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【2026年版】SK水洗いレジン × CHITUBOX 設定ガイド|3種比較・推奨パラメータ・レジン太り対策

最終更新:2026年5月

この記事のポイント

SK本舗オリジナル水洗いレジン3種(標準・10K・高性能)のCHITUBOX推奨パラメータをELEGOO・Anycubic・Phrozen・EMAKE3D主要機種別にまとめます。レジン太り・剥離不良・白化の対処法・季節別調整まで含めた保存版設定ガイドです。

光造形 設定ガイド / 2026年版

SK水洗いレジン × CHITUBOX 設定ガイド|推奨パラメータと調整のコツ

SK本舗オリジナルの水洗いレジン3種(標準・10K・高性能)を CHITUBOX で設定するときの公式推奨値・レジン太り対策・トラブル対処・季節別調整を、ELEGOO・Anycubic・Phrozen・EMAKE3D 主要機種別にまとめた保存版ガイドです。

CHITUBOX Pro と Basic の機能差、最新版の主な変更点、XPテストの読み方、他スライサーとの比較まで網羅し、最初の1台目から長期運用までの判断材料をまとめました。

この記事の重要ポイント(TL;DR)

  • SK水洗いレジン3種(標準/10K/高性能)は、用途・解像度・寸法精度の3軸で選び分けます。迷ったら「標準」が無難です。
  • CHITUBOX は機種プリセット+SK本舗 公式推奨値(層露光・ボトム露光)を入れるだけで安定造形が可能です。Basic(無料)でも設定範囲は十分カバーできます。
  • 露光時間を伸ばすと「レジン太り」で嵌合が崩れます。寸法精度を求めるときは短め基準でテストするのが王道です。

「SK水洗いレジンを購入したけれど、CHITUBOX のどの設定にすればよいか分からない」「機種の出荷時プロファイルだとうまく造形できない」「露光時間を長くしたら造形物がふくらんで部品が嵌まらなくなった」──水洗いレジンは扱いやすい反面、最初の設定で迷われる方が多いです。

本記事では、3Dプリンター専門ECとして長年お客様から寄せられたご相談を踏まえ、CHITUBOX で SK水洗いレジン3種類を設定する手順を、ELEGOO・Anycubic・Phrozen・EMAKE3D 各社の主要機種別に SK本舗 公式推奨値とあわせて整理した保存版ガイドをお届けします。レジン太り(過剰硬化による寸法ふくらみ)の対処法、季節別の露光調整、XPテストの読み方、他スライサーとの比較までまとめましたので、最初の1台目から長期運用までこの1本でカバーいただけます。

目次(クリックで展開)
  1. CHITUBOX とは|Pro と Basic の違い
  2. CHITUBOX 最新版の主な変更点
  3. SK水洗いレジン 3種類の使い分け|用途別フローチャート
  4. SK水洗いレジン(標準)のカラー別推奨設定
  5. SK10K水洗いレジンのカラー別推奨設定
  6. SK高性能水洗いレジンの設定の考え方
  7. メーカー別のクセと注意点
  8. 季節別の露光調整ガイド
  9. 露光時間と「レジン太り」の関係
  10. CHITUBOX 設定手順(5ステップ)
  11. キャリブレーション詳細|XPテストの読み方
  12. よくあるトラブルと対処法
  13. 水洗いレジンの後処理
  14. 他スライサー比較(CHITUBOX / Lychee / Voxeldance Tango)
  15. 動画リソース・公式マニュアル
  16. よくある質問(10問)
  17. SK本舗 商品紹介・関連記事

CHITUBOX とは|Pro と Basic の違い

CHITUBOX は中国の CBD-Tech が開発する光造形3Dプリンター向けスライサーソフトで、ELEGOO・Anycubic・Phrozen・EMAKE3D など主要メーカーの光造形機ほぼすべてに対応しています。日本語UIにも完全対応しており、無料の Basic 版と機能拡張された Pro 版が提供されています。

SK本舗オリジナルの水洗いレジンは、CHITUBOX 上で機種別プリセットを選んだ後、SK本舗が公開している推奨露光時間・ボトム露光時間を入力するだけで安定した造形が得られる設計になっています。本記事では、SK本舗の公式推奨値をベースに、各機種ごとの設定を整理してご紹介します。

