイエンス・イン・アート展のために、革新的なアーティスト集団LAABによって作成されたこのハーバーカップは、なんでも「テーブルサッカーの伝統的な概念を再定義する」というコンセプトとなっているらしい。このハーバーカップ、基本的な構造は日本でもお馴染みのテーブルフットボールゲームによく似ているが、相違点も多い。まずハーバーカップには、あらかじめ決められたチームというものが示されておらず、また唯一のルールのようなものも存在していない。プレイヤーはまずどのようにプレイするかを相手と交渉して決定する必要がある。競争的に楽しむこともできるし、協力的に楽しむこともできる。つまり、重要なのはコミュニケーションということだ。 画像引用/https://www.laab.pro/en/work/harbour-cup/ またハーバーカップの大きな特徴としてテクノロジーが使用されているという点もある。アートワークには蹴られたボールの軌道を照らす太陽光発電のLEDライトが組み込まれている。これらは防水3Dプリントユニット内のセンサーによって作動するため、野外展示の中で雨に濡れても問題はないとのことだ。 画像引用/https://www.laab.pro/en/work/harbour-cup/ デザインも美しい。その光沢のあるメタリックボディは、周囲の建物からのカラフルな光を反射することで、香港の都市風景にハーバーカップを融合させている。 背景にあるのは香港社会が抱えるある問題 ハーバーカップが、あらゆる年齢、あらゆる体型の人でも遊ぶことができるように設計されているように、この作品の目標は社会的コミュニケーションの促進にあるようだ。制作チームはこのハーバーカップが「誰もが携帯電話を置いて、物理的および社会的な遊びに従事することを奨励」するものであると説明しており、ヴァーチャル空間の中に置き忘れてきてしまったコミュニティの感覚と共有された経験をハーバーカップによって取り戻すことが目指されているという。 画像引用/https://www.laab.pro/en/work/harbour-cup/ 実際、物理的に対面して行われるコミュニケーションから得られる感情的な喜びはソーシャルメディアでは得られない。これは現代において、うつ病の増加などとも関連づけて考察されている、重大な問題だ。香港では、多くの若者がまだ共有された経験を求める意欲がある一方で、主にデジタル活動の過剰使用のために、これらの相互作用から得る満足度とつながりが時間の経過とともに減少していることが研究によって示されている。ハーバーカップの背景にはそうした社会的課題がある。世代を超えた新しいフィジカルな交流を提案するLAABの試みに注目したい。
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大切な人の等身大フィギュアを1500ドルで3Dプリントするサービスが話題に
写真一枚から正確に故人を3Dデータ再現 大切な人の等身大像を3Dプリントするサービスがインドで話題となっている。そのサービスを手掛けているのはCSR 3D ART STUDIO。同社のコンセプトは「あなたの愛する人を取り戻す」。その言葉にあるように、同社は主に顧客の大切な故人の像を手頃な価格で3Dプリントするサービスを展開しているようだ。手順はシンプルだ。スタジオ宛に対象となる人物の写真を送付、その写真をもとに同社が正確に3Dモデルを作成する。同社が設定しているのは80~90%の類似性。もちろん、データの作成過程で修正をリクエストすることもできる。 最終的に3Dデータが準備できたら、そこから約10日〜15日程度で像を出力。サイズも1フィートから等身大まで、リクエストに応じた作成が可能だという。もちろん、出力のみではなく塗装も行ってくれる。送料を除いた価格は、1フィートの彫像で約238ドル、等身大の像で約1500ドルとなっており、彫像としてはかなり手頃な価格設定になっている。同社ではすでに3年前からこの事業を展開しているようだ。 同社のインスタグラムの投稿の中には何万もの「いいね」を得ているものもあるようで、購入者たちの評判も非常に高いことが伺える。基本的には死者を記念することを目的とする利用が多いようだが、そのほかの用途、たとえば会社の創設者の像を作るためであったり、あるいは家族写真のがわりに家族像の作成をお願いすることもできるだろう。 低価格の秘訣は、同社が極めて安価な材料を使用し、また一般的なデスクトップ3Dプリンターを使用しているという点。一般的な機材を使用し、高い技術によって提供されるこうしたサービスは、今後の3Dプリンターを使用したサービス展開における一つの見本ともなるだろう。
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農作物の危機を3Dプリンターは救うか|最先端の植物フェノタイピングによる品種改良
