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光造形でサポートが勝手に折れる対策

光造形でサポートが勝手に折れる・千切れる、どう対策する?

印刷終了後にVATを覗くと、ビルドプレートには支柱だけ、VAT内にモデルが沈んでいる・・・このトラブルはほとんどの場合「サポート破断」が原因です。サポート形状・露光・リフト条件・モデル配置の4つのどこかが原因で、ピンポイント対策で大半は解決できます。

結論:接点径を太く、露光を適正化、リフト速度を下げ、配置角度を見直す

AnycubicのトラブルシューティングやPhrozenのヘルプセンターによれば、サポート破断の主因は大きく以下の4点にまとめられます。

  1. サポート密度・接点径が足りない(モデル重量に対して支持力不足)
  2. 露光不足でサポート自体が硬化しきっていない
  3. リフト速度が速すぎてFEP剥離時の力が接点に集中
  4. モデル配置が悪く、平面が下向きで強烈な吸着力が発生

この4点を順に点検すれば、ほとんどのサポート破断は解消できます。

判断基準:症状で原因を切り分ける

症状 可能性の高い原因 まず試す対策
支柱は残り、モデルだけ落下 接点径不足・支持力不足 接点径0.4→0.5mm、密度UP
支柱ごとグニャリと変形 露光不足 露光時間を+0.3〜0.5秒
途中まで印刷されて中断破断 リフト速度過大 リフト速度を40〜60mm/minに
大きな平面部が剥がれ落ちる 配置角度・FEP吸着力 45度前後に傾斜、密度UP
サポート同士がぶれて折れる ブレース不足 サポート間にブレース追加

原因別の具体対策

(1)接点径を適正化する
ChiTuBox公式の標準プリセットでは、Lightが接点径0.3mm、Mediumが0.4mm。AnycubicやPhrozenのヘルプでは「支持不足なら接点径を0.4mm以上に、重量物なら0.6〜1mmまで太くする」と解説されています。細すぎる接点は見栄え優先で使われますが、安定を優先するなら0.4〜0.5mmを基準に、重量の偏る部位は個別に太くしてください。

(2)露光時間を適正化する
露光不足のサポートは硬化しきれず、印刷中に曲がる・折れる原因になります。レジン校正テスト(XP2 Validation Matrix / Cones of Calibration等)で露光時間を実測し、不足していれば0.3〜0.5秒ずつ延長してください。サポート部のみ露光強化できるスライサ機能があれば、そちらの活用も有効です。

(3)リフト速度を下げる
FEP剥離時の機械的ストレスが支点に集中することでサポートが折れます。Anycubicのトラブルシューティングやスライサ各社のリフト関連ガイドでも「40〜60mm/min前後への減速で剥離ストレスを大きく軽減できる」と示されています。高速運用の機種でも、大型・薄肉モデルではリフト速度を意図的に落とす運用が有効です。

(4)配置角度を変える
平面が下向き(ビルドプレートと平行)になっていると、FEPとの吸着面積が最大化し、剥離時に巨大な力が発生してサポートを引きちぎります。3DPrinterlyやLiqcreateの解説でも、モデルは45度前後に傾斜配置するのが光造形の基本方針と強調されています。表面品質との兼ね合いで迷ったら、成功率優先で傾斜を強めてください。

(5)サポート間にブレースを追加
高さのあるサポートはそれ自体が揺れて折れる原因になります。AmeraLabsの解説にあるように、サポート同士を横方向につなぐブレースを追加すると、構造的な剛性が大きく上がり、印刷中のわずかな振動・剥離振動に強くなります。

素材/機種別の目安

  • 水洗いレジン:サポート硬化が不足しやすい傾向。露光+0.3〜0.5秒、接点径0.4mm以上
  • タフレジン・ABS-Like:粘度高め・剥離力大。リフト速度を40mm/min前後に、接点径0.5mm
  • 高速レジン+高速機:露光が1〜2秒と短いため、サポート接点の露光不足に注意。接点径は太めに取る
  • 古い2K/4K機:光源ムラが出やすいので、ビルドプレート端に配置するモデルは特にサポートを強めに

注意点

  • 逆効果に注意:太すぎ・密すぎの弊害:接点径を1mm超に太くしすぎると除去時に本体を傷つけます。また高密度にしすぎると支点が多くなる反面、剥離力も合算で大きくなり別の破損を招きます
  • ラフトが分厚すぎても剥離力増:ラフト(底板)厚・底面露光時間が過剰だと、初期層の吸着力が高まり逆にサポート側が千切れる原因になります
  • 最初のボトム層の露光は別途校正:ボトム露光時間とボトム層数を見直しも失敗解析には必須です
  • VAT温度・室温:低温で粘度が上がると剥離負荷が増えます。冬場は室温25℃前後、VATヒーター対応機はそれを活用
  • FEPの状態:FEPフィルムに傷・白化があると剥離抵抗が増え、サポート破断の遠因になります。定期交換を

まとめ

サポートが勝手に折れる原因は「接点径・露光・リフト速度・配置角度」の4点に集約されます。まず接点径を0.4〜0.5mmに、露光を校正で適正化、リフト速度を40〜60mm/minに、モデルを45度傾斜、という順で試すのが効率的です。それでも直らない場合は、ブレース追加・密度UP・FEP交換の3つを順に試してください。サポート設定はモデル・素材・機種の組み合わせで最適解が変わるため、一度成功したパターンを保存しておくと以後の再現性が安定します。