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【2026年版】光造形 vs FDM 徹底比較|方式・精度・コスト・用途で選ぶ完全ガイド

最終更新:2026年5月

この記事のポイント

光造形(SLA/MSLA)とFDM(熱溶解積層)の違いを精度・コスト・素材・用途の4軸で比較します。精密なフィギュア原型・歯科モデルには光造形、大型造形・機械部品にはFDMが適しています。どちらを選ぶかは「何を作るか」で決まります。SK本舗(21ブランド以上の正規代理店)が実機データをもとに解説します。

2026年版・完全比較ガイド

光造形 vs FDM 徹底比較
方式・精度・コスト・用途で選ぶ完全ガイド

「どちらの3Dプリンターを選べばいいのか分からない」――この問いに、現行モデルの実数値と運用面から答える。仕組み・精度・コスト・後処理・安全性・集合住宅対応・用途別の推奨機種までを一気通貫で整理した。本記事を読み終える頃には、自分に合う1台が決まっているはず。

1. 結論:5秒で分かる選び方

結論を先に置く。大きく作る/実用パーツ/ランニングコスト重視ならFDM小さく精密に作る/フィギュア・模型・ジュエリー原型ならば光造形。これが2026年時点の最短解だ。以下、迷っている人のためにカードで2つ並べる。

FDM 向き

大きく・実用的に作りたい人

  • 工具・治具・ガレージキット
  • コスプレ小物・大型造形
  • ロボット・ドローン部品
  • 家庭の修理部品・収納パーツ
  • 子どもと一緒に楽しむ

推奨機種: Bambu P2S / Elegoo Centauri Carbon 2

光造形 向き

小さく・精密に作りたい人

  • フィギュア・ミニチュア・TRPG駒
  • 鉄道模型・スケールモデル
  • ジュエリー原型・キャスト
  • 細密パーツ・透明造形
  • 表面のなめらかさを最優先

推奨機種: Saturn 4 Ultra 16K / Mars 5 Ultra

判断に迷うなら:FDMから始めて、必要になったら光造形を足すのが王道。逆順は失敗しやすい。詳細は第10章のハイブリッド運用で解説する。

2. 3Dプリンターの2大方式とは

家庭・小規模事業者が現実的に選択する3Dプリンターは、FDM(熱溶解積層)光造形(LCD/MSLA方式)の2系統に大別できる。それぞれ「材料」と「固め方」がまったく違うため、得意分野も真逆になる。

2-1. FDM(Fused Deposition Modeling)の仕組み

FDM = フィラメント(樹脂の糸)を熱で溶かして積む

スプールに巻かれた直径1.75mmのプラスチック糸(フィラメント)を、200〜300℃前後のホットエンドで溶かしながら、ノズルから細く押し出す。XY軸でノズルが動き、1層ずつ積み上げていく。家庭用3Dプリンターと言えば多くの人がイメージするのがこの方式で、Bambu Lab・Elegoo・Anycubic・Crealityの主力機がここに該当する。

2-2. 光造形(LCD/MSLA方式)の仕組み

光造形 = 紫外線で液体レジンを1層ずつ固める

タンクに張った液体レジン(光硬化性樹脂)の底面から、モノクロLCDが「断面の形」を黒白で表示する。下からUV LEDで一括露光すると、白い部分のレジンだけが硬化する。1層分が固まったらビルドプレートが上に持ち上がり、次の層へ進む。Elegoo Mars/Saturn・Phrozen・Anycubic Photonの主力機はこのLCD方式(MSLAとも呼ぶ)で、家庭用光造形の現行スタンダード。

2-3. 「点で動くFDM」「面で固める光造形」

違いを一言でまとめると、FDMは「点で線を引く」、光造形は「面で一気に固める」。光造形は1層あたりの露光時間がほぼ一定(モデルが大きくても変わらない)なので、トレイをフルに敷き詰めるほどコスト効率が上がる。逆にFDMはモデルが大きくなるほど比例して時間がかかる。この物理的な違いが、後で見るコスト・速度・用途の差に直結する。

3Dプリンター方式そのものをもっと深く知りたい場合は、3Dプリンター総合ガイドに方式別の比較を別途用意している。

3. 全方位比較マトリクス(10項目)