気候変動に耐えうるサトウダイコンを3Dプリント実験 農業の未来を3Dプリンターが変えるかもしれない。そう予感させるニュースが届いた。革新的な研究を行っているのは、ドイツのボン大学とシュガービート研究所(IFZ)の研究者チーム。彼らは、AI支援作物パイプラインの改善を開発することにより、農業を未来に持ち込むための取り組みを続けている。GigaScience誌に発表された研究成果によれば、彼らはレーザースキャンと一般的なFDM3D印刷を使用することで甜菜(サトウダイコン)の詳細な3Dモデルを生成することに成功。これは今後、農家がインテリジェントな作物育種を支援するのに役立てられることになる。つまり、より栄養価が高く、生産的で、持続可能な特性を持つ農作物の開発を、この3Dモデルが促進するということだ。研究チームによれば、この研究は、「植物の繁殖を促進し作物の生産を改善すること」を目的としたもので、3Dプリント植物がその正確な参照を提供することになるという。これまで伝統的に、植物フェノタイピングの参照データは侵襲的な方法に依存してきた。しかし、3Dセンシング技術の最近の進歩は、「手動測定では参照できないパラメータを収集する可能性を提供」することができる。 植物フェノタイピングによる品種改良 この研究が注目される背景には、まさに日本も現在経験している気候変動に対応した農業の実現への期待がある。刻々と変化していく気候環境において育成可能な作物品種を生み出していくためには、植物の遺伝的構成または遺伝子型とその環境との相互作用に関する信頼できる情報が必要だ。こうした植物の幾何学的または生理学的特性にアクセスするプロセスは一般的に植物フェノタイピングと呼ばれている。この植物フェノタイピングの研究は、これまでその多くが植物の表現型に対する情報を手動で記録する形で行われてきた。しかし近年では、より多くのフェノタイピングパイプラインがコンピュータ支援センサー、そして人工知能を使用する形で、作業を自動化し、プラントに関する複雑な情報をより効率的にキャプチャするようになっている。実際、今日の植物育種において中心をなしているのは機械学習アルゴリズムだとも言われる。とりわけ今回の3Dモデルを通じた研究は、植物の地上部分の特徴を3Dで再現し、より良い3Dモデルを作成することにあった。研究チームの学生は研究の意義について次のように述べている。「再現可能な参照モデルの生成のための積層造形技術の適用は、客観的で正確な参照のための標準化された方法論を開発する新しい機会を提供し、それによって科学研究と実用的な植物育種の両方に利益をもたらします」チームは、レーザーベースの光検出と測距(LiDAR)技術を使用してモデルのデータを収集し、Faro Focusシステムで甜菜をスキャンして、12の角度から3Dデータを生成した。その後、チームはPrusa i3 MK3S+ 3Dプリンターを使用して、PETGの等身大モデルを製造している。このモデルは最初に実験室で、次に現場においてテストされることになった。これらのモデルは3Dプリントを使用して簡単かつ正確に作成できるため、チームは「3Dプラントフェノタイピングで標準化された参照アプローチが可能になる」と述べている。 温室やフィールド実験において観察された甜菜の3Dモデル(ボン大学) 今後の展望として、この研究は低コストのフェノタイピングソリューションが必要な米やアフリカの孤児作物などの他の作物へと発展していくことになるという。現在、猛暑日が続いている日本も例外ではない。この気候変動が農業へ与える打撃は単なる懸念としてではなく、すでに現実のものとして日本の農家を悩ましている。気候変動を食い止める努力も必要だが、一方でこの気候変動にいかに対応していくかということもまた大きな課題だろう。 参照論文 https://academic.oup.com/gigascience/article/doi/10.1093/gigascience/giae035/7695669?login=false
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今もっとも注目の子供向け3Dプリンター「Kidoodle」
いま一番注目の子供向け3Dプリンターは? 明日を担う子供たちに何を学ばせるべきか。お子さんのいる方なら一度は直面する悩みだ。もちろん、その回答は一つではない。ただ、少なくともその回答の一つに3Dプリンターを挙げることはできる。AM業界のここ15年での発達は目覚ましく、いまや3Dプリント技術は様々な業界においてなくてはならない技術にまでなっている。確かに一般家庭向け3Dプリンターと、各種業界で使用されている産業3Dプリンターとでは、用途も使用法も大きく異なってはいるが、今後の「ものつくり」において3Dプリント技術があらゆる場面において基礎技術となってくることは間違いない。とはいえ、小さな子供にいきなり大人向けの3Dプリンターと向き合わせるというのは、技術面、知識面、そして安全面においても、ハードルが高い。そこで重宝されるのが「子供向け3Dプリンター」だ。以前、本欄でも「子供向け3Dプリンター」を特集したことがある。子供向け3Dプリンター3選|教育、遊戯、創作に最適なマシンはどれかhttps://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/3dprinterforkids?_pos=1&_sid=4f6c677ba&_ss=rもちろん、その後も様々な子供向け3Dプリンターがリリースされている。その中でも2024年現在注目されているのがKidoodleだ。 画像引用/https://kidoodle3d.com/blogs/product-review/kidoodle-minibox-a1-review-kids-3d-printer-with-safety-features このKidoodle、現在はまだリリースされておらず、キックスターターの段階なのだが、いくつか実際に子供と使用している動画を確認してみたところ、その使い勝手は非常に良さそうだ。たとえば、YouTuberの[Everson Siqueirar]が娘のソフィーとKidoodleを試している以下の動画。 