FDM 3Dプリンターから異音がする場合の原因特定
FDM 3Dプリンターを使用していて、いつもと異なる音がする場合は、早めに原因を特定し対処することが重要です。異音を放置するとプリント品質の低下や機器の故障につながる可能性があります。本記事では、まず音の種類から原因を絞り込み、続いて各原因の具体的な対処手順をご紹介します。
音の種類から原因を絞り込む(早見表)
| 音のタイプ | 最有力候補 | 確認順序 |
|---|---|---|
| カチカチ・カチッ(周期音) | エクストルーダーギアの空回り(フィラメント送り不良) | ①フィラメント絡まり→②ノズル詰まり→③ヒート温度不足 |
| ガリガリ・ゴリゴリ | Z軸の干渉、リニアロッドの異物・摩耗 | ①Z軸リードスクリュー異物→②リニアロッド摩耗 |
| キーキー・チューチュー | 潤滑不足(リニアロッド/リードスクリュー) | ①推奨グリス確認→②古いグリス除去→③再塗布 |
| ブーン・グォーン(共振音) | ファンの異常/モーター共振/ベルト緩み | ①ファン目視→②モーター電流→③ベルト張力 |
| カタカタ(衝撃音) | ベルト緩み、ベアリング劣化 | ①X/Yベルト張力→②ベアリング点検 |
原因別の具体的な対処手順
1. ノズル詰まり・送り不良(カチカチ音)
エクストルーダーから「カチッカチッ」と周期音が鳴る場合、フィラメントが正常に送られていません。以下を順に確認します。
- フィラメントスプールが引っかかっていないか確認(スプールが回らないと送りエラーになる)
- エクストルーダー周辺のチューブ(PTFE)に異物が挟まっていないか確認
- ノズル温度が 素材推奨温度(PLA 200〜220℃、PETG 230〜250℃、ABS 235〜255℃) に達しているか確認
- 解消しなければ コールドプル(アトミックプル):印刷温度まで加熱→フィラメント挿入→ヒーターOFFで80〜100℃まで冷却→冷えて固化したタイミングで一気に引き抜く
- それでも詰まる場合はノズル交換(500時間以上使用したノズルは要交換)
2. ベルト緩み(カタカタ・ブーン音)
X軸・Y軸ベルトの張力低下は、移動時の衝撃音/層ズレ/寸法ズレの直接原因になります。
- 機種の電源をOFFにし、X/Y軸を手で動かしてベルトのたるみを確認
- 適切な張力の目安は 弾いた時に「ポーン」と低い音がする程度。指で押して2〜3mm程度動く
- 緩い場合は機種マニュアルに従いテンショナー(テンション調整ネジ)で張力を上げる
- 糸の破断・伸びが見える場合はベルト本体を交換
3. 潤滑不足(キーキー音)
リニアロッド/リードスクリューの潤滑切れは「キーキー」「チューチュー」という擦過音の原因です。
- 機種マニュアルで指定された潤滑剤を確認(一般的には 白色リチウムグリス/シリコングリス)
- 古いグリス・ホコリを無水エタノールで拭き取る
- 清掃後、新しいグリスを薄く均一に塗布(過剰塗布はホコリ吸着の原因)
- X/Y軸を手で数回往復させてグリスを馴染ませる
4. ファン異常・モーター共振(ブーン音)
パーツ冷却ファン/ホットエンドファン/メインボードファンのいずれかが、軸ブレ・羽根破損・粉塵堆積で異音を発するケースです。
- 機種を一時停止し、各ファンの回転状況を目視で確認
- 回転が不安定または異音発生ファンは、エアダスターで粉塵を除去
- 清掃しても異音が残る場合はファン本体を交換(型番は本体マニュアルまたはメーカーサポート照会)
予防のコツ
- 毎回印刷後にノズルを清掃(樹脂残渣の固着を防ぐ)
- 月1回ベルト張力を確認、X/Y軸ともに同程度の張力に保つ
- 月1回リードスクリュー/リニアロッドを潤滑
- 四半期に1回各ファンの動作を点検、ホコリを除去
SK本舗ではFDM 3Dプリンター用のメンテナンスパーツ・潤滑剤・交換部品を取り扱っており、必要に応じてご活用ください。