10の評価軸で2方式を並べた。値はいずれも家庭用クラス(10万円前後〜30万円台)の現行機を想定し、メーカー公式スペックおよび一般的な実運用値をベースとしている。個別機種の詳細は各メーカー公式参照のこと。

比較項目 FDM 光造形(LCD)
材料 フィラメント(PLA/PETG/ABS/TPU等) 液体レジン(標準/水洗い/タフ等)
XY解像度の目安 ノズル径0.4mm(細部はノズル制約) Mars 5 Ultra(9K)= XY 18μm/Saturn 4 Ultra 16K = XY 14×19μm(短辺14μm)
積層ピッチ 0.1〜0.3mm(標準0.2mm) 0.025〜0.1mm(標準0.05mm)
表面のなめらかさ 積層痕が肉眼で見える 積層痕がほぼ見えない(鏡面に近い)
最大造形サイズ(一般家庭向け) 256×256×256mm前後が主流 212×118×220mm程度(Saturn 4 Ultra 16Kクラス)
材料1kgあたりコスト 2,000〜4,000円(PLA基準) 5,000〜10,000円(標準レジン)
後処理 サポート除去・ヤスリ(任意) 洗浄→二次硬化(必須)
換気要求 PLAは緩やか、ABS/ASAは換気推奨 必須(窓開け+手袋+ゴーグル)
機械的強度 ○(実用パーツに使える) △(脆い/タフレジンで改善)
学習難易度 初心者向け(最近の機種は箱出し可) 中級者向け(後処理に手順あり)

マトリクスの読み方:「光造形のほうが解像度が高いから上位」ではない。FDMは大型・実用部品で圧勝、光造形は小型精密で圧勝、と棲み分けが完全に分かれている。同じ土俵で勝負していない、と理解するのが本質。

4. コスト比較:初期+3年TCO

光造形とFDM、どちらが自分に合う?

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主要機種の3年TCO比較(本体+消耗品+周辺機器、参考値)
主要機種の3年TCO比較(本体+消耗品+周辺機器、参考値)

3Dプリンターの本当のコストは「本体価格」だけでは見えない。材料、後処理用品、消耗品(ノズル・FEPフィルム等)、電気代を3年単位で積み上げてはじめて全体像が分かる。ここでは月20時間稼働を想定した試算を提示する。

4-1. 初期コスト(最低限のスタート構成)

FDM スターター

最低限の総額:約 ¥70,000〜

  • 本体(A1クラス):¥40,000前後
  • PLAフィラメント1kg:¥3,000
  • ノズル予備・スクレーパー:¥2,000
  • 合計:約 ¥45,000で開始可能

※ より上位のP2SCentauri Carbon 2を選ぶと本体が¥80,000〜130,000帯になる。

光造形 スターター

最低限の総額:約 ¥80,000〜

  • 本体(Mars 5クラス):¥35,000前後
  • 水洗いレジン1kg:¥6,000
  • 洗浄・二次硬化機:¥20,000〜
  • 手袋・容器・ペーパー:¥3,000

※ 高解像度のSaturn 4 Ultra 16Kを選ぶと本体は商品ページの最新価格を確認。

4-2. 3年TCO(総保有コスト)試算:月20時間稼働

項目 FDM(3年) 光造形(3年)
本体(中堅機) ¥80,000 ¥80,000
材料(年5kg×3年) ¥45,000(PLA) ¥90,000(標準レジン)
消耗品(ノズル/FEP/プレート) ¥10,000 ¥18,000(FEP×6回)
後処理機材 ¥3,000 ¥25,000(洗浄・二次硬化)
電気代 ¥4,000 ¥3,000
3年合計TCO ¥142,000 ¥216,000

TCO試算からの示唆

同じ稼働時間でも光造形のTCOはFDMの約1.5倍。理由は「材料単価」「FEPフィルム交換」「後処理機材必須」の3つ。逆に言えば、光造形は造形物の「単価」が上がる用途(フィギュア・ジュエリー原型・小ロット販売)でないと回収しにくい。趣味で大型を作るなら、コスト面では確実にFDMが優位。

機種ごとの細かい価格はShopify上の各商品ページで最新値を確認できる。Elegoo現行ラインナップはElegoo全機種比較、Bambu Lab現行はBambu Lab全機種比較を参照。