Basic と Pro、どちらを選ぶべきか

結論からお伝えすると、個人利用・趣味用途・嵌合精度を厳しく求めない造形であれば Basic で十分です。一方、製造業・歯科技工・大量バッチ処理・高度なサポート最適化を行う方は Pro の機能差が活きてきます。

機能 CHITUBOX Basic(無料) CHITUBOX Pro(有料)
主要メーカー機種プロファイル 対応 対応
層露光・ボトム露光・サポート設定 対応 対応+細かいパラメータ追加
自動サポート生成 標準 高度なオプション・部位別最適化
中空化・抜き穴自動生成 対応 対応+肉厚解析
ダイナミック露光(位置別補正) 非対応 対応
マルチプレート・バッチ処理 制限あり フル対応
3mf 形式・高度な出力 基本対応 フル対応
商用ライセンス・サポート なし あり

Basic がおすすめの方

個人ユーザー、フィギュア・モデル制作、月数十時間程度の利用、嵌合精度を厳密に求めない造形。SK水洗いレジン3種すべて運用可能です。

Pro がおすすめの方

製造業・歯科技工・受託造形、大量バッチ処理、サポート跡を極限まで減らしたい用途、商用ライセンスが必要な事業者。

CHITUBOX 最新版の主な変更点

CHITUBOX は近年アップデート頻度が高く、3mf 形式対応の強化、サポート生成アルゴリズムの改良、UI の見直し、機種プロファイルの拡充が続いています。本セクションでは、長期間バージョンアップされていなかった環境から最新版に上げる際に押さえておきたい変更点をまとめます。

変更カテゴリ 主な内容 体感メリット
3mf 対応強化 マテリアル・パラメータ情報を 3mf に内包し、機種間移行が容易に 設定の引き継ぎ・共有が楽になる
サポート生成改良 自動サポートの密度・接点形状の改善、外しやすさ重視のプリセット追加 サポート跡が小さく、ニッパーで切り離しやすい
UI 更新 ダークモード、設定パネルの整理、頻用ボタンのワンクリック化 作業効率が上がり、設定の取りこぼしが減る
機種プロファイル拡充 16K機種、Phrozen Mighty Revo 16K、Anycubic M7 Pro / M7 MAX などへの対応強化 最新機種の出荷時設定をそのまま使える
中空化・抜き穴アシスト 肉厚プレビュー、抜き穴の最適配置、自動診断の改良 レジン消費量を抑え、造形失敗を減らせる

アップデート時の注意:古いバージョンで作成したプロファイル(露光時間・サポート設定)は新しいUIで微妙に項目位置が変わる場合があります。アップデート前に旧プロファイルをエクスポート、もしくはスクリーンショットで控えておくと、設定の移し替えが安心です。

📦 3mfファイルそのものについて

CHITUBOX最新版が対応した3mfファイル形式の詳細は、3mfファイル完全ガイド でSTLとの違い・内部構造・マルチカラー活用まで解説しています。

SK水洗いレジン 3種類の使い分け|用途別フローチャート

SK本舗の水洗いレジンは、用途に応じて3つのグレードを揃えています。まずはどのレジンがご自分の用途に合うかを確認してください。

標準:SK水洗いレジン

扱いやすさ重視のスタンダード。フィギュア・モデル・小物の制作から初心者の最初の1本まで幅広くカバー。コストパフォーマンスも良好です。

高解像度:SK10K水洗いレジン

10K以上の高解像度プリンター(Saturn 4 Ultra 16K / Photon Mono M7 Pro / Sonic Mighty Revo 16K 等)で本領発揮。微細なディテール表現を重視する方向け。

高精度:SK高性能水洗いレジン

寸法精度・吸水抑制・塗装適性に優れたハイグレード。嵌合パーツ・組み立てモデル・塗装前提の作品に。強度・粘りが必要な用途にもおすすめです。

用途別フローチャート(Q1〜Q4)

「結局どれを選べばいいか分からない」という方のために、4つの質問で選び分けるフローチャートをご用意しました。

Q1. 機種の解像度は?

8K以下 → 標準 / 12K以上 → 10K も検討 / 16K → 10K の効果を最大化できます。

Q2. 嵌合・組立はある?

嵌合パーツ・組立モデル → 高性能 / 単体造形のみ → 標準 or 10K でOKです。

Q3. 塗装は前提?

