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Anycubic Photon Ultra(DLP方式)の使い方

Anycubic Photon Ultra(DLP方式)の基本的な使い方

Anycubic Photon UltraはDLP(デジタルライトプロセッシング)方式の光造形3Dプリンターで、1280×720ピクセル・XY 80μm・造形ボリューム 102.4×57.6×165mmのコンパクト機です。LCD方式機(4K/8K/14K等の高解像度LCD)とは構造が異なるため、初期キャリブレーション・露光プロファイル・対応レジンに固有の注意点があります。本ページでは開梱後の基本的な使い方を手順化します。

DLP方式の特徴(LCD方式との違い)

DLP方式はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の微細ミラー素子で光を反射し、プロジェクターレンズを通してレジン面に露光パターンを投影します。LCD方式のように液晶パネルを透過させないため、ピクセル間の光漏れ(ブリード)が少なく、エッジのキレ・コントラストに優れます。一方、解像度(ピクセル数)はLCD方式の4K以上の機種と比べると高くなく、Photon Ultraは1280×720(HD相当)・XY 80μmです。大型造形よりも、ジュエリー・歯科ワックスアップ・精密模型など「小さく・キレを最重視する」用途に向いています。

1. 設置とプロジェクター焦点の確認

  1. 本体を水平で振動の少ない場所に設置し、電源を接続
  2. 初期起動時にPhoton Ultra本体メニューから「テスト投影」を実行し、プロジェクター焦点がボトム面に正しく結像していることを目視確認
  3. 焦点がボケて見える場合は、Anycubicマニュアル指示に沿ってプロジェクターのフォーカスリングを微調整(出荷時に調整済みのため触る必要があるケースは少ない)

2. ビルドプラットフォームのキャリブレーション(Z=0原点出し)

  1. 本体に何も載せず電源ON、メニューから「Z軸ホーミング」を実行
  2. ビルドプラットフォームを取り付け、4隅のネジを軽く緩める
  3. レベリングペーパー(A4コピー用紙でも代用可)を投影面の上に置く
  4. 「Auto Home」または「Z=0」位置にプラットフォームを下ろす
  5. 対角順でネジを締め、紙が抜けず軽い摩擦を感じる強さに揃える
  6. 「Z=0 Save」を実行し原点を保存

3. レジンタンクの装着と対応レジン

Photon UltraのUV波長は405nmです。標準/タフ/水洗い/ABSライク等の市販UV 405nmレジンに広く対応しますが、LCD方式機向けの「高速レジン」はDLP方式とは硬化曲線が異なるため、必ずレジンメーカーがDLP対応と明記している製品を選んでください。FEPフィルムに皺・キズがないか確認してから装着します。

4. スライサーと露光プロファイル

Photon Ultraは Anycubic Photon Workshop(または後継のAnycubic Workshop) で対応プロファイルが提供されています。Chitubox(Pro/Basic)でも公式プロファイルあり。露光時間はDLP方式の特性上、LCD機より短めに出ることが多いため、レジンメーカー公称値からスタートし、テストブロックで±0.5秒刻みに追い込みます。レイヤー高さは0.025〜0.05mmが基本、ジュエリー等の超細密用途では0.025〜0.03mmを推奨します。

5. データ転送と試験造形

  1. スライス後の造形ファイルをUSBメモリのルートディレクトリにコピー
  2. 本体USBポートに挿入し、メニューからファイルを選択
  3. 初回はXP2 Validation Matrix等の露光テストブロックで標準レジンの最適露光時間を確認
  4. 結果をもとにレジンプロファイルを微調整し、本造形を開始

6. DLP固有の定期メンテナンス

  • プロジェクターレンズ・DMD周辺の清掃: 月1回程度、エアブロワーまたは光学レンズ用クリーニングクロスで埃を除去
  • FEPフィルム点検: 造形毎に皺・濁り・剥離を確認、劣化が見られたら早めに交換
  • レジンタンクの底面清掃: 連続造形時、レジン残渣がDMD投影部に付着しないよう、タンク底面を定期的に拭き取る

使い方のコツ

Photon Ultraは小さくキレが必要なパーツ(ジュエリーマスター、ミニチュア顔面、歯科ワックス等)で性能が出やすい機種です。大型造形には造形ボリューム上限がネックになるため、サイズが大きいパーツはLCD方式のM7 Pro/Max系を併用するのが現実的です。

※ 露光時間・レイヤー高さの数値はレジン・室温・形状に依存します。本ページの数値は出発点として参考にし、テスト出力で最適値に追い込んでください。