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FDMのクーリングファン設定

Q. FDMのクーリングファン(パーツクーリング)は、素材ごとに何%が正解ですか?

パーツクーリングファン(part cooling fan)は、ノズル直下で積層直後の樹脂を急冷し、オーバーハング/ブリッジ/細部シャープネスを引き上げる一方で、冷やしすぎると層間接着(レイヤーアドヒージョン)を損ないます。素材の耐熱特性・収縮率に合わせて「冷やす or 冷やさない」を切り替えるのが基本方針です。

結論

一般的な初期値はPLA 100%、ABS 0〜50%、PETG 30〜70%。Ellis' Print Tuning Guideや3D Printerly、Bambu Lab Wiki等でも同様のレンジが標準として紹介されています。ただし1層目はどの材料でも0%(ベッド密着優先)、2〜3層目から段階的に立ち上げるのが鉄則です。

設定値の目安

素材 ファン速度(定常) 最小レイヤー時間 備考
PLA 100% 5〜8秒 冷やすほどシャープ。オーバーハングも改善
PLA+(タフPLA) 80〜100% 5〜8秒 層間接着を少し優先するなら80%
PETG 30〜70% 6〜10秒 高すぎると層間剥離。ブリッジ時のみ100%
ABS / ASA 0〜30%(エンクロージャ推奨) 15秒前後 反りを避けるため原則低速〜ゼロ
TPU 95A 60〜100% 10〜15秒 冷却弱いと糸引き・潰れ。速度は低めで
PC(ポリカ)/ PA(ナイロン) 0〜30% 15〜20秒 冷却強=層間剥離。密閉庫とセット
PLA-CF / PETG-CF / PA-CF ベース材に準拠(CF混入で変わらない) 同上 ノズル摩耗に注意(耐摩耗ノズル推奨)

Ellis Print Tuning Guideは「ABSは最小レイヤー時間15秒前後」「非エンクローズ材料(PLA/PETG)はもっと短くてよい」としており、Bambu Lab Wikiも素材別プロファイルで同様のレンジを初期値として持っています。

調整手順

  1. 最初の1層目はファン0%でベッド密着を優先。
  2. 2〜3層目からスライサーの「Fan ramp up(立ち上げ)」を使って徐々に上げる(PLAなら3層目で100%が標準)。
  3. オーバーハングテスト(45/60/70度)を同一温度で印刷し、崩れが目立つ面だけファン+10〜20%、オーバーハング速度を50〜80%まで落として再テスト。
  4. ブリッジ部分は素材を問わず一時的にファン100%・フロー85〜100%・速度20〜30mm/sに設定するとキレイに張れる。
  5. 細密な小物(高さ数mmの一層が短時間で終わるもの)は「最小レイヤー時間」を延ばして、ファンで冷やしきる時間を確保する。

注意点

  • ファン速度と層間接着はトレードオフです。ABS/ASA/PCはファン100%で印刷すると見た目は綺麗でも、層間でパキッと割れる強度になるので要注意。
  • Bambu Lab X1C/P1S等の密閉機は、PLAで庫内温度が上がりすぎるとジャム・ノズル詰まりの原因になるため、庫内温度を見ながらファン(オグジリアリファンと本体ファン)を併用するのが前提です。
  • ファン100%でもデューティ比の関係で実回転数がメーカー/ファームウェアで異なります。「100%なのに風が弱い」ときはファン自体の劣化・埃詰まり・電圧降下を先に疑ってください。
  • 冷却が強すぎると収縮クラック(特にABS)・反り・ファーストレイヤーの剥がれが起こります。逆に弱いとエレファントフット・オーバーハング崩れ・細部ダレが目立ちます。
  • スライサーの「Slow Down for Overhang」「Dynamic Fan Speed」を有効化すると、オーバーハング面だけ自動で減速+ファン強化ができます(Bambu Studio/OrcaSlicer標準機能)。

まとめ

クーリングは「1層目0% → PLA 100% / PETG 30〜70% / ABS 0〜50%」の3点を軸に、オーバーハング・ブリッジだけ部分的に追い込むのが効率的です。Bambu Lab X1C/P1S/A1シリーズは補助冷却ファンが優秀で標準プロファイルのままでほぼ問題ありません。SK本舗ではBambu Lab、Creality、Anycubic、ELEGOOなど主要FDMの正規販売と素材別プロファイル共有を行っていますので、用途に合わせてご相談ください。


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