2026年4月20日、家庭用3Dプリンターメーカーの ELEGOO(運営:深圳市SmartPie Technology/2015年創業、創業者・CEO Hong Yingsheng、共同創業者・副社長(Vice President) 陳波) が シリーズB+ラウンドで5億元超(約$73.3M/日本円換算で約100億円規模) の資金調達を完了したと発表しました。
リード投資家は中国大手フードデリバリー&ローカルサービスの Meituan(美団)と投資部門Dragon Ball Capital。これに Hillhouse Capital、Shenzhen Capital Group、Yintai Capital など複数の中国系VCが参加しました。
このラウンドは、わずか半年前の2025年11月に ドローン世界最大手DJI が参加したBラウンドに続くもので、ELEGOOは 半年で2回連続の大型調達 を実現したことになります。
ELEGOOが描く2026年
ELEGOOは2025年通期で 売上23億元(前年比30%超増) を達成しました。2026年の売上目標は 35〜40億元 に設定されています。
共同創業者の陳波氏は業界誌の取材に対し、こう語っています(要旨)。
初期段階で差が少し開く分には構わない。だが3年後、彼が100億元、私が23億元という状態なら、それは私の今までの努力が足りなかったということだ。
(陳波氏が業界誌に語った要旨。原文は中国語)
陳氏が言う「彼」とは、家庭用3Dプリンター市場で圧倒的なリードを保つ Bambu Lab のことです。ELEGOOは 現在のBambuとの約5:1の売上ギャップを、1〜2:1まで縮める ことを中期目標に掲げています。
なぜ「Bambu追撃」が業界全体のニュースなのか
家庭用3Dプリンター市場は2026年現在、Bambu Labが$2,500以下のセグメントで37%のシェア を握り、sub-$2,500 セグメントでは 中国メーカー4社(Bambu Lab・Creality・Anycubic・ELEGOO)が90%以上 を占める構図になっています(Tom's Hardware/Context調査)。
Bambu Labは2024年の sub-$2,500 セグメントで 120万台 を出荷し、2位のCreality(70万台)を大きく引き離しました。この勢いは業界で「Bambu Effect(Bambu効果)」と呼ばれ、Crealityも2026年3月に 香港証券取引所への3度目のIPO申請 を行っています。
そんな中で、ELEGOOがBambuを直接ターゲットに据えて大型資金を投入する という構図は、家庭用3Dプリンター市場の競争を再活性化させる材料となる見込みです。
投資家陣に DJI(量産・サプライチェーン)と Meituan(中国国内の物流・販売チャネル) が並ぶ点も注目に値します。両社は単なる出資者ではなく、戦略パートナー としての役割を期待されているとされています。
ユーザー側にとっての意味
ELEGOOの追撃が現実のものになるとして、3Dプリンターを使う側にどんな影響があるのでしょうか。具体的なシナリオで整理します。
1. 価格競争でコスパ底上げ — 「待つ」価値が出てくる局面に
Bambu Lab vs ELEGOOの直接競合領域は エントリー〜ミドルレンジのFDM/光造形機 です。ELEGOOの Mars/Saturn シリーズ(光造形)、Centauri/Neptune シリーズ(FDM)が、Bambu Lab の A1 系・X2D 系と真っ向勝負しています。
調達資金がこの領域に投入されるなら、同価格帯での「機能盛り盛りモデル」の投入 や 現行モデルの値下げ・キャンペーン強化 が起こりやすくなる見込みです。実際ELEGOOは2026年初頭、Centauri Carbon所有者向けに CANVASマルチマテリアルシステム を後付けで提供開始しており、「既存購入者にも追加価値を還元する」スタイルが定着しつつあります。
新規購入を急がない方は、2026年後半の新製品ラインナップを見てから判断する 選択肢も合理的になってきます。
2. 新製品サイクルの加速 — 「マルチカラー」「大型化」が次の主戦場
調達資金は R&D・人材獲得・グローバル展開・サプライチェーン強化 に充てられると公表されています。Bambu Labが先行する領域 — マルチカラー(H2C/X2D のデュアルノズル+AMS)、大型造形、AI監視 — でELEGOOがどこまで追い付くかが、2026年後半〜2027年の見どころです。
参考までに、Anycubicは2026年4月の RAPID+TCT 2026 で Kobra X(最大19色対応) と Kobra S1 Max(16色/350×350×350mmの大型機) を披露しました。「マルチカラーは特別な機能」から「標準装備」になる流れ が業界全体で同時進行しています。
この勢いは光造形機側にも波及する見込みで、エンジニアリング樹脂対応・大型ビルドプレート・自動レベリングがミドルレンジでも標準化していく可能性があります。
3. サポート・部品供給の安定性向上 — 法人導入のハードルが下がる
DJI・Meituanという 量産と物流のプロ が経営パートナーに入る影響は、特に以下3点で出てくる見込みです。
- 修理対応のリードタイム短縮:グローバルサプライチェーンが強化されれば、補修パーツの欠品が減ります
- 保証期間中のサポート品質向上:グローバル基準での保守ポリシー整備が進みます
- 法人・教育機関導入の安心感:「中国メーカーは導入後のサポートが不安」という従来のイメージを覆すフェーズへ
SK本舗は ELEGOO・Bambu Lab・Anycubic を含む 3Dプリンター事業で 21メーカー以上の正規代理店 として、国内での修理・部品取り寄せ・購入後相談を提供しています。法人・学校法人での導入検討時はぜひご相談ください。
4. 「待つ vs 今買う」の判断軸
業界全体の動きを総合すると、2026年後半〜2027年の新製品ラッシュ は確実視されます。これを踏まえた購入判断の指針を整理します。
| 状況 | 推奨 |
|---|---|
| すでに必要・3D造形を業務で使っている | 今買う(半年〜1年待つ機会損失の方が大きい) |
| マルチカラー前提・趣味用途 | 待つ価値あり(H2C/X2D/CANVAS世代の競争が激しい) |
| 教育機関・法人導入を検討中 | 今が好機(サポート体制成熟・補助金対応も整いやすい) |
機種選定で迷われた際は、用途・予算・サポート体制を整理したうえで お問い合わせフォーム からお気軽にご相談ください。
参考情報
- ELEGOO Series B+ラウンド報道:3D Printing Industry / KrAsia / Pandaily / Manufactur3D
- 独立検証:3Druck (DE/EN)
- 2025年11月Bラウンド(DJI参加):3Druck
- Bambu vs Creality市場シェア:Tom's Hardware
