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レイヤー厚の選び方(0.025/0.05/0.1mm)

【2026年最新ラインナップ】 ELEGOOの現行フラッグシップは光造形が Saturn 4 Ultra 16KMars 5、FDM が Centauri Carbon 2Neptune 4 Plus です。本記事内で旧モデル(Mars 3/Saturn 3 系等)が中心に紹介されている場合は、新規購入をご検討の方は最新機種もあわせてご比較ください。

光造形のレイヤー厚、0.025mm/0.05mm/0.1mmどれを選ぶ?

ChiTuBoxやLychee Slicerで最初に決める設定が「Layer Height(レイヤー厚)」。0.025mm・0.05mm・0.1mmの3択が代表的で、ここを決めないと露光時間も決まりません。選び方の基本は「速度と品質のトレードオフ」です。

結論:標準は0.05mm、ディテール最優先は0.025mm、大型ワークは0.1mm

LCD/MSLA光造形機のレイヤー厚は、造形物のZ方向の積層ピッチです。Anycubicのチュートリアルでは「デフォルトは0.05mm、解像度と効率のバランスが最良」と明記されています。0.025mmまで下げれば曲面のギザギザ(ステアステッピング)は大幅に軽減しますが、層数が倍になるため印刷時間も倍近くに増えます。逆に0.1mmに上げれば速度は上がりますが、曲面や角度のついた面に階段状の段差が目立つようになります。

判断基準:3つの観点で決める

レイヤー厚 速度(相対) 品質 主な用途
0.025mm 遅い(層数2倍) 層線ほぼ不可視 ジュエリー・ハイエンドミニチュア
0.05mm(標準) 標準 塗装仕上げで十分な品質 フィギュア・一般造形・プロトタイプ
0.1mm 速い(層数半分) 曲面に段差見える 大型ワーク・形状確認プロト

レイヤー厚と露光時間は連動する

ここがもっとも見落とされやすいポイントです。レイヤー厚を変えたら、露光時間の再調整が必須です。Anycubic公式Wikiにも「レイヤー厚0.01mm単位の変更で露光時間の再校正が必要」と記載されています。一般原則として、厚いレイヤーはより長い露光時間を必要とし、薄いレイヤーは短い露光時間で済みます。

コアエレクトロニクス等の実測資料では、標準レジン・2Kモノクロ機で露光時間は6〜14秒レンジ、4Kモノクロ機では1.5〜3秒レンジが目安とされています。Saturn 4 UltraやPhoton Mono M7 Proのような高輝度光源の新世代機では、0.05mm層で1〜2秒という短い露光時間で運用することもあります。

素材/機種別の目安

  • 水洗いレジン/標準レジン(汎用):0.05mmが安定運用。曲面の見栄えを求めるなら0.025mmでアンチエイリアシングON併用も有効
  • タフレジン・ABS-Like:0.05mmが無難。層間結合を確保するため露光をやや長めに
  • ジュエリー用キャスタブルレジン:0.025〜0.035mmが一般的。層線が鋳造仕上がりに直接影響
  • 高速レジン(Elegoo High Speed等):0.05mm+短い露光時間(1〜2秒)で高速運用。機種公称速度を発揮
  • 大型造形(治具・プロト):0.1mmで時間短縮。曲面はサンディング前提

ChiTuBoxアカデミーの解説によれば、8倍のアンチエイリアシングを有効にして0.05mm層で印刷すると、0.025mm層の表面品質に近い仕上がりを得ながら印刷時間を約35%節約できる、というトレードオフも選択肢になります。品質を少し落としてでも時間を稼ぎたいときは、アンチエイリアシングで補う運用が有効です。

注意点

  • 露光時間の再校正:レイヤー厚を変えたら必ずレジン校正テスト(XP2 Validation Matrix / Cones of Calibration等)を実行してください。同じレジンでも層厚により最適露光が変わります
  • 薄層は失敗リスクもある:0.025mm層は露光不足になりやすく、層間剥離・造形物の倒れの原因になります。新しいレジンでは先に0.05mmで成功を確認してから挑戦してください
  • 厚層のステアステッピング:0.1mm層は水平に近い傾斜面で階段状の段差がはっきり見えます。後処理(サンディング・塗装)前提なら許容できますが、無加工の最終品には不向きです
  • 寸法精度への影響:レイヤー厚が厚いほどZ方向の階段状段差により、傾斜面の寸法精度が悪化します。嵌合部品では0.05mm以下推奨
  • 印刷時間の見積もり:0.025mm→0.05mm→0.1mmで層数は1/2ずつになりますが、露光時間も変わるため実印刷時間はリニアではありません

まとめ

レイヤー厚は「0.05mmをデフォルトに、ディテール重視で0.025mm、速度重視で0.1mm」が基本方針です。決定要因は用途・モデルサイズ・後処理の有無の3つで、迷ったら0.05mmを選び、曲面の層線が気になる場合だけ0.025mmに落とすのが失敗の少ない運用です。レイヤー厚を変えたら露光時間の再校正を必ず行うことを忘れないでください。