
3Dプリンター用フィギュアデータの作り方と無料配布サイト
礼に始まり礼に終わる。どうも合氣道初段、SK本舗の広報エリナです。
茶髪は認めませんが、白髪染めの茶髪は許します。おすおすっ!
現在、個人で3Dプリンターを使用されている方の中には、フィギュア制作を目的とされている方が多くいらっしゃるかと思う。そこで、この記事では3Dプリンターでフィギュアのデータを作るにはどうすれば良いのか、3Dプリンター初心者の私、広報エリナが基本的なことを教わってきた。
3Dプリンターでフィギュアを作る!
3Dデータ制作を少し勉強すれば、UFOキャッチャーで頑張らずともある程度のフィギュアは制作でき、モデリングを極めればお店で売られているようなクオリティの高いフィギュアも自身で制作することができてしまうらしい。
こんな素敵なフィギュアを自分の家の3Dプリンターで出力できるとはすごい時代だ。私も目下特訓中である。
とはいえフィギュアを作りたいが、そのためのデータ制作をする時間が取れない、という方もいらっしゃるかもしれない。安心してほしい。そんな方でも簡単に3Dプリンターでフィギュアを作れる方法があるのだ。
実は3Dプリンター用のデータを無料配布しているサイトがある。3Dプリンターのデータ制作が面倒な方、あるいは見本と同じフィギュアを出力したいという方は、3Dデータ無料配布のサイトを利用すると良い。
そこで今回は、3Dプリンターを使用したフィギュア制作の方法として、フィギュアデータの作り方と、SK本舗がお勧めする3Dデータ無料配布のサイトを紹介する。3Dプリンターではどのようなフィギュアが作れるのか地味に楽しみだ。
フィギュアデータの作り方とは?
まずはフィギュアデータの作り方だが、フィギュアデータの作り方には様々な手法がある。
大きく分けると①ソフトを使用してモデリングする方法、②スキャナーを使用して3Dデータに変換する方法の2つだ。
①ソフトを使用してモデリングする
ソフトを使用して3Dデータを造形する作業のことを一般に「モデリング」と言う。そして、このモデリングに使用するソフトにも大きく2つの種類が存在する。「CAD」と「3DCG」だ。
CADを使用する方法
これは機械部品などのデータを制作するソフト「CAD」でフィギュアデータを作るという方法。
だが、CADって難易度が高く、初心者が使用するのは大変なのでは
……と思ったあなた、そんなことはない! もちろん、操作の難しいソフトもあるが、CADの中には子供でも(修行の身でも)フィギュアを制作することができるくらい、操作の簡単なソフトがあるのだ。
特にお勧めのソフトは、AUTODESK社が提供している「Tinkercad(ティンカーキャド)」である。ティンカーキャドにはフィギュア用のデータがあらかじめ用意されている。だから、それを自分でカスタマイズするだけで、自分好みのフィギュアを3Dプリンターで造形することができるのだ。
CADの基本的な概念を学ぶことができるため、初心者や子供にお勧めのフィギュアデータ作成ソフトである。
3DCGソフトを使用する方法
よりプロのようなフィギュアを制作したいのであれば、3DCGソフトの利用をお勧めする。
CADと3DCGでは何が違うのか? と思われた方、いらっしゃると思う。私もそう思った。空手と合氣道では何が違うのか? くらい普遍的な問いだ。因みに空手は突きや蹴りを主に習うが、合氣道は自分から攻撃はしないのだ。あと合氣道は袴がかっこいい。
話を元に戻そう。CADと3DCGの違いをかなり簡単に説明すると、CADでは計算式を元に3Dデータが作られているのに対し、3DCGではポリゴンを元に3Dデータが作られているという違いがある。(ポリゴン…?と思われた方は進化前の同じ名のポ〇モンを思い浮かべてほしい。正にそれだ。ちなみに私はミュ〇ツーをレベル99まで鍛え上げた。我ハココニ在リ)
3DCGソフトでは四角や三角などのポリゴンを組み合わせ、より表面が滑らかになるようにモデリングしていく。フィギュアでも特に曲面を多用した造形をしたいような場合はCADよりも3DCGを使用する方が良い。
3DCGソフトでお勧めのソフトは「Blender」だ。操作が難しいといわれている3DCGソフトの中でも比較的扱いやすいソフトであり、ストーリーアートや、VFXなども制作することができる。もし、プロのフィギュア作家を目指すなら3DCGソフトの勉強をすると良いのではないだろうか。
②スキャナーを使用する
これは立体物を3Dデータに変換するスキャナーを使用することでフィギュアデータを制作する方法だ。
この方法の魅力はなんといっても、CADや3DCGを用いたモデリングでは表現するのに時間がかかる滑らかな線も、スキャナーを使用すれば一発で再現することが可能、ということだ。アツい。
たとえば人間の顔は凹凸が多いため、モデリングで表現するためにはどうしても時間と手間がかかってしまう。だが、スキャナーを使用すれば、実物(スキャン対象)通りに滑らかでクオリティの高い3Dデータをすぐに制作することができるのだ!
