3Dプリンターで再現した「顔」によって未解決事件の犯人を逮捕
身元不明の被害者の顔を3Dプリンターで再現
様々なことに役立てられてきている3Dプリンターだが、実は「未解決事件の解決」にも役立てられている。実際、米国ではかなり以前から3Dプリント技術が捜査に使用されており、2016年にはオハイオ州で起こったある殺人事件がそれによって解決されたと話題になった。
その事件においてまず問題となったのは発見された遺体の身元だった。発見時、すでに遺体は白骨化しており、それゆえ身元の特定が困難だったのだ。そこで3Dプリンターが役立てられた。白骨化した遺体から生前の遺体の顔を3Dプリント復元したのだ。
しかし、もともと情報はほんの僅かしかなく、かつ曖昧だった。遺体は女性であり、年齢は25歳〜50歳、身長は5〜6フィート。その他の唯一の手がかりは遺体と一緒に見つかったピンクの縞模様のパンツだけだった。そこで捜査当局はオハイオ州立大学に協力を要請、3Dプリンターを使って女性の頭蓋骨モデルの作成を始めることになった・
まず行なったのは残された頭蓋骨のCTスキャン。そこで得られた正確なデータをもとに3Dプリンターで頭蓋骨を出力。その頭蓋骨に粘土を使って顔の筋肉を埋めていき、眼窩には眼球が埋め込まれた。こうして作られた顔を公開した結果、被害者の身元が特定され、最終的には彼女を殺害した犯人が刑務所に入れられることになった。
画像:https://www.youtube.com/watch?v=zq24jOmNCQQ&t=115s
これを契機に研究が進み、現在はアニメーションを利用してさらにスムーズに被害者特定のための3Dプリンティングが行われるようになったという。特にスキャニングに関しては現在なら頭蓋骨の写真をiPhoneで撮影するだけでもかなりのレベルの再現が可能になっている。
画像:https://www.youtube.com/watch?v=zq24jOmNCQQ&t=115s
画像:https://www.youtube.com/watch?v=zq24jOmNCQQ&t=115s
犯罪事件の時効撤廃が議論されている今日、長いあいだ未解決のまま放置されてしまった迷宮入り事件の犯人が3Dプリンターによって明らかにされるようなことも、案外ありえるかもしれない。