最終更新日:

光造形3Dプリンター造形物の洗浄方法(水洗いレジン)

光造形3Dプリンター造形物の洗浄方法(水洗いレジン)

光造形3Dプリンターで造形した作品は、表面に未硬化のレジンが付着しています。特に水洗いレジンを使用した場合、適切な洗浄が造形物の品質を左右します。このガイドでは、水洗いレジン専用の正しい洗浄手順をご説明します。

洗浄に必要な準備物

  • 水洗いレジン対応の洗浄液または水道水
  • 柔らかいブラシまたは洗浄用ツール
  • 容器(洗浄用)
  • 乾燥用タオルまたはペーパータオル

洗浄の基本手順

  1. 1次洗浄:造形物を水道水または洗浄液に浸し、柔らかいブラシで丁寧に余分なレジンを落とします。細部は特に注意が必要です
  2. 2次洗浄:きれいな水で仕上げの洗浄を行い、洗浄液の残留がないことを確認します
  3. 乾燥:タオルで水分を拭き取り、10-15分程度自然乾燥させます。完全に乾燥させてから次の二次硬化に進んでください
  4. 二次硬化(必須):UV硬化機(Anycubic Wash & Cure / ELEGOO Mercury Plus などのレジン専用機器)で追加硬化を行います。表面に残った未硬化レジン成分を完全に重合させることで、肌への接触や環境への流出によるトラブルを防ぎます。硬化時間はお使いのレジン公式の推奨値(製品ラベル記載)に従ってください

水洗いレジンならではのメリット

水洗いレジンはIPAなどの有機溶剤を必要としないため、環境に優しく安全です。洗浄が簡単なため、初心者にも最適な選択肢となります。

注意点とコツ

  • ブラシは毛先が柔らかい素材を選び、造形物の損傷を防ぎましょう
  • 長時間の水への浸漬は避け、素早く洗浄することをお勧めします
  • 複雑な形状の造形物は、隅々まで丁寧に洗浄してください
  • 洗浄後の水は未硬化レジンを含むため、絶対に下水・河川に流さないでください(後述「廃液処理について」を参照)

廃液処理について(環境安全)

水洗いとはいえ、洗浄後の汚染水には未硬化のレジンが溶け込んでいます。下水・河川に流すと水生生物や環境に悪影響を及ぼすため、以下のいずれかの方法で必ず処理してください。

推奨:UV硬化機または専門業者による処理

  1. 汚染水を透明・耐UV性の容器に移します(ペットボトルなどUV光が透過する素材)
  2. UV硬化機(405nm UVランプ/Anycubic Wash & Cure・ELEGOO Mercury Plus 等のレジン専用機器)で硬化させ、レジン成分を確実に固形化します。出力・容器サイズに応じた硬化時間は機器のマニュアルに従ってください
  3. 固形化したレジンを取り出し、自治体ルールに従って処分します(自治体により産業廃棄物扱いの場合もあるため、お住まいの自治体の指示に従ってください)
  4. 残った上澄み水は、レジン成分が完全に固形化されたことを確認してから排水可能です。少しでも未硬化成分が残る懸念がある場合は、産業廃棄物処理業者にご依頼ください

補助手段:直射日光による硬化(条件付き)

UV硬化機をお持ちでない場合、晴天時の直射日光下に透明容器を1〜数日置く方法もあります。ただし以下の制約があるため、補助的な手段として扱ってください。

  • 曇天・冬季・室内(窓越し)では UV-A 強度が不足し、未硬化のまま残るリスクがあります
  • 容器のサイズ・液量・日照角度により硬化ムラが起きやすく、目視で完全固形化を確認するのは困難です
  • 直射日光のみで処理する場合は、固形化後も上澄み水を必ずもう一度UV硬化機または産業廃棄物処理業者で最終処理することを推奨します

※ 業務利用・大量処理(造形所・スタジオ運営・教育機関等)の場合は、直射日光による処理を主手段とせず、必ず産業廃棄物処理業者にご相談ください。

洗浄液の選択について

水洗いレジン対応の洗浄液を使用することで、より効果的に余分なレジンを除去できます。

💡 Tips:洗浄後は表面の水分が完全に蒸発するまで自然乾燥させてから、UV硬化機で二次硬化を行ってください。水分が残ったまま硬化させると白濁や曇りの原因になります。十分な乾燥 → 二次硬化(必須)の順序を守ることで、透明度・色合い・強度の三拍子が揃った仕上がりになります。