タブレット端末でも3Dモデリング! 2024年におすすめのアプリ5選
ポータブルで気軽なモデリング体験
つい最近まで3Dモデリングのためにはハイスペック大容量のデスクトップPCが欠かせなかった。しかし、技術進歩のペースは早いもので、今ではiPhoneやiPadなどのタブレット端末でも3Dモデリングが可能な状況となっている。
もちろん、本格的で専門的な3Dモデリングをしようという場合は、いまなおデスクトップPCで行った方が良いだろうが(現状でiPad向けの3Dモデリングアプリにはパラメトリックモデリング機能がない)、比較的に簡易でシンプルな3Dモデリングであれば、タブレット端末と専用のアプリさえあれば、かなりの水準で行えるようになっている。
そこで、ここでは2024年現在、おすすめのタブレット端末向け3Dモデリングアプリを紹介したい。
1.SketchUp Go
SketchUpといえば、現在、最も人気ある3Dモデリングアプリケーションの一つ。ただ、本家SketchUpは専門家や建築家を対象として想定したアプリケーションであり、使用環境もデスクトップPCが想定されている。
このSketchUp GoはSketchUpからモバイルでの利用向けに制作された下位版。もちろん本家よりも機能は劣るが、本家SketchUpと完全に統合されているため、すでにSketchUpで作成したデータを使用したり、逆にモバイルで作成したデザインを本家SketchUpで仕上げたりすることもできる。
機能としては3Dモデルのスケッチやマークアップ、カメラを用いたテクスチャの作成などを行うことができる。
2.Moblo
Mobloは家具の設計などを好むDIY愛好家に向けられた3Dモデリングアプリ。専門家よりも初級者に向けられたもので、そのぶん、簡単に習得して使用することができる。
基本的にはデフォルトパーツを操作して組み立てながらモデリングしていく仕組み。ゲーム感覚で気楽に、かつ簡易にカスタム家具の3Dデータを作ることができるが、いわゆる3Dモデリング感覚は乏しいかも。基本的には無料(プレミアム版は有料)で使えるのが嬉しい。
3.Prisma3D
ダウンロード数が100万回を超える人気3Dモデリングアプリ。45種類状の3Dファイルをインポートでき、かつOBJ、MP4の拡張子にエクスポートすることができる。スマートフォンで気軽に使用でき、かつBlendaなどのソフトウェアでそのデータを引き継いで作業することができる点も魅力だ。
一点、Prisma3Dはまだβ版としてのリリースにとどまっており、バグの報告なども多いという。使用される際は趣味レベルでの使用に留めておいた方が安全かもしれない。
4.Qubism
パブロ・ピカソの画法として知られる「キュビズム」を名称とするこの3Dモデリングアプリは、その名の通りキュープ状のブロックを指で操作してモデリングを行うシンプルなアプリとなっている。うまく使いこなせば、シンプルで迅速なモデリングを行うことができ、価格が完全に無料であることから、タブレットでの3Dモデリングを試してみたい人の導入としてはおすすめと言えるだろう。
難点としては、ユーザーインターフェイスは洗練されているとは言い難い点、作成したモデルをPC転送する場合にファイル拡張子をその都度変換する必要があるという点だろうか。
5.Shapr3D
Shapr3Dはプロのエンジニアや工業デザイナーを対象とするセミプロ以上向けの3Dモデリングアプリ。搭載されているモデリングエンジンはプロフェッショナル向けのモデリングソフトウェアであるSolidWorksと同じものであることからも、その機能性の高さが窺える。
普段はデスクトップで作業をしている人が、外出先でも編集を継続したり、ベースとなるコンセプトを作成したりする際に用いるのがオススメ。逆に言えば、趣味レベルで簡単な3Dモデリングをちょっと試したいだけという人にはあまり向かないだろう。
限定無料版も存在するが、基本は年間約240ドルの使用料が発生する。
現在はスカルプト用アプリなども充実
さて、今回は主にダイレクトモデリングを提供しているアプリを紹介したが、その他にもモバイルデバイスからアクセスできるAutoCADのWebバージョンやスカルプト用アプリなども存在する。
特にスカルプト用アプリに関しては、普段から指で操作するタブレット端末との相性が良く(データが高解像度となりがちでファイルサイズが大きくなってしまうなどの難点もある)、タブレット上での操作に適している。こちらについてはまた期をあらためて紹介したいと思う。