5. 精度・解像度の差

「精度」と一口に言っても、3DプリンターではXY解像度(横方向のドット)とZ積層ピッチ(縦方向の段の細かさ)の2軸で語る必要がある。両者の組み合わせで「最終的にどれくらい細かいディテールが再現できるか」が決まる。

5-1. XY解像度:物理的にケタが違う

FDM(標準ノズル0.4mm)

≈ 0.4mm

最小フィーチャーはノズル径に支配される

光造形(9K LCD・Mars 5 Ultra)

≈ 17〜18μm

FDMの約20分の1のドット間隔

たとえば「キャラクターフィギュアの瞳のハイライト」「ジュエリー原型のメレ留め座」「鉄道模型の手すり」といった0.5mm以下のディテールはFDMでは原理的に厳しい。逆に、ノブやケース、治具のように「厚みのある実用形状」では、XY解像度の差はほぼ体感されない。

5-2. Z積層ピッチ:表面の「縞」の細かさ

FDMの標準積層は0.2mm、光造形は0.05mmが一般的。これだけでZ方向の段差が4倍違う。さらに光造形では0.025mm(25μm)まで細かくできる機種もあり、表面が肉眼ではほぼ平滑に見える。フィギュア・スケールモデル分野で光造形が圧倒的に支持される最大の理由はここにある。

5-3. 「精度=寸法精度」とは別物

注意したいのが「解像度」と「寸法精度」は別概念だということ。光造形は解像度こそ高いが、レジンの収縮(シュリンク)サポート跡により、±0.05mmレベルの寸法精度を出すには校正と経験が要る。一方FDMは押出量を機械的にコントロールできるため、嵌合する実用部品ではむしろFDMのほうが寸法が安定するケースも多い。「ピッタリ嵌めたい治具」ならFDM、「見た目の細密さ」なら光造形、と覚えておくと迷わない。

6. 後処理の違い

3Dプリンターの「実際の手間」は造形時間ではなく後処理に出る。ここを理解しないまま光造形を買って後悔する人が多いので、丁寧に並べておく。

6-1. FDMの後処理:3ステップ

STEP 1

プレートから外す

フレキシブルプレートをしならせるだけ。スクレーパー不要

STEP 2

サポート除去

手やニッパーでパキッと外せる。水溶性サポート対応機ならお湯で溶ける

STEP 3

仕上げ(任意)

ヤスリ・塗装は完全に任意。実用パーツならそのまま使える

FDMの後処理は「ほぼ何もしない」で済む。子どもや初心者でも安全。

6-2. 光造形の後処理:5ステップ+廃液管理

STEP 1

レジン水切り

プレート上で15〜30秒

STEP 2

プレートから外す

手袋必須

STEP 3

洗浄

水洗いレジンなら水、IPA対応なら専用洗浄機

STEP 4

サポート除去

硬化前の半生状態が外しやすい

STEP 5

二次硬化

UV硬化機で2〜10分。これをやらないと表面がベタつく

追加で必須:廃液・清掃

タンク内の残レジン管理、FEPフィルムの定期交換(樹脂粒子が残ると失敗の原因)、IPAや汚水の適切な廃棄(産廃扱い、絶対に下水に流さない)が常時必要。光造形=「機械が便利になっても運用の手間は減らない」と覚えておきたい。

レジンの種類別の取り扱い・選び方は光造形レジン選び方ガイド2026に詳述している。

📖 詳しい完全ガイド

3Dプリンター後処理 完全ガイド【2026年版】

FDMと光造形の後処理を5ステップで網羅。サポート除去、洗浄、二次硬化、塗装、安全装備、廃液処理まで完全解説。後処理機・道具の選び方、よくある失敗10選も。

→ 後処理完全ガイドを読む

7. 安全性・換気・廃液の扱い

3Dプリンター選びで意外と軽視されがちなのが「安全と運用環境」。FDMと光造形では、注意すべき項目が大きく異なる。

7-1. FDMの注意点

  • UFP(Ultra Fine Particles・超微粒子)/VOC(微細粒子・揮発性有機物):PLAは比較的少量、ABS/ASAは多めに発生。長時間運転する部屋は換気を意識
  • ノズル高温:200〜300℃。子どもの手が届かない位置に設置
  • 動作音:高速機(Bambu/Centauri Carbon 2クラス)はファン音が目立つ。ベッドルームに置くのは避けたい
  • 火災リスク:稀だが配線トラブルの事例あり。長時間外出時の運転は推奨しない