ただ、もちろんこの方法の場合はモデルとなる立体物がすでにあることが条件となる。
また、スキャンの方が手間は少ないが、スキャンするだけではプリントアウトができず、やはりCAD等でデータ修正が必要とのことだ。そこは気を付けてほしい。
とはいえ本格的に行いたい方は、3Dプリンターと一緒に付属のスキャナーを購入することをお勧めする。
無料でフィギュアデータを手に入れる方法
「簡単な方法もあるとはいえ、それでもやはりフィギュアデータを作るのは大変そうだ」と思った人も多いのではないか。文章だと難解に見えるからな。私も説明していて難解だ。そのような方のために、すでにモデリング済みのフィギュアデータを無料で入手できる、お勧めのサイトをいくつか紹介しよう。
無料のフィギュアデータダウンロードなら「3Dモデラボ」
「3Dモデラボ」というサイトであれば無料でどのフィギュアデータもダウンロードすることができる。更に3Dモデラボはクリエイターさんが制作したデータをダウンロードして、コメントや評価することができるコミュニティーサイトでもある。
つまり、もしそなたがモデリングを覚えて、自分が制作した3Dデータもサイトにアップロードしたら場合、様々な人にそのデータを使用してもらうことができる、というわけだ。モノづくり冥利につきる瞬間だな。そしていつか私、広報エリナがフィギュアデータを作った暁には、必ずやサイトにデータをアップロードしたいと思うから、みんな是非ともダウンロードしてくれたまえ。 3Dデータ初心者は3Dモデラボで人気のあるクリエイターさんのデータのトレースをして勉強するというのも上達への近道になると思う。技術の上達は全て模倣から始まるからな。これは武道にも通じている部分だ! また、3Dモデラボではコンテストを開催しているので、自信のある3Dデータを投稿して、大会に参加しても面白いだろう。私もいつか参加したい。 合気道初段の腕の見せ所だ(無関係)。
クオリティの高い3Dデータなら「DMM.make」
「DMM.make」ではクオリティの高いフィギュアデータをダウンロードすることが可能だ。種類も豊富で、面白いフィギュアがたくさんアップロードされている。
ただし、DMM.makeはデータのダウンロードに料金が発生する場合がある。DMM.makeではクリエイターさんや企業がネットショップを開いているという形を取っていて、特に人気のショップやクオリティの高いフィギュアなどは、ダウンロードする際の料金も高くなる傾向にある。いわば稽古料だな。当然、無料のフィギュアデータもあるため、3Dプリンターさえあれば色々なデータをダウンロードして、十分にフィギュア造形を楽しめることだろう。
加工して3Dプリンターで出力可能な3Dデータ配布サイト
3Dプリンターで出力可能な形式にモデリング済みの3Dデータをダウンロードすれば、手間なく3Dプリンターでフィギュアを造形することができる。
しかし、せっかくフィギュアを造形するなら、自分のオリジナルキャラで作りたい。
MMDやUnity用などに配布されている3Dモデルは、そのまま3Dプリンターで出力することはできないが、簡単な加工で3Dプリンターで出力可能なデータに加工できる。3Dモデリングソフトでの加工は必要なものの、ゼロから3Dデータを作るよりも手間を軽減できるため、初心者でもチャレンジしやすいぞ!