まず印象的なのは厄介な3Dプリンターのセットアップをソフィー自身で行えていることだ。ビルドプレートは非常に小さく、加熱されていない。どうやらプリンターにはWiFi機能があるようだが、ネット接続なしでもプリントできるデフォルトモデルもセットされているとのこと。映像ではソフィーはほとんどの作業を自分でこなしていて、父親が昼寝している間にもいくつかのモデルを3Dプリントしている。もちろん子供用として安全面への配慮もなされており、また独自のモデルをスライスすることもでき、子供の上達に合わせて作業の幅を増やしていくこともできる。モニターも子供向けにとても可愛い演出がなされていて、ゲーム感覚で3Dプリンターと慣れ親しむことができるのも嬉しい。 画像引用/https://kidoodle3d.com/blogs/product-review/kidoodle-minibox-a1-review-kids-3d-printer-with-safety-features 子供向け3Dプリンターは世界市場においても、まだそれほど活況を呈しているわけではなく、バラエティも限られている。Kidoodleはそうした状況に風穴を開ける存在となるかもしれない。もし興味があるという方は是非キックスターターに参加してみてはいかがだろうか。 kickstater/Kidoodlehttps://www.kickstarter.com/projects/kidoodle3d/kidoodle-minibox-a1-the-seed-of-imagination 【お役立ち記事】2025年に3Dプリンターを買うならこれ!https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/2025osusumeおすすめのスライサーソフト6選|スライサーソフトの基本も解説!https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/2022soft?_pos=12&_sid=8d1033306&_ss=r3Dモデリングの基礎知識と初心者がつまずきやすいポイントhttps://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/moderingkisozen?_pos=7&_sid=b0e55afc3&_ss=r3Dデータを無料でゲットするならここ!|おなじみサイトからこれから伸びそうなサイトまで紹介https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/3dmuryodata2022 【FDM方式VS光造形方式】 違いや選び方|初心者にも分かりやすく解説 https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/3dbegin 【通販はこちらから】 3Dプリンターの通販ページ https://skhonpo.com/collections/3dprinter-all フィラメントの通販ページ https://skhonpo.com/collections/filament レジンの通販ページ https://skhonpo.com/collections/3dprinter-resin FDM方式向けの便利グッズの通販ページ https://skhonpo.com/collections/conveniencegoods-fff SLA方式向けの便利グッズの通販ページ https://skhonpo.com/collections/conveniencegoods-lcd ...
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愛猫の食欲を3Dプリンターで満たす? UMAMIが開発した3Dプリントペットフード
猫の健康のために最適化された魚介系おやつ ここ数年、大きな飛躍を遂げている食品の3Dプリント。ただ、食品を消費するのは人間ばかりではない。動物もまた日々生きるために大量の食品を消費している。実は3Dプリントミート商品や3Dプリントシーフード商品を世界的に展開しているUMAMI Bioworksは、Friends & Family Pet Food Co.と提携して、3Dプリントされたペットフードも製造している。まず彼らが手掛けているのは飼い猫のための3Dプリントおやつだ。彼らは彼らの3Dプリントシーフードの技術を利用して、魚介ベースの健康的な猫のおやつを世界中の愛猫家に届けるためのプロジェクトを動かしている。 画像/UMAMI BIOWORKS 彼らによれば「新しい栽培魚のおやつは、しばしば乱獲や海洋枯渇につながる伝統的な漁法への依存を減らすことによって、大きな環境上の利点をもたらす」とのこと。栽培魚の生産は養殖魚の生産より資源効率が高く、従来の水産養殖に比べて土地、水、飼料が少なくて済む。なおかつ、3Dプリントされたそれらのおやつは、必須タンパク質と栄養素を十分に含んでおり、猫の健康的な食事を促進するために最適化されているという。 画像/UMAMI BIOWORKS 一方で現在、UMAMI Bioworksはより洗練された人間向けの3Dプリントシーフード開発に向けて、日本の大手漁業会社とのパートナーシップも獲得し、市場そのものの成長を企図している。課題とされているのは消費者のニーズがまだ細胞培養されたシーフードに向かっていないということだろう。現在では細胞培養された食肉への忌避感は根強くあり、加えて既存の食肉産業からのプレッシャーもある。果たして3Dプリントミート、シーフードは今後数年でどの程度一般化していくのだろうか。3Dプリントペットフードはその一つの試金石となるかもしれない。
