夏には問題なく作れたのに、寒くなってから同じ設定で失敗する。そんなときは、まず使用するレジンの指定温度と、実際の作業環境を見比べてみてください。
低温は光造形が不安定になる原因の一つです。 レジンの流れや硬化の反応が変わるため、露光時間を調整する前に温度を確認すると、原因を絞りやすくなります。[Phrozenの温度ガイド]
寒くなると、レジンの何が変わる?
Phrozenは、冷えたレジンでは粘度が高くなり、反応性が低くなると説明しています。
同じ動作条件でも、レジンが流れ込みにくくなることがあります。
暖かい時期に使った露光条件が、そのまま合うとは限りません。
ただし、プレートへの定着不良や層の欠けには、設定や部品の状態など別の原因もあります。「冬だから」と決めつけず、以前と何が変わったかを一つずつ確認します。
何℃にすればよい?製品の指定と測る場所を確認
すべてのレジンに共通する最適温度はありません。機種と材料の説明書で、温度の対象まで確認します。
同じ温度の数字でも、測る場所が異なる場合があります。
庫内の空気か、タンクか。表示の対象を確認します。
例えばSiraya TechのBluガイドでは、推奨条件としてレジン温度25~35℃、室温20~28℃を別々に示しています。これはBluの例であり、ほかのレジンへそのまま当てはめる数値ではありません。[Blu公式ガイド]
暖房を入れてすぐ、庫内ヒーターを動かしてすぐ、といった時点では材料も十分に温まったとは限りません。予熱の方法・時間や測定方法は機種の説明書に従い、造形中も指定条件を保てるか確認します。
レジンの使用温度、保存温度、二次硬化の条件は別です。ボトルの保管条件を、そのまま造形時の温度として使わないでください。
温度を整えたら、小さなテストで確かめる
失敗した大きなモデルを繰り返す前に、材料メーカーのテストモデルや小さな造形物で条件を確かめます。
レジン名と色、指定温度、機種に合う公式プロファイルを確認します。
露光や待機時間などを記録し、何が効いたか見比べます。
| 順番 | 確認すること |
|---|---|
| 造形前 | レジンの指定条件、機種の説明書、公式プロファイルを確認します。撹拌は材料の指示に従います。 |
| 温度を整える | メーカーが案内するヒーターや予熱方法を使います。室温・庫内・液温を混同しないよう記録します。 |
| 小さく試す | 指定のテストモデルなどで造形を確認します。条件を一度に複数変えず、露光などを調整します。 |
| 改善しない場合 | レベリング、フィルムの傷や汚れ、サポートなど、温度以外の原因も確認します。 |
「冬は露光を一律に何倍」「何分温めれば十分」とは決められません。機種・レジン・積層条件に合った設定を出発点にし、温度をそろえた状態で調整してください。Phrozenも、公式プロファイルの確認と、適切な設定がない材料での露光テストを案内しています。[公式のトラブル対処]
相談する際は、機種名、レジン名と色、設定、測定した温度、失敗した部分の写真をそろえると状況が伝わりやすくなります。SK本舗のお問い合わせ窓口もご利用ください。
夏場と保管時は、光・熱・容器を確認
夏場は、直射日光や熱源の影響を受ける置き場所に注意します。冷房を使う場合も、製品の指定条件から外れていないか確認します。
遮光できる容器を使い、製品指定の保存条件を守ります。
使用済みレジンの戻し方・ろ過の要否も、メーカーの案内を確認します。
Phrozenは、使用済みレジンのろ過、未使用分と分けた保管、容器の密閉と直射日光を避けることを案内しています。材料ごとの説明書とボトル表示を優先し、季節が変わっても同じ保管場所で条件を満たすか確認しましょう。
冬の失敗対策は、指定温度の確認から。 温度を整えて小さく試し、それでも改善しなければ設定や部品へ確認を広げると、次に何を変えるか判断しやすくなります。
