最終更新日:2026年7月5日
Polymaker PolyDryer 徹底ガイド|印刷しながら乾燥できるフィラメント乾燥・保管システムの選び方
「フィラメントが糸を引く」「表面がブツブツ」「開けたばかりなのにポキッと折れる」——その多くは湿気が原因です。Polymaker PolyDryerは、フィラメントを乾燥・ドライ保管しながら、そのまま印刷に給線できるモジュラー乾燥システム。この記事では、PolyDryerの仕組みと選び方(本体・Box・Box XL・Dock Adapter)を、正規取扱店のSK本舗が整理します。得意な素材と、苦手な場面(高温が要るナイロン)もはっきり切り分けます。
結論を先に(どれを買えばいい?)
- まず1台で乾燥を始めたい → PolyDryer 本体(¥12,098税込)
- 乾燥ドック+Box1個のスターターに当たる構成。印刷しながら乾燥でき、まずここから。
- 保管スロットを増やしたい → PolyDryer Box(¥4,132税込〜)
- 1kgスプール用の追加ボックス。素材ごとに1色ずつ密閉保管しておくと、使うときすぐ乾いた状態で刷れます。
- 3kgの大容量スプールを使う → Box XL + Dock Adapter
- Box XLは3kgスプール対応。ドックに付けるにはDock Adapterが必要です。
PolyDryerは、温度を数値指定する方式ではなく3段階の出力レベルと時間を設定します。庫内温度は位置・室温・スプール等で変わり、公式の最高温度域68〜73℃を常時一定の設定温度とは扱えません。素材ごとの使い方は公式ガイドをご確認ください。100℃などの高温を指定する材料の再乾燥には、その条件を満たす別の機器が必要です。
この記事でわかること
- PolyDryerの仕組み(印刷しながら乾燥・モジュラー式)と主なスペック
- 本体/Box/Box XL/Dock Adapter の違いと、どれを買えばいいか
- 素材別の乾燥の目安と、PolyDryerが得意な場面・苦手な場面
PolyDryerとは? 「印刷しながら乾燥」できるモジュラー乾燥システム
PolyDryerは、Polymakerが FabNotion と共同開発した乾燥システムです。乾燥ドック(Dry Dock)1台に、密閉ボックス(PolyDryer Box)を必要な数だけ足していけるモジュラー設計が特徴。密閉ボックスから直接プリンターへ給線できるので、印刷しながら加熱乾燥ができます。360°エアフローでスプールを均一に乾かし、使わないときはそのまま乾燥保管スロットになります。
PolyDryerの強み
- 印刷しながら乾燥・給線できる(刷っている間に湿気らない)
- ドック+Boxのモジュラー式で、素材ごとに密閉保管を増やせる
- 密閉性が高く、一度封をすれば乾いた状態を保ちやすい
知っておきたい点
- 設定は3段階の出力レベルと時間。素材に対応する公式手順を選びます。各レベルは固定の温度設定ではありません。
- Box XLをドックに付けるにはDock Adapterが別途必要
PolyDryer スペック早見
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プリセット | 3段階の出力プリセット(目安:約50℃/約60℃/約70℃) |
| 庫内温度域 | 68〜73℃(Polymaker公称) |
| 加熱ユニット | 68W(Polymaker公称) |
| 電源(ACアダプター) | 出力 24V/2.83A以上(Polymaker公称) |
| 給線 | 密閉ボックスから直接印刷に給線(印刷しながら乾燥) |
| 対応スプール | Box=1kgスプール(最大 205Φ×78(H)mm)/Box XL=3kgスプール |
| 拡張 | ドック1台にBoxを追加するモジュラー式。Box XLはDock Adapter経由で接続 |
| 対応素材 | PLA・PETG・ABS・ASA・TPU など主要素材(3プリセットで対応) |
出典:Polymaker公式(Polymaker Wiki)およびPolyDryer製品情報(取得日2026年7月時点)。プリセットごとの正確な温度・寸法・タイマー等は公式ユーザーマニュアルもご確認ください。数値は改定されることがあります。
どれを買う? 本体・Box・Box XL・Dock Adapter
PolyDryerは「ドック(本体)+ボックス」の組み合わせで使います。まず本体、あとは保管したい素材の数だけBoxを足す——という増やし方が基本です。
Box/Box XL/Dock Adapterは同じ商品ページ内でお選びいただけます。価格は2026年7月時点・税込。
素材別・乾燥の目安(PolyDryerで足りる?)
