第六講「サポート材周りのデザイン潰れの原因は“露光漏れ”かも!?」

第六講「サポート材周りのデザイン潰れの原因は“露光漏れ”かも!?」

その原因は「露光漏れ」かもしれない

 


Phrozen Sonic Miniをはじめとする破格の光造形3Dプリンターの登場によって、段々と光造形3Dプリンターのユーザーが増えてきています 。そうしますと、大体初めは皆様似たような悩みに直面します。今回は、そうした少し出力をしたことがある方向けの内容をお話しします。

 

皆様は出力の際、出力初期に比べてサポート材周りが太くなり、細かいデザインが潰れてしまった…、同じデータで出力しているのに、上手くいくときといかないときがある…といった経験はございませんか。


その原因は「露光漏れ」かもしれません。

 

 

「露光漏れ」ってなんだろう?

 

3Dプリンターをまだ持っていないけれどこの記事を読んでくださっている方や、まだ使い始めたばかりという方に向けて、まず「露光漏れ」とはそもそも何なのかをお話します。


我々SK本舗が提供している光造形方式の3Dプリンターは、液体のレジンに出力したい形の光を当てることでレジンを硬化させ成形しています。しかし、完璧に出力したい形「だけに」光を当てるということは不可能で、どうしてもそれ以外の部分にも光が当たってしまっています。それが「露光漏れ」という現象です。

 

 

 

一見出力後のVATに残っている未硬化のレジンは、出力前から何ら変わっていないように見えますが、実は粘性が強くなっている場合があります。光を当てていない部分にも多少光が当たっているため、硬化するには充分な光ではないものの多少固まっているという状態です。粘り気が強くなるということは、本来必要としているレジン量以上のレジンがくっついてきてしまうので想像よりも太くなったり、大事なデザインが潰れてしまいます。


そのうえ、実は出力後(ライトが消えた後)も光の粒子を蓄積したレジンは硬化が進んでいます。そのため、硬化速度が速いことが売りのレジンはより粘性が強まり、また3Dプリンター自体のライトが強いとそれもまたレジンの粘性を強くしてしまいます。

 

 

露光漏れ対策は「高く上げ下げする」こと

 

とはいえ、大作を作るには出力に10時間以上かかったりします。途中でレジンを入れ替えたりは出来ないしどうすれば…という場合の対策をお話しします。


対策は1つ、出力中にプラットフォームを高く上げ下げることです。

 

 

 

 

これはどういうことかといいますと、例えば立方体を出力すると仮定した場合、出力中は何度も同じ形で光が照射されるので何度も同じ場所に露光し、立方体の周りはどんどん粘性が強くなってしまいます。そこで出力中にプラットフォームを高く上げ下げすることで、VAT内の露光漏れの影響を受けているレジンと受けていないレジンを混ぜることが出来ます。


そうして露光漏れの影響を小さくすることで、デザイン潰れを回避できるというわけです。


露光漏れというポイントは意外と忘れられがちですが、実はとても大事なのです。ちょっとした光のいたずらも念頭に置いて出力することで、より良い出力が出来るのではないでしょうか。

 

 

 

 

第一講「3Dプリンターとはそもそも何か」

第二講「3Dプリンターにはどんな種類があるのか」

第三講「3Dプリンターを熱溶解層方式(FDM)から光造形方式(SLA)にした人にありがちな失敗の原因」

第四講「SK本舗で取り扱っている5種類のレジンとその特徴」

第五講「3Dプリンター(SLA方式)の性能の読み方」

第七講(前編)「3Dプリンターを購入して実際に使ってみよう! 〜購入からセットアップまで〜 」

第七講(後編)「3Dプリンターを購入して実際に使ってみよう! 〜出力から片付けまで〜 」

第八講「3Dプリンターのパラメーターを理解しよう!」

第九講「3Dプリンター初心者にありがちな失敗とつまずきポイント 」