Anycubic FDMプリンターでTPUを印刷する方法
TPU(熱可塑性ポリウレタン)は柔軟性に優れた素材で、クッション性が必要な部品や曲げられるプロトタイプ製作に最適です。Anycubic FDMプリンターでTPUを成功させるには、適切な設定と環境管理が重要になります。
Anycubic現行機のTPU印刷適性
TPUは「エクストルーダー方式」と「TPU硬度」の2軸で適性が決まります。ダイレクトドライブ機(モーターがホットエンド直結)はやわらかいTPUも安定して送れます。ボーデン方式(モーターとホットエンドがチューブで離れている)はチューブ内でTPUが座屈しやすく、低硬度TPUの印刷は困難です。
| 機種 | エクストルーダー | TPU適性 |
|---|---|---|
| Kobra S1 / S1 Combo / S1 Max | ダイレクトドライブ | 推奨(TPU 95A以上) ※ Anycubic公式ガイドではShore 95A以上のみ対応。85A以下はエクストルーダーで潰れ詰まる。ACE Pro経由でのTPU供給は不可(ACE Proチャネルで座屈する) |
| Kobra 3 / Kobra 3 Max | ダイレクトドライブ | 推奨 |
| Kobra 2 Pro / Plus / Max | ダイレクトドライブ | 推奨 |
| 旧Vyper / 旧Chironなど ボーデン式 | ボーデン | 非推奨 |
※ Anycubic公式Wiki Kobra S1 TPU印刷ガイド ほか(2026-05時点)参照。柔軟TPU(Shore A85以下)を印刷したい場合は、ダイレクトドライブ機の選択が前提となります。
TPU印刷の基本設定
TPUは通常のPLAやABSと異なり、印刷速度を落とす必要があります。推奨ノズル温度は200~220℃、ベッド温度は40~60℃です。印刷速度は30~50mm/sに設定し、急速な動作を避けることがポイントです。印刷速度が遅いため、完成まで時間がかかります。また、冷却後にサポート材を丁寧に除去することで、曲げやすさを活かした製品に仕上がります。
よくあるトラブルと対策
- 糸引き(ストリング)が発生する場合:ノズル温度を5℃低下させるか、リトラクション設定を強化してください
- ベッドへの密着が悪い場合:ベッド温度を50〜60℃の範囲で5〜10℃上げ、最初の層を遅く印刷しましょう
- 層間剥離が起こる場合:ノズル温度を10℃上げることで解決することがあります
ヒント:TPU印刷を成功させるコツ
TPU印刷は通常より時間がかかるため、まずはテスト印刷で最適な温度設定を見つけることをお勧めします。複数の温度パターンで小さなサンプルを試し、自分のAnycubicプリンターに合った設定を記録しておくと、次回以降がスムーズになります。