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英国研究者がバイオ素材のリサイクル可能なフォトポリマー樹脂を開発
環境に優しい3Dプリンティングを実現するために 光造形3Dプリントではお馴染みのフォトポリマー樹脂。そもそもフォトポリマーとは光機能性高分子の一種である感光性樹脂のことだ。光を照射することで溶解性などの物性を変化させることから光造形3Dプリンティングにおいて重宝されている。実はこのフォトポリマー樹脂に変革が起ころうとしている。科学ジャーナル誌『nature』によると、英国バーミンガム大学の研究者らが、最近、高解像度の印刷が可能で、かつリサイクルおよび再印刷できるバイオソース材料からフォトポリマー樹脂を作成することに成功したようなのだ。 画像:バーミンガム大学 この新しいバイオフォトポリマー樹脂の利点は何よりも環境負荷の低減にある。伝統的なフォトポリマー樹脂は石油化学製品から作られている。先述したように、これらの樹脂は光にさらされると硬くなり、長持ちする構造を形成するが、その一つの欠点として石油化学ベースであることとリサイクル性の低さが指摘されてきた。今までのフォトポリマー樹脂は材料が硬化すると不可逆的な結合を形成し、より多くの化学物質を追加せずに分解することを困難にしていた。研究者らによればこのプロセスがしばしば樹脂のリサイクルのためにより多くの材料が生成されることになり、環境への影響の悪化が懸念されていたのだ。その点、今回バーミンガム大学が開発した新しいフォトポリマーレジンは完全にリサイクル可能でありながら高い印刷品質も維持しているという。彼らの研究によると、天然に存在する脂肪酸であるリポ酸から派生した新しい樹脂は、元の成分に分解して再印刷することができるとのことだ。 画像:バーミンガム大学 研究の主任研究者であるアンドリュー・ダブ教授によれば「私たちのアプローチは、効率的にリサイクルできない石油化学製品から作られた樹脂に頼ることから抜け出すための重要な一歩です。私たちにはまだ改善点がありますが、この研究は開発のためのエキサイティングな新しい道を開くでしょう」とのこと。すでにこの新しい樹脂で彼らは3Dプリンターの品質をベンチマークするために使用される小さなボート「3DBenchy」を出力して、その品質の高さを示しており、特許出願も済んでいる。商用化が達成された暁にはより持続可能な3Dプリントへの道が開かれることは間違いない。 画像:バーミンガム大学参照記事『A renewably sourced, circular photopolymer resin for additive manufacturing|nature』https://www.nature.com/articles/s41586-024-07399-9
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無料アプリを使って3Dモデルに自動で「ひねり」を加える
簡単操作で3Dモデルをアレンジする 「STL Twister」 入手した3Dデータにアレンジを加えたい。そんなニーズに応えるアプリがGitHub上にあるらしい。以下はそのアプリを使用して、キャラクターの3Dモデルに「ひねり」を加えている様子をおさめた動画だ。 アプリの名前は「STL Twister」。使用するには、このページに自分のモデルをアップロードするだけ。この動画ではまずアプリが用意しているテスト用の小さな男の3Dモデルを使って試している。 操作は簡単だ。捻りたいレンジを指定した上で画面横の「Twist Amount」というバーを左右に操作するだけで、小さな男の体は左右に捻られていくのがわかる。それもごく自然な形でだ。 動画では次いでキューブ状の3Dモデルでアプリの機能を試している。通常の立方体に「ひねり」が加わるだけで、オブジェクトには芸術的な効果がもたらされている。動画ではひねった3Dモデルをプリントして見せているが、実に面白い。 もちろん、より複雑なアレンジを加えたいという場合は自身でCADを学んでいく必要があるが、もっと気楽に3Dモデルにアレンジを加えたいという人にとっては、とても便利なアプリになりそうだ。「STL Twister」には以下からアクセスできる。是非試してみてほしい。 STL Twister https://andrewsink.github.io/STL-Twister/
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TPUレジンを使ってコンクリート素材のフィギュア作りに挑戦
金型出力で3Dプリント遊びの幅を広げよう 3Dプリンターをより楽しむ上で「もっと素材のバラエティが豊富になったら」という願望をお持ちの方は多いと思う。たとえば、自分好みのフィギュアをコンクリート素材で作ってたいと思ったとしよう。この場合、コンクリートを素材として使うことができる業務用3Dプリンターを購入するという手もなくはないが、あまり現実的とは言えない。じゃあどうすればいいか。3Dプリンター系YouTuberの[Art By Adrock]の提案するソリューションはシンプルだ。氏がトライしているのは、通常の家庭用3Dプリンターの素材である合成樹脂によってコンクリートの金型を作成し、そこにセメントミックスを流し込むという方法だ。果たして、その結果はこちらの通り。 樹脂造形とは異なる重厚な質感を伴いつつ、かなり細部まで精巧に表現されている。作品としても面白いし、是非とも試してみたい。以下の動画では、CADで金型を作成するまでの流れがまとめられており、非常に参考になる。どうやら氏が使用しているのは弾力のあるTPUフィラメントのようだ。 皆さんも是非ともこの方法を参考にコンクリートフィギュア作りに挑戦してみてはいかがだろうか。素敵な作品ができた暁にはどうかSK本舗の「みんなの作品集」宛にご応募ください。