サフ→塗装前提 → 高性能(食いつき・寸法保持が良好) / 無塗装鑑賞 → 標準 or 10K。

Q4. ディテールの細かさは?

髪・布・装飾の極細ディテール命 → 10K / シルエット重視 → 標準で十分です。

SK水洗いレジン(標準)のカラー別推奨設定

以下の値は SK本舗 商品ページに掲載されている SK水洗いレジン(標準)の公式推奨設定(目安値)です。室温20〜25℃、レジンを印刷前に十分撹拌した状態を前提としています。

機種別推奨設定 比較表のイメージ
機種別の推奨露光時間・ボトム露光のサマリーイメージ。実値は下表をご参照ください。
カラー 露光時間(通常層) 初期露光時間
灰色・白色・肌色 2〜3秒 25〜30秒
透明色 3〜4秒 25〜30秒
黒色・青色・赤色・緑色・銀灰色 2.5〜3.2秒 25〜30秒
黄色・橙色・水色・紅色・薄茶色・深海色・朱色・翠玉色 2.3〜3秒 25〜30秒
蒼色 2.5〜3.5秒 25〜30秒
紫色 2.7〜3.5秒 25〜30秒

※ 機種・環境により最適値は前後します。造形が太る場合は0.5秒減、痩せる場合は0.5秒増で調整してください。

SK10K水洗いレジン のカラー別推奨設定

SK10K水洗いレジンは、10K以上の高解像度プリンターでの微細ディテール再現を最適化するために配合を調整したグレードです。層露光時間 2〜3.5秒・ボトム露光時間 28〜35秒が公式の目安で、カラー・機種により最適値が変わります。一般に、Neo Clear は2〜3.5秒、Dusk Gray・Snow White・Nebula Black は2.5〜3.5秒が出発点として安定します。

ELEGOO Saturn 4 Ultra 16K 機材写真
ELEGOO Saturn 4 Ultra 16K。SK10K水洗いレジンの代表的な相性機種です。
カラー 露光時間(通常層) 初期露光時間
Dusk Gray・Snow White・Nebula Black 2.5〜3.5秒 28〜35秒
Neo Clear 2〜3.5秒 28〜35秒

※ 機種・環境により最適値は前後します。造形が太る場合は0.5秒減、痩せる場合は0.5秒増で調整してください。必ずテストプリント(XPテスト等)で詰めてください。

Phrozen Sonic Mighty Revo 16K 機材写真
Phrozen Sonic Mighty Revo 16K。大型造形+高解像度の代表機種です。

SK高性能水洗いレジンの設定の考え方

SK高性能水洗いレジンは、寸法精度・吸水膨張抑制・塗装適性に重点を置いたハイグレードです。露光時間は機種共通の出発点として 層露光時間 2.5〜4秒・ボトム露光時間 25〜36秒(公式の目安)で安定造形します。

ただし、露光を増やしすぎると後述の「レジン太り」が顕著になり、嵌合パーツの精度が崩れる原因になります。寸法精度が必要な部品では、出発点を短めに設定してテストプリントで詰めるアプローチが王道です。

高性能レジンの調整原則

「強度を出したいから長め」ではなく、「寸法精度を守りたいから短め基準」で出発するほうが結果的に成功率が高まります。サポート跡・嵌合精度・塗装下地のなめらかさ、すべてが 露光時間と相関するため、XPテストで2〜3水準を比較するのが確実です。

メーカー別のクセと注意点

同じ「16K機」でも、メーカーごとに UV光源の波長・出力・LCDパネルの特性・出荷時プロファイルの設計思想が異なります。SK本舗 公式推奨値を入れたうえで、メーカー別のクセを踏まえて微調整するとさらに安定します。

Anycubic Photon Mono M7 Pro 機材写真
Anycubic Photon Mono M7 Pro。出荷時プロファイルが強めの傾向があります。

ELEGOO(Saturn / Mars / Jupiter)

出荷時プロファイルは比較的中庸で、SK本舗 公式値をそのまま入れて成功率が高い印象です。Saturn 4 Ultra 16K は離型速度が速いため、薄物・大型はリフト距離を少し増やすと安定します。

Anycubic(Photon Mono M7 Pro / M7 MAX / M5s Pro)

出荷時プロファイルは露光・サポート密度ともにやや強めの傾向。レジン太りが出やすいので、嵌合精度を求める場合は −0.2秒から試すのが安全です。

Phrozen(Sonic Mighty / Mega 8K 系)

