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レジンの収縮率と寸法精度の対策

レジンの収縮率と寸法精度の対策

光造形3Dプリンターで造形したレジン製品は、硬化後に収縮する性質があります。これは樹脂の化学的特性により避けられない現象で、一般的なレジンでは造形後に0.5~3%程度の収縮が生じます。特に造形直後から24時間以内の収縮が顕著です。本記事では収縮の仕組みと、実践的な対策(XY補正係数の入力・スケーリング設定・後硬化条件の管理)をご紹介します。

収縮が起こる理由

レジンは光(紫外線)に照射されると液体から固体へと硬化します。この過程で分子が密に詰まるため、体積が減少し、結果として収縮が発生します。また、未硬化レジンの残留や後硬化(追加硬化)の過程でも収縮は進行します。

対策1:XY補正係数(XY Compensation)の入力

Chitubox、Lychee、Formware等の主要スライサーには、X/Y方向の収縮分を事前に拡大して出力する 「XY Compensation(X/Y補正)」 設定があります。

  • 設定場所:スライサー側「Print Settings」または「機種プロファイル」内の「XY Compensation」または「X/Y Resolution Compensation」項目
  • 入力値の目安:実測の収縮分(mm)。例:実測で 50mm の造形物が 49.8mm になるなら、X方向に +0.1mm(片側補正)を設定
  • 注意:プラスに大きく入れすぎると太り、サポート除去時に表面が荒れる原因になります。0.02~0.10mm の範囲で調整してください

対策2:スライサーでのスケーリング設定(全体倍率)

全体の寸法を一律に大きくしたい場合は スライサーの「Scale(スケール)」機能 で倍率を入力します。

  • 設定場所:Chitubox等で対象モデル選択 → 右側ツールバー「Scale」
  • 入力値の目安:収縮率 1% なら 1.010 倍、2% なら 1.020 倍を入力
  • 注意:XY と Z で収縮率が異なる場合(XY が大きいことが多い)、軸ごとに別倍率を入力します

対策3:後硬化(二次硬化)の条件管理

後硬化は最終的な強度と寸法を決定するステップです。条件次第で更なる収縮や歪みが発生します。

  • 硬化温度の目安:標準レジン 40~60℃ / ABS-Likeレジン 50~60℃ / フレキシブルレジン 30~40℃(レジンメーカー指定値を優先)
  • 硬化時間の目安:小型造形物 3~5分、大型造形物 10~15分(厚みがある部分は時間延長)
  • 注意:過剰な後硬化は黄変・脆化・寸法収縮の原因。「指定時間以下で十分硬化していれば停止する」ほうが安全です

対策4:実測値の記録と再現性確保

実際の造形物を計測し、レジン・プリンター・設定の組み合わせごとに収縮率を記録しておくと、今後の設計補正に役立ちます。テストキューブ(20×20×20mm等)を3個出力し、平均値を補正係数の根拠としてください。

Tips

高精度が必要な場合は、造形後48時間経ってから最終測定を行いましょう。初期の急激な収縮が落ち着き、より正確な寸法確認ができます。実測 → XY Compensation/Scale 調整 → 再出力 → 再実測のサイクルを2~3回繰り返すことで、±0.1mm 程度の精度に追い込めるケースが多いです。