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1トンあたり約497馬力を達成したアストンマーティン「ヴァリアント」の3Dプリントサブフレーム
次世代ボンドカーにも3Dプリント技術の波が? 映画「007」シリーズのボンドカーでもお馴染みのアストンマーティン。中でも最もアイコニックな存在といえばアストンマーティン・DB5・ボンドカーだろう。2020年に同社によって復刻された世界限定25台のDB5コンティニュエーションは、1台あたりの価格がおよそ275万ポンド(4億4000万円)。まさに夢の名機である。さて、長い歴史を持つアストンマーティン社だが、現在は同社もまたその自動車製造において3Dプリント技術を大きく取り入れている。たとえば先日、同社が発表した新作スポーツカー「ヴァリアント」においてもそうだ。このヴァリアントは、伝説のレーサーであるフェルナンド・アロンソの委託によって開発された車両になるが、ロドリーガルとトラックに焦点を当てた設計を持ち、1トンあたり約497馬力という驚くべきパワー対重量比を達成している。そして、この設計を実現させているのが、3Dプリントされたリアサブフレームなのだという。同社によれば、リアサブフレーム製造における3Dプリント技術の採用の利点は、必要な強度と構造を維持しながら、それ自体の重量を減らすことが可能になることだという。この軽量化は、車の敏捷性とハンドリングを高めるために重要なものであり、これによって高速操縦中であっても車両の正確な制御が可能になる。もちろん、ヴァリアントにはこの他にも様々な技術が投入されているのだが、複雑な高級車の製造においていまや3Dプリント技術が効率やコストの面のみならず、機能性においても欠かせないものとなっているということは間違いない。現在、エネルギー問題の観点から自動車産業に対して主に燃料の点で厳しい視線が集まっている。ただ、そのソリューションは燃料そのものを変えること以外にもある。自動車製造の現場における3Dプリント技術の導入は、自動車の安定した軽量化を可能し、エネルギー効率をさらに上昇させるものとなる。ひいてはエネルギーの無駄遣いを減らすことにもつながる。自動車産業とAM技術の蜜月に終わりはなさそうだ。
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大躍進を続けるElegooから3台の新しい3Dプリンターが登場|初となるXYフラグシップも導入
RAPID + TCT 2024で発表されたElegooの最新3Dプリンター SK本舗でもお馴染みの3DプリンターメーカーELEGOOの急成長が止まらない。ELEGOOが最初に注目を集めたのは2019年、同社の主力プリンターであるMars 1がリリースされた時だ。その後、同社FDMのNeptuneシリーズと大判3DプリントののSaturnシリーズへとラインナップを拡大し、その存在感を着実に増してきた。ELEGO0の魅力はまず何よりコストパフォーマンスの高さだろう。その価格設定が市場にもたらしたインパクトは計り知れない。その低価格さとは裏腹な高い性能によって、ELEGOOは瞬く間に多くのユーザーたちの支持を獲得した。そして現在、ELEGOOは最初のCoreXYフラッグシップ3Dプリンター「Centauri Carbon」を先日開催されたRAPID + TCT 2024において発表した。同時にELEGOOはMars 5とMars 5 Ultraの最新版も発表、まさに破竹の勢いを示している。さて、今回発表されたCentauri Carbonは3Dプリンター初心者に最適な機種となっている。 Elegoo Centauri Carbon スマートAIカメラ機能やアルミダイキャスト構造などの高度な技術を備えた本機においては同社初となるCoreXYを採用。X軸とY軸に沿って正確かつ迅速に動くためのユニークなベルトシステムによって、プロトタイプや芸術的作品、教育プロジェクト、中小企業製品まで、精密で複雑な3Dプリントを行うことができる。そして何より、今回注目すべきは初心者の参入障壁をこれまで以上に下げることになるだろう使用における簡素さだ。既存の3Dプリンター愛好家以外を視野に入れた本機は、今後、初心者が購入すべき最初の1台の筆頭となっていく可能性もある。先述した通り、さらに今回ELEGOOはMars 5とMars 5 Ultraを導入した。人気のMarsシリーズへの新しい追加で注目すべきポイントは印刷速度だ。たとえば、Mars 5 UltraはTilt Release Technologyを使用しているため、1時間あたり最大150ミリメートルを印刷できる。さらにこの機能により、印刷されたモデルを損傷することなく簡単に取り外すことができ、高品質のディテールと精度を維持しながらプロセスが高速であることが保証される。 Elegoo Mars 5 Mars...