UV出力の安定性が高く、露光時間に対する造形品質の追従が素直です。Mighty 12K / Revo 16K では公式値どおりが当たりやすく、夏冬の温度変動にもブレが少ない傾向です。

EMAKE3D(Stellar pre 16K / EMK-L5 / L9)

大型造形・産業用途寄りの設計で、ボトム露光をやや厚めに取ると剥離トラブルが減ります。サポートは「ヘビー」寄りで開始し、慣れてきたら段階的に軽くするのが安全です。

季節別の露光調整ガイド

光造形レジンは温度の影響を強く受けます。室温が低いほどレジンの粘度が上がり、UV硬化反応も鈍くなるため、同じ機種・同じ設定でも夏と冬では仕上がりが変わります。

季節・室温 露光補正係数(公式値に対して) 追加対策
夏場(28℃以上) 0.85〜0.95倍(短め) レジン太り対策、エアコンで一定温度保持、直射日光を避ける
標準(20〜25℃) 1.0倍(公式値そのまま) 公式推奨値で運用
梅雨時(湿度70%超) 1.0〜1.05倍(やや長め) レジン保管時の吸湿に注意、撹拌十分に
冬場(15℃以下) 1.10〜1.20倍(長め) レジンを湯煎・保温器で30〜35℃に温める、機械周辺を保温

⚠️ 冬場の典型的な失敗

「夏に成功していた設定で冬も同じ印刷をしたら、サポートで折れた・層間剥離した」というご相談が冬場に集中します。冬場は露光時間を 1.10〜1.20倍、加えてレジンの湯煎(30〜35℃)を試してみてください。それでも改善しない場合は、機械の設置場所を保温された室内に移すのが根本解決です。

⚠️ 露光時間と「レジン太り」の関係(重要)

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水洗いレジンに限らず光造形レジン全般に共通する現象として、露光時間を長くするほど造形物が「設計値より太く硬化」する「レジン太り(オーバーキュア/光ブリーディング)」があります。原因は、UV光が照射範囲を超えて周辺の未硬化レジンも部分的に硬化させてしまうためです。

レジン太りの図解(設計値と硬化範囲の差)
レジン太りの仕組み。UV光のにじみが設計値より外側のレジンを硬化させ、寸法がふくらみます。
症状 よくある原因 対処
嵌合パーツが入らない・きつい 露光時間が長すぎてレジン太り 層露光を 0.2秒ずつ短縮 → 再テスト
細部のディテール(凹凸)が潰れる 同上 + UV光の強い機種特性 層露光短縮 + 機種側の輝度(LED出力)も確認
穴が小さく開いてしまう 穴周辺のレジン太り CADで穴径を +0.1〜0.2mm 大きくする補正
サポート跡が大きく残る サポート接点の過剰硬化 層露光短縮 + サポートチップを細く設定

逆に、露光時間が短すぎると層間剥離・サポート折れ・造形物の脆さなどが発生します。「短すぎず・長すぎず」のスイートスポットを見つけるには、XPテスト(露光テスト用モデル)を使って機種ごとに最適値を詰めるのが王道です。

調整の原則:嵌合・寸法精度を優先するなら「短め基準」で詰める。強度・剥離防止を優先するなら「長め基準」。SK本舗 公式推奨値はこの中間で、「最初の1台目」として最も成功しやすい値に調整されています。

CHITUBOX での設定手順(5ステップ)

Step 1:機種プロファイル追加

CHITUBOX 起動 → プリンター追加 → メーカー(ELEGOO / Anycubic / Phrozen / EMAKE3D)→ 機種選択。

Step 2:Resin タブで設定

右側パネルの「Resin」タブから新しいレジンプロファイルを作成 →「SK水洗いレジン」「SK10K水洗いレジン」「SK高性能水洗いレジン」のように命名。

Step 3:露光時間とボトム設定

上の表の値を入力。ボトム層数は機種の出荷時プリセット(一般的に5〜8層)をそのまま使うのが安全です。

Step 4:サポート設定の確認

フィギュアやガレージキットなら「ライト」サポート、機能部品なら「ヘビー」が安全。寸法精度重視ならサポートチップを細めに。

Step 5:テストプリント

XPテストモデル(露光テスト用)を印刷 → レジン太りなら −0.2秒、剥離するなら +0.2秒で微調整してください。

キャリブレーション詳細|XPテストの読み方

XPテスト(Exposure Pattern Test)は、1枚のテストモデルで複数の露光条件・形状を同時に評価できる定番モデルです。CHITUBOX で開いた後、各機種の解像度に合わせて配置するだけで、レジン太り・サポート折れ・細部再現・嵌合精度を1回の印刷でまとめてチェックできます。

