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光造形3Dプリンターの露光時間調整方法(RERF テスト含む)

光造形3Dプリンターの露光時間調整方法

光造形3Dプリンターの造形品質は、露光時間の設定に大きく左右されます。露光時間が短すぎると造形物が脆くなり、長すぎると寸法精度が低下します。本記事では、最適な露光時間を見つけるためのテスト(RERF / XPテスト等)の実施手順を解説します。

露光時間とは

露光時間は、各層のレジンにUV光を照射する時間のことです。使用するレジンの種類や硬化速度によって最適値が異なるため、スライサーソフトウェアのデフォルト設定が必ずしも全ての環境に適合するとは限りません。

RERF / XP テストとは

露光キャリブレーション用テストファイルは、複数のメーカー・コミュニティが公開しており、いずれも「1回の造形で複数の露光時間を試せる」という共通の目的で設計されています。代表例は以下のとおりです。

  • Phrozen 公式 XP Finder:Phrozen が公開している Chitubox 向け標準テスト。光造形コミュニティで広く普及している実質的な業界スタンダードのひとつです。
  • RERF(Resin Exposure Range Finder):Anycubic が公開しているテストファイル形式の一例。Anycubic 公式 Wiki から入手できます。
  • ELEGOO 公式テストモデル:ELEGOO が公式に提供するキャリブレーション用造形ファイル。
  • Chitubox / Lychee Slicer の標準キャリブレーションパターン:機種を問わず利用できる汎用ファイル。

本記事では、上記のうちお使いの機種・スライサーに対応するものを選んで実施する手順を説明します。以降「露光キャリブレーションテスト」と総称します。

露光時間調整テストの実施手順

  1. テストファイルの入手:お使いのプリンターメーカーまたはスライサーの公式サイトから、露光キャリブレーション用テストファイル(.ctb / .pwma / .pm5 等)をダウンロードします。Chitubox の場合は「Tools → Calibration」内のテストパターンが利用できます。
     ・Anycubic 機:公式 Wiki から RERF ファイル
     ・Phrozen 機:公式 Phrozen XP / Phrozen ValidationMatrix 等
     ・汎用:Chitubox / Lychee Slicer のキャリブレーション機能
  2. スライサーで読み込み、露光時間レンジを設定:テストパターンに記載された推奨レンジ(例:2〜10秒を1秒刻みで7段階)でスライスします。RERF はあらかじめ複数露光時間が組み込まれているため、そのまま出力できます。
  3. レジンを準備して造形:実際に使用するレジンをバットに入れ、テストファイルで造形します。所要時間は10〜30分程度です。
  4. 結果を観察・計測:造形完了後、IPA洗浄せずに(または軽く洗浄して)各露光時間ブロックの状態を確認します。
     ・露光不足:ブロックが脆く崩れる、薄板部が欠ける、細部が再現されない
     ・適正:細部のディテール(突起・穴)が設計通り再現され、強度も十分
     ・露光過多:細部の穴が塞がる、寸法が膨らむ、ベース部にレジンが余分に硬化(オーバーキュア)
  5. 最適露光時間を採用:適正と判断したブロックの露光時間を、本番造形のレジン設定として記録・適用します。穴径・寸法をノギスで計測し、設計値と比較するとより正確に判定できます。

露光時間調整のコツ

  • 同じレジンでも、プリンターの経年劣化やLED強度の低下により調整が必要になる場合があります。
  • 異なるレジン(特にメーカーや色違い)に変更した際は、改めてテストを実施することをお勧めします。
  • 室温も硬化速度に影響するため、季節による調整(夏冬で±0.5〜1秒)も検討しましょう。
  • 初期層(Bottom Layer)の露光時間は通常露光の5〜10倍が目安です。RERFテストでは通常露光のみキャリブレーションされる点に注意してください。

Tips:RERFテスト結果の記録管理

テスト結果をスプレッドシートで管理しておくと、同じレジンを再度使用する際の参考になります。レジン名・ロット番号、テスト日時、室温、機種(LED強度)、最適露光時間を記録しておけば、長期的に造形品質を安定させることができます。