3Dスキャナーで国内でもおなじみの Shining3D(シャイニング3D) が、2026年4月8日にハンディ3Dスキャナーの新モデル 「EinScan Rigil Lite」 を発表しました。2025年6月に出た上位機 EinScan Rigil を、より手の届きやすい構成に整理した「コスト効率版」という位置づけなんです。
注目したいのは光源の作りです。17+17本のクロスブルーレーザー、7本の平行ブルーレーザー、そして赤外(IR)VCSELを組み合わせたハイブリッド構成で、スキャン解像度は0.05mm(点間距離)とされています。本体に6.4インチの2K AMOLEDタッチスクリーンを備え、Wi-Fi 6にも対応した「一体型(オールインワン)」のハンディ機です。撮ったその場でデータを扱える設計になっています。
これは「3Dスキャンで実物を取り込み、そのまま3Dプリントへつなげたい」と考えている方に直接関わってくる話ですね。SK本舗でもShining3Dは正規取扱メーカーで、すでに EINSTAR 2 / VEGA / Rockit / EinScan H2 を扱っています。Rigilシリーズは現時点でSK本舗のラインアップにはない新顔で、国内での取扱・価格は本記事の公開時点(2026年6月13日)では確認できていません。だからこそ、海外での発表内容を正確に整理しておく価値があると考えました。
⚠️ 最初に大事な整理を。 海外の一部紹介では「Rigil Lite が iF DESIGN AWARD 2026 を受賞」と読めるものがありますが、これは正確ではありません。iF DESIGN AWARD 2026を受賞したのは上位機の EinScan Rigil(標準版・2025年6月発売) で、Shining3D公式の受賞発表は2026年2月28日です。Rigil Lite の発表(4月8日)はその約1か月半後にあたります。本記事では両者を区別して扱います。
EinScan Rigil Lite とは何が新しいのか
Rigil Lite は、2025年6月に出た EinScan Rigil の系譜にある下位構成モデルです。Shining3D公式は「Rigilシリーズの性能を広げる、よりアクセスしやすい選択肢」という説明をしています。プロ用途を想定しつつ、価格面のハードルを下げてきた格好ですね。
光源は前述のとおり、17+17本のクロスブルーレーザー/7本の平行ブルーレーザー/赤外VCSEL を束ねたハイブリッドです。青色レーザーは細部の作り込みに、赤外(IR)は素早い広域スキャンに向くとされ、対象や状況に応じてモードを使い分けられる構成になっています。下の画像が、そのモードの違いを示したものです。
数字まわりは、混同しやすいので分けて見ておきましょう。解像度(スキャン解像度=点間距離)が0.05mm、体積精度(volumetric accuracy)が公称0.04+0.06mm/m(VDI/VDE 2634 Part 2/3 および ISO 10360-13 に準拠とされています)。解像度は「点をどれだけ細かく並べられるか」、精度は「測った形が実物とどれだけ合っているか」で、別の指標です。「0.05mm精度」と書かれることがありますが、それは取り違えなんですね。ここはSK本舗としても、過去のスキャナー記事から一貫して気をつけている点です。
なお、この公称精度はRigilシリーズとして掲げられている値で、海外レビューには「Lite の実効精度は標準版 Rigil をわずかに下回る」と読めるものもあります。版(標準/限定)や個体差で幅が出る可能性があり、厳密な精度が要る用途では実機の校正値で確認するのが安全です。
・解像度 0.05mm:点群の細かさ(point distance)。きめ細かさの指標。
・体積精度 公称0.04+0.06mm/m:実物との一致度(accuracy・距離が伸びるほど誤差が積み増す表記)。
→ 数字の単位が違う時点で別物。カタログを読む時は「mm」なのか「mm/m」なのかを必ず確認すると安全です。
主な仕様を、公式・公式系メディアで2ソース以上取れたものに絞ってまとめます。
| 項目 | EinScan Rigil Lite(公表値) |
|---|---|
| 発表日 | 2026年4月8日(Shining3D公式) |
| 光源 | クロスブルーレーザー17+17本/平行ブルーレーザー7本/赤外VCSEL(ハイブリッド) |
| スキャン解像度 | 0.05mm(点間距離・レーザーHDモード時0.05〜10mm) |
| 体積精度 | 公称0.04+0.06mm/m(VDI/VDE 2634 Part 2/3・ISO 10360-13準拠とされる) |
| ディスプレイ | 6.4インチ 2K AMOLEDタッチスクリーン |
| 接続 | Wi-Fi 6 対応 |
| メモリ/ストレージ | 24GB LPDDR5/512GB SSD+64GB eMMC(標準版構成) |
| バッテリー | 5500mAh×2(交換式) |
| 重量 | 約870g(バッテリー込み) |
| ワークフロー | 本体上でスキャン→処理→書き出し。PCソフト(EXScan Rigil・EXModel)とも連携 |
出典:Shining3D公式プレスリリース/EINSTAR公式スペックページ/3Dprinting.com/Daily CADCAM(いずれも2026年4月発表分・取得日2026-06-13)。海外の販売店では標準版がおおむね EUR €3,074.17(割引)〜€3,299.99(通常)、別途 USD $3,199前後でも紹介されていますが、為替・版(標準/限定)・販売店で幅があり、税込/税抜の区分も明示がなく未確認です。日本国内の取扱・価格は本記事公開時点で確認できていません。
