最終更新日:

光造形3Dプリンターの造形物が縮む・寸法が合わない対策

光造形3Dプリンターで造形物が縮む理由

光造形3Dプリンターで造形した樹脂製品が縮む現象は、主にレジンの硬化収縮後処理時の乾燥・二次硬化によって発生します。紫外線(UV)でレジンが硬化する際、分子が密に結合することで体積が減少します。一般的な光造形レジンでは線収縮率は約0.8〜1.1%程度(体積収縮では数%)とされ、さらに洗浄後の自然乾燥や二次硬化の過程で追加の収縮が生じることがあります。

寸法精度を高めるための対策

  • レジンの選択:低収縮率のレジンを使用します。設計段階で0.1〜数%のスケールアップ補正を組み込むことで、最終製品の寸法を目標値に近づけられます。同じレジンロットで試作を重ね、そのロットの収縮特性を把握しておくと補正精度が安定します。
  • 露光時間の最適化:過露光は過剰硬化による変形・反りの原因になります。メーカー推奨値から露光テスト(XPテスト等)で最適値を詰めることで、収縮と表面品質のバランスをとれます。
  • サポート設計の見直し:薄肉・大面積部品は自重や剥離力で歪みやすいため、サポート本数・接点サイズ・角度を調整し、造形中のたわみを抑えます。
  • 後処理条件の固定:IPA洗浄時間、乾燥時間、二次硬化(UV)時間と出力を固定ルール化します。特に二次硬化の過剰UVは追加収縮の原因になるため、必要最小限にとどめます。
  • 室温・レジン温度の管理:室温が低いとレジン粘度が上がり吐出・剥離特性が変化します。20〜25℃程度の環境で造形し、冷蔵保管したレジンは常温に戻してから使用します。
  • CADでの公差設計:嵌合部は0.1〜0.3mm程度のクリアランスを設定し、組付け箇所はテストパーツで実測して調整します。

推奨される消耗品

安定した品質を保つため、正規品のレジンの使用が重要です。また、IPA(イソプロピルアルコール)による丁寧な洗浄も、最終的な寸法精度に大きく影響します。

まとめ

光造形は優れた精密加工技術ですが、材料特性に由来する収縮は完全には避けられません。レジン選択、露光・後処理の厳密な管理、そして設計段階での補正を組み合わせることで、要求される寸法精度を実現できます。

💡 Tips:同じ造形物を複数回出力し、各ロットの収縮率を記録しておくと、今後の設計補正がより正確になります。