Z軸キャリブレーションは、光造形プリンタの造形品質を大きく左右する重要な初期設定です。プラットフォーム(造形物を積み重ねる土台)の基準位置を正確に設定することで、失敗のない造形を実現できます。
Z軸キャリブレーションとは
Elegoo Mars 3などの光造形式3Dプリンタは、液体状のレジン(樹脂)の中にプラットフォームを沈め、紫外線を照射して硬化させることで、一層ずつ造形物を積み重ねます。
この時、プラットフォームの基準位置(Z軸ゼロ点)がズレていると、以下のような問題が発生します:
- プラットフォームが高すぎる場合:硬化したレジンがプラットフォームに十分に固着せず、造形中に脱落する
- プラットフォームが低すぎる場合:LCDパネルを傷つける可能性がある
Z軸キャリブレーションは、造形を開始する前にこの基準位置を正しく設定し、安定した造形を実現するための作業です。
Z軸キャリブレーション前の重要な注意点
- プラットフォームのネジは必ず緩めてください。ネジが締まったままキャリブレーションを行うとLCDパネルが破損します
- プラットフォームに付着した過去の造形物をすべて剥がしてください。付着したままだと正確なキャリブレーションができず、故障につながります
- レジンVAT(樹脂用の容器)を使用することを推奨します。紙などで代用する場合は厚さが一定でないため、正確な位置設定ができない可能性があります
Z軸キャリブレーションの手順
- 準備:プラットフォームとレジンVATを本体に取り付けた後、プラットフォームの2つのネジを軽く緩めます(完全に外さないよう注意)
- ホーム位置へ移動:本体の電源を入れ、タッチパネルで「ツール」→「Manual」を順にタッチします
- 最下点まで下降:ホームアイコンをタッチするとプラットフォームが下降し始めます。最下部に到達した後、一旦上昇してから再度下降して停止するまで待機します
- 接地確認と調整:プラットフォームが完全に停止したら、四隅を軽く押して確実に接地していることを確認します。斜めになっている場合は水平になるよう調整してからネジを締めて固定します
- 作業位置まで上昇:上昇ボタン(中央)を複数回タッチして、プラットフォームを作業しやすい位置まで上昇させます。画面上部の「●mm」ボタンで1回の移動距離を設定できます(例:10mmを選択すると1回タッチで10mm上昇)
- 完了:作業に邪魔にならない位置で停止させれば、キャリブレーション完了です
Z軸キャリブレーションの実施頻度
毎回のキャリブレーションは必須ではありませんが、出力失敗を避けるという観点からは毎回の実施を推奨します。長時間の造形や繰り返しの使用により、ネジの締まりが徐々にズレてくる可能性があるためです。
毎回実施する手間と出力失敗のリスクを天秤にかけ、ご自身の使用環境に合わせた実施頻度を決めることをおすすめします。
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