FDM 3Dプリンターでブリッジが垂れる原因と対策
FDM 3Dプリンターで印刷する際、2つの壁や構造体の間に出力されるブリッジ(橋渡し部分)が垂れ下がるトラブルは、多くのユーザーが経験する問題です。ブリッジが失敗すると、モデルの品質低下や印刷失敗につながります。本記事では、その原因と実践的な対策をご紹介します。ブリッジ造形に適したフィラメント選びも成功のポイントです。
主な原因
- 冷却不足:ブリッジは中空に押し出された樹脂が冷えて固まる前に重力で垂れる現象。パーツクーリングファンが弱いと顕著に起こる
- ノズル温度が高すぎる:樹脂が溶けすぎて流動性が高く、形を保持できない
- 造形速度が速すぎる/遅すぎる:速すぎると糸引き状態に、遅すぎると過度に加熱され垂れる
- 押し出し量過多(オーバーエクストルージョン):余剰樹脂が垂れの原因になる
- 距離が長すぎる:FDMで安定して架けられるブリッジは概ね30mm程度まで
スライサーで効果的な設定(Cura・PrusaSlicer・OrcaSlicer・Bambu Studio共通の考え方)
- 「ブリッジ設定」を有効化:Bridge speed、Bridge fan speed、Bridge flow ratio などを個別に設定可能
- パーツクーリングファンを100%に:ブリッジ層だけは最大冷却に
- ブリッジ速度を低めに:通常50〜80%程度(例:通常100mm/s→ブリッジ30〜50mm/s)
- ブリッジ流量(Bridge flow)を0.85〜0.95に下げる:押し出し量を控えめにして垂れを抑える
- ノズル温度をブリッジ層だけ5〜10℃下げる(PrusaSlicer/OrcaSlicerはレイヤー別温度設定が可能)
- 長いブリッジはサポート追加:30mm以上の架け橋は素直にサポート材を入れる
機種・素材側の対策
- パーツクーリングファンの清掃・強化:羽根のホコリ詰まりは冷却低下の典型例
- 湿気を吸ったフィラメントを乾燥:吸湿フィラメントは射出時に蒸気で膨張し、ブリッジ品質が落ちる。FilaDryer等で乾燥
- PLAは比較的ブリッジが得意、ABS・PETGは苦手:素材選定でも難易度が変わる
より詳しい情報はSK本舗で
ブリッジ造形が頻繁に失敗する場合は、使用しているフィラメントの状態(吸湿の有無)、パーツクーリングファンの動作、プリンター本体の校正に問題がないか確認することをお勧めします。SK本舗のサポートチームでは、困ったときの相談も受け付けています。
Tips:テスト造形で検証しよう
実際の造形を始める前に、異なるノズル温度や造形速度でブリッジだけを印刷するテストモデルを作成することで、最適な設定を早期に発見できます。