材料が必要とする乾燥処理と、PolyDryerで設定できる出力レベルを区別して確認します。最高温度域だけで適合を判断しないでください。
温度の一覧ではなく、素材別の出力レベルと時間を確認します。PolyDryerは固定温度を指定する機器ではありません。PLA・PETG・ABS・ASA・TPUも、手元の銘柄と公式マニュアルの条件を確認してください。材料が100℃での処理を指定する場合などは、PolyDryerで同じ処理ができるとは判断しません。
高温での乾燥が必要な材料は、別の機器を検討してください。たとえばPolyMide CoPAの推奨乾燥温度は100℃で、PolyDryerの最高温度域を上回ります。乾燥済み材料の保管・給線と、吸湿した材料の再乾燥は分けて考えます。ナイロンは銘柄ごとに条件が異なるため、PAという素材名だけでは判断しないでください。
素材別の乾燥・保管の詳しい目安は、FDMフィラメントの乾燥温度と時間(FAQ)と、湿気が造形に与える影響を実験した湿気とフィラメントのコラムでも解説しています。
3プリセットの使い分け
PolyDryerは3段階の出力プリセットを素材に合わせて選ぶだけ、というシンプルな使い方です。目安は次のとおりです(正確な設定はお使いの素材の推奨値と公式マニュアルをご確認ください)。
| プリセット | 目安温度 | 向く素材 |
|---|---|---|
| Level 1 | 約50℃ | PLA系(低温でやさしく) |
| Level 2 | 約60℃ | PETG |
| Level 3 | 約70℃ | ABS・ASA・TPU |
印刷しながら給線するときも、素材に合わせたプリセットにしておけば、造形中に湿気を戻しにくくなります。長く放置して湿気を吸ったスプールも、対応温度内なら乾燥で復活することがあります。
PolyDryerが向いている人・向かないかも
向いている人
- PLA・PETG・ABS・ASA・TPUをよく使う
- 印刷中も乾燥を保ちたい(給線しながら乾燥)
- 素材ごとに密閉保管して、使うときすぐ刷りたい
- 置き場所を取らず、少しずつ拡張したい
向かないかも
- PolyMide CoPAなど、100℃での再乾燥を指定する材料を使う(対応する高温乾燥機を確認)
- 一度に大量のスプールをまとめて乾かしたい(庫内乾燥機タイプが向く場合も)
乾いたフィラメントで、さっそく印刷
乾燥環境が整ったら、次は印刷するデータです。3Dモデルデータをお探しなら、まず3D DATA JAPAN(3d-data.skhonpo.com)をご覧ください。日本語で使えるモデルデータの配布サイトです。
よくある質問(FAQ)
PolyDryerはPolymaker以外のフィラメントにも使えますか?
使えます。PolyDryerは一般的な吸湿対策の乾燥システムで、PLA・PETG・ABS・ASA・TPUなど、1.75mm/2.85mmの主要素材の乾燥・ドライ保管に対応します。密閉ボックスから直接給線して印刷できます。
PolyDryerの乾燥温度は何度ですか?
3段階の出力レベルと時間を、素材に対応する公式手順に従って設定します。各レベルを固定の50℃・60℃・70℃へ換算することはできません。庫内温度は位置や使用条件で変わるため、最高温度域の68〜73℃も全域で維持される温度ではありません(Polymaker公式ガイド、2026年9月24日確認)。
本体だけ買えば使えますか? Boxは別で必要ですか?
PolyDryer本体は乾燥ドックとBoxの構成で、まず1台で乾燥を始められます。素材ごとに密閉保管を増やしたい場合は、追加のPolyDryer Box(1kgスプール用)を足していきます。3kgの大容量スプールを使う場合はBox XLと、ドック接続用のDock Adapterが必要です。
ナイロン(PolyMide CoPA)はPolyDryerで乾かせますか?
PolyMide CoPAは推奨乾燥が100℃で、PolyDryerの温度域(〜約73℃)より高いため、しっかり吸湿したナイロンのフル再乾燥には高温タイプの乾燥機が向きます。一方で、乾いているナイロンを印刷中に湿気らせないドライ保管・給線用途にはPolyDryerも有効です。
Box XLとBoxの違いは何ですか?
Boxは1kgスプール用、Box XLは3kgの大容量スプール用です。Box XLをドックに接続するにはDock Adapter(公式名:PolyDryer Box XL Dock Adapter)が必要になります。
印刷しながら乾燥できるのですか?
はい。密閉ボックスから直接プリンターへ給線でき、印刷している間も加熱乾燥・ドライ保管を続けられます。造形中に湿気を戻しにくいのがモジュラー乾燥システムの利点です。
まとめ
PolyDryerは、印刷しながら乾燥・給線できるモジュラー乾燥システムです。まず本体を1台、あとは素材の数だけBoxを足していくのが基本。PLA・PETG・ABS・ASA・TPUの乾燥とドライ保管に向き、3kgスプールはBox XL+Dock Adapterで対応します。ナイロン(CoPA)のフル再乾燥だけは温度帯が足りない点に注意すれば、日々の「湿気による失敗」をぐっと減らせます。価格・在庫は変動するので、最新は各商品ページでご確認ください。