ここでは、3Dモデルをダウンロード可能なサイトを紹介する。
3Dキャラクターを半自動で作成できる「VRoid Studio」
「VRoid Studio」では、3Dキャラクターを半自動で生成することができる。イラスト投稿プラットフォームとしても人気の高いピクシブが提供するサービスだ。
VRoid Studioでは、3Dモデリングの知識が無くても、直観的な4つの編集カテゴリーでオリジナルの3Dモデルを作成することができる。
・顔編集
・髪型編集
・体形編集
・衣装編集
例えば、顔編集では「目じりの上げ下げ」「目の位置の上げ下げ」など、各種パラメーターを調整することで3Dアバターが変化する。DSやWii、SwitchでMiiを作った経験のある方なら、すぐに操作方法を理解できるだろう。
VRoid Studioで作成した3DデータはVRM形式で書き出すことができるので、Blenderをはじめとした3Dモデリングソフトで3Dプリント可能なデータに加工することができる。
VRoid Studioは誰でも無償で利用できるほか、商用・非商用の用途にも制限がない太っ腹なサービスだ。
ユーザーが投稿した3Dデータをダウンロードできる「ニコニ立体」
ニコニ立体は、動画投稿サービス「ニコニコ動画」を運営するドワンゴが運営する、3Dモデル投稿プラットフォーム。
ニコニ立体では、自分が作成した3Dモデルを投稿できるほか、投稿された3Dモデルのうちダウンロード許可が設定されている3Dデータをダウンロードして利用することが可能だ。
公式キャラクターの「ニコニ立体ちゃん」は、以下のファイル形式で配布されている。
・FBX(+MAX)
・MMD
・Unity Package
ダウンロードした3Dデータは各種3Dモデリングソフトで3Dプリンターに印刷可能なデータに加工できる。ニコニコ動画の関連サービスらしく、人気のコンテンツの二次創作の3Dモデルも多く、好きな作品の3Dモデルを手軽に入手できるのは嬉しい。
ただし、商用・非商用など、使用範囲については投稿者によって異なるため、トラブルにならないようにダウンロード前に確認しておくようにしよう。
ニコニ立体はこちら
3Dデータを3Dプリンターで出力可能にするには?
3DCGのデータは、モデリング済みのフィギュアデータとは違い、そのまま3Dプリンターで出力することはできない。
3DCGのデータは、画面場で見ると立体的に見えるものの、個別のパーツで見ると空洞があったり、ポリゴンの板で立体感が表現されていたりと、完全な立体ではない。
Vroid Studioやニコニ立体などでダウンロードした3Dモデルを3Dプリンターで出力するためには、データを3Dプリンターで出力できるように加工する必要がある。
ここでは、3Dデータの加工の手順を解説しよう。
3Dプリンターに出力する際のパーツ分割を考える
フィギュアを制作する場合、やはり単色ではなく各パーツを塗装して仕上げたい。
塗装の工程を考えると、フィギュア全体を一体化して出力するよりも、塗り分けの効率を考えて各パーツで出力した方が効率的だ。また、3Dデータの作りによっては全体を出力すると、細部のディテールが出力されない可能性もある。
頭部や髪、服装や小物などのパーツを分割して、パーツごとに出力することで、完成度の高いフィギュアを作ることができる。
パーツを分割する際には、接着した際に接着面が目立たないように、パーツの区切りを考えて分割位置を考えるのがポイントだ。
3Dデータの穴埋め
3DCGのデータは完全な立体ではなく、ポリゴン穴が空いている場合がある。また、パーツを分割した際には分割部分が空洞になってしまう。
データに空洞があり、完全な立体では無い場合、3Dプリンターで出力することができないため、空洞部分を穴埋めしていく作業が必要だ。
また、髪や服などの部品はポリゴンの板のみで表現されているケースが多いため、3Dプリンターで出力可能な立体データに加工していく作業が必要となる。
サブティバイド
3DCGデータはポリゴン数が多くなるほど滑らかな立体になるが、ポリゴン数が多くなるほど加工は難しく、データも大きくなってしまう。
「サブティバイド」の機能を使用することで、ポリゴンの粗い3DCGのデータを、3Dプリンターで出力可能な滑らかな仕上がりに変換することが可能だ。
パーツ分割・接合箇所の加工
3DCGデータをパーツで分割する際には、接着・接合の際の仕込みを考えて加工しておこう。
パーツを接着する際には、接着面同士を均一の断面で仕上げておく必要がある。また、接合箇所に「ダボ」を付けておくことで、より強度の高い組み立てが可能だ。
3Dプリンターフィギュア制作まとめ!
さて、いかがだったろうか。
ここまでお読み頂いたように、最近はソフトの多様化も進み、またその機能も向上していることから以前よりもはるかに3Dデータの作成は簡単になってきている。とはいえ、3Dプリンター初心者が、いきなり複雑な形状のフィギュアを制作するのはまだ少し難しいのも事実だ。
そこで私、広報エリナからの提案としては、「シンプルな構造のフィギュアは自分でモデリングしながら、より高度なデータはダウンロードサイトで入手し、少しずつ勉強しながら3Dプリンターによるフィギュア制作を楽しむ!」というものだ。
もちろん、いきなり高額な3Dデータ制作ソフトを購入する必要はない。フィギュア制作のモチベーションを上げるためにも、無料ダウンロードで、人気クリエイターさんの造形物を出力してみることから始めるのがいいのではないだろうか。
なにはともあれ、皆さんの3Dプリンターライフに幸あらんことを!
以上、広報エリナでした。おすおすっ!
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