Bambuの自動ノズル清掃・パージ機能とは?
「アクティブヒートパージ」という呼称がネット上で散見されますが、これはBambu Lab公式の機能名ではありません。本記事では、Bambu Labプリンターが搭載しているノズル清掃・パージ関連の公式機能名と仕組みを整理して解説します。
結論:ハードウェア側の「Nozzle Wiping Pad」とスライサー側の「Prime Tower Purge Mode」
Bambu Labのノズル清掃・パージは、主に以下2つの仕組みで構成されています。
- ハードウェア:本体のNozzle Wiping Pad(ノズルワイピングパッド)と、H2D/H2Cに搭載されるPurge Wiper(パージワイパー)。ノズル外側の残留樹脂を物理的に拭き取る。
- スライサー:Bambu StudioのH2C向け機能Prime Tower Purge Mode(Standard Mode/Purge-Saving Modeの2種類)。色替え時のパージ量を制御する。
加えて、印刷開始時にはBambu Labプリンター共通のスタートアップ手順(purge line+wipe)として、ノズルを加熱し短くフィラメントを排出→ワイパー上を通過させて清掃する動作が組み込まれています。
Prime Tower Purge Mode(Bambu Studio / H2C向け)
Bambu Lab公式Wikiによれば、H2C(Hotend Change Systemを搭載する機種)向けに、Bambu Studioは以下の2つのPurge Modeを提供しています。
| モード | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| Standard Mode | スライス時にユーザーが設定したPrime Volume通りに厳密にパージ。空気混じりのフィラメント区間が造形表面に残るリスクを低減 | マルチカラー・多色印刷で品質を最優先したい造形 |
| Purge-Saving Mode | Prime Volumeを15mm³に固定してパージ量を削減。標準4色3DBenchyではプライムタワー重量を約30%削減できるとされる | 廃材削減・印刷時間短縮を優先したい造形 |
Bambu Studio上では、右側のProject Filamentsリストの横でH2CのPrime Tower Purge Modeを選択できます。
Nozzle Wiping Pad(本体ハードウェア)
H2D/H2Cには、本体にシリコン製のNozzle Wiping Padが取り付けられています。色替えや印刷開始時のパージ後、ノズル外側に付着した溶融樹脂をこのパッド上を通過させることで拭き取ります。
このパッドは消耗品で、汚れや劣化が目立つようになったら交換が必要です。Bambu Lab公式ストアでは、H2D/H2C向けのNozzle Wiping PadおよびPurge Wiperが純正アクセサリーとして提供されています。汚れが蓄積するとワイピング性能が低下し、ノズル外周に樹脂の塊(ブロブ)が発生しやすくなるため、定期的な状態確認を推奨します。
スタートアップ時の自動清掃(全機種共通)
Bambu Labプリンター(X1/P1/A1/Hシリーズ)は、印刷開始時に自動で以下のシーケンスを実行します。
- ノズルを目標温度まで加熱
- 短くフィラメントを押し出してパージライン(purge line)を出す
- ワイパー上をノズルが通過して外側の残留樹脂を拭き取る
- 機種によっては、プレート後方で円運動でノズル外周をプレートに擦り付けて追加清掃
この一連の手順は、初層の品質を安定させるために組み込まれた標準動作です。
パージ量をさらに削減したい場合
マルチカラー印刷では、色替えごとのパージが廃材として蓄積しがちです。Bambu Studioには以下の廃材削減オプションが用意されています。
- Flush Into Object:モデル本体のインフィルにパージ材を流し込む。右クリックメニューから設定。
- Flush Into Support:サポート材にパージ材を流し込む。表面品質への影響なく廃材を削減できる実用的な手段。
- Flush Into Custom Object:プライムタワー代わりに別モデルを追加してそこにパージさせる。
- Long retraction when cut(実験的機能):切断前に未溶融部分をAMS側へ引き戻し、色替えごとの排出量を削減(最大25%削減)。フィラメント設定のSetting Overridesから有効化可能。
ノズル詰まり解消は別機能「Cold Pull」
本記事で扱う「パージ+ワイピング」はノズル外側の清掃が主目的です。ノズル内部の詰まり解消には、別途Cold Pull(Nozzle Cold Pull Maintenance)という手順が用意されています。加熱→冷却→フィラメントを引き抜くサイクルで、内部の焦げ付きや残渣を除去します。用途が異なるため混同しないよう注意してください。
注意点
- 「Active Heat Purge」という公式名称は存在しない:Bambu Lab公式Wiki・公式ブログでは確認できません。本記事では公式用語のPrime Tower Purge Mode/Nozzle Wiping Pad/Purge Wiperで整理しています。
- Prime Tower Purge ModeはH2C向け機能:H2Dや他機種では該当UIが表示されない場合があります。機種ごとに設定項目は変わるため、最新のBambu Studioで確認してください。
- 廃材の発生:マルチカラー印刷では色替えごとに数グラム〜十数グラムのパージ廃材が出ます。Purge-Saving ModeやFlush Into Object/Long retraction when cutの併用が有効です。
まとめ
Bambu Labのノズル清掃・パージ機能は、「Active Heat Purge」のような単一の総称ではなく、Nozzle Wiping Pad(ハードウェア)+Prime Tower Purge Mode(スライサー/H2C向け)+スタートアップ時の自動wipeの組み合わせで構成されています。マルチカラー品質と廃材削減を両立させたい場合は、Purge-Saving ModeやFlush Intoオプション、Long retraction when cutの活用を検討してください。
