Q. FDMのサポート設定は、どこから触ればいいですか?
サポート(support material)は、オーバーハングやブリッジを支える仮設の足場です。設定のキモは「どの角度から足場を出すか(閾値角度)」「どのくらい密にするか(密度)」「どのくらい本体から離すか(Z/XYディスタンス)」の3つで、この順に決めていけば外しやすく・仕上がりの綺麗なサポートになります。
結論
迷ったら閾値角度30〜45度、密度10〜30%、ツリーサポート(Tree)を基本に。Bambu Lab Wikiでは閾値角度(Threshold angle)のデフォルトは30度と明示されており、オーバーハングが45度を超えるモデルではサポート有効化が推奨と案内されています。密度は通常サポートで15〜20%、ツリーで5〜10%あたりが剥がしやすさと支持力の両立点です。
設定値の目安(Bambu Studio / OrcaSlicer 共通)
| 項目 | 目安値 | 用途 |
|---|---|---|
| 閾値角度(Threshold angle) | 30〜45度 | モデル・材料が素直なPLAなら45度、ABS/PETGや複雑形状は30度寄り |
| サポート密度(Support Density) | 10〜30%(通常型) | 軽量物10〜15%、重量物・平面支持20〜30% |
| ツリー密度(Tree Support Density) | 5〜15% | ツリーは幹が強いため密度は控えめでよい |
| Zディスタンス(Top Z distance) | 0.1〜0.2mm(レイヤー高の1〜2倍) | 小さいほど支持力UP・剥がれにくい |
| XYディスタンス | 0.5〜1.0mm | 側面の仕上がりに影響。0.7mm前後が万能 |
| インターフェース層 | 2〜3層、密度70〜100% | 天面の仕上がりを滑らかに |
サポートタイプの選び方
- Normal(通常型): 格子状で確実に支える。面積の広い平面の下や重い部品に。
- Tree / Organic(ツリー型): 幹が枝分かれして必要な箇所だけ点接触。フィギュアや複雑形状で素材消費が少なく外しやすい。Bambu Studio/OrcaSlicerともに標準搭載。
- Snug(密着型): モデル輪郭に沿う形。通常型より素材が少なく済む。
- Support on build plate only(ビルドプレートのみ): モデル本体の上にサポートを生やさない。本体表面を汚さないが複雑形状では対応不可。
調整手順
- まずオーバーハングテストを印刷(45/50/60/70度のテストモデル)。使用フィラメント+クーリングで何度まで素で出せるかを把握する。
- そこで崩れ始める角度を閾値角度として設定(多くの機種で30〜45度の範囲に収まる)。
- サポートを自動生成(Auto)でプレビュー。不要な場所にサポートが出ていたら「Support blocker」でブロック、足りない場所には「Support enforcer」で追加する。
- 天面の荒れが気になるときはインターフェース層を2→3に増やし、密度を80〜100%に上げる。
- 剥がしにくいときはZディスタンスを0.2mm側へ、仕上がりが荒いときは0.1mm側へ調整する。
注意点
- 閾値角度の定義はスライサーによって逆になることがあります。Bambu Studio/OrcaSlicerはビルドプレート基準(90度=サポート不要)で、値が小さいほどサポートが多く出ます。Cura は「オーバーハング角度」基準(90度=真横)で意味が逆になるため、数値だけの横流しは危険です。
- ツリーサポートのベース内部インフィルはBambu Studioデフォルトでは無効になっています(強すぎて外しにくくなるため)。必要な場合のみ有効化してください。
- サポートの印刷速度は本体よりやや遅めが安定します。速度を上げすぎると支えが歪み、仕上がりが荒れます。
- ABS/ASAのサポートは収縮で剥がれやすいので、チャンバー温度を上げるか、Zディスタンスを小さめにして密着を確保します。
- PVA/HIPSなど水溶性・溶解性サポートを使う場合は、必ずデュアルエクストルーダー or AMS+互換材料の条件を満たしてから運用してください。
まとめ
サポートは「45度ルール」を基準に、閾値角度30〜45度・密度10〜30%・Zディスタンス0.1〜0.2mmの3点を押さえれば大きく外しません。Bambu Lab のBambu Studio/OrcaSlicerならツリー/オーガニックサポートが標準搭載で、初期値のまま素直に機能します。SK本舗では機種ごとの推奨サポート設定の共有や、法人向けの検証サポートも承っておりますのでお気軽にご相談ください。
