Chituboxの印刷設定における「消灯遅延時間」と「初期層消灯遅延時間」は、光造形3Dプリンターの造形品質を大きく左右する重要なパラメータです。このページでは、これらの設定項目の意味と適切な設定値について詳しく説明します。
消灯遅延時間とは
光造形タイプの3Dプリンターは、以下の動作を繰り返しながら1層ずつ造形を進めます:
- プラットフォームが規定の位置まで降下する
- UV LEDが点灯し、レジンに紫外線が当たる(硬化)
- UV LEDが消灯する
- プラットフォームが規定の位置まで上昇する
消灯遅延時間は、ある層の造形中に「3. LEDが消灯」してから次の層の「2. LEDが点灯」するまでの時間を指します。
初期層消灯遅延時間は、初期層(最初の層)の出力時における消灯遅延時間です。初期層は造形品の基盤となるため、通常は本体層より長い時間を設定することが多いです。
具体例
消灯遅延時間を15秒に設定した場合、ある層のLED消灯後から次の層のLED点灯までに15秒間の時間が経過することになります。
消灯遅延時間を長くする効果と用途
プラットフォームの上下速度は消灯遅延時間の設定値に影響されないため、消灯遅延時間を延ばすことで、プラットフォーム下降完了後からLED点灯までの「待ち時間」が増えます。
この設定により、以下のような効果が期待できます:
- ブルーミングの抑止:紫外線が周囲に広がる現象を軽減します
- 気泡の防止:プラットフォーム降下後にレジン内の空気が抜ける時間を確保し、造形物内への気泡混入を防げます
推奨される設定値
消灯遅延時間の設定値がプラットフォームの上下に要する時間より小さい場合、待ち時間は発生しません。確保したい待ち時間がある場合は、以下の計算式を参考にしてください:
消灯遅延時間の設定値 = 確保したい待ち時間(秒)+ プラットフォームの上下に要する時間(秒)
プラットフォームの上下動は、上昇速度やリトラクト速度の設定によって異なりますが、一般的には約5秒前後です。したがって、5秒の待ち時間を作りたい場合は、消灯遅延時間を約10秒に設定することが目安となります。
仕様上の重要なポイント
3Dプリンター仕様により、以下の点に注意が必要です:
- LEDはプラットフォームが完全に下降した後にのみ点灯し、プラットフォーム動作中は点灯しません
- プラットフォーム動作中の時間も消灯遅延時間にカウントされます
- プラットフォーム下降完了時点で、設定された消灯遅延時間以上の時間が経過していると判定されると、待ち時間なくLEDが即座に点灯します
例えば、消灯遅延時間が4秒、プラットフォームの上下動に5秒要する場合、プラットフォーム下降時点で既に設定時間を上回っているため、実質的な待ち時間は生じません。この仕組みを理解した上で設定値を調整することが重要です。
