Q
FDMのノズル温度は素材によって違う。PLA、PETG、ABS、ASA、TPU、Nylonそれぞれで何℃が推奨値なのか、メーカー(Bambu Lab、Polymaker、Prusament、eSUN)の公式値を早見表でまとめてほしい。ベッド温度も合わせて知りたい。
結論
ノズル温度はメーカーごとに10〜20℃の幅があるが、素材種別としての帯域はほぼ決まっている。PLA:190〜230℃、PETG:230〜260℃、ABS:240〜260℃、ASA:240〜265℃、TPU:210〜240℃、Nylon(PA):260〜280℃が目安。実際はスプールのラベルや公式TDS(技術データシート)に従うのが確実。Bambu Lab系フィラメントはBambu Studio/OrcaSlicerのプリセットに全部入っており、Polymaker PolyLite・Prusamentはそれぞれ公式プリセットが配布されている。
素材別・メーカー別ノズル温度早見表
| 素材 | Bambu Lab | Polymaker | Prusament | eSUN(参考) | ベッド温度 |
|---|---|---|---|---|---|
| PLA | 200〜230℃ | 190〜230℃(PolyLite) | 215℃ | 190〜220℃ | 55〜65℃ |
| PLA+ / Tough PLA | 210〜230℃ | 215〜235℃ | 215℃ | 205〜225℃ | 55〜65℃ |
| PETG | 240〜260℃ | 230〜260℃(PolyLite) | 240〜250℃ | 230〜250℃ | 70〜80℃ |
| ABS | 240〜270℃ | 240〜265℃(PolyLite ABS) | 255〜265℃ | 230〜250℃ | 90〜110℃ |
| ASA | 240〜270℃ | 240〜265℃ | 260℃ | 240〜260℃ | 100〜110℃ |
| TPU 95A | 210〜230℃ | 220〜240℃ | 230〜240℃ | 210〜230℃ | 40〜60℃ |
| PA(Nylon) | 270〜290℃ | 260〜280℃(PolyMide) | 270〜285℃ | 250〜270℃ | 90〜100℃ |
| PC(Polycarbonate) | 260〜280℃ | 260〜280℃ | 275℃ | 260〜280℃ | 100〜110℃ |
| PLA-CF / PETG-CF | 220〜260℃ | 220〜260℃ | 230〜250℃ | 220〜250℃ | 55〜80℃ |
※実際のスプールラベル・公式TDSが最優先。ロット差・アディティブ差で最適温度は±5〜10℃変動する。
判断基準
- まず公式推奨の中央値で試す。例えばPLA 200〜230℃なら210〜215℃から
- 層間接着が弱い、糸引きが起きる→温度を5〜10℃上げる
- 糸引き・焦げ・過剰光沢→温度を5〜10℃下げる
- 高速印刷(150mm/s以上)→推奨上限寄りに。体積流量に温度が追いつかないため
- Temperature Towerで実機検証するのが最も確実。OrcaSlicer/PrusaSlicer両方に機能あり
- ノズル種類で補正:硬化鋼ノズルは+5℃、真鍮ノズルは公式値通り
注意点
- 素材種別ごとに帯域が重なる部分があるが、推奨値を超えると加水分解・炭化・黄変の原因になる
- PETGを260℃以上で長時間印刷すると糸引きが悪化。230〜240℃が実用的な最適点
- ABS/ASAはチャンバー温度が重要。ノズル温度だけ上げても反りは防げない。Bambu Lab X1C/P1S、Prusa CORE One/MK4+純正Enclosure など密閉機推奨
- TPUは温度よりも速度がボトルネック。210〜230℃で十分、リトラクションを弱め・速度を20〜40mm/sに
- Nylonは印刷前の乾燥が絶対。湿ったままでは温度をいくら合わせても気泡・糸引きが出る
- CF(カーボン繊維)配合材は硬化鋼ノズル必須。真鍮ノズルだと数スプールで摩耗する
- スプールラベルの値が最優先。同じ素材でもメーカー・グレードで配合が異なる
まとめ
ノズル温度は「素材種別の帯域」と「メーカー公式推奨」の2層で決まる。PLA 200〜220℃、PETG 240〜250℃、ABS 255〜265℃、ASA 260℃、TPU 220〜230℃、Nylon 270〜285℃が実用的な中央値。Bambu Lab・Polymaker・Prusament・eSUNのどれも、スプールラベルとスライサープリセットに公式値が反映されているので、まずはそれに従う。糸引き・層間接着で問題が出たらTemperature Towerで微調整するのが正攻法。
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