XPテストモデルの造形例
XPテストモデルの造形例。穴・突起・嵌合・細線などをまとめて評価できます。

XPテスト用STLを入手する

XPテストには複数の定番無料STLが公開されています。ご利用の機種・解像度に合わせて選んでください。SK本舗運営の 3D DATA JAPAN にも順次掲載予定です。

※ 各STLのライセンス(多くは Creative Commons)に従ってご利用ください。商用利用前は配布元の規約を必ずご確認ください。

XPテストで見るべき5つのポイント

① 穴の通り

設計値0.5mm/1.0mm/2.0mmの穴が貫通しているか。穴が塞がる場合はレジン太り、CAD側で +0.1〜0.2mm 補正が必要。

② 突起・細線の再現

細い突起が折れていないか、根元が太くなっていないかを確認。太っていれば露光短縮、折れていれば露光延長。

③ 嵌合・段差

設計0.1mm刻みのクリアランスがどこから入るか。実用部品はその値+0.05mm を目安に設計に反映。

④ サポート跡

サポートを外した跡の大きさ・残り。大きければチップ径を細く、または露光短縮で改善します。

⑤ 文字・ロゴの輪郭

浮き出し文字・刻印文字の縁が潰れていないか。輪郭がもやけていれば露光短縮で輪郭がシャープになります。

補正値の計算式(簡易)

嵌合補正の目安

CAD補正値 = (実測寸法 − 設計寸法) × 1.0 〜 1.2

例:設計10.0mmが実測10.15mmなら、CAD側を9.85mmに変更(−0.15mm)。係数1.2は安全側(緩め)。

露光時間調整の目安

調整幅 = 公式値 × 0.05 〜 0.10(1ステップ)

公式値3秒なら、1ステップ ±0.15〜0.30秒。最初は ±0.2秒 で2〜3水準のテスト印刷を推奨します。

よくあるトラブルと対処法

トラブル1:プラットフォームに張り付かない

ボトム露光時間が不足している可能性があります。ボトム露光を +5秒、ボトム層数を +2〜3層に増やしてみてください。それでも改善しない場合は、プラットフォームを脱脂してから再装着し、レベリング(Z軸調整)を再度行ってください。

トラブル2:細部がベタつく・潰れる・嵌合パーツが入らない

露光時間が長すぎてレジン太りが起きている可能性が高いです。0.2秒ずつ短くしながらテストプリントしてみてください。室温が高い夏場は標準より露光時間を短めにすると安定します。CADで穴径を +0.1〜0.2mm 補正するアプローチも有効です。

トラブル3:層間剥離(横線が入る・割れる)

離型速度が速すぎるか、室温が低くてレジンが固くなっている可能性があります。離型距離を 5→6mm に増やし、Z軸下降速度を 45mm/min に落としてください。冬場はレジンを湯煎で温めるのも効果的です。

トラブル4:色むら・気泡が出る

レジン撹拌不足か、ボトル内のレジン分離が原因です。印刷前に必ず10秒以上ボトルを振り、VAT に入れてから2〜3分静置して気泡を抜いてください。

トラブル5:造形途中で突然サポート折れ・倒壊する

サポート密度・接点径が不足している、または造形物の重量に対して支持点が少ない可能性があります。重量バランスの取れる方向に再配置 → サポートを「ヘビー」または手動追加で増強。背中・大きな面の中央には太めのサポートを追加してください。

