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FDMのフローレート(押出量)調整

Q. FDMのフローレート(押出量・Flow Ratio)はどう調整すればいいですか?

フローレート(flow rate / flow ratio / extrusion multiplier)は、スライサーが計算した理論吐出量に対して「何倍の樹脂を出すか」の係数です。1.00で理論通り、0.98で2%少なめ、1.02で2%多めという意味になります。充填率・トップレイヤーの滑らかさ・寸法精度・オーバーハングに直結する基礎パラメータで、Eステップ校正と合わせてキャリブレーションの本丸です。

結論

Bambu Lab のBambu StudioとOrcaSlicerのFlow Ratio Calibration(フロー比キャリブレーション)を使い、0.01刻みでテストプリントして決めます。OrcaSlicer公式Wikiの推奨("YOLO Recommended")は-0.05〜+0.05の範囲を0.01ステップで11ブロック印刷する方式。Bambu Studioのファインキャリブレーションは91〜100%を1%刻みで印刷します。手を動かさずに初期値から決め打ちすると、トップ面の穴・ブロブ・寸法ズレが後工程でずっと付きまとうため、一度だけでも実機で取ることを強く推奨します。

設定値の目安

材料 Flow Ratio 初期目安 備考
PLA / PLA+ 0.95〜1.00 Bambu純正PLAは0.98前後で収まることが多い
PETG 0.93〜0.98 糸引きと過剰吐出が出やすいので控えめ
ABS / ASA 0.95〜1.00 収縮のため数値は素直
TPU 95A 1.00〜1.10 圧縮性があるため多めが入ることがある
CF/GF混入系 0.95〜1.00 摩耗ノズルに交換した直後は再取得が必須

キャリブレーション手順(OrcaSlicer・推奨ワークフロー)

  1. OrcaSlicerを開き、上部メニュー「Calibration → Flow Rate」を選択。
  2. "Pass 1"(Coarse)を先に印刷。OrcaSlicer Wikiによると、9ブロック(-20%〜+20%、5%刻み)で大まかな最適値を探す。
  3. 選んだ値を基準に"Pass 2"(Fine)を印刷。10ブロック(-9%〜0、1%刻み)で微調整する。
  4. トップ面が"穴なし・バリなし・光沢が均一"な番号のブロックを選ぶ。判定は自然光+拡大鏡が有効。
  5. 計算式はモードによって異なる。Pass 1/Pass 2(%補正)は新Flow Ratio = 現Flow Ratio × (100 + 補正%) ÷ 100、YOLOモード(絶対値補正)は新Flow Ratio = 現Flow Ratio + ベストブロックの補正値。例:現在0.98でYOLO最良ブロックが+0.01 → 0.98 + 0.01 = 0.99
  6. フィラメントプロファイルの「Flow Ratio」を更新して保存する。

キャリブレーション手順(Bambu Studio)

  1. 「Calibration → Flow Rate → Auto-Calibration」を選択(X1C/X1Eはカメラ判定も可)。
  2. 手動派の場合はFine Calibrationを起動、フロー比91〜100%を1%刻みで印刷。
  3. フィラメントごとに1回取ればOK。同じブランド・同じロットなら以降は流用可能。

注意点

  • Eステップが狂っているとフローも正しく決まりません。まずEステップ校正(100mm指定→実測)を済ませてからフローを取るのが正しい順序です。
  • ロットやメーカーが変わったらフローも取り直しが原則。同じ"PLA"でもブランドで±3%程度はズレます。
  • ノズルサイズ・ノズル摩耗でも変わります。0.4→0.6mm変更時、摩耗ノズル交換直後は再取得を。
  • テスト物が小さすぎると最小レイヤー時間でファン速度が変わり、見た目が正しく評価できません。スライサー付属のテストモデルをそのまま使うのが安全。
  • 数値をいきなり1.05や0.90など大きくズラすと、薄壁が潰れたりスカスカになったりします。必ず±0.05の範囲で刻んでください。
  • Bambu Studio側の「Flow Dynamics Calibration(PA=プレッシャーアドバンス)」はフローとは別物です。順序としては「Eステップ → Flow Ratio → Flow Dynamics(PA)」。

まとめ

フローレートは「OrcaSlicer / Bambu Studio 標準キャリブレーションで0.01刻み」というのが2026年時点の定番運用です。0.95〜1.00の範囲に収まるのが普通で、そこから大きく外れる場合は機材側(Eステップ・ノズル・テフロンチューブ・温度)を疑うのが正解です。SK本舗ではBambu Lab・Elegoo Centauri・Anycubic・Creality等の正規取扱に加え、法人向けに初期キャリブレーション支援も行っていますので、導入時にぜひご相談ください。


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