7-2. 光造形の注意点

換気と保護具は「強く推奨」ではなく「必須」

  • 未硬化レジンの皮膚接触:感作性(アレルギー化)のリスク。必ずニトリル手袋・長袖・保護メガネ
  • レジン臭・VOC:水洗いレジンは比較的低臭、標準レジンは強め。窓開けまたは換気扇直下での運用を推奨
  • 子どもの居住空間NG:未硬化レジンが皮膚や目に入った場合のリスクが高い。書斎・ガレージ・ベランダ収納など隔離スペースを確保
  • 廃液は産業廃棄物:IPA・汚水・残レジンを絶対に流しに捨てない。UV照射で完全硬化させてから自治体ルールに従う
  • ペットを近づけない:好奇心で舐める可能性。プリンター稼働時は必ず隔離

水洗いレジンを推奨する理由:IPA(イソプロピルアルコール)は揮発性・引火性が高く、保管・廃棄ともに気を遣う。家庭用途なら、水で洗える「水洗いレジン」を第一候補にすると運用負担が大きく下がる。詳細はレジン選び方ガイド参照。

8. 集合住宅・賃貸での適性

マンション・アパート・賃貸住まいで3Dプリンターを使う場合、戸建てとは別の考慮が必要になる。

観点 FDM 光造形
騒音(隣室への影響) △ 高速機はファン音あり、夜間注意 ○ 静か(ファン少ない)
臭気(隣室への影響) ○ PLAなら気にならない △ 標準レジンは室内に残る/水洗いレジン推奨
廃棄物処理 ○ 普通ゴミ可 × 産廃扱い/自治体ルール要確認
設置スペース ○ デスク上で完結 △ 本体+洗浄機+硬化機の3台分
ペット・子ども安全 ○ 高温部のみ注意 △ 隔離部屋を強く推奨

マンション・賃貸ユーザーへの結論

最初の1台はFDM+PLAが圧倒的に扱いやすい。光造形を導入する場合は「水洗いレジン」「換気できる小部屋またはベランダ収納」「ペット・子ども隔離」の3条件を満たせるかをチェックすること。1Rワンルームでの光造形運用はおすすめできない。

📖 詳しい完全ガイド

集合住宅・賃貸マンションで3Dプリンターを使うための完全ガイド

騒音・臭気・振動・火災・廃液の5大懸念と対策、消防法・賃貸契約のチェックポイント、設置レイアウト4パターン、おすすめ静音機種10選を徹底解説。マンション住まいの方は必読。

→ 集合住宅完全ガイドを読む

9. 用途別おすすめ機種

ここまでの整理を踏まえ、用途別に「いま買える現行機」をまとめる。FDM側・光造形側で2列に並べた。すべてSK本舗で取り扱いのある機種から選定している。

9-1. FDM側のおすすめ

入門

Bambu Lab A1

手頃な価格でAMS lite対応。マルチカラー入門に最適。学生・初心者・お試し導入向け。

Bambu全機種一覧 →

標準

Bambu P2S

多くのユーザーにとっての「ちょうどいい1台」。CoreXY構造で精度・速度のバランス良好。

P2S 詳細 →

標準

Elegoo Centauri Carbon 2

Elegoo FDM現行ライン。価格対性能で高評価。カーボン入りフィラメントにも対応。

Centauri Carbon 2 詳細 →

上位

Bambu H2S

Hシリーズの大型造形対応モデル。本格制作・小規模事業向け。

H2S 詳細 →

業務

Bambu X2D

業務クラス。X1Cの後継として、生産性・密閉構造・素材対応を強化。法人・スタジオ向け。

X2D 詳細 →

業務

Bambu H2D / H2C

大型造形+多機能の業務フラッグシップ。H2Cはカーボン強化材対応。

H2D 詳細 →

9-2. 光造形側のおすすめ

入門

Elegoo Mars 5 Ultra

家庭用光造形の入門定番。9K前後の解像度+小型ボディで、初めての1台に最適。フィギュア・ミニチュアに十分。

Mars シリーズ一覧 →

標準

Elegoo Saturn 4 Ultra 16K

10インチクラス+16K解像度で、家庭用光造形の本命。広い造形面積と高精細を両立。Saturn 4 Ultra(無印)は世代交代済み、現行は16K機、現行はこの16K。

