【2024年】おすすめのスライサーソフト6選|スライサーソフトの基本も解説!
3Dプリントにとってスライサーソフトはなくてはならない存在です。しかし、プリンター選びは慎重になっても、スライサーソフトに重点を置いている方は少ないのではないでしょうか。
スライサーソフトは3Dプリントの品質に大きく影響し、ソフトによって使いやすさや作業効率性も異なります。
この記事では、初心者から上級者も満足できる、今オススメのスライサーソフトを6つ紹介します。
各スライサーソフトと一緒に使える、注目の3Dプリンターも紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
あらためてスライサーソフトってなに?
スライサーソフトとは、「STLなどの3Dデータを3Dプリンター用のデータに変換できるソフトウェア」のことを指します。STLは3DCADや3DCGにおける代表的なファイル形式の1つですが、このままでは3Dプリンターはデータを認識できません。
そこで、3Dプリンターにも分かるようにデータを翻訳する役割を果たすのが、スライサーソフトです。スライサーソフトを使えば、3Dプリンターが認識できる「Gコード」という形式に変換できるようになります。
そもそもなぜ「スライサーソフト」と言うのでしょうか。
3Dプリンターでデータを出力する際は、まずオブジェクトをレイヤー状にスライスする必要があります。データを一旦輪切り状に変換し、その輪切りされたレイヤー(スライスデータ)を1層ずつ出力していくイメージです。つまり、スライサーソフトでGコードに変換するとは、ツルッとしたオブジェクトを輪切り状に変換するという意味になります。
そのため「スライスするソフト」という意味で「スライサーソフト」となっています。
スライサーソフトでは、スライスの間隔、移動速度、フィラメントの温度管理などを細かく設定して、造形の質を調整することが可能です。作品のクオリティが大きく左右されるため、スライサーソフトは3Dプリントを行う上で非常に重要なソフトウェアだと言えます。
今オススメのスライサーソフト6選
スライサーの選択肢は多数あり、どのスライサーソフトを使うか悩む方も多くいるでしょう。ここでは、皆さんが最適なスライサーソフトを見つけられるように、今オススメのスライサーソフトを6つ紹介します。
・ChiTuBoX
・Formware 3D
・Slic3R
・CURA
・Simplify3D
・PrusaSlicer
それでは1つずつ解説していきます。
ChiTuBoX 光造形ユーザーの定番ソフトウェア
ChiTuBoxは、SLA/DLPマシンで使用されることを目的に作成されたスライサーソフトです。無料のベーシックと、有料で使えるプロの2種類があります。OSはWindows、MacOS、Linuxに対応。
最大の魅力は利便性の高さです。複数の機種のプリセットを登録でき、サポート材などの細かい設定もできます。また、プレビュー機能では、3Dプリンターでオブジェクトがどのように構築されるのか、レイヤーごとに確認できます。スライスプロセスが高速で行われ、サポート構造の制御ができる点もポイントです。
ChiTuBox Proには、マルチパラメータスライス、プロのモデル修復および編集ツールなどの高度な機能や、自動サポート生成機能が付属しています。
日本語にも対応しているため、初心者も安心して使えるソフトウェアです。
ChiTuBox
https://www.chitubox.com/en/index
ChiTuBoXのダウンロード方法について
Formware 3D 多様な機能を備えた人気ソフト
Formware 3Dも光造形用のスライサーソフト。無料版はなく、有料版のみとなっています。OSはWindowsのみに対応。
Formware3Dの最大の利点は、サポートを高速で自動生成してくれることでしょう。光造形において、安定した美しい印刷を行うにはサポートの生成が必要不可欠。Formware3Dは、自動で効率的な傾きと配置にして、サポートを自動生成してくれます。また、中空化やラティス構造の構築、エラーの自動修正など、便利な機能も多数あり人気を集めているスライサーソフトです。
SK本舗にて、個人用、商用ともにライセンス購入できます。
https://skhonpo.com/products/formware-slicersoft
Slic3R 無料で使えるのが嬉しい
3Dプリンターの黎明期から活躍している、オープンソースの代表的なスライサーです。Windows、MacOS及びLinuxで使用可能。無料なのも嬉しいポイントです。
