感情表現豊かなディズニーの3Dプリント自足歩行ロボットが登場
あのディズニーが本気を出してつくった最先端ロボット
いかにテクノロジーが発達しても、テクノロジーだけでは世界は変わらない。そこにはそのテクノロジーを魅力的に使いこなす想像力が欠かせないのだ。
先日、20世紀以降の世界の想像力を刺激し続けてきたDisneyが、デトロイトで開催された「高知能ロボットとシステムのための国際会議(IROS)」であるものを発表した。それは3Dプリンティングを使用してつくられた子供サイズの二足歩行ロボットだ。
Disney Researchによる3Dプリント部品を備えたロボット
あたかもSF映画から飛び出しきたかのようなユニークな存在感を持つこのロボットは、数日後には会議場からディズニーランドに移動、カリフォルニアディズニーランドのアトラクション施設内を徘徊、ファンたちの心を魅了した。
ほとんどの部品を3Dプリンターで出力したというこのロボットは、ディズニーが近年に特許を取得した二足歩行ロボットのための様式化された歩行設計技術を用いたものであり、ただ歩くだけではなく、大股歩きをしてみたり、つま先立ちで忍び足をしてみたりと、感情表現も豊かだ。これはロボットがより人格的な存在になって人間社会に溶け込んでいくだろう未来を示唆したものだろう。
チューリッヒのDisney ResearchのアソシエイトラボディレクターであるMoritz Bächer氏が率いるイノベーションチームは、最新のロボット製造におけるモジュラーハードウェア、学習ソフトウェア、3Dプリンティングの組み合わせが持つ可能性を強調している。コンセプトの立案から実用的なプロトタイプの完成まで1年未満で完成したこのロボットの頭部は、周囲を見回すことから傾けるまで、さまざまな動作が可能であり、動的バランスを考慮して設計された自由度の脚を備えている。
今後、これらのロボットがどのように運用されることになるかは分からないが、遠くない未来において、ディズニーランド内を大量の「かわいらしい」ロボットたちが練り歩いているというビジョンは、それほど非現実的でもない。世界のDisneyの次なる魔法は3Dプリント技術とともにありそうだ。
ヘッダー写真/ウォルト・ディズニー・イマジニアリングより引用