
平面的な3Dプリント芸術を可能にするソフトウェア「HueForge」が生み出した新発想
3Dプリンターは、立体的な造形物を生み出すことに優れている。しかし、あえて「2D」に近い作品を3Dプリンターで作るとしたらどうなるだろう。この逆転の発想を可能にするのが、HueForgeというソフトウェアだ。
一見すると3Dプリンターの本質に反しているように思えるが、HueForgeがもたらすのは、プリントの表面に立体感や質感を与える新たな表現手法だ。3Dプリンターで作られた擬似2D作品は、色が鮮やかに映え、レイヤー構造による触覚的な特性を持つ。さらに、特定のフィラメントの透明性を活用することで、従来の手法では得られない深みやニュアンスを加えることができる。
HueForgeの仕組みと「Filament Painting」
HueForgeは、フィラメントの透明性を活用した「Filament Painting」という手法を提案している。これにより従来の3Dプリントでは難しかった、多層構造による色彩表現を可能にしている。HueForgeの核となる技術は、Transmission Distance(TD)と呼ばれる概念だ。
画像/HueForge
Transmission Distance(透過距離)とは
TDは、フィラメントを光がどの程度透過するかを測る指標だ。フィラメントの厚みや素材ごとの透明度が、光の透過具合に影響を与える。HueForgeはこの透過特性を基に、レイヤーの厚みや順序が最終的な色彩表現にどう影響するかを計算する。
TDが低いフィラメント:ほとんど光を通さない(例:黒いフィラメント)。
TDが高いフィラメント:光を多く通す(例:透明フィラメント)。
この仕組みにより、HueForgeは、レイヤーの順序や厚みを調整することで、わずかな色数から幅広い色彩を生み出すことができるのだ。
HueForgeの実用性と他ソフトとの違いは?
HueForgeが特に優れている点は、最終的な色合いを事前に正確にプレビューできることである。一般的なスライスソフトウェアでは、フィラメントの透明性を考慮したプレビューは不可能だ。しかし、HueForgeはこの点で一線を画す。スライスプレビューとHueForgeのプレビューを切り替えて比較する機能を持ち、ユーザーが完成品のイメージをより具体的に確認できる。
さらに、HueForgeではフィラメントを実際に混ぜるのではなく、レイヤーを重ねることで色を「混ぜたように見せる」ことが可能だ。この手法により、マルチカラー対応の高価なプリンターを使用せずに多彩な色合いを表現することができる。
HueForgeを支える技術と成長
HueForgeは2023年にソフトウェア開発者のスティーブ・ラヴァダスによって開発された。すでにPolymaker、Bambu Lab、Protopasta、Prusamentなどの主要フィラメントブランドのライブラリを搭載しており、ユーザーが使用するフィラメントの特性を簡単に統合できる仕様となっている。
また、2024年のFormnextでは、HueForgeがPolymakerの展示ブースにて注目を集めた。特に「Original HueForger」の名で知られるIan Smalleyによる作品は、HueForgeの可能性を大いに示した。
現在、HueForgeはWindows 10/11、Mac OS 11以降、Linuxで利用可能である。公式YouTubeチャンネルでは、チュートリアル動画が多数公開されており、初心者でも操作方法を学びやすい。また、現時点ではいくつかのバグが報告されているため、販売価格は控えめに設定されている。個人利用であれば生涯ライセンスが24ドルで提供されており、今後の価格上昇を見越して早期購入を検討する価値がある。
HueForgeの魅力と未来
HueForgeの挑戦は、3Dプリントにおける新たな可能性を切り開くものだろう。スライスソフトの限界を超えたプレビュー機能や、透明性を活かした色彩表現は、特にアーティストやクリエイターにとって魅力的だ。低価格で手軽に利用できる点も、広く普及する鍵となる。
HueForgeの公式ウェブサイトで詳しい情報が提供されているため、興味がある方はぜひチェックしてほしい。現在の低価格での利用機会を逃さないよう、早めに導入を検討しておいた方が良いかもしれない。
HueForge:https://shop.thehueforge.com/
【お役立ち記事】
【2024年】おすすめ10選!3Dプリンターを比較・解説!
https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/2024osusume?_pos=14&_sid=8d1033306&_ss=r
【2024年】おすすめのスライサーソフト6選|スライサーソフトの基本も解説!
https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/2022soft?_pos=12&_sid=8d1033306&_ss=r
【2024年版】3Dモデリングの基礎知識と初心者がつまずきやすいポイント
https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/moderingkisozen?_pos=7&_sid=b0e55afc3&_ss=r
2024年に3Dデータを無料でゲットするならここ!|おなじみサイトからこれから伸びそうなサイトまで紹介
https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/3dmuryodata2022
【FDM方式VS光造形方式】 違いや選び方|初心者にも分かりやすく解説
https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/3dbegin
【通販はこちらから】
3Dプリンターの通販ページ
https://skhonpo.com/collections/3dprinter-all
フィラメントの通販ページ
https://skhonpo.com/collections/filament
レジンの通販ページ
https://skhonpo.com/collections/3dprinter-resin
FDM方式向けの便利グッズの通販ページ
https://skhonpo.com/collections/conveniencegoods-fff
SLA方式向けの便利グッズの通販ページ
https://skhonpo.com/collections/conveniencegoods-lcd