
画像:Chat3D(chat3d.ai)より引用
3Dモデリングは、ゲームやアニメーション、さらには3Dプリントまで、あらゆる分野で欠かせない存在になっています。
しかしその一方で、制作現場では「ツールが増えすぎて複雑化している」「実際のワークフローに合っていない」といった課題も根強く残っています。
こうした現場のギャップに対して、まったく異なるアプローチで挑んでいるのがフランス発のテック企業「Chat3D」です。
Chat3Dとは何者か — テキストから3Dを生成するフランス発スタートアップ
Chat3Dは、フランス・リヨンを拠点に2023年に創業した生成AIスタートアップです。創業者は Félix Balmonet(CEO)と Glenn Avezoux の2名で、2025年9月には€3M(約5億円)の資金調達を実施しました。
同社の主軸事業は、テキストや画像から数秒で3Dモデルを生成する「text-to-3D」エンジンの開発です。CEOの Félix Balmonet は「ChatGPTがテキストにもたらしたものを、私たちは3Dで実現したい」と語っています。
用途は3Dプリント、XR(VR/AR)、ゲーム制作と幅広く、Nvidiaとの技術連携も進めています。加えて、既存制作ワークフローに組み込めるB2B向けカスタムプラグイン事業も並行して展開しています。

画像:Chat3D より引用
なぜ今、text-to-3Dが求められているのか
3D制作は年々高度化し、ツールの数も増え続けています。一方で、ゼロから3Dモデルを起こす作業は依然として時間と熟練を要するボトルネックです。
Chat3Dは、テキストプロンプトや画像入力から数秒で3Dアセットを生成することで、このボトルネックを解消しようとしています。
従来のモデリングソフトを置き換えるのではなく、初期のアイデア出しから量産プロトタイプまで、3D制作の入口を一気に短縮するアプローチです。
生成AIを正面から3D制作に持ち込む
近年の3D業界では、生成AIや自動設計が急速に注目を集めています。実際、AIは複数の設計案を生成したり、構造や材料を最適化するなど、制作プロセスを大きく変える可能性を持っています。
Chat3Dは、こうした生成AIの可能性を真正面から3D制作に応用するプレイヤーのひとつです。テキストや画像という誰でも扱える入力から、すぐに使える3Dアセットを生み出すことを目指しています。
同時に、生成したモデルをそのまま納品物にするのではなく、既存ツールでさらに編集・仕上げできることも重視されています。AIが制作の起点をつくり、人が仕上げる――そんな分業を前提とした設計です。
3Dプリント分野との相性
text-to-3Dと3Dプリント(積層造形)は、相性のよい組み合わせのひとつです。
「こういう形が欲しい」というイメージをテキストや参考画像で伝えるだけで、たたき台となる3Dアセットがすぐに手元に現れる。そこから既存のスライサーやモデリングソフトで微調整し、印刷に回す――というワークフローが想定できます。
アイデアを「とりあえず形にして手に取って確かめる」ハードルを大きく下げられることが、3Dプリンターユーザーにとっての大きな価値になりそうです。
“現場と一緒に作る”という開発スタイル
もうひとつ注目すべき点は、開発の進め方です。
Chat3Dはスタジオや制作チームと密に連携しながら、実際のプロジェクトの中で技術を検証・改善しています。
さらに、自社の制作スタジオも持ち、リアルな制作環境でツールをテストする仕組みを整えています。
これは、机上の理論ではなく、実際に使える技術だけを残していくための仕組みとも言えます。
3D制作の未来は「統合」と「最適化」へ
これまでの3Dソフトは、高機能化・多機能化によって進化してきました。
しかし今、求められているのはそれ以上に、「どうつなぐか」「どう効率化するか」という視点。Chat3Dの取り組みは、まさにその方向性を象徴しています。
Chat3Dの技術は、派手なデモやワンクリック操作のような分かりやすさはありません。
しかしその本質は、制作の裏側に入り込み、現場の負担を静かに減らしていくことにあります。
3D制作がより複雑になるこれからの時代において、こうした「見えない最適化」は、むしろ最も重要な進化のひとつかもしれません。
Chat3D https://chat3d.ai
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