フィラメント選びに迷ったときに読むページ
「PLAとPETG、どっちがいいですか?」「外で使うパーツに合う素材は?」「Bambu Labのプリンターで使えるおすすめのブランドは?」——フィラメントは種類・ブランドが多く、最初は誰しも迷うものです。
このページでは、3Dプリンター用フィラメントの素材ごとの特性、用途別のおすすめ、SK本舗で取扱うブランドの考え方をまとめています。素材から探したい方も、用途から探したい方も、目的に合わせて読み進めてください。
1. まずは素材の特性を知る
フィラメントは「素材」によって、強度・耐熱性・柔軟性・印刷の難易度が大きく変わります。代表的な素材を表でまとめました。
| 素材 | 強度 | 耐熱 | 柔軟性 | 印刷難易度 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| PLA | 中 | 低(〜60℃前後) | 低 | 易 | 試作・モデル・フィギュア・教材 |
| PETG | 高 | 中(〜70℃前後) | 中 | 易〜中 | 機構部品・実用品・ボトル類 |
| ABS | 高 | 高(〜100℃前後) | 中 | 中〜難 | 機構部品・耐熱が必要なパーツ |
| ASA | 高 | 高 | 中 | 中 | 屋外用途・耐候性が必要なパーツ |
| TPU | 高(柔軟系) | 中 | 非常に高 | 中 | ガスケット・グリップ・ケース |
| Wood系 | 中 | 低 | 低 | 中 | 装飾・木目調モデル |
| Stone/Metal系 | 中 | 低〜中 | 低 | 中 | 質感重視の装飾・展示物 |
| PA(ナイロン)系 | 非常に高 | 高 | 高 | 難 | 機械部品・摺動部・歯車 |
| カーボン繊維入り(CF) | 非常に高 | 高 | 低 | 中〜難 | 軽量・高剛性パーツ・治具 |
※温度・強度の数値は素材一般の目安です。実際の値はブランド・グレードにより異なるため、各製品の技術データシートをご確認ください。
素材ごとの注意点
- PLA:印刷しやすい入門向け素材ですが、車内・直射日光下など高温環境では変形します。アニーリング(熱処理)で強度・耐熱を上げる手法は素材によっては反りが大きく出るため、おすすめしません
- ABS/ASA:印刷時に独特のニオイが出るため、換気・密閉チャンバーが推奨されます
- TPU:柔らかいため、ダイレクトドライブ式の押出機との相性が良好です
- PA(ナイロン)系:吸湿しやすいため、フィラメントドライヤーでの乾燥が必須レベル。複数個を一度に印刷せず、1個ずつの印刷をおすすめします
- カーボン繊維入り:研磨剤に近い性質があるため、硬化ノズル(焼入れノズル・ステンレス・ルビーなど)の使用を推奨します
2. 用途から逆引きで選ぶ
試作・モックアップ・フィギュア
形を確認するための試作・展示用モデル・フィギュアには PLA がおすすめです。印刷の難易度が低く、発色がよく、後処理(やすり掛け・塗装)もしやすいのが特徴です。Bambu Lab・ELEGOO・Anycubic など、ほぼ全てのFDMプリンターで標準対応しています。
機構部品・実用品(屋内)
強度と扱いやすさのバランスを求めるなら PETG。透明感のある質感で、PLAより耐熱・耐衝撃性が高く、屋内で日常的に使う実用品に向いています。より高い耐熱性が必要なら ABS も選択肢です。
屋外で使うパーツ・耐候性が必要
屋外設置のパーツ・治具には ASA がおすすめです。ABSと類似の特性を持ちつつ、紫外線への耐性が強化されており、長期屋外利用に適しています。
柔軟性・クッション性が必要
ガスケット・グリップ・スマートフォンケースなど柔軟性が必要なパーツには TPU を選びます。硬度(ショア硬度)はブランドにより異なるので、用途に応じて使い分けてください。
装飾・質感重視
木目調なら Wood系、石材調なら Stone系、金属感を出したいなら Metal系。いずれもPLAをベースにフィラーを混ぜ込んだ素材で、印刷自体はPLAと近い感覚で扱えます。装飾モデル・展示物・建築模型などに適しています。
機械部品・歯車・摺動部品
強度と耐摩耗性が必要な機械部品には、PA(ナイロン)系やカーボン繊維入り素材が候補となります。印刷の難易度は上がりますが、最終製品に近いパーツを作りたい場合に検討する価値があります。
3. SK本舗で取扱う主なフィラメントブランド
SK本舗では、用途・予算・品質要求に応えられるよう複数ブランドを取り揃えています。
SK本舗オリジナルフィラメント
SK本舗が独自にラインナップする定番ブランド。安定した品質・カラーバリエーション・コストバランスを重視した設計で、日常的に使うPLAを中心に展開しています。
kexcelled3D
細い径の精度・色のクリーンさで定評のあるブランド。発色重視のモデル・フィギュア用途で支持されています。
eSUN
幅広い素材ラインナップが特徴。PLA・PETG・ABS・TPU・PA系・Wood系など、素材を試したいユーザーの選択肢になります。
BASF Forward AM(Ultrafuse®シリーズ)
化学メーカーBASFの3Dプリンター材料ブランド。エンジニアリンググレード素材を中心に、産業用途で求められる性能を提供します。
Bambu Lab フィラメント
Bambu Labプリンター純正フィラメント。AMSとの相性が最適化されており、自動色替え・マルチカラー印刷で本領を発揮します。Bambu Labユーザーの第一選択肢のひとつです。
旭化成
国内化学メーカーの3Dプリンター用素材。エンジニアリンググレード素材を中心に展開しています。
Sunlu
コストパフォーマンスに優れたブランド。エントリーユーザー・大量印刷用途で選ばれています。
※上記以外のブランドも随時取扱を拡大しています。最新の取扱ブランド一覧は フィラメントカテゴリページ をご確認ください。
4. ブランド選びの考え方
| 軸 | おすすめのブランド傾向 |
|---|---|
| コスト・大量消費 | SK本舗オリジナル、Sunlu |
| 発色・精度重視 | kexcelled3D、Bambu Lab |
| 素材バリエーションを試したい | eSUN |
| Bambu LabのAMSと組み合わせたい | Bambu Lab フィラメント |
| エンジニアリンググレード・産業用途 | BASF Forward AM、旭化成 |
「最初の1巻」に迷ったら、お持ちのプリンターで標準対応しているPLAから始めるのが王道です。慣れてきたら用途に合わせて素材・ブランドを広げていくのが効率的です。
5. 失敗しないための準備
- フィラメントドライヤー:吸湿した素材は印刷品質を大きく落とします。特にPETG・ABS・PA系・TPUは乾燥が重要
- 密閉保管:開封後はジップ袋+シリカゲルで保管。長期保管は防湿ボックスがおすすめ
- ノズル温度・ベッド温度:ブランド・カラーごとに最適温度が違います。各製品ページの推奨設定をご確認ください
- ノズルの選定:CF入り・GF入りなど研磨性のある素材は、必ず硬化ノズルを使用してください
