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FDM 3Dプリンターのオーバーエクストルージョン原因と対策

オーバーエクストルージョンとは

オーバーエクストルージョンは、FDM 3Dプリンターから必要以上にフィラメント(樹脂材料)が押し出される現象です。造形物の表面がざらざらになる、寸法精度が低下する、サポート材が除去しにくい、トップ面に「ふくらみ」が出る、外壁が波打つ等の症状で気づきます。原因の多くは「フローレートの過大設定」「Eステップの校正ずれ」「リトラクション不足によるオージング」「温度過多による粘度低下」のいずれかに集約されます。

主な原因

  • フローレート(吐出量倍率)が高すぎる:スライサーの Flow / Extrusion Multiplier が 100% を超える設定(例:105〜110%)になっていないか確認
  • Eステップ(エクストルーダー校正値)の狂い:100mm指示で実際に押し出される長さがそれ以上ある場合、Eステップが多めに記録されている
  • フィラメント径の入力ずれ:実測 1.70mm のフィラメントを 1.75mm として計算すると約 6% のオーバーフロー
  • ノズル温度が高すぎる:粘度が下がり余分に流出しやすくなる(特に PLA 220℃以上は要注意)
  • リトラクション不足:移動中にノズル先端からレジン状にフィラメントが垂れる「オージング」が発生
  • ライン幅(Line Width)の指定過大:ノズル径より大きすぎる設定はオーバーフロー要因

対策手順

  1. フローレートを 100% に戻す:まずスライサーで Flow Rate / Extrusion Multiplier を 1.00(100%)に揃える
  2. Eステップ校正:エクストルーダーから 100mm 押し出す指示を出し、実測値で校正値を補正(Bambu Lab はオートキャリブレーション機能あり)
  3. キャリブレーションキューブで微調整:単線壁(1パーライン)20×20×10mm のキューブを印刷し、外壁厚さをノギスで測定。設計値と差があればフローを微調整(差分%でフローを下げる)
  4. 温度を 5〜10℃ 下げる:素材の推奨レンジ内で低めに設定して粘度を上げる
  5. リトラクション距離・速度を見直す:ボーデン式は 4〜6mm、ダイレクト式は 0.6〜1.5mm が目安
  6. ライン幅を見直す:0.4mmノズルなら 0.40〜0.45mm が標準

判定方法(ワンポイントTips)

オーバーエクストルージョンの判定は単線壁テストが確実です。スライサーで「外壁1パーライン・インフィルなし・トップソリッドなし」のキューブを作り、外壁の厚みをノギスで測定。設計通り 0.4mm(ノズル径)に対して厚いほどオーバー、薄いほどアンダーです。差分の%をそのままフローレートに反映させると、概ね一発で揃います。

注意点

  • 調整がうまくいかない場合は、ノズル摩耗(特に真鍮ノズルは数百時間で穴径が広がる)や PTFE チューブの劣化も疑う
  • 新品フィラメントに切り替えた直後は、メーカー差で同じ「PLA」でも最適温度・フロー値が変わる
  • 湿気を吸ったフィラメントは「擬似オーバー」(吐出時に泡で膨張)に見えることがあるため、乾燥を先に確認