レジン太り対処フローチャート
レジン太り発生時の対処フロー。短縮 → CAD補正 → 機種側設定の順で潰します。

水洗いレジンの後処理

SK本舗の水洗いレジンは IPA(イソプロピルアルコール)不要で水だけで洗える点がメリットです。後処理は次の流れで行ってください。

後処理4工程の図解(洗浄・サポート除去・二次硬化・仕上げ)
水洗いレジンの後処理フロー。洗浄→サポート除去→二次硬化→仕上げの順で進めます。
  1. 洗浄:印刷直後の造形物を水(または30〜35℃のぬるま湯)で2〜3分浸け置き → 軽く振り洗い → サポート部の細部を歯ブラシで擦る
  2. サポート除去:水洗い直後の柔らかい状態でサポートをニッパーで切り落とすと跡が残りにくい
  3. 二次硬化:UV庫(ELEGOO Mercury / Anycubic Wash & Cure 等)で5〜10分硬化
  4. 仕上げ:ヤスリがけ → 必要に応じてサフ → 塗装

他スライサー比較(CHITUBOX / Lychee / Voxeldance Tango / Formware 3D)

光造形向けスライサーは CHITUBOX 以外にも選択肢があります。SK水洗いレジンはどのスライサーでも露光時間の値はほぼ共通で使えますが、サポート機能・対応機種・有償化の方針・産業用途への適性に違いがあります。

CHITUBOX vs Lychee vs Voxeldance Tango vs Formware 3D 比較インフォグラフィック
4スライサーの位置づけ比較。導入のしやすさ・サポート品質・対応機種で比較しています。
項目 CHITUBOX Lychee Slicer Voxeldance Tango Formware 3D
無料版の有無 あり(Basic) あり(広告あり) あり(基本機能) 体験版あり・製品版有料
対応機種の幅 主要メーカーほぼ全機種 主要機種+一部マイナー機種 主要機種+産業用途 主要機種+業務向け詳細制御
日本語UI 完全対応 部分対応 部分対応 部分対応(SK本舗で日本語サポート)
自動サポート品質 標準的・改良が継続中 細かい制御に強み バランス型 精密制御・カスタムサポート充実
中空化・抜き穴 対応 対応(細かい設定) 対応 対応+肉厚解析・補強配置
機械補正・歪み補正 基本対応 基本対応 対応 強み(Pixel 補正・XY補正・歪み補正)
学習コスト 低(初心者向き) 中(機能多) 中〜高(プロ向け)
向いている用途 入門〜上級まで万能 サポート手作業派 産業・量産系 歯科技工・ジュエリー・精密造形

SK本舗の推奨

最初の1本目は CHITUBOX Basic を強くおすすめします。日本語UI・対応機種の広さ・SK本舗 公式値をそのまま入れて成立する点で最も成功率が高い選択肢です。サポートを手で詰めたくなったら Lychee、産業用途に踏み込むなら Voxeldance Tango、歪み補正・マシン補正・カスタムサポートをフル活用して精密造形・本格業務に使い込みたいなら Formware 3D を併用するイメージです。

Formware 3D

🛠️ Formware 3D は SK本舗で販売中

高精度な歪み補正・カスタムサポート・肉厚解析を備えたプロ向けスライサー。SK本舗では正規ライセンスを販売し、日本語サポートもご提供しています。歯科技工・ジュエリー・精密モデル制作の方向けです(税込価格は商品ページでご確認ください)。

Formware 3D 商品ページを見る →

→ 機能詳細・明細スペック、スタートアップガイドは Formware 3D ブランドページ もあわせてご覧ください。

動画リソース・公式マニュアル

テキストよりも実機の動きを見たほうが理解しやすい設定項目もあります。下記の公式リソースとあわせて本記事をご活用ください。

CHITUBOX 公式

公式サイトのチュートリアル・リリースノートで最新版の機能差分・既知の不具合を確認できます。新機能を試す前に一読がおすすめです。

SK本舗 YouTube

機種別の開封・初期セットアップ・トラブル対処の動画を順次公開中。CHITUBOX の設定画面の操作感は動画でつかむのが最短ルートです。

メーカー公式マニュアル

ELEGOO・Anycubic・Phrozen・EMAKE3D 各社の機種別ユーザーマニュアルは、ボトム層数・推奨リフト距離など機種依存パラメータの一次情報源として有用です。

よくある質問(10問)

Q1. SK水洗いレジン・10K・高性能、どれを選ぶべきですか?

用途で選び分けるのが王道です。初心者・標準用途なら「SK水洗いレジン」、10K以上の高解像度機種で微細ディテールを求めるなら「SK10K水洗いレジン」、嵌合パーツや塗装前提の寸法精度を最優先するなら「SK高性能水洗いレジン」がおすすめです。

Q2. SK水洗いレジンと標準(IPA洗浄)レジン、何が違いますか?