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あたかも「革」のような表面テクスチャをBlenderで作成した3Dプリント系YouTuberが話題に
3Dプリンターで本物の革みたいな質感を再現 3Dプリントしたオブジェのレイヤーラインを誤魔化すための方法の一つに「外装に何らかのテクスチャを貼る」というものがある。このテクニックについては以前にも以下の記事で紹介したことがあるが、この方法ではパーツの表面をモデリングするという形も可能だし、スライサーソフトで印刷物の外装を変更し、幾何学模様などのテクスチャを追加するという形もある。もう後処理はいらない? 積層痕を「効果的に隠す」ための2つの裏技https://skhonpo.com/blogs/blog/3dlayerline最近、このテクニックを使って、3Dプリント系YouTuberの「3DJake」が、3Dプリントしたオブジェの表面をあたかも「革」のように出力する映像をアップした。彼はこの「革」のテクスチャをBlenderで作成。以下の画像のように、一見すると本物の革製品かのような仕上がりになっている。 今回のテクスチャには約140万個の三角形が含まれているとのことで、これは一般的な家庭用3Dプリンターにはなかなかハードな精細さだ。おそらく普段使用しているスライサーでは間に合わない。ただ「3DJake」のオブジェ並の精細度を求めないなら、一定レベルまでは真似することも可能だろう。 いずれにしても、これはすごいテクニックだ。表面テクスチャの可能性を垣間見せてくれた「3DJake」に拍手を送りたい。詳しくは以下の映像で。
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2100年を目標に火星に3Dプリント都市を建設か|NASAの野望と現実
NASAが近い将来における人類の惑星移住を計画 「2100年、私たちは他の惑星に都市を持つことになります」これは今年開催されたロンドンテックウィーク2024のAIサミットでNASAの技術研究投資副ディレクターであるクリスティル・ジョンソンが行った発言だ。ジョンソンは続けてこうも述べている。「私たちは、酸素、水、エネルギーの大規模な生産を、本当に習得しなければなりません。プラントのメンテナンスと予知保全のためのリアルタイムのデータ分析とシステム最適化を行うことができるためのAI機能を作りだす必要があります。私たちはまず最初に地球上でこれを達成し、その後、その技術を他の惑星に持って行くことができるようになるでしょう」これらの発言はNASAが近い将来における人類の惑星移住を真剣に検討しているということを表している。確かに地球はすでに人類が居住するための惑星としては様々な意味で問題を抱えている。気候変動やエネルギー不足、食糧不足問題や人口爆発など、これらの問題が解決される見通しは立っていない。こうなれば、別の惑星への移住のアイディアが生まれるのも当然といったところだろうか。 (画像)Ben Wodecki/AIBusiness ジョンソンはその移住のための鍵として3Dプリント技術を挙げている。別の惑星に都市を構築するためには3Dプリント技術が欠かせない。そのためにも燃料を継続的に惑星に輸送する必要があるとジョンソンは考えている。果たして、その別の惑星とはどの惑星のことなのだろう。ジョンソンが念頭に置いているのは赤い惑星、そう火星である。現状において火星は人類が居住する上でかなり酷薄な環境である。人類が火星で快適に過ごすためには計り知れない課題を克服しなければない。NASAはその課題を克服していくためにも、今後10年以内に惑星に有人ミッションを送りたいと考えているようだ。もちろん、こうした計画に対しては本当に実現可能なのかと懐疑的な意見もある。かつてスタンリー・キューブリックが映画『2001年 宇宙の旅』を公開したころ、人々は21世紀には人類が自由に地球と別の惑星を行き来しているだろうと信じていたのだ。しかし、ご存知の通り、現状でそのような世界にはなっていない。 ただ、そうだとしても、こうした壮大な計画を聞くと、胸が躍らずにはいられない。3Dプリント技術が作りだす火星都市。筆者の目の黒いうちにそれを見ることができるかはわからないが、いつかは実現してほしい「夢」である。【参考記事】https://aibusiness.com/verticals/nasa-charts-ai-robotics-3d-printing-as-path-for-mars-sustainability
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今ロンドンで話題のカラフルな3Dプリントランプ