Slic3Rは機能が豊富で、UIが非常に使いやすいと高い評価を受けています。オープンソースであるため、ユーザーコミュニティが活発で、オンラインでのサポートや情報共有も行われているのが特徴です。
初心者にとっては設定がやや難しい点がありますが、個人の趣味からプロフェッショナルな用途まで、幅広く利用できるでしょう。
Slic3R
CURA 初心者からセミプロまで納得
CURAは世界でも非常に人気の高いスライサーソフトです。3Dプリンター製造会社であるUltimakerと、そのユーザーコミュニティによって開発されています。Windows、MacOS及びLinuxで使用可能です。
基本的な機能は無料ですが、さまざまな有料プランも提供されており、用途に応じて使い分けることができます。
CURAの注目すべきポイントは、その使い勝手の良さ。STL、3MF、OBJなど、複数のファイル形式に対応しています。また、印刷時間や素材使用量の見積もりなどを表示してくれたり、メジャーな3Dプリンター用のセッティングがあらかじめプリセットされていたりと、機能が充実しています。
オープンソースソフトウェアであるため、プラグインを使ってカスタマイズも可能。開発コミュニティによる継続的な改善が行われている点も魅力です。
CURA
https://ultimaker.com/software/ultimaker-cura
Simplify3D ネクストレベルを目指したい方に
Simplify3Dはスライサーソフトの中でも特に高機能で、プロ向けとして人気があります。Windows及びMacOSに対応。120以上の独自機能があり、プロフェッショナルな印刷品質を求める方や、細かい設定を行いたい方にとっては、非常に頼もしいツールです。
例えば、Simplify3Dではサポートの自動生成はもちろんのこと、手動で調整も可能なため、サポートの位置や形状をオリジナルでカスタマイズできます。そのほか、印刷プロセスのシミュレーションができたり、モデルの領域ごとに異なる設定を行えたりと、高品質な印刷ができるよう多彩なオプションが備わっています。
Simplify3Dは有料版(199ドル)のみで、使いこなすには一定の知識と経験が必要です。初心者にはあまり適していませんが、3D印刷レベルをさらに向上させたいという方にはオススメのソフトです。
Simplify3D
PrusaSlicer SLAとFDMの両方に適した最強スライサーソフト
人気急上昇中のスライサーソフトに、PrusaSlicerがあります。PrusaSlicerは数少ないSLA、FDMの両方で使用できるソフトウェアであり、無料で利用可能です。対応OSはWindows、MacOS及びLinuxとなっています。
PrusaSlicerはユーザーモードが選べるのが特徴の1つ。初心者モードにすれば基本的な設定のみを表示でき、自身のレベルや用途にあった使い方ができます。オープンソースであるため、上級プログラマーは独自のフォークを作成し、それを新しい機能に適合させることも可能です。
複数のフィラメントや色を使った多彩な3Dプリントを実現できる、今注目のソフトウェアです。
PrusaSlicer
https://www.prusa3d.com/page/prusaslicer_424/
光造形&FDM方式のおすすめ3Dプリンター
スライサーソフトによって3Dプリントの完成度は大きく左右されますが、3Dプリンター自体の性能も作品の良し悪しに大きく影響します。
最後に、今オススメの3Dプリンターを下記の4種類紹介します。
それぞれに対応するスライサーソフトも紹介しているので、参考にしてください。
【光造形】
・Elegoo「Mars4」
・Phrozen 「Sonic Mini 8K」
【FDM方式】
・Anycubic 「Kobra Max」
・Creality「Ender-3 S1 Pro」
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
光造形3Dプリンター
【Elegoo「Mars 4」】
Elegoo Mars 4は、高精度と速度を誇る3Dプリンターで、DLP方式の3Dプリンターです。
スライサーソフトは、おすすめとして紹介したChituBoxや、Voxeldance Tangoが使用できます。
プリンターの主な特徴は以下の通りです。
・強力なCOB光源
36個のLEDからなるCOB光源を採用しています。液晶全体に均一かつ強力に光を照射することが可能になるため、印刷品質をさらに高められるようになりました。
・ユーザーフレンドリーなインターフェース
3.5インチのタッチスクリーンを搭載し、モデルのプレビューとリアルタイムの進行状況を確認できます。