Saturn 4 Ultra 16K 詳細 →

大型

Phrozen Sonic Mighty シリーズ

大型造形に強いPhrozenの主力ライン。コスプレ用途・ジュエリーバルク制作に好適。

大型光造形比較 →

高精細

Anycubic Photon シリーズ

価格対性能比に優れたPhotonライン。クチコミでも長く支持される定番ブランド。

Anycubic取扱モデル多数、SK本舗内で在庫確認可

なおSaturn シリーズ全体Saturn シリーズ一覧から、Bambu Lab全機種Bambu Lab一覧から確認できる。

10. ハイブリッド運用のすすめ

ある程度3Dプリント体験を積んだユーザーが行き着くのが「FDMと光造形の両方持ち」というスタイル。役割分担すると、それぞれの弱点を補い合える。

10-1. ハイブリッドの典型的な役割分担

FDMが担当する

  • フィギュアの台座・ベース
  • 大型ジオラマの土台
  • ディスプレイケース
  • 収納・ツールスタンド
  • 試作・モックアップ

光造形が担当する

  • フィギュア本体・スケール模型
  • 透明パーツ(窓・レンズ)
  • ジュエリー原型
  • 細部のパーツ・装飾
  • シリコン型用マスターモデル

ハイブリッド導入の順序

1台目はFDMを強く推奨する。理由は、扱いやすさ・初期投資の低さ・モデリング学習との相性。FDMで「自分が何を作りたいのか」が見えてきてから、光造形を足すのが最も失敗が少ない。逆順(光造形が1台目)だと、後処理の手間と廃液管理に挫折するケースが多い。

10-2. ハイブリッドのトータル予算感

たとえばP2SSaturn 4 Ultra 16Kの構成なら、本体合計はおおよそ¥180,000前後。これに光造形の周辺機材を加えても¥230,000前後で揃う。趣味の年間予算として現実的なレンジ。Elegooで揃えるならCentauri Carbon 2+Saturn 4 Ultra 16Kの組み合わせも好バランス。

11. 失敗しない選び方フロー

光造形 vs FDM 方式選びフロー
光造形 vs FDM 方式選びフロー

ここまでの内容を5つの問いに集約した。順に答えていけば、最適な1台が決まる。

Q1

何を作りたい?

フィギュア・ミニチュア・原型なら光造形へ進む
実用パーツ・大型造形・治具なら FDM へ進む

Q2

設置場所はどこ?

リビング・寝室・1Rなら FDM+PLA一択
→ 換気できる書斎・ガレージ・隔離スペースなら光造形も可

Q3

予算はいくら?

5万円以下:FDM入門機(A1クラス)
→ 10万円前後:FDM中堅または光造形入門
→ 20万円超:FDM+光造形のハイブリッド

Q4

使う頻度は?

→ 月数回程度:扱いやすさ重視でFDM
→ ほぼ毎日:用途に合わせて専用化、ハイブリッド検討

Q5

後処理にどれだけ時間を割ける?

→ できるだけゼロにしたい:FDM
→ 細密な仕上げに30分以上かけても良い:光造形

5問のうち3つ以上が「FDM」に倒れたら → FDMを1台目にする。3つ以上が「光造形」に倒れたら → 後処理スペースの確認をしてから光造形を選ぶ。迷う場合は3Dプリンター総合ガイドに各機種の比較表があるので、ここで最終決定するのがおすすめ。

12. FAQ(よくある質問)

Q1. FDMと光造形、初心者はどちらから始めるべき?

FDMから始めることを強く推奨する。理由は3つ:(1) 後処理が圧倒的にラク、(2) 材料が安い、(3) 賃貸・リビングでも置きやすい。光造形は「作りたいものが具体的に決まっている人」が選ぶ2台目の位置づけが現実的。

Q2. 光造形は「歯科専用」のイメージがあるが?

