世界は日本の3Dプリント業界をどう評価している?
日本が3Dプリント分野でプレゼンスを発揮するかどうかは◯◯に掛かっている
世界的な3Dプリントメディア「3DPRINT.COM」の新しい記事が注目を集めている。
記事のタイトルは「日本の3Dプリンティングの歴史」。要は3Dプリント分野における日本企業のこれまでを概観しているわけである。
有料記事のため詳しい内容を紹介することは控えておくが、全体のトーンのみを紹介すれば、必ずしもポジティブとは言い切れない内容になっている。とはいえ悲観しているかと言えばそうではない。今後、日本がこの分野で世界的に大きなプレゼンスを発揮するかいなかは現在どう動くかに掛かっている、というのがおおまかな考察の内容だ。
確かに、世界各国が3Dプリント技術を推し進めている中で、日本は現状で必ずしも大きく目立てているとは言えないかもしれない。研究開発分野では注目すべき成果を挙げているものの、一方の日本の3Dプリンターメーカーの活躍は限定的なものにとどまっている。
そもそも、3Dプリント技術の大元を開発したのは日本人だった(特許こそ取ることはできなかったが)。本来、日本は3Dプリント先進国として世界をリードしていくべき国なのだ。もちろん、各企業がそのための努力していることはいうまでもない。これ以上を望む場合、より多くの日本人が3Dプリント技術に関心を持ち、その発展を支持していく必要があるだろう。
その点、弊社ブログ欄の読者の皆さんに関しては、すでに3Dプリント技術への関心を強く持っている方々ばかりと想像する。そのため皆さんに期待することがあるとすれば、周囲の人たちにも3Dプリントの魅力を宣伝してほしいということくらいだろうか。今以上にこの分野に対する関心が集まれば今以上にこの分野へとお金が流れるようになる。ひいては開発研究を含む業界そのものが活性化するというわけだ。
本欄の様々な記事をお読みいただければ分かるように3Dプリント技術が今後の世界でますます重要性と必要性を増していくことは間違いない。その際、3Dプリント分野で日本がどのような位置を占めているかということは、国全体の経済に関わる大きな要素となってくる。
もちろん、弊社は各国の様々なメーカーの3Dプリンターを、その性能、価格などの様々な観点からフェアに評価し、よりよき商品を取り揃えていく所存であり、自国メーカーだからと言って贔屓するようなことはせず、ユーザーの方々にとって最もメリットの大きい商品取引を第一にし続けるということは変わらない。その上でなお、日本がいずれ3Dプリント大国と呼ばれるようになってくれる日を夢見ている。
さて、今回は世界における日本の3Dプリント業界の現状と今後についての話だったが、最後にいくつか、日本企業に関するニュースを紹介したい。
先日、日本のNAGASEグループのInterfacial Consultants LLCが、アメリカはシカゴに本拠を置くM. Holland Companyの3Dプリンティンググループの買収を発表したのだ。これは業界においても大きく注目を集めており、この買収によって北米やその他の地域の3Dプリンティング分野におけるNAGASEの存在感をより高めることになるだろうと言われている。
NAGASEグループと言えば江戸時代に創業された日本を代表する大商社の一つ。果たして今回の買収がどのように発展し、どのように世界の3Dプリント市場にインパクトをもたらすことになるのか、楽しみである。
あるいは、「3DPRINT.COM」は最近、日本のNTTデータXAMテクノロジーについても記事を出しており、その3Dプリント分野における功績を高く評価している。特にJAXAの航空宇宙研究への技術協力や日本の自動車メーカーとの提携において同社の働きは数多くのイノベーションを推進しているとし、その活躍の幅は今後世界的に拡大する可能性があるだろうと示唆している。
そう、ポテンシャルは十分にあるのだ。いずれにしても鍵となるのは先数年の動き。さらなる活躍と発展を期待したい。