大きな違いは後処理の手間です。標準レジンは IPA(イソプロピルアルコール)での洗浄が必要ですが、水洗いレジンは水だけで洗えるため、廃液処理・換気の負担が大幅に減ります。造形品質は標準レジンと同等以上を実現しています。

Q3. CHITUBOX 以外のスライサーでも使えますか?

Lychee Slicer、Voxeldance Tango、Formware 3D など主要光造形スライサーすべてで使用可能です。露光時間などのパラメータは CHITUBOX と共通の値が出発点として使えます。

Q4. 露光時間を増やしたら造形物が太くなり、設計と合わなくなりました

「レジン太り(過剰硬化)」が起きている状態です。露光時間を 0.2〜0.4秒ずつ短くしてテストしてください。それでも調整しきれない場合は、設計側で穴径を +0.1〜0.2mm、嵌合部分のクリアランスを +0.1mm 拡大する補正をかけるのが定石です。

Q5. 表にない機種で使う場合、どう設定すればよいですか?

同等の解像度・スクリーンサイズの機種を表から探し、その値を出発点にしてください。例えば 16K相当の機種なら Saturn 4 Ultra 16K や Sonic Mighty Revo 16K の値、12K相当なら Mighty 12K の値をベースに、室温と造形物に合わせて微調整するのが近道です。お使いの機種が不明な場合は、SK本舗のお問い合わせ(/pages/contact)までご相談ください。

Q6. 水洗いレジンは廃水を排水溝に流していい?

未硬化レジンが残った洗浄水は排水溝に流してはいけません。広口容器に集めて、UVライト(または屋外で日光)でしっかり硬化させてから、各自治体のルールに従って廃棄してください。SK本舗では二次硬化用UV庫もご用意しています。

Q7. CHITUBOX Pro と Basic、どちらを買うべきですか?

個人趣味用途・嵌合精度を厳密に求めない造形であれば、Basic(無料)で十分にカバーできます。製造業・歯科技工・受託造形・量産バッチで サポート最適化や商用ライセンスが必要な場合に Pro の価値が出てきます。まずは Basic で始め、機能不足を感じたら Pro 検討、という順序がおすすめです。

Q8. 夏と冬で同じ設定なのに仕上がりが違うのはなぜ?

レジンは温度による粘度・反応速度の影響を強く受けます。夏場は0.85〜0.95倍の短め、冬場は1.10〜1.20倍の長めが目安です。冬場はレジンの湯煎(30〜35℃)も併用すると安定度が大きく向上します。本記事の「季節別の露光調整ガイド」もあわせてご覧ください。

Q9. XPテストモデルはどこで入手できますか?

公開されている露光テスト用モデル(XPテスト系・Validation Matrix 系)が複数あり、いずれも CHITUBOX で開いて機種解像度に合わせて配置するだけで使えます。SK本舗のサポート窓口でも、機種別の使い方ガイドをご案内しています。

Q10. LCDパネルの寿命はどれくらいですか?露光時間を伸ばすと寿命が縮みますか?

機種・使用頻度・環境によりますが、モノクロLCDは2,000〜3,000時間程度が一般的な目安です。露光時間を伸ばすと比例して累積照射時間が増えるため、結果的にLCD寿命を縮める方向に働きます。寸法精度を保ちつつ露光を必要最小限に抑える運用が、LCD保護の観点でも合理的です。

SK水洗いレジン3種類と対応機種は SK本舗で

SK本舗ではオリジナル水洗いレジン3種類(標準・10K・高性能)と、ELEGOO・Anycubic・Phrozen・EMAKE3D 等の主要光造形機を取り扱っています。レジン選びに迷ったらお気軽にご相談ください。法人・教育機関・受託造形事業者の方は、SK本舗 法人窓口までお問い合わせください。

水洗いレジンを見る 対応光造形機を見る

関連記事

本記事は2026年4月時点の SK本舗 オリジナルレジン3種類と CHITUBOX の仕様に基づいています。各機種・室温による最適値の差は実機テストで微調整してください。

最適な3Dプリンターをプロに相談したい

SK本舗はBambu Lab・ELEGOO・Anycubic等21ブランド以上の正規代理店(3Dプリンター事業)です。用途・予算別に最適機種をご提案します。