Elegoo Mars 4は、比較的手頃な価格ながら、解像度の高さや印刷速度などにも定評があります。そのため趣味からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに適しているプリンターと言えるでしょう。
※SK本舗はElegooの日本総代理店です。
Elegoo「Mars 4」商品ページ
https://skhonpo.com/products/elegoo-3dprinter-mars-4
【Phrozen「Sonic Mini 8K」】
Phrozen Sonic Mini 8Kは、大人気であるPhrozen Sonic Miniシリーズの最新機種。スライサーソフトは、ChituBox(バージョン1.9.1以上)が使用できます。
特筆すべき点は以下の通りです。
・高解像度
XY軸の解像度は22μmと、非常に精密なモデルの作成ができます。プロの彫刻家の作品を超えるような、緻密でリアルな造形が作成可能です。
・出力速度
出力速度が速い「Sonic」シリーズなだけあり、Sonic Mini 8Kも80mm/hと非常に速い仕様になっています。
精密で複雑なオブジェクトを3Dプリントしたい方に、ぜひとも使っていただきたい1台です。
※SK本舗はPhrozenの日本正規代理独占販売店です。
Phrozen 「Sonic Mini 8K」商品ページ
https://skhonpo.com/collections/all/products/phrozen-sonic-mini-8k_sonicmini8k
FDM方式3Dプリンター
【Anycubic「Kobra Max」】
Anycubicは、ファンが多い3Dプリンターメーカーの1つ。Kobraシリーズの中でも、Kobra Maxは大型の機種となっています。スライサーソフトは、今回紹介したCuraが使用可能です。
Kobra Maxの主な特徴は次の通り。
・印刷可能サイズが大きい
造形サイズは、最大で縦400mm×横400mm×高さ450mmであるため、大規模なモデルやパーツの印刷が可能。組み立てが少なくて済むため、手間を最小限に大きな作品作りに取り組めます。
・初心者にも使いやすい
Kobra Maxには、レベリングの手間を省くオートレベリング機能や、フィラメントの終わりを検知して停止するセンサーなど、便利な機能が搭載されています。
プリンター本体のセットアップも10分ほどでできるため、初心者にも優しい設計です。
大型のオブジェクトを印刷したい方や、FFF(FDM)方式3Dプリンターを初めて使う方にとって魅力の詰まった1台です。
Anycubic「Kobra Max」商品ページ
https://skhonpo.com/products/anycubic-kobra-max
【Creality「Ender-3 S1 Pro」】
Creality Ender-3 S1 ProはEnder-3シリーズの中でも高性能タイプです。スライサーソフトは、今回紹介したCureやSimplify3Dのほか、Creality SlicerやRepetier-Hostが使用できます。
Ender-3 S1 Proの主な特徴は以下の通りです。
・使用可能フィラメントが豊富
PLAやTPU、PETG、Woodなど、多様なフィラメントを使った印刷ができます。レーザー彫刻も可能です。
・ノズル詰まりがしにくい
フルメタルデュアルギア直接押出機を採用することで、フィラメントの送り出しが改善されました。柔軟性のあるフィラメントもスムーズに印刷できます。
Ender-3 S1 Proは、その高いコストパフォーマンスと優れた機能性で、多くの3Dプリンターユーザーから人気を得ています。使いやすさと品質の高さを求める方に、特にオススメです。
Creality「Ender-3 S1 Pro」商品ページ
https://skhonpo.com/products/creality-fdmender-3-s1pro
おすすめスライサーソフトのまとめ
スライサーソフトは3Dプリントに欠かせない重要なソフトウェアです。今回紹介したスライサーソフト以外にも多数ありますが、一般ユーザーであれば、紹介した6つをおさえておけば間違いないでしょう。
オススメとして紹介した3Dプリンターも、使い勝手がよく高品質なプリントができる機種ばかりです。本記事を参考に、ご自身にベストなスライサーソフトや3Dプリンターを選んでいただけたら嬉しいです。
スライサーソフトや3Dプリンターに関するご相談がありましたら、弊社までお問い合わせください。
https://skhonpo.com/pages/contact