基本的な3Dプリント技術を使った人気商品が誕生 今、イギリスであるランプが話題になっているという。販売元はロンドンを拠点とする企業であるOHHIO。どこかレトロな形状と、現代的なカラーリングのマッチングが、ファッションセンスの高いロンドンの若者たちの心を掴んだということだろうか。価格は約200ドル程度というこのランプ、カラバリも豊富でいくつかのパーツを組み合わせることで、独特のグラデーション効果を生み出している。 これらは全て3Dプリントによって作られているのだが、お気づきの通り、使っている技術は決して目新しいものではなく、ごくごく一般的なものだ。OHHIOの成功は、最先端の3Dプリント技術にアクセスしなくても、基本的な3Dプリント技術のみでも、アイディアとセンス次第でまだまだ魅力的なオブジェクトが作り出せるということだろう。OHHIOのウェブページは以下からアクセスできる。【OHHIO】https://ohhio.com/shop/lampsもちろん自分独自のランプカバーを作ってみるのも面白い。自信作が作れたという方は是非SK本舗の「みんなの作品集」にご応募ください。【SK本舗/みんなの作品集】https://skhonpo.com/blogs/user-works
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DARPAの援助によって実証された世界初となるシリコンフォトニクスチップによる3Dプリンター
光学チップによって数秒以内に手のひらに3Dオブジェクトを 単一のフォトニックチップのみを使用して数秒以内に手のひらに3Dオブジェクトを出力する——。先日、米国の国立科学財団(NSF)や国防高等研究計画局(DARPA)の資金提供を受けているマサチューセッツ工科大学とテキサス大学オースティン校の研究者らが、世界初となるシリコンフォトニクスチップによる3Dプリンターの概念実証装置を発表したことが話題になっている。シリコンフォトニクスとはシリコン電子デバイスの製造技術をベースとした高密度光デバイス集積プラットフォーム技術のこと。 超小型、低環境負荷、かつ経済性の高い光回路を提供することができ、さらに信頼性や電子回路との集積性にも優れていると言われている。研究チームが提案しているのは、このシリコンフォトニクスと光化学の分野を組み合わせたチップベースの3Dプリンターだ。提案されたシステムでは、非機械的な3Dプリントを可能にするために、再構成可能な可視光ホログラムを単純な固定樹脂に放出する可動部品のない単一のミリメートルスケールのフォトニックチップのみで構成されている。さらに、可視光ビームステアリング統合光学位相アレイと可視光硬化性樹脂を使用して、チップベースの3Dプリンターのステレオリソグラフィに触発された概念実証バージョンを実験的に実証してみせている。 (画像)チップベースの3Dプリンターのコンセプト これは、これまでにない非常にコンパクトでポータブルな、次世代の3Dプリンターのモデルだと言える。その驚くべき能力は「数秒以内にサブミリメートルスケールのボクセル」を生成する能力にとどまらない。非機械的ステアリングの使用によって、この小さな3Dプリンターでは光源の方向を狙うためにミラーを使用するのではなく、電気信号で光学アンテナを導くものとなっている。詳しくは以下の記事において読むことができる。Silicon-photonics-enabled chip-based 3D printerhttps://www.nature.com/articles/s41377-024-01478-2果たしてシリコンフォトニクスチップ3Dプリンターは、AM業界にパラダイムシフトを引き起こすのだろうか。現在、研究チームはホログラムベースのボリュメトリクス3Dプリントが可能なチップの構築を目指しているという。複数の夢の技術が重なり合った時、3Dプリンターは大きく変わるに違いない。なお、ボリュメトリクス3Dプリントについては以下の記事を参照してほしい。ボリュメトリク3Dプリント技術は新たな段階へ|最新研究により高精度の重合制御とマルチマテリアル造形が可能にhttps://skhonpo.com/blogs/blog/volume2024?_pos=4&_sid=52d0dd0a4&_ss=r
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イェール大学が革新的な3Dプリント手術を報告|外科医の経験に頼らない次世代の外科処置
