
折りたたみスマートフォンといえば、どうしても気になるのが「画面中央の折り目(シワ)」。
どれだけ進化しても完全には消えず、この“違和感”が原因で購入をためらう人も少なくありません。
そんな中、中国メーカーOPPOが、3Dプリントを使ってこの問題に真正面から挑んでいます。
最大の課題は「ヒンジの精度」
折りたたみスマホの構造はシンプルに見えて、かなり繊細です。
問題の原因はディスプレイではなく、その裏側にあるヒンジ(折り曲げ機構)にあります。
ヒンジのわずかな凹凸やズレが、画面の歪みや折り目の強調、長期使用での劣化につながってしまいます。
つまり、ミクロンレベルの精度が“見た目の品質”を左右するというわけです。
OPPOの答えは「3Dプリントで整える」
OPPOが発表した折りたたみスマホ「Find N6」では、この問題に対してユニークな方法が採用されています。
それが、3Dプリントを使ったヒンジの超精密加工です。
具体的には、次のような工程です。
① レーザースキャンで“歪み”を検出
まず、ヒンジ表面を高精度でスキャンし、
目に見えないレベルの凹凸までデータ化します。
② 3Dプリントで“ピンポイント補修”
そのデータをもとに、極小サイズ(ピコリットル単位)の樹脂を必要な場所だけに“点で”追加することで、表面の凹凸を埋めていきます。
③ これを20回以上繰り返す
この工程を何度も繰り返すことで、ほぼ完全にフラットな支持面が完成します。
結果としてあの“折り目”がほぼ消える
この技術によって、OPPOは、ヒンジの凹凸を0.2mm → 0.05mmに、折り目の目立ちを最大82%削減という改善を実現しています。
さらに、約60万回の折りたたみに耐える耐久性も確認されており、単なる見た目の改善だけでなく、実用性も大きく向上しています。
この3Dプリント技術、試作ではなく実際の製品製造プロセスに組み込まれています。
しかも、1台ごとにスキャンして最適化という、かなり贅沢な工程。
つまりこれは、「3Dプリント=試作」から「3Dプリント=量産の精度補正ツール」への進化とも言えます。
「作る技術」から「整える技術」へ
今回の事例で面白いのは、3Dプリントの使い方です。
従来、3Dプリントはパーツを作る、形を自由にするといった用途が中心でした。
しかしOPPOは、 すでにあるパーツの“精度を後から補正する”という使い方をしています。
これはかなり新しい視点です。
今回のOPPOの取り組みは、一見すると地味な改善に見えるかもしれません。
しかし実際には、ユーザー体験に直結する「違和感」を解消する技術です。
そしてその裏側で使われているのが、3Dプリントによる超精密な補正技術。
派手な形状ではなく、“見えない部分の精度”を上げるために使われる――
これこそ、3Dプリントが次のフェーズに入っている証拠かもしれません。
参照:https://www.oppo.com/en/newsroom/stories/oppo-find-n6-zero-feel-crease-foldable-innovation/
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