家庭用LCD光造形の主用途は、フィギュア・ミニチュア・スケールモデル・ジュエリー原型・コスプレ小物といったホビー・クラフト分野。歯科は産業用クラスの話で、家庭用機の現実的なターゲットではない。本記事もホビー・一般用途を想定している。

Q3. レジンの臭いはどれくらい?換気で本当に大丈夫?

レジンの種類で大きく変わる。標準レジンは独特の臭気が強め、水洗いレジンは比較的低臭。換気扇直下や窓開けで運用すれば実用上は問題ない範囲だが、寝室や閉め切ったワンルームでの常用は推奨しない。詳細はレジン選び方ガイドを参照。

Q4. FDMで光造形並みの精度を出す方法はある?

0.2mmノズルへの交換、積層0.08mm、低速プリントを組み合わせれば「FDMにしては十分細かい」結果になる。ただし造形時間が3〜5倍に伸びるので実用的ではない。「フィギュア顔のディテール」までは光造形にしか出せない領域がある。

Q5. ランニングコストはどちらが安い?

同じ稼働時間でFDMが大幅に安い。PLAは1kg ¥3,000前後、標準レジンは1kg ¥6,000〜10,000。さらに光造形はFEPフィルム交換・洗浄液・二次硬化機の電気代も加わる。3年TCOで約1.5倍の差がつく試算(第4章参照)。

Q6. PLAとレジン、どちらが強い?

「割れにくさ」「ねじ穴の耐久」など実用機械強度はFDM(特にPETGやABS)が有利。標準レジンは硬いが脆く、落とすと割れる。タフレジン・ABSライクレジンを使えば光造形の脆さは改善するが、それでもFDMほどの靱性は出にくい。

Q7. 子どもと一緒に使うならどっち?

圧倒的にFDM+PLA。ノズル高温部だけ注意すればよく、後処理に有害物質を扱わない。光造形は未硬化レジンの皮膚接触リスクがあり、小さな子どもの居住空間での運用は推奨しない。

Q8. 「Bambu Lab X1C」はもう買えない?

X1Cは終売、新規導入の選択肢ではない。後継としてはX2D(業務クラス)、H2SH2DH2C(Hシリーズ)、P2S(Pシリーズ)などが現行ライン。詳細はBambu Lab全機種比較を参照。

Q9. Saturn 4 Ultra(無印)と16K版の違いは?

Saturn 4 Ultra(無印)は世代交代済み、現行は16K機。現行はSaturn 4 Ultra 16K。LCDを16Kに刷新し、XY解像度がより細かくなったモデル。新規購入なら16K版一択。

Q10. 結局、最初の1台はどれを買えばいい?

3つに絞れる:(a) 試しに安く始めたい → Bambu A1、(b) ちょうどいい本命1台 → P2S または Centauri Carbon 2、(c) フィギュアが本命 → Mars 5 Ultra または Saturn 4 Ultra 16K。迷ったら(b)。

13. まとめ+CTA

📝 本記事の要点を3行で整理:

  • 大きい・実用的・コスト重視 → FDM。最初の1台はここから選ぶのが正解
  • 小さい・精密・見た目重視 → 光造形。ただし換気と後処理スペースが必須
  • 両方使えると最強。ハイブリッドは¥230,000前後で実現可能

あなたへの推奨:シナリオ別CTA

まずFDMで試したい人

P2S / Centauri Carbon 2 / A1

バランス重視ならP2S、価格対性能ならCentauri Carbon 2、入門ならA1。

P2Sを見る →Centauri Carbon 2を見る →

光造形を試したい人

Mars 5 Ultra / Saturn 4 Ultra 16K

入門はMars 5 Ultra、本命はSaturn 4 Ultra 16K。後者は10インチ+16Kで家庭用の到達点。

Marsシリーズを見る →Saturn 4 Ultra 16Kを見る →

業務・本格制作の人

X2D / H2S / Saturn 4 Ultra 16K

FDMの業務用ならX2DまたはH2S、光造形業務はSaturn 4 Ultra 16K。

X2Dを見る →H2Sを見る →

TOTAL GUIDE

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もっと深く知りたい人へ:関連ガイド

※本記事の数値・スペックは執筆時点のメーカー公式情報に基づく。最新の価格・仕様は各商品ページを確認のこと。販売状況は予告なく変更される場合がある。

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