光造形3Dプリンターで層ズレが発生する原因と対処法
層ズレとは?
層ズレは、光造形3Dプリンターで造形中に各層のXY平面位置がずれてしまう現象です。完成品の精度低下や造形失敗の主要原因となるため、早期対処が重要です。
よくある原因と対処法
1. 樹脂タンクの汚れ・破損
タンク内に気泡や硬化した樹脂が残っていると、光の透過が阻害され層ズレが発生します。
- 毎回の使用後、樹脂を濾しながらタンクに戻す
- クリーニング液を使用してタンク内を清掃
- タンク底面に傷がある場合は交換を検討
2. サポート設計・中空化の不備(剥離力による層ズレ)
光造形(MSLA/LCD方式)ではXY軸の機械的な動きがないため、FDMのような「ベルト滑り」による層ズレは発生しません。代わりに、各層ごとのプラットフォームの引き剥がし動作(ピール)で造形物に大きな力がかかり、サポートや中空化設計が不適切だと層ズレを誘発します。
- スライサー上でサポートの密度・太さを見直し、剥離力に耐えられる構成にする
- 中空化している場合は脱気穴を追加し、内部の負圧による吸着力を減らす
- 造形物を傾けて配置し、1層あたりの露光面積を小さくする
3. 樹脂の劣化・不適切な保管
光造形用樹脂(レジン)は長期保管で特性が変わり、層ズレを引き起こすことがあります。
4. 露光設定の問題
露光時間が短すぎると各層の硬化が不十分になり、層ズレが生じやすくなります。
- 樹脂メーカー推奨の露光時間を確認
- 環境温度(20~25℃が目安)を管理
- 必要に応じて露光時間を延長
予防のコツ
- 造形前に必ずビルドプレートとVAT内の残留物を清掃し、異物の巻き込みを防ぐ
- 大型モデルは傾けて配置し、1層あたりの剥離力を下げる
- スライサーで推奨されるサポート密度・太さを維持し、中空化時は脱気穴を設ける
- レジンは遮光容器で常温保管し、古くなったレジンは新品と混ぜずに使い切る
- 設置場所は水平かつ振動の少ない場所を選ぶ
それでも解決しない場合
複数の対処を試しても層ズレが続く場合は、プリンター本体の機械的ズレの可能性があります。メーカーサポートまたはSK本舗のカスタマーサービスにご相談ください。