本体だけでスキャンから処理・書き出しまで完結できる「オールインワン」設計で、必要に応じてPC側のソフト(EXScan Rigil・EXModel)にも引き渡せる、と説明されています。ノートPCを常に接続しておかなくても作業を始められるのは、現場で動く方にとって扱いやすいところですね。
なぜこの発表が3Dスキャナー全体に影響するのか
ハンディ3Dスキャナーの世界では、ここ数年で「本体だけで完結する一体型」「青色レーザーと赤外を組み合わせたハイブリッド光源」「2Kクラスのタッチスクリーン」といった要素が、上位機を中心に普及してきました。Rigil Lite は、その上位機の思想を残したまま価格を整理し、より広い層に届けようとするモデルだと読めます。
この「下位構成版を足してすそ野を広げる」動きは、3Dスキャナーに限った話ではありません。3Dプリンターでも、上位機で確立した機能を価格を抑えたモデルへ展開していく流れは、各メーカーで広く見られてきました。スキャナー側でも同じ整理が進めば、結果として「実物を取り込んで作る」というワークフロー全体の入口が広がっていく、という見方ができます。
そしてもう一点、上位機 EinScan Rigil が iF DESIGN AWARD 2026 を受賞している(Shining3D公式発表は2026年2月28日)ことも、このシリーズが評価軸として注目されていることの裏づけになります。繰り返しになりますが、受賞したのは標準版の Rigil であって Rigil Lite ではありません。Lite はその評価されたシリーズの「弟分」として後から登場した、という整理になります。
・iF DESIGN AWARD 2026 → EinScan Rigil(標準版・2025年6月発売)が受賞(Shining3D公式発表2026-02-28)
・EinScan Rigil Lite → 受賞発表の約1か月半後(2026-04-08)に発表された別モデル
→ ネット上の紹介で「Lite が受賞」と読めるものがあれば、それは時系列的にも成立しません。
現行のSK取扱スキャナーと、どの層で重なるのか
SK本舗が扱う Shining3D のハンディ/ハイブリッド機を価格帯でざっくり並べると、EINSTAR 2(エントリー〜ミドル) から VEGA(ミドル)、Rockit(ミドル〜上位)、そして複合方式の EinScan H2(上位) という流れになります。Rigil Lite はプロ用途を想定した一体型ハンディ機ですので、性格としては VEGA から Rockit、H2 あたりと検討テーブルに並ぶ機種だと読めます。ただ、Rigilシリーズ自体は現時点で SK本舗のラインアップにありません。ですので「今この瞬間に手元で選ぶ」となると、候補はあくまで上の4機種になります。Rigil Lite が国内に入ってくるかどうかは、確認でき次第あらためてご案内します。
ここで一つ補助線を引いておくと、スキャナー選びは「3Dプリンター本体をどれにするか」とは別の軸の話です。FDM機(Bambu Lab・Creality・Flashforge など)や光造形機(ELEGOO・Anycubic・Phrozen など)を選ぶのは「データ→実物」を担う側で、スキャナーは「実物→データ」を担う側。いわば往復の両端なので、分けて考えると整理がしやすくなります。Rigil Lite のニュースは前者のプリンター選びには直接かかわらず、あくまで「取り込み側」をどう強化するかという話だと捉えてください。
そのうえで、スキャナーを選ぶときは撮ったデータをどう使うかまで見ておくと失敗が減ります。配布されている3Dデータを試してみたい場合は、まず 3D Data Japan(3d-data.skhonpo.com) をのぞいてみてください。スキャンした自作データと配布データの両方を扱えるようになると、3Dプリントの楽しみ方がぐっと広がります。
現行のShining3D各機種の細かな違い(EINSTAR 2・VEGA・Rockit・EinScan H2 の解像度・価格・選び方)は、別記事の Shining3D 3Dスキャナー比較ガイド で詳しくまとめています。「自分の用途にはどの層が合うのか」をまず固めたい方は、Rigil Lite の続報を待つ前にこちらで現行ラインアップを整理しておくと、いざ比較する段になって判断が速くなるはずです。
「実物を取り込んで3Dプリントしたい」「EINSTAR 2・VEGA・Rockit・H2 のどれが自分の用途に合うか分からない」――そんなときは、用途・予算・サポート体制を整理のうえお気軽にお問い合わせください。取扱機種の中から最適な構成をご提案します。Rigil/Rigil Lite の国内動向についても、分かり次第お伝えします。
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参考情報(出典リンク集)
本記事は2026年6月13日時点で確認できた公開情報をもとに構成しています。価格・スペックは発表時点の海外公表値であり、税込/税抜の区分は販売店により異なり未確認です。国内での取扱・価格・発売時期は確認でき次第ご案内します。「0.05mm」はスキャン解像度(点間距離)であり、精度(accuracy)とは別の指標です。
