3Dプリントの糸引きを防ぐには?原因と解決方法
糸引きはFFF(熱溶解積層)方式の3Dプリンターで、造形モデルに細い糸状の余分なフィラメントが付着する造形エラーです。適切な設定調整で改善できます。
糸引きが起きる原因
プリント中、ノズルがある場所から別の場所へ移動する際、ノズルから余分なフィラメント(樹脂)が漏れ出してしまうことで発生します。これはフィラメントが高温状態にあり、まだ液体に近い状態にあるためです。
糸引きを防ぐための4つの対策
1. 引き戻し距離と速度を調整する
スライサーソフト(3Dデータを機械が読み込める形に変換するソフト)の設定で、【引き戻し距離】【引き戻し速度】の数値を上げてください。
「引き戻し」とは、ノズルが移動する際にフィラメントを吐出と反対方向に引き戻す機能です。フィラメントを引き戻すことで、ヘッド移動時の漏出を防ぎます。
注意:数値を上げすぎると、引き戻し後の吐出量が不足し、造形品質の低下につながるため、段階的に調整してください。
2. ノズル温度を最適な温度に設定する
ノズル温度が高すぎるとフィラメントが柔らかくなり、漏出しやすくなります。一方、低すぎると吐出不足で造形不良になります。
使用環境の室温やフィラメントの種類によって最適な温度が異なるため、造形結果を観察しながら段階的に温度を調整してください。
3. コーミングモードを有効にする
スライサーの設定で【コーミングモード】を「オン」または「フルコーミング」に変更してください。デフォルト設定ではオフになっています。
- コーミングモードオフ:ノズルが造形されていない空中を移動するため、糸引きが発生しやすい
- コーミングモードオン:ノズルが造形済みの範囲内のみを移動するため、糸引きが起きにくくなる
デメリット:ノズルが最短距離を移動しなくなるため、オフの場合と比べて造形時間が長くなります。
4. フィラメルの材質別の推奨設定
PLA、ABS、PETG などフィラメルの種類によって、最適な引き戻し距離や温度が異なります。お使いのフィラメルメーカーの推奨設定を参考にしながら、微調整することをお勧めします。
複数の対策を組み合わせる
上記の対策を単独で行うのではなく、複数を組み合わせることで、より効果的に糸引きを減らすことができます。造形結果を確認しながら、段階的に設定を変更してください。