3Dプリントされた解剖学的モデルと手術ガイドが外科医療を確信する 3Dプリント医療の世界にまた新たな一歩が刻まれた。 先日、イェール大学が世界でも革新的な3Dプリント外科手術を実施した。これは高度な3Dモデリング技術と3Dプリンティング技術によって、患者の身体の一部を完全に再現し、実際の手術前に極めて精度の高いシミュレーションを物理的に行うことで、それぞれの患者に完全にパーソナライズされた手術計画を開発するというもの。対象となった患者は前腕を損傷しており、機能の障害と美容上のトラブルを負っていた。これまでの骨切開手術の場合、こうした状態に対する外科的処置を施す場合、外科医個人の経験とX線診断による事前シミュレーションに大きく依存することになる。これは手術結果の安定性という点において不十分だった。今回の試みは、高度な3Dモデリングと3Dプリンティングによって、患部を正確に再現し、その修正に対するより正確で効果的な外科的介入を可能にするものだ。この試みの中心的な役割を担ったのはイェール大学の整形外科・リハビリテーション学科に拠点を置く3D Collaborative for Medical Innovation(3DC)。3Dメディカルエンジニアのアリッサ・グレノンが監督する3DCは、エンジニアリングの専門知識と医療革新を組み合わせて、患者固有のモデルとツールを作成することを専門としている。彼らによって3Dプリントされた解剖学的モデルと手術ガイドは、外科医に触覚的な参照を提供し、その処置の精度を向上させ、ひいてはそれは合併症の軽減にも繋がる。こうした試みはイェール大学に始まったものではない。これまでにもいくつかの大学、クリニックで、頭蓋や心臓の3Dスキャンによって解剖学的モデルを作成することで、手術の精度を高める試みが行われてきた。今後、世界中の医療機関ではますます3Dプリント技術が採用されていくだろうと予想されている。参照/画像:イェール大学〈Yale Begins 3D Orthopaedic Surgical Procedures That Are Fully In-house〉https://medicine.yale.edu/news-article/yale-orthopaedics-chair-performs-first-in-house-3d-surgical-case/
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もう人間は不要? 完全自動で新構造の開発を続ける3Dプリントロボット
アフターヒューマンの科学研究 YouTube上にアップされているある奇妙な動画が話題を呼んでいる。 動画のアップ元はボストン大学。実際に動画を見てみると、まず3Dプリンターでプラスチックの立体物が造形されている様子が確認できる。かくしてちょっと不思議な形状のオブジェが出力されると、今度はロボットアームがそのオブジェを測りの上に移動し、重さを計測。その後、再びオブジェはロボットアームによって別のプレートの上に置かれる。その真上からゆっくりと降りてくる天板。やがて天板がオブジェに達すると、オブジェはその圧力によってペシャンコに潰されてしまう。動画はこれで終わっているのだが、一体これは何をしている動画なのだろうか。 実は、上記した一連のオートマティックなプロセスがボストン大学工学部の研究室内ではすでに3年前から連続して繰り返され続けているという。もちろん現場に研究者がいない時も、だ。果たして何のために? どうやらこれはプラスチックの衝撃吸収構造の研究のようで、このロボットは自動的にCADデータをデザインし、それを出力、その重量と大きさを測定した上でプレスで粉砕し、圧縮にかかったエネルギーを測定、記録しているらしい。そして、その後、再び新しいデザインを作り出し、この一連の流れを繰り返していく。動画内にはこのようにして潰されたオブジェが箱にみっしりと詰め込まれている様子が見える。このMAMA BEARロボットは3年間でおよそ25000個以上のオブジェを3Dプリントし、その衝撃吸収構造をテストしてきたという。 結果的に3年前の時点ではエネルギー吸収構造の記録は71%の効率が最大値だったところ、すでに75%の効率を有する構造を開発。今なおさらなる記録更新のために実験が続けられている。驚くべきは、3年前にプログラムが組まれて以来、ロボットは自動でこの一連のプロセスを反復し続けているということだろう。人の役割と言えばたまにその実験の様子を確認するくらい。この研究室において、もはや研究の主体はロボットであり、人間はその管理役に過ぎなくなっているということだ。ロボットが自分で科学をする時代、私たちは自分たちの身の振りについて真剣に考えなければならなくなっているのかもしれない。
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