Z軸キャリブレーションは、光造形式の3Dプリンターで出力を成功させるための重要な準備作業です。プラットフォーム(造形用の板)の基準位置を正しく設定することで、レジン(液体樹脂)の硬化と造形物の定着がうまくいくようになります。
Z軸キャリブレーションとは
光造形式の3Dプリンターは、プラットフォームがレジンタンク内を上下に動き、各層でレジンに紫外線を照射して硬化させることで造形を進めます。プラットフォームの位置がズレていると、硬化したレジンが十分にプラットフォームに固着せず、造形物が途中で脱落してしまう場合があります。
Z軸キャリブレーションは、出力開始前にプラットフォームの基準位置を正確に設定し、この問題を防ぐための調整作業です。
本記事の対象機種(旧世代の手動Zキャリブレーション機)
- Elegoo Mars Pro
- Elegoo Mars 2 Pro
- Elegoo Saturn(Saturn S、Saturn 8K含む)
SK本舗が現在取り扱っているELEGOO現行光造形機(Mars 5/Saturn 4 Ultra 16K/Saturn 4 Ultra 12K/Jupiter 2 など)は本体ファームウェアにZキャリブレーション補助メニューが組み込まれており、手順や画面表示が本記事と異なります。現行機種をお使いの方は、各機種のクイックガイド/本体マニュアル/公式 product page を一次ソースとしてご確認ください。
本記事の手順は Mars Pro/Mars 2 Pro/Saturn シリーズ(旧世代) のZ軸キャリブレーション方法です。基本的な概念(プラットフォーム基準位置を正確に設定する目的)は共通ですが、操作画面のラベルや手順番号は機種差があります。
実施前の注意点
- プラットフォームのネジは必ず緩めてください。ネジが締まったままキャリブレーションを行うとLCDパネルが破損する可能性があります
- プラットフォームに前回の出力物が残っていないか確認してください。付着したままだとLCDパネルの破損につながります
- 厚さにばらつきのある紙よりも、レジンVAT(レジンタンク)を使用してのキャリブレーションを推奨します
キャリブレーション手順
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プラットフォームのネジを緩める
プラットフォームとレジンVATを本体に取り付けた後、プラットフォーム上部の2つのネジを外れない程度に緩めます -
マニュアルモードを起動
本体の電源を入れ、タッチパネルで「TOOLSアイコン」→「Manual」の順にタッチします -
プラットフォームを最下部に移動
ホームアイコンをタッチすると、プラットフォームが下降を始めます。最下部に到達したら一旦上昇し、再度下降して停止するまで待ちます -
プラットフォームを水平に調整
プラットフォームが完全に停止したら、四隅を軽く押して接地を確認します。斜めになっていればまっすぐに調整し、その後ネジを締めて固定します -
プラットフォームを適切な高さに上昇
中央の上昇ボタンを複数回タッチしてプラットフォームを上げます。画面上部の「●mm」ボタンで1回の上昇距離を設定できます(10mmなど)。作業に支障のない位置までの上昇で問題ありません
以上でZ軸キャリブレーションは完了です。
実施頻度について
毎回のキャリブレーションは必須ではありませんが、出力失敗を避けるため毎回の実施を推奨します。ネジの緩みなどにより、長時間や繰り返しの出力で固定位置がずれる可能性があります。毎回の手間と出力成功のメリットを比較して、ご自身にとって最適な頻度を決めることをお勧めします。
