家庭用FDM3Dプリンターで使用できる特殊素材のフィラメントを紹介
1. 木材系フィラメント(Wood Filament)
木材系フィラメントは、PLAをベースに木粉が混ぜられたフィラメントで、プリント後に木のような見た目や質感を持つオブジェクトが作れます。家具の部品や装飾品を作る際に非常に魅力的な素材です。
特徴:木材の独特の風合いが出せるほか、プリント後に研磨や染色が可能です。
注意点:木粉が含まれているため、ノズルが詰まりやすいことがあります。ノズルサイズは0.5mm以上が推奨されます。
2. 炭素繊維フィラメント(Carbon Fiber Filament)
炭素繊維フィラメントは、PLAやPETGなどのベース素材に炭素繊維が配合されているフィラメントです。炭素繊維の軽さと強度を兼ね備えているため、高強度かつ軽量なパーツを製造するのに適しています。
特徴:強度が非常に高く、剛性のあるパーツを作ることができます。ドローンやラジコンパーツ、車両部品などに最適です。
注意点:炭素繊維がノズルを摩耗させやすいので、ステンレス製や硬化スチールノズルの使用が推奨されます。
3. 金属系フィラメント(Metal Filament)
金属フィラメントは、PLAをベースに金属粉(銅、ブロンズ、真鍮など)が混合されたフィラメントです。プリント後の仕上がりは、本物の金属のような重みや光沢が得られ、アート作品やデザイン製品の製造に適しています。
特徴:仕上げ加工(研磨や酸化処理)により、さらにリアルな金属感を出すことが可能です。
注意点:フィラメントが重いため、ノズルの詰まりや摩耗が起こりやすく、ノズルの選定やフィラメントの扱いには注意が必要です。
4. ゴム系フィラメント(TPU, TPE)
TPU(熱可塑性ウレタン)やTPE(熱可塑性エラストマー)フィラメントは、ゴムのような柔軟性を持ち、弾力のある部品や製品を作ることができます。例えば、スマートフォンケースや柔軟なジョイント、ゴムタイヤなどの製造に利用されます。
特徴:弾力性や柔軟性に優れ、耐久性も高いのが特徴です。柔らかい部品を必要とするプロジェクトに最適です。
注意点:柔軟なフィラメントはノズルや押出機内での詰まりが起こりやすいため、押出機に対する調整が必要です。ボーデンタイプの押出機よりも、ダイレクトタイプの押出機が推奨されます。
5. ポリカーボネートフィラメント(PC)
ポリカーボネート(PC)フィラメントは、非常に強力で耐熱性に優れた素材です。工業用製品や、耐衝撃性が必要なパーツを作る際に利用されることが多いです。
特徴:優れた耐衝撃性と高温耐性(110℃以上)を持ち、強度が高いので機械部品やプロトタイプ製品に適しています。
注意点:高い印刷温度(260℃〜300℃)が必要なため、3Dプリンターが対応していることを確認する必要があります。また、プリント時の収縮があるため、ヒートベッドを使用して適切な温度管理を行う必要があります。
6. ナイロンフィラメント(Nylon)
ナイロンフィラメントは、高強度かつ耐摩耗性に優れた素材で、機械部品や耐久性が求められるパーツに使用されます。非常に滑らかで柔軟性があり、衝撃にも強いのが特徴です。
特徴:耐摩耗性や耐久性が高く、可動部分のパーツや機械部品に適しています。また、滑らかな表面仕上げも得られます。
注意点:ナイロンは湿気を吸収しやすいため、フィラメントの保管に注意が必要です。湿気を含んだフィラメントはプリント品質に悪影響を与えるので、乾燥剤を使用した保管が推奨されます。
7. PVAフィラメント(Polyvinyl Alcohol)
PVAフィラメントは、水に溶ける特性を持つフィラメントで、主にサポート材として使用されます。2色印刷可能なデュアルエクストルーダータイプのプリンターで使用され、サポート材が不要な複雑な形状のパーツを作るのに役立ちます。
特徴:プリント後に水に溶かしてサポート材を除去できるため、サポート材の後処理が不要です。複雑なデザインや精密なパーツのプリントに最適です。
注意点:フィラメントが湿気に弱いため、湿気の少ない場所で保管し、長期間使用しない場合は乾燥剤と一緒に保存することが推奨されます。
8. HIPSフィラメント(High Impact Polystyrene)
HIPSフィラメントは、衝撃に強いポリスチレン素材で、PLAやABSと相性が良く、サポート材として使われることが多いです。リモネンと呼ばれる溶剤で簡単に溶かすことができ、複雑なモデルや多色プリントでのサポート材として利用されています。
特徴:リモネンで簡単に溶け、後処理が容易です。ABSと一緒に使われることが多く、サポート材として最適です。
注意点:リモネンを使用してサポート材を除去する場合、モデルを傷つけないように注意が必要です。また、ABS同様にヒートベッドが必要です。
様々な素材を使いこなして3Dプリンターを活用しよう
家庭用FDM3Dプリンターで使用できる特殊なフィラメントは、非常に多様であり、用途に応じてさまざまな素材を選ぶことができます。木材系や金属系、柔軟性のあるTPU、さらには耐久性に優れたナイロンやポリカーボネートなど、プリントするオブジェクトの用途や必要な性能に応じてフィラメントを使い分けることで、3Dプリンティングの可能性をさらに広げることができます。
フィラメントの選定には、それぞれの特性とプリンターの対応状況を考慮し、最適な設定で使用することが大切です。
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