
3Dプリントは必要な場所にだけ材料を積むため、製造業の中では比較的ムダの少ない技術と言われています。それでも現実には、失敗プリントやサポート材、テスト出力の山が確実に溜まっていきます。「また素材が無駄になっちゃった」というため息をついたことがある人もいるのでは?
そんな悩みに真正面から向き合ったのが、若いスタートアップ Creative3DP が開発したフィラメント再生機「ExtrudeX」。3Dプリントの無駄遣い問題を解消する、新たなソリューションとなるかもしれません。
フィラメント再生機は珍しくない。でも…
フィラメントを再生する装置自体は、実は以前から存在しています。業務向けではオランダの 3devo などが有名で、品質や安定性の面では非常に優秀です。ただし、サイズも価格もそれなりに覚悟が必要になります。ExtrudeXが狙っているのは、そうした業務用途ではなく、「個人メイカーが自宅や作業場で使える」現実的なラインです。
ExtrudeXは全長約65cmとコンパクトで、FDMプリンターの横に並べて置けるサイズ感です。側面には持ち運び用のハンドルも付いており、イベントやシェア工房への持ち出しも想定されています。「リサイクル装置=大きくて重い」というイメージを、かなりうまく裏切ってくれます。
このマシンの一番ユニークな点は、完成品を買うのではなく、自分で組み立てることを前提にしている点です。シャーシや押し出し機構の一部は3Dプリント部品で構成され、モーターや電子部品は汎用品を使用しています。コストを抑えられるだけでなく、壊れたら直せる、仕組みが分かる、というのは日常的に使う道具として大きなメリットです。

対応素材はPLA・ABS・PETG
ExtrudeXが扱える素材は、現時点ではPLA、ABS、PETGの3種類。サポート材や失敗プリント、不要になった造形物に加え、新品のペレットも混ぜて使用できます。Creative3DPが推奨しているのは、粉砕した廃材40%に対して、バージンペレット60%という配合。同じ素材同士で混ぜることが前提になります。完全なリサイクルではありませんが、品質と安定性を考えれば、かなり現実的なアプローチです。
運用手順は難しくありません。端材をシュレッダーやハサミで細かくし、素材に合わせて加熱温度を設定します。ホッパーに材料を入れてモーターを回すと、溶けた樹脂がストランド状に押し出されるので、それを引き取り機構に通して冷却し、フィラメントとして巻き取ります。慣れてくると、「プリント前の準備作業」に近い感覚で扱えるようになります。
完全自動じゃない、だからこそ面白い
ExtrudeXは、ボタン一つで完璧なフィラメントが出てくる装置ではありません。フィラメント径の管理や材料の状態には、ユーザー側の理解と調整が必要です。ただその分、「失敗プリントが次の材料になる」という循環を、実感として味わえます。これは業務用の全自動装置では得られない楽しさとも言えるでしょう。
Kickstarterはすでに終了しており、価格は249ドル。現在は公式サイトで品切れ状態とのことですが、ExtrudeXが示したのは、3Dプリントにおける「捨てる以外の選択肢」です。失敗プリントをゴミ箱に入れるたびに少し引っかかっていた人にとって、このマシンは“循環を自分の作業場で完結させる”という、かなり魅力的な未来像を提示してくれています。

ExtrudeX
https://creative3dp.com/products/extrudex-diy-filament-recycling-machine
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