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光造形で縞模様(レイヤーライン)が目立つ時

レイヤーライン(縞模様)が目立つとは

光造形(LCD/DLP/SLA)の造形物側面に、積層方向の水平な線が縞模様として浮き出て見える症状です。光造形は原理的にレイヤー境界が存在しますが、本来なら肉眼でほとんど判別できないレベルに抑えられます。縞が目立つのは積層ピッチ・露光・Z軸メカ・姿勢のいずれかに問題があるサインです。

結論:まず「周期性」を見て機械的原因かを切り分ける

縞模様の間隔が一定で周期的なら、Z軸の機械的不具合(リードスクリューのガタ、ベルト張力、直線ガイドの摩耗)が疑わしく、不規則またはランダムならスライス設定・レジン状態・姿勢の問題である可能性が高くなります。まずこの切り分けを行い、該当側の対策から当たっていくのが最短ルートです。

原因1:積層ピッチが厚すぎる/見えやすい向きに配置している

標準的な積層ピッチは0.03〜0.05mmですが、0.1mm等に厚く設定すると当然レイヤー線は目立ちやすくなります。また、ビルドプレートに対してモデルを垂直に立てると、レイヤーが水平線として真横から見える配置になり、より縞が認識されやすくなります。

  • 対策:表面品質優先なら0.03〜0.05mmに設定。0.02mmにするとさらに滑らかだが造形時間は倍になる
  • モデルを15〜45度傾けるとレイヤーの境界線が視覚的に分散し、縞が目立ちにくくなる

原因2:露光設定と積層ピッチの不整合

積層ピッチを変更したのに露光時間をそのままにしていると、層ごとの硬化度にムラが出て縞として見えることがあります。薄い層には短い露光、厚い層にはやや長い露光が必要です。

  • 対策:ピッチ変更時は露光テストを再実施。レジンメーカーの推奨プロファイルを起点にする
  • 層と層のつなぎ目で光ブリード(UVの漏れ)が起きると線が太く見える。露光過多にしすぎない

原因3:Z軸のガタ・リードスクリューの不具合

縞が一定間隔で周期的に現れる場合、Z軸のメカニカルな問題(リードスクリューのわずかな曲がり、ナットの緩み、直線ガイドの摩耗)が原因のことが多いです。これは「Zウォブル/Zバンディング」と呼ばれ、リードスクリューが1回転する度にビルドプレートが微妙に左右に揺れ、層位置がずれて縞として現れます。

  • 対策:電源OFFの状態でビルドプレートを手で上下させ、ガタつきや摩擦ムラを確認
  • リードスクリューの清掃とグリス給脂。汚れたグリスを拭き取り、メーカー推奨のグリスを薄く塗布
  • 直線ガイド(リニアレール)固定ネジの増し締め。ビルドプレートのネジも同様
  • 症状が改善しない場合はリードスクリューナット(アンチバックラッシュナット)の交換を検討

原因4:プリント中の振動・本体設置環境

プリンターを不安定な棚や薄い板の上に置くと、周辺の振動や自機のモーター振動が造形に影響し、層ごとのわずかな位置ずれが縞として現れます。

  • 対策水平で頑丈な台にプリンターを設置。振動吸収マット(防振ゴム)を敷くとさらに安定
  • 洗濯機・エアコンの室外機・通行量の多い床など、振動源のそばは避ける
  • フレームのネジ緩みを点検し、増し締め

原因5:リリースフィルムの劣化・レジンタンクのたるみ

FEPフィルムが伸びてたるんでいると、はく離のたびにフィルムが沈み込み、レイヤーごとの高さが微妙に変動します。フィルムの中央が下がっている状態が続くと、縞として表面に現れます。

  • 対策:フィルムを指で軽く押してわずかにたわむ程度のテンションに張り直す
  • 白濁・傷・穿孔があれば即交換。長寿命のnFEP/PFA/ACFフィルムへの切り替えも有効

予防

  • Z軸のメンテ(清掃+給脂)を月1回のルーティンにする
  • 新品時の状態を写真で記録しておくと、後日の比較判断がしやすい
  • テスト用キャリブレーションモデル(XPFinder、Cones of Calibration等)を定期的に印刷し、適正露光と表面状態を把握する
  • 重いモデル・大型モデルはプラットフォームへの負荷が大きく、Z軸ガタが症状として出やすい。大物を印刷した後は特に点検
  • プリンター設置環境(温度・振動・水平)を安定させるだけで、縞の発生率は大きく下がる

まとめ

レイヤーラインは「周期性の有無」で原因を切り分けるのが最大のコツです。周期的ならZ軸メカ、不規則ならスライス設定・姿勢・レジン状態。これを最初に見極めれば、無駄な設定変更に時間を取られません。0.03〜0.05mmの積層ピッチ+傾け配置+Z軸メンテの3点を押さえておけば、光造形の強みである滑らかな表面品質を安定して再現できます。