フィラメントが折れる原因と予防策
3Dプリンターの造形に欠かせないフィラメントが折れると、造形失敗・ノズル詰まり・チューブ内立ち往生など連鎖的なトラブルにつながります。原因と予防策をそれぞれ整理しておくと、再発を大幅に減らせます。
フィラメントが折れる主な原因
- 湿気の吸収(脆化):PLA・PETG・PA・TPU は吸湿性が高く、開封後に湿気を吸うとリール上で硬く脆くなり、巻きグセの曲げで折れやすくなります
- 経年劣化:長期保管されたフィラメントは紫外線や酸化の影響で機械的強度が低下します。特に開封後3〜6ヶ月以上経過したリールは要注意
- 直射日光・高温下での保管:窓際や暖房付近の保管は素材を脆化させる主因。PLA は40℃以上の環境で軟化と再硬化を繰り返し、折れやすくなります
- スプール上の巻きグセ:リール終盤の急なカーブ部分は応力が集中し、特にPLA系で折れが発生しやすい
- 物理的衝撃・落下:輸送や保管中の衝撃で微小なクラックが入り、ロード時に折れる
- カーボン入りフィラメントの特性:PLA-CF / PETG-CF / PA-CF などカーボンファイバー添加素材は元々硬く脆い性質のため、急角度の曲げに弱い
予防策(保管・取扱い)
- 密閉ドライボックス保管:未使用・使用中ともに密閉容器(ジップロック大袋・ドライボックス)へ。シリカゲル乾燥剤を必ず併設し、湿度40%以下(理想は20〜30%)を目安に維持
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FilaDryer等の専用乾燥機(素材別の温度設定):長期間放置したリールは使用前に乾燥させてから使用。素材ごとに適正温度が異なるので必ず素材別に設定すること。
- PLA:40〜50℃で4〜6時間(PLAのガラス転移温度Tgは約60℃のため、これを超えるとリールが軟化・変形する恐れあり)
- PETG・ABS・ASA:55〜65℃で4〜6時間
- PA(ナイロン)・PC:70〜90℃で6〜12時間(高吸湿性のため長めに)
- TPU:50〜55℃で4〜6時間
- 温湿度管理:直射日光・暖房器具の近くを避け、常温(15〜25℃)・低湿度(40%以下、理想は20〜30%)の場所で保管
- 開封後の使用目安:開封後は3〜6ヶ月以内の使用を目安に。長期保管する場合は乾燥剤入り密閉容器に戻す
- スプール固定:使用後はフィラメント先端をスプールの穴に差し込み、巻きが緩まないよう固定。テンションがかかった状態で放置しない
- 無理なテンション回避:ロード時に強く引っ張らない。スプールホルダーの回転が固い場合は注油またはホルダー交換
- ロット情報の記録:購入日とロット番号をリールにシール添付しておくと、複数リール間の品質ばらつきや経年劣化を比較しやすい
トラブル時の対応
フィラメントが折れた場合は、プリンター内部に残った破片を丁寧に取り除き、新しいフィラメントをロードしてください。チューブ内に残った破片はチューブを外して圧縮空気や細い棒で押し出します。エクストルーダーギアの間に詰まっている場合はギアを開放して取り除いてください。対応に不安がある場合はSK本舗 サポートまでお問い合わせください。
Tips:複数種類のフィラメントを使用する場合、各材質に応じた温度・湿度管理を行うことが、安定した造形品質を保つコツです。フィラメントのロット番号と購入日を記録しておくと、問題発生時の原因特